年末に知人からもらった広島県福山の土産。ちょっと面白かったので掲載。味は普通にカスタードクリーム入りのシュークリームだった。 商品のサイト: |
|
虎屋のHPから拝借した写真。ソースと削り節がいい感じだ。 |
少し前に下鴨中学校のPTA主催のオンラインセミナーをさせていただいた(2021年12月4日の記事参照)が、その際にお世話をしていただいた高野久紀(こうのひさき)先生が挨拶にこられた。高野先生は京大の経済学部の准教授。開発経済学という、主に発展途上国の経済を扱う分野の研究をされているらしい。 高野先生の教員サイト: 個人サイト: |
ウイルス再生研の3号館は、3年くらい前から2年近くかけて大改築がなされた。現在、1階と2階が動物実験施設になっており、3階は1講座+P3実験施設、4階と5階は2講座ずつ入っている。写真は3階の東寄りにあるセミナー室。 | |
3号館はこの図で言うと37番の建物。ウイルス再生研の建物はこの図で言うと31、32、33、34、36、37番の6棟。31番の建物(ウイルス再生研1号館)には全学のスペースも一部入っている。 | |
3号館のセミナー室の窓から南側を見たところ。前図の36番の建物の東側に、大量に自転車が置かれている。病院西地区の放置自転車を回収してここに置いているらしい。何ヶ月かの間に引き取りに来ないと廃棄されるらしい。それにしてもすごい数だ。 |
ニュートンプレスからの新書、「エレガントな免疫」が上巻・下巻という形で発刊となった。今年の春から夏にかけて、増田さんと渡邊先生に手伝ってもらいつつ、翻訳を監修した。上下巻合わせて700ページを超える大作であるが、ピューリッツァー賞を受賞したという記者が書いているだけあって、読み飽きさせない。HIV,ホジキンリンパ腫,関節リウマチ,全身性エリテマトーデスを患う4人の患者の物語を軸として、免疫学の発展の歴史や免疫の仕組みの解説が話に絡めるように入っており、とても面白い構成になっている。 Amazonのサイト: エレガントな免疫(上) エレガントな免疫(下) ニュートン新書のサイト: エレガントな免疫(上) エレガントな免疫(下) なお、原版(英語版)の方は、Amazonでコメントが500個近く付いて、評価も4.5点と、高い。 Amazonの原版のサイト:Elegant Defense |
この日の午後、ラボの大掃除。 | |
大掃除を見ていると、年末だなあという実感が湧く。忘年会は今年も催せなかった。 |
元ウイルス再生研教授、現沖縄科学技術大学院(OIST)教授の楠見明弘先生が来られた。向かって右は根本悠宇里さん(iCeMS)。 | |
これは2016年12月6日の写真。沖縄で免疫学会があり、会期中の空いた時間にOISTを訪問した。OISTでは楠見先生とお会いして、あれこれ見学させていただいた。OISTは2014年にも一度見学したことがあった(2014年7月4日の記事参照)。建物や設備が規格外に素晴らしい研究所で、世界中から研究者が集まり、研究のレベルも高い。 | |
見学で見せていただいた、楠見研の細胞膜上の1分子を可視化できる顕微鏡。その年の春に異動され、ほぼセッティングが終わったというところだった。 |
この日は藤田医科大学出勤。週末の寒波で伊吹山は雪化粧していた。 |
この前の週の免疫学会も、久々の現地参加であったが、今回の表記の学会も現地開催。今回は2日目のパネルディスカッションの座長と、特別講演で出番があった。 | |
会場は和歌山城の近くのホテルアバローム紀の国。写真は公式HPから拝借。 | |
ホテルの部屋からの景色(海側)。先週の奈良の免疫学会は日帰りだったので、学会出張で宿に泊まるのは2年ぶりだ。このまま日常が戻ればいいのにと思う。 | |
2日目の午前中、腫瘍微小環境のパネルディスカッションで座長。 | |
久々の現地登壇だったので記念写真。向かって左から共同座長の吉田和弘先生(岐阜大学)、パネリストの松島綱治先生(東京理科大)、鵜殿平一郎先生(岡山大学)。いい議論ができたと思う。もう一人のパネリストの西川先生は、所属先の規制により参加がかなわず、ビデオ発表だけになった。 | |
私は午後に特別講演をさせていただいた。 | |
今回の集会長の原勲先生(和歌山県立医大泌尿器科)の挨拶。現地開催できたことを喜んでおられた。 | |
帰路は寒波の襲来で冷たい風が和歌山でも吹き荒れていた。帰路のくろしお号(和歌山-新大阪)は、パンダ顔の車両だった。ネットで調べると、この車両に当たる確率は2/15のようだ。 | |
シートカバー。東京の上野動物園ではパンダの子が生まれたら大騒ぎしているが、和歌山県の白浜のアドベンチャーワールドでは日常茶飯事で、これまでに17頭も生まれているとのこと。中国以外では世界一の繁殖率だそうだ。何でこんなに成績がいいのかというと、スーパーパパなオスが1頭いるからということらしい。中国に返したりしているので、白浜には一部しか残ってないが、それでも今も7頭の大家族がいるとのことだ。 | |
車体にはほかの動物たちがリアルな姿で登場。 |
前日(16日)の教授会で、私(河本)が2022年4月からの研究所の所長として選出された。少し前にも書いたが、ウイルス再生研は、来年4月から名称を「医生物学研究所」に変更する。また、共同利用・共同研究拠点事業については、事業内容を変更する。ウイルス再生研は、2016年の統合後も拠点事業としては再生拠点とウイルス拠点の2拠点を運営してきたが、来年度からは2拠点を統合して1拠点として「ウイルス・幹細胞システム医生物学共同研究拠点」を開始する。小柳所長がしっかりと道をつけてくれてはいるが、4月以後の舵取りは重大な任務だ。身が引き締まる思いがする。 研究所のお知らせサイト: 河本宏教授が次期所長に選出されました |
この日の15時、大塚製薬とリバーセルから同時に、表記の内容のプレスリリースが出された。リバーセルは私(河本)が2019年10月に創業したベンチャー会社で、河本研の研究成果に基づいた即納型再生T細胞製剤の実用化を目指している。会社独自の事業を進める一方で、河本研が開発した技術を特許として他の会社にライセンスすることで技術をより広く活かす活動も進めている。 河本研は大塚製薬とは数年前から共同研究で他家再生T細胞製剤の開発を進めてきていたが、今回の契約は、大塚製薬が世界に向けて進める他家T細胞製剤の戦略に我々の技術を独占的に使うという内容だ。リバーセルとは対照疾患や標的抗原が異なるので、競合することなくライセンスアウトできる。大手の製薬会社と全世界を対象にした商業用ライセンスを結ぶことができたということは、我々の特許技術がそのように評価されたということであり、大きな進展だと考えている。 なお左の写真は翌日(12月17日)の日経バイオテクHPのトップページ。 リバーセルからのお知らせ 日本語: リバーセルと大塚製薬が商業用ライセンス契約を締結 英語: Rebirthel and Otsuka Sign Licensing Agreement for iPSC-derived CAR-T / TCR-T Production Technology 大塚製薬からのプレスリリース 日本語: iPS細胞由来他家CAR-T/TCR-T遺伝子細胞治療製剤の作製技術を導入 英語: Otsuka and Rebirthel Sign Licensing Agreement for iPSC-derived CAR-T / TCR-T Production Technology |
表記の冊子が送られてきた。 | |
目次。冒頭のインタビュー集については、日本免疫学会のHPの以下のサイトで、日本語訳の記事が読める。 https://www.jsi-men-eki.org/50th-anniversary/ |
|
本体は、ミニレビュー集の形を取っている。私が書いた記事は827ページから。日本免疫学会の主だった人達が総出で書いた感があり、読み応えありそうだ。 |
ラボニュース記事は、時々食べ物や植物についての、ラボの活動と全然関係のないどうでもよさそうな記事を載せているが、今回もそういう記事。藤田医科大学に2週間に2日の割合で出勤しているが、復路途上の名古屋駅で時々土産物を買っている。今回、東海エリア限定のGodiva製品を見かけた。商品名や、他の土産物と混ざって普通に陳列されていたことから、「バッタもんでは?」という疑念を持った。 | |
ネットで調べてみたら、バッタもんではなく、れっきとしたGodiva製であることが分かった。この大きさで1枚150円もするが、さすがに香り・味とも素晴らしく、とても美味しかった。 |
菅先生に頂いた水生カタツムリがようやく増え出したと少し前に書いた(2021年12月1日の記事参照)が、その後も順調に育っている。このカタツムリは、最近研究対象として用いている寄生性単細胞生物カプサスポラの、自然界での宿主。もっとも、カプサスポラは長畑君が別個に培地を使って飼育しており、このカタツムリに寄生させている訳ではない。 | |
食欲は旺盛で、配合飼料をあげてしばらくすると、集まってくる。底面に牡蠣殻を敷いているのは、菅先生のアドバイスによるもので、カルシウム分補給のために良いらしい。 |
タイトルはちょっと長く、「新世代フローサイトメトリー活用スタンダード〜生物学・医学・創薬研究で定量・多色解析を活かす! 基本原理の理解と実践プロトコール (実験医学別冊) 」となっている。このシリーズは、2014年に「直伝!フローサイトメトリー」が発刊されて以後、改訂されつつこの業界でのスタンダードテキストとなってきた。 アマゾンのサイト |
|
我々はiPS細胞からキラーT細胞を分化誘導する方法について書かせてもらった。フィーダーフリーでの培養法を紹介している。増田さんによる、全17ページの力作。 |
昨年の免疫学会はオンラインで、コロナに関するシンポジウムだけという、ちょっと寂しい集会だった(2020年12月8日の記事参照)。今年は、日本ではコロナが収まってきたということがあり、現地開催となった。場所は、奈良春日野国際フォーラム 甍(いらか)。奈良公園の中にあり、若草山を背景に従えた素晴らしいロケーションだ。 | |
建物の入り口。テーマは「祈りと科学」。集会長である渋谷彰先生が「疫病退散を祈願するために建立された仏閣がある古都」で開催される事の意味を込めて提唱したテーマ。ネットで調べて分かったことだが、今回のHPやポスターには、画像して医薬の仏である薬師如来や、薬師如来を守護する十二神将の像が使われており、これらの仏像が暗い背景から浮かび上がる様は、荘厳だ。 | |
初日、長畑君が発表するワークショップ「Hematopoiesis and Immune Environment」の会場。現地参加者は普段の4分の1くらいだったようだが、それでもこういう雰囲気は何とも嬉しい。 | |
座長は平田多佳子先生(滋賀医大)と片貝智哉先生(新潟大学)。感染症対策もしっかりしている。 | |
メインホール(ルームA)は、能楽堂になっている。インパクト大だ。スクリーンが小さいのが難点か。 | |
今年の免疫学会賞は堀昌平先生(東大)。一貫してdominant toleranceという現象に興味を持って追い続けたという姿勢が、素晴らしい。dominant toleranceは抑制性の細胞によって末梢で自己免疫反応を抑制する機構で、自己寛容を形成するための重要な仕組みの一つ。制御性T細胞による抑制がその代表格。自己寛容のもう一つの代表的な仕組みである「負の選択」は、胸腺で自己反応性の細胞をあらかじめ除いておくという仕組みで、dominant toleranceに対してrecessive toleranceという表現になる。 例えば自己免疫反応が起こっているマウス個体に正常なマウスの免疫細胞を輸注したとする。この場合、recessive toleranceの仕組みだけだと、治療効果が無いことになる。しかし実際にはdominant toleranceの仕組みもあるので、症状を軽減する効果が見られる。 dominant toleranceとrecessive toleranceという捉え方は、概念としては良いと思うが、理解するのがやや難しいので、免疫の仕組みを初学者に説明する際には、私はあまり使わないようにしている。代わりに、「自分に反応する細胞はあらかじめ除いておく」(中枢性寛容)「それでも漏れ出た細胞は末梢で抑制性の細胞が競合して除去する」(末梢性寛容)という教え方をしている。 |
|
コロナのせいで懇親会は無かったが、50周年という節目の集会であったので、式典は開催された。初日の夕刻、建物の裏庭。 | |
周囲の木々はライトアップされ、幻想的な雰囲気だった。 | |
集会長の渋谷彰先生の挨拶。日本の免疫学会の歴史を俯瞰した話を、メモを見ることなく滔々とされ、見事なスピーチだった。 | |
鏡開きが行われた。向かって左から稲葉先生、谷口先生、小安先生、渋谷先生、本庶先生、岸本先生。 | |
今回の集会のスタッフも加わって、乾杯の唱和。後列左から久保允人先生(東京理科大学/RIKEN)、椛島健治先生(京都大学)、渋谷和子先生(筑波大学)、松本功先生(筑波大学)、藤尾圭志先生(東京大学)。通常であればこの樽酒が参加者にふるまわれるが、コロナという事情があるので、エア乾杯となった。多くの制限があったにも関わらず、こんな式典が開催できたのは素晴らしいことで、企画運営されたスタッフの方々には頭が下がる。 | |
次期集会長の吉村昭彦先生(慶應大学)の挨拶。熊本で開催される予定。来年には、通常通りに開催される事を願う。 | |
式典に引き続いて、能楽堂で故多田富雄先生作の能の公演。多田先生は数多く新作能を書かれていて、今回の演目は「一石仙人」。一石とはアイン・シュタインを日本語にしたものとのことで、一般相対性理論を題材にしているらしい。 | |
半ば近くになって、いわゆるシテ方(主役)の登場。この登場人物が、アインシュタインの化身ということのようだ。 | |
シテ方のアップ。面も装束も、いい感じだ。 ネット記事から拝借した台詞を以下に記す。 「地を走るけだもの、空を飛ぶ鳥、花木虫魚に至るまで、この法(ノリ)を免がるることなし。 ましてや人間、もろともに宇宙の 微塵となりて、無方に散乱すべし。 しかるに万物の理(コトハリ)は、時空には歪みあり。 止まるものとゆくものに、光陰は等しからず。 重力もまた異なれり。 たとえば千仞(センジン)の谷に落ちゆく獅子の仔は、己が重きを知らぬなり。 力は質量に異ならず、日輪の燃えつきざらむ故なり。」 加速で生じる重力と物質から発生すると重力は等価であるという等価原理や、質量とエネルギーは同じという話(E=mc2)などが盛り込まれている。 「光の舟に打ち乗りて星の林を漕ぎゆけば、星は皆、一点より現はれ、 一点に向かいかひ消へゆけり。近づく星は青くして、去る星は赤かりき。」 いわゆるドップラー効果による赤方偏移を表しているようだ。 「いで量子らを解き放ち、核の力を見せ申さん。量子らよ来たれかし。・・・・ かようの力を見る上は、戦さ、争い、破壊には、原子の力よも使うまじ。忘るなよ 人間。」 成果が原爆の開発に役立ったことや、初期には原爆開発の後押しをしたことなど対するアインシュタイン自身の反省が語られているようだ。人類に対する戒めにもなっている。 上演は1時間。意外にも退屈することなく、雰囲気に浸れた。ただ、何を言っているのかが断片的にしか聞き取れないような謡(うたい)での表現というのは、そもそも論として、いかがなものかとは思った。まあそれを言ったら、オペラなんかもわからないので、予習してこいということか。 |
|
二日目以後は、諸事情により現地には行けず、オンライン参加をした。午後のワークショップ「T cell differentiation」で永野君が質疑に応答しているところ。座長は安友康二先生(徳島大学)と伊藤美菜子先生(九州大学)。 | |
ここから先は、増田さんが撮った写真。長畑君と高さん。 | |
休憩時間に外にでて鹿に鹿せんべいをやる永野君。 | |
増田さんによると、長畑君と永野君は多くの鹿に囲まれてとても楽しそうだったとのことだ。 | |
初日、樽酒はふるまわれなかったが、代わりに枡が配られた。いい記念になる。 |
ウイルス再生研一号館前の駐車場のカエデは、例年、観光地の紅葉に比べると紅葉が遅い。今年はこれでも例年より1週間ほど早い(2019年12月14日の記事参照)。 |
ウイルス・再生医科学研究所は、来年4月から名称を「医生物学研究所」に変更する。また、共同利用・共同研究拠点事業は、名称だけでなく、構造が変わる。2016年の再生研とウイルス研の統合後も、拠点事業としては再生拠点とウイルス拠点の2拠点を運営してきたが、来年度からは1拠点として「ウイルス・幹細胞システム医生物学共同研究拠点」を開始する。この日、京都ガーデンパレスホテルの一室に全教授が集まり、小柳所長のリーダーシップにより、今後の研究所の方針を討議した。 |
下鴨中学校のPTAで、OBを招いてオンラインセミナーをという話が出て、その講師として呼んでいただけた。少し前に洛北高校OB・OGセミナーをしたばかり(2021年11月5日の記事参照)なので、同じような主旨の会がたまたま同時期に重なったことになる。右上は今回主にお世話いただいた高野久紀さん(京都大学経済学部准教授)。教頭をされている石井盾夫先生が冒頭に挨拶をされた。 | |
今回は、1時間の枠をいただけた。メッセージとして、医学的なことだけではなく、進路に関することや、「中高生の間にできるだけ読書、映画鑑賞、音楽鑑賞を」というような話もした。 | |
中学生への話ということで、自分が中学生の時の話を少しした。読書、植物、工作が好きだった。左は、中一の冬休みの計画表。読書と工作に主に時間を使っている。読書は、この頃、家にあった日本文学全集や世界文学全集を順次読んでいた。工作は、日曜大工的な大きな物も作っており、左図に載せているのは、植物を育てるためのビニースハウスを物干しの横に作るという設計図。さすがに「大きすぎる」と親に却下され、実際にはこの半分くらいのサイズになった。 | |
中学生の時は写真部にも入っていた。暗室で、自分で現像した写真。当時、家族旅行の際に採取した山野草を鉢植えにして、庭で栽培していた。 | |
中一の時に京都山草会にも入会して、月例会に参加したり、5月の連休に府立植物園で開催される山野草展に栽培した植物を展示したりしていた。山草会の会員は高齢の方ばかりで、若者は私だけだった。我ながら「じじいか」とツッコミを入れている。 | |
新型コロナの話も少しした。オミクロン株の説明で使ったスライド。 |
今年の春に精華大学建築コースの卒業制作発表の外部評価者として招いていただき、コンセプトのレベルでの発表にコメントした(2021年5月20日の記事)。今回は最終的な提出の1ヶ月前ということで、仕上げに向けた進捗状況の発表を聞かせてもらった。精華大学は、岩倉の北部の山あいに位置している。今回の評価会は、最奥部に当たる建物で行われた。 | |
卒業制作用の部屋。私は模型を作るのが好きなので、こういう工房をみるとワクワクする。 | |
一人プレゼン3分+討論3分で、発表者は10人。発表の前に前回のプレゼンからのコンセプトの変遷の経緯を話す時間があったり討論が長引いたりで、休憩を挟みながら、夕方5時近くまでかかった。どの話も前回と比べてより発展し具体化しており、そういう創作過程の話は、とても面白く、刺激になる。ほとんどの発表者が建造物のデザイン案は見せてくれたが、模型の現物を作製している人はまだおらず、今からの追い込みが大変そうだと思った。 |
最近、長畑君はアメーバ状の単細胞生物であるカプサスポラを研究対象にしている(2021年10月25日の記事参照)。カプサスポラはある種のカタツムリの中に寄生し、そのカタツムリに寄生する別の寄生虫を捕食している。宿主はBiomphalaria Glabrataというカリブ海地域に生息する小さな淡水産カタツムリ。カプサスポラの研究者である菅先生を訪問した時、帰り際に、そのカタツムリを菅先生から5,6匹いただいた。雌雄同体なので2匹いれば交尾をして卵を産んで増えるという。帰ってから小さなガラスの器で飼っていたが、大きい個体二匹は何故か死んでしまった。その後生き残った小さな個体を細々と飼っていた。約1ヶ月が経つと、それらが大きくなって、その子供達と見られる小さな個体が沢山出現した。それで、大きめの容器に移し替えた。 | |
餌は菅先生から聞いたとおり、マウス用の配合飼料を細かく砕いてやっている。その餌に小さい個体が集まってきている。 | |
水槽に移す前に飼っていたガラスの器。移し終わった後、卵のようなものが沢山残っていたので、水を入れて観察を続けた。 | |
すると何日かしたら、個々の卵の中で、発生が始まっているようだった。一部は、孵化している。 | |
アップの写真。集合体恐怖症の人にはちょっと気色悪い写真かも。これが全部生まれたら、すごい数になってしまいそうだ。 |
表記の会が、東京でハイブリッド形式で開催された。 | |
集会長は兵庫医科大学研究基盤教育学の後藤章暢先生。 | |
この会は、私は本橋新一郎先生の講演の座長として参加。理研と千葉大で進めているiPS細胞由来再生NKT細胞の臨床試験(医師主導治験)の話が聴けて、とても勉強になった。 |
表記の会が、オンライン形式で開催された。 | |
集会長は岐阜大学消化器外科の吉田和弘先生。本来は岐阜長良川国際会議場で開催するはずだったらしい。それでも、今年も170題くらい演題が集まったらしく、賑やかそうな学会だ。 | |
私は、特別講演をさせていただいた。国際会議も兼ねているとのことで、発表言語は日本語でいいが、スライドは英語で、とのことだった。 |
この日、部分月食が観られた。夕方6時くらいがピークで、部分月食とはいえ、ほぼ皆既月食に近いものだった。丸太町の橋を渡って鴨川の対岸から写した。 | |
スマホのカメラは暗いところでも結構よく撮れるが、さすがに月食はうまくは撮れなかった。とはいえ、赤い色はしっかりとれた。この時に、もし月の赤くなっている場所から地球を見たら、地球による皆既日食が起こっているはずだ。月から見て、地球が太陽を隠したばかりの時の方が、地球の空気層による夕焼けのような現象が強く起こって、地球の縁がより赤く見えるはずだ。それを反映して、部分食の端に近い方が、より赤いように見える。 |
この日、実験動物慰霊祭が開催された。おそらくどこのライフサイエンス系の研究機関でもやっている、重要な行事だ。理研でも同じような慰霊祭をしていた(2011年11月8日の記事参照)。 | |
通常は並んで順次献花する(2014年11月6日の記事参照)が、コロナのせいで、時差で順次礼拝する形式をとり、献花は無し。写真はうちのラボの人達。 |
韓立友先生が教授室を訪ねてこられた。国際高等教育院の化学教室の准教授で、AO入試での海外の候補者のWeb面接の際などに、色々と助けて頂いていた。韓先生は中国や台湾の各大学にも知り合いが多いようで、共同研究の仲介などをしてもらえそうだ。今回は、韓先生自身の研究の話を聴かせて頂いた。彼が開発したγ−GTPの阻害剤は、うちでも結構使えるかもと思った。 |
2013年に開研の准教授から広島大学の教授に移られた宿南知佐先生(向かって左から二人目)が、安達先生と研究打合わせに研究所に来られたとのことで、久しぶりに顔を合わせた。宿南先生は研究所の拠点事業関連で共同研究をされており(2018年3月30日の記事参照)、安達先生ともそれに関連した話であったらしい。少し前に教授室でプラナリアをお見せしたこともあった(2013年11月22日の記事参照)。 |
サクラの紅葉は期間が短く、色づいたかと思うと、すぐに散ってしまう。この日は、見頃だった。 |
洛北高校は、創立50周年ということで、OB・OGの中で活躍している人を呼んで在校生にセミナーをするという企画をされている。その企画の講師として、声をかけて頂いた。ありがたいことだ。昨年企画されたものであるが、コロナのせいで一年延期になった。このところコロナが落ち着いてきたということで、現地で講演させていただけることになった。左は、中庭の写真。在校時とは、すっかり建物の配置が変わっていて、当時の面影はほぼ全くない。 | |
現在、中高一貫が2クラス、高校からが5クラス、スポーツ専科が2クラスという構成らしい。私の頃は京都の全公立高校の合格点が均一で、地域ごとに行ける高校も決まっていたので、競争がほとんどなく、下鴨中学校生の上位半分くらいは入学できた。今は京都府下のあちらこちらから来るので、下鴨中学校からはトップクラスの10人くらいしか入れないという。中高一貫コースは、さらに難関ということらしい。スーパーサイエンススクールにも認定されているとの話もあリ、すごい学校になっている。今回の講義では高1生と高2生が中心だったようだが、皆真面目に聴いてくれて、ありがたかった。45分の講義の中で、前半は中高時代にまでさかのぼって「基礎研究者への道のり」という話をした。後半は研究内容の紹介と、趣味の話として、イラストやバンドの話をし、「ガッテン!」出演時のビデオを見せた。趣味の話の部分のメッセージは、「中高生時代に一生の趣味は決まる。趣味は人生を豊かにしてくれる。中高生時代の感性を大事に。」という内容。 | |
終了後、同窓会のスタッフの方々と歓談。向かって左は洛北23回卒(私の6年上の先輩)で同窓会常任理事の河原敏明氏。今回のセミナーの企画/実行については主に河原氏にお世話になった。写真中央は三輪新造氏(常任理事)。「昔は一般道を練り歩く仮装行列なんかあったけど、よくあんなことできましたよね」という話に花を咲かせた。 | |
講演の中で見せた、その仮装行列の写真。三国同盟というタイトルで、反戦がテーマ。3年生の10月だったが、私が構成し、山車の戦車の図面も書いた。自分はヒトラーに扮し、校庭で壇上から行うテーマ紹介に当たっては、ドイツ語でヒトラーの演説を真似た短い演説をした。仮装行列の行進については、何人かの先生から、「反戦がテーマとのことだが、右翼の行進に見えた」と言われた。高校時代のいい思い出の一つだ。 |
秘書の宮武さんが、「1ヶ月くらい前に近所でキンモクセイが咲いていたのですが、最近また咲いているみたいなんです」と言うので、私は「そんなアホな植物はない。違う時期に咲いているとしたらキンモクセイの中でも違う品種か、あるいはたまたまその樹で起こった狂い咲きだろう」と知ったような事を言った後に、研究所の南側の歩道沿いの樹を見に行ったところ、確かに咲いている。 | |
しかも咲き残りがまた咲いたという感じではなく、満開な感じだ。いい香りがする。ネットで調べて見ると、キンモクセイは時々そういう2度咲きが起こるという。それも、1度目の開花(9−10月)が終わってから、花芽が新たに分化して、1月遅れくらいで咲くらしい。新たな花芽で咲くので、満開状態になるのだそうだ。そんな咲き方があるとは、驚きだ。とはいえ、まだ「ホンマかいな」という疑問符は残る。来年は注意深く見ようと思った。 | |
この日の午後、医学部構内に所用があったので、歩きながらこの界隈の他のキンモクセイをチェックした。ウイルス再生研2号館の東口の両脇には中々立派なキンモクセイが植えられている。ここも満開だった。 | |
医薬新棟の前に小さな樹が1本植えられており、それも満開だった。さらに、病院構内の北側の近衛通り沿いに、とても立派な樹があった(写真)。 | |
その樹の花のアップ。ここでも満開。小さいけど、いい色で、何とも味わい深い花だ。 |
表記の会は、宮崎県で開催されるはずだったが、残念ながら全面的にWeb開催になってしまった。南国ムードのポスターが、残念感を誘う。 | |
集会長の福島剛先生(宮崎大学)による挨拶。現地開催できなかったことが、残念そうだった。 | |
ヒト細胞学会の歴史は古く、おそらくは初期は細胞株の樹立が中心課題だったのだろうと思われるが、昨今は細胞療法、がん幹細胞、再生医療、高解像度解析システムなど、話題が豊富になっており、とてもいい学会だ。私は初日の午後イチのシンポジウムで話をさせて頂いた。 | |
そのセッションの座長の伊藤浩史先生(山口大学)。同じセッションの演者である玉田耕治先生(山口大学)、宮原慶裕先生(三重大学)と、総合討論という形でまとめて質疑応答をしているところ。別なセッションでは井上正宏先生(京都大学)が登壇されていた。井上先生とは「宮崎で美味しい料理と酒を」と二人で楽しみにしていた。 |
朝、出勤の途上、出町柳の橋から高野川に目をやると、白い鳥が沢山いた。よく見ると、左側はサギで、右側はユリカモメだ。互いに睨み合っているように見え、面白かった。ユリカモメは渡り鳥で、10月頃に来て4月頃に北方へ帰っていく。2-30年くらい前は、鴨川にとても沢山いたのに、最近はあまり見かけなくなってしまった。当時、夕方になると数百羽が上空に渦を巻くように集まり、一斉にねぐらである琵琶湖の方に向かって東山を超えていく様は壮観だった。 ユリカモメは別名ミヤコドリとも呼ぶことから、昔から京都に飛来していたのかと思っていたら、ネット情報によると鴨川に来るようになったのは1970年代らしい。 |
表記の会が東大医科研ホストで開催された。本邦のいくつかの研究所と、東アジア諸国の主だった研究所で構成されている(以下)。 ・東京大学医科学研究所(日本) ・ソウル国立大学分子生物学遺伝学研究所(韓国) ・Soonchunhyang University (韓国) ・中国科学院上海生命科学研究院生物化学・細胞生物学研究所(中国) ・国立台湾大学医学院 生物化学・分子生物学研究所(台湾) ・国立台湾師範大学(台湾) ・京都大学ウイルス・再生医科学研究所(日本) ・沖縄科学技術大学院大学(日本) ・中国科学技術大学(中国) 各研究所が回り持ちでホストをする。ウイルス再生研は4年前に受け持った(2017年10月17日の記事参照)。昨今は東アジア諸国の研究のレベルの向上が著しく、とてもハイレベルなシンポジウムになっている。 写真は3日目の記念撮影。 |
|
私は初日の午後、再生T細胞の話をさせて頂いた。 | |
このシンポジウムは医科研の新井賢一先生が主導して作ってこられた。2019年度からその名前を冠した“Ken-ichi Arai Award”が設立され、若手研究者1名に贈られることになっている。この年の受賞者は、森下秀晃先生(順天堂大学講師)。水晶体において、オートファジーに非依存的なオルガネラの分解機構が存在することを発見された(Nature, 592:634, 2021)。2003年に免疫学会のサマースクールで永田先生が語られた「水晶体のオルガネラ消失の謎」という話に端を発し、その解明にこつこつと取り組んでこられたという、気合いの入った研究だ。 |
最近、長畑君が中心になって進めている血液細胞分化の研究は、「血液細胞の進化的な起源は何か」を探る方向に進んでいる。昨年秋にはホヤの研究を始めた(2020年9月15日の記事参照)。そして、とうとう単細胞生物にまで遡って考えるようになった。動物の中で最も原始的であるカイメンの直接の祖先は、「襟鞭毛虫」とされてきた。最近はこの説は否定されつつあるらしいが、ここではひとまずはカイメンの上流に襟鞭毛虫を置いた。さらに上流には、「カプサスポラ」という単細胞生物が位置する。 | |
カプサスポラは普段はアメーバとして動きまわって貪食をしている。ある種のカタツムリの中に寄生し、カタツムリに寄生する別の寄生虫を捕食しているらしい。環境の変化に応じでシスト状になったり、沢山でくっついて凝集体になったりするとのことである。この凝集体のような形態を取ることが多細胞生物化に関係しているのではという考えもあるようだ。 | |
カプサスポラの研究者である、県立広島大学の菅裕(すがひろし)先生のラボを訪れた。キャンパスは広島県の真ん中あたりの庄原(しょうばら)市に位置する。 | |
今回は、増田さん、長畑君の三人で、車で行った。中国自動車道の庄原インターチェンジを降りて、10分ほどで到着。 | |
長閑な道をしばらく進むと、忽然と立派な建造物が現れた。 | |
とても瀟洒なデザインだ。 | |
キャンパスマップ。県立広島大学はここの他に広島市、三原市などにもキャンパスがあるらしい。元々いくつかの大学が統合してできた大学なので、キャンパスがあちこちにあるということのようだ。 | |
菅先生のラボがある5号館とそこに通じる通路。 | |
12時過ぎに到着し、まずは近所の蕎麦屋さんに車で行って昼食。このあたりはそばの名産地らしい。とても美味しかった。 | |
ちょっと脱線して、セイタカアワダチソウの話。少し前の記事に書いた(2021年10月21日の記事参照)が、この草は京都あたりでは激減している。全国的にもそうかと思っていたら、庄原では田んぼの畔などに元気よく繁茂していた。 | |
花粉症の原因という濡れ衣や、一時期のあまりの優勢ぶりに、忌み嫌われた草だが、こうして見ると結構きれいで、風情もある。 | |
ラボに戻った。まず、カプサスポラの宿主であるカタツムリを見せて頂いた。 | |
Biomphalaria Glabrataという種とのこと。カリブ海地域に生息する淡水産カタツムリ。随分前に筑波大学の小林麻己人先生の研究室訪問の折に頂いたレッドラムズホーン(インドヒラマキガイ)(2012年2月21日の記事参照、2012年2月28日の記事参照)に似ている。ネットで調べたら、属は異なるが、同じヒラマキガイ科に属するらしい。 | |
菅先生はカプサスポラの他に、何種類か単細胞生物を飼っておられた。 | |
カプサスポラを顕微鏡で観察。 | |
この写真は観察時の画像ではなく下記の動画からのキャプチャー画像。とはいえ、位相差顕微鏡で、まさにこんな感じで見えた。下記動画では、マクロファージのような動きをしている。 | |
カプサスポラ動画(eLife 2013;2:e01287より)。なおこれは早回しの動画であって、実際にはこういう動きは見えない。 | |
カプサスポラには、ラミニンやノッチ/デルタなどのような細胞間の接着や相互作用に関わるような分子の先祖分子が存在するらしい。菅先生はそういう分子が単細胞生物でどのような機能を果たしているかという研究から、多細胞生物化の過程を考えておられる。とても面白い話だ。他に、地域貢献ということで、ウルシのゲノムの研究もされていた。 | |
記念写真。 菅裕先生研究室のHP: |
|
帰りは南下して尾道に立ち寄り、尾道ラーメンを食した。醤油味ベースの鶏ガラと魚系のスープで、「中華そば」という感じ。とても美味しかった。帰路は山陽自動車道を使った。 |
10月1日から緊急事態宣言は解除されていたが、飲食店の時短要請(夜9時まで)は続いていた。その後、全国レベルで、コロナの新規感染者は着実に減り続けた。ついにこの日、首都圏や大阪で時短要請が解除となった。このまま規制が再発令されることなく済めば、日本でのコロナ明けの記念すべき日となる可能性もある。 | |
京都でも、緊急事態宣言解除後も、いい感じで減っている。京都は少し先んじて22日に時短要請が解除になっている。 | |
一方世界全体に目を向けると、残念ながらこの1ヶ月間では下げ止まっている。 | |
今後日本はどうなるだろうか。これまでの波と死亡者数を見ると、第5波の感染者数は第4波の3-4倍多かったが、死亡者数は第4波の半分くらいだ。死亡者数が少ないのは、医療レベルの向上もあるだろうが、ワクチンが普及して高齢者の罹患率が低下したことや、若い人の中でもワクチンによって死亡率が下がったことなどが挙げられるであろう。ピークの数字で見ると、第5波では2万人/日の感染者に対し、死亡者は50人/日。死亡率は0.25%ということになる。季節性インフルエンザの致死率が0.05〜0.1%とされているので、それほど大きな差ではなくなっている。 | |
イギリスでは、ここのところ4.5万人/日、死亡者は130人/日。死亡率は0.33%ということになる。イギリスでも一つ前の波に比べると死亡率はずっと下がっている。日本は第5波で同じくらいまで死亡率を下げることができているので、第6が来たとしても死亡率は同じように0.2%-0.3%程度に抑えることができると考えて良いだろう。 とはいえ、イギリスとの人口比で言うと今のイギリスの状況は日本でいう9万人/日のレベルだ。日本で言えば毎日200人以上の死亡者が出ている計算になる。それでもイギリスは規制をかけずに「コロナと共に」という姿勢を貫こうとしている。日本も、規制を全て撤廃すれば同じような状況になる可能性もある。こういう状況になった時に再度規制をかけるのか、かけないのか。こうなると、もはや良い悪いではなく、それぞれの国、ひいては国民の覚悟の問題とも言えそうだ。 |
がんの新規治療法の開発研究などを主題にして、表記のセミナーが月に一人ずつ交代で講演するというセミナーシリーズが1年くらい前から開催されていて、この日の朝9時(現地は前日夕方5時)から、オンラインライブで講演をした。最近順調に進展しているので、いい講演ができたと思う。以下は京大のHPの中での紹介文。 「京都大学大学院医学研究科では、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)、UCSD内の施設であるMoores Cancer Center、Center for Novel Therapeuticsとの共催で、『京都大学-UCSD/CNTセミナーシリーズ』を開催しております。On-site Laboratoryである京都大学サンディエゴ研究施設(KURC-SD)の取組の一環として、京都大学・UCSD側より交互にセミナー毎に1名ゲストスピーカーを招き、オンラインセミナーを定期的に開催します。第11回目は、河本 宏 ウイルス・再生医科学研究所 再生組織構築研究部門 教授 をゲストスピーカーに迎え、以下の日程にて開催いたします。多数のご参加をお待ちしております。」 |
|
セミナーの京大側の主催者は萩原正敏先生(写真左下)、UCSD側はSilvio Gutkind先生(写真右下)。左上はアシスタントのRaluca Ciochinaさん。 |
日経新聞朝刊に、iPS細胞を用いたがん免疫療法の話が掲載され、その中で私達が進めている白血病治療法の開発研究が紹介された。記事では国内外の会社の動向が紹介されている。 記事: |
お昼休みに鴨川を散歩した。このところ「セイタカアワダチソウ」が昔に比べて随分減ったと感じていたので、この日、観察してみた。セイタカアワダチソウは悪名高い帰化植物で、私の記憶では子供の頃は鴨川や高野川の堤防に沿って圧倒的に優位に繁茂していたように思う。それが最近、あまり見かけなくなった。この日、注意して見ると、川辺の草むらの中で、ところどころで咲いていた。 | |
「セイタカ」という言われるくらい本来は1-2mになるくらい背が高く、猛々しい植物であるが、今はすっかり大人しい感じだ。帰化植物や帰化動物は一般に盛衰が激しい傾向がある。セイタカアワダチソウに関しては、特異的な病虫害などが関与しているとされている。 | |
この記事を書いていたら、秘書の宮武さんが最近撮った写真を見せてくれた。前項に1-2mになると書いたが、ここまで大きくなるのは珍しい。なお、セイタカアワダチソウは一時花粉症の元凶とされていたが、後に秋口に花粉を撒き散らす犯人は「ブタクサ」とわかり、濡れ衣であったとされている。巷では情報が錯綜して、このセイタカアワダチソウをブタクサだと思っている人が結構いるようだ。 | |
ススキと勢力争いをするとされているが、ではセイタカアワダチソウが減ったからススキが増えているかというとそうでもない。最近は堤防ぞいの斜面などの整備(刈り取り)が進んで、ススキが育ちにくくなったのかもしれない。ススキは乾燥ぎみの土壌を好むので、河原に生えているのは主にヨシで、ススキのような穂をつけているのはおそらく「オギ」と思われる。 | |
白川分水路の鴨川への流入口のあたりを見ると、大量の白川砂が積もっていた。白川からの砂の流入に関しては何度も記事にしている(2021年9月20日の記事参照)が、こうして大量の砂を見ると、治水用の分水路として役割は果たしていそうだ。 | |
大型の魚の群れがいた。 | |
これまでこうして群れている大きな魚は「ニゴイ」であろうと書いてきたが、どうも背びれの形をみると、ほとんどが「コイ」のようだ。ニゴイの背びれは、サメのように三角形でピンと立っているが、コイのそれは、背の低い長方形が張り付いているような形とのことだ。大きな魚がいるのは見ていて楽しいので、どちらでも良さそうなものだが、ニゴイは在来種、コイは外来種なので、ちょっと残念だ。 |
9月27日に収録した講義(2021年9月27日の記事参照)が、本日Youtubeに載せる形で公開された。タイトルは「新型コロナと免疫:免疫は味方か敵か?ワクチンの食味は?」。90分と長い講義になったが、免疫反応の基本的な仕組みから、ウイルス感染の時にどういう免疫反応が主に起こるか、そしてワクチンの種類と仕組みを、丁寧に解説しているので、基本から学びたい人は、是非ご覧いただきたい。また、変異株の話や、今後の見通しについても話をしており、最後の方には事前に寄せられた多くの質問に文章化しつつ回答している。 「新型コロナと免疫」(Youtubeサイト): |
この日、滋賀県在住のリバーセルの本村さんが、「西川餅」なるものを差し入れてくれた。T.M. Revolutionの西川貴教は、滋賀県の出身で、ちょっと前から滋賀ふるさと観光大使としても活動しているらしい。叶匠壽庵のよもぎ餅を好きだということで、写真のようなコラボ商品ができたようだ。 | |
特殊なパッケージングによって、軟らかさを保っているとのことだ。確かに、とても柔らかくて、美味しかった。「Vote」という商品名は、今回の選挙のことではなく、西川がよく「知事になったら」と囃されるので、それに応じてウケ狙いで名付けたらしい。 |
この日と翌日は藤田医科大学に出勤。4号館6階の北半分ラボはうちとTR研究部門で共用という形で使っている。この日、入り口に部門名が貼られた。 | |
いい感じに仕上がった。 |
この日、丹波の黒豆の枝豆を知人から沢山いただいた。茹でて食すると、ほこほこと甘く栗のような味で、とても美味しい。立派な大きさだったので、一部を写した。 |
この日の夕方、京大の臨床免疫学講座が主催するセミナーで、講演をさせていただいた。前記の小児リウマチ学会のランチョンセミナーと同日だったので、もし小児リウマチ学会が現地開催だったら、セミナー後に大急ぎで京都に戻るというハードスケジュールになるはずだった。この臨床免疫セミナーはオンライン配信ではあったが、リーガロイヤルホテルからの配信だった。 | |
代表世話人の森信暁雄先生(京大臨床免疫学)の挨拶。 | |
前述のランチョンセミナーでは教育講演的な内容であったが、この講演では主に研究内容の紹介をした。前半は、臨床免疫とあまり関係がないが、造血過程についてのこれまでの研究、T細胞やB細胞の進化についての考察、そして最近の長畑君の研究で得られた血液細胞の起源についての話をした。座長は、鍔田先生(東京医科歯科大学)。鍔田先生は桂研の先輩にあたる。高校生物の教科書の用語の問題にも詳しい(2019年6月13日の記事参照)。その問題を取り扱う委員会が免疫学会の中に近々設置されるが、そこでご一緒する予定。 |
表記のイベントがハイブリッド形式で開催された。学会には珍しく、とてもファンシーなカバーアートだ。 | |
私は2日目土曜日のランチョンセミナーで話をした。免疫の仕組みの解説と自己免疫疾患発症機序などについての教育講演的な内容。自己免疫疾患、慢性炎症性疾患、自己炎症性疾患などの疾患概念についての話もした。 | |
ランチョンセミナーのオンライン配信は八条口のミヤコホテルの一室から。座長の八角先生も来られていた。 |
表記のイベントがオンラインで開催された。本来はタイのチェンマイで開催されるはずだった。現在、東南アジア諸国は、コロナがかなり拡大しており、現地開催できるような状況ではなさそうだ。 | |
私は2日目の「Novel Cellular and Gene Therapy 」というシンポジウムに登壇。写真は座長のお二人。 | |
30分の枠で、「Regeneration of cytotoxic T lymphocytes from iPS cells: Development of “off-the-shelf T cells” for cell therapy targeting cancer and viral infection」というタイトルで講演した。コロナが収まって居ればタイに行ける機会だったのに、残念だ。 |
表記のイベントがパシフィコ横浜で開催された。正確にはBioJapan2021、再生医療Japan2021、healthTECH JAPAN 2021の3者合同開催。リバーセルはJSTが株主として入っている関係で、JST関連のブースに出典した。このところほとんどのイベントはオンライン開催だったし、ハイブリッド開催であってもオンライン参加が多かった。今回は、現地開催されるということで、久しぶりに現地参加した。パシフィコ横浜を久しぶりに拝んで、嬉しかった。 | |
会場は、展示ホールの1階。 | |
リバーセルの広報担当の大久保さんが設営を終えてくれていた。 | |
緊急事態宣言が解除されており、レストランも9時までは開いている。景色のいい店で夕食。 | |
カワハギの活け造りを、肝醤油で食した。 | |
JSTのエリアは、厚労省の展示エリア(JHVS: ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット)のお隣。 | |
リバーセルのブース。モニターではリバーセルの紹介ビデオ(3分)、藤田医科大学との共同研究のビデオ(1分)、今回作成したリバーセル紹介ピッチ映像(1分半)の3本の映像を繰り返し流した。 | |
会場にはかなりの来訪者がいて、盛況な感じだった。 | |
2日目、会場近くのタイ料理屋(エムエムタイ)で昼食。カオマンガイを食した。鶏肉の出汁がよくしみたジャスミンライスが、とても美味しかった。 | |
シンガポールにも同じような料理がある。2014年にオーストラリアで開催されたT細胞の研究会に参加した帰りに、シンガポールの空港での待ち時間に市内に繰り出した時の写真(ThymOZ2014年参加記の記事参照)。ホーカーズという屋台が集まったフードコートのような場所で昼食を取った時のもの。 | |
シンガポールでは海南鶏飯(ハイナンジーファン)と呼ばれている。写真は一瀬君。私もこれを食した。海南鶏飯とカオマンガイはタレが少し違うだけで、基本的に同じ料理であるらしい。 | |
この写真は2017年に研究所の近くにあるタイ料理屋(パクチー)に秘書さん達と行った時のもの(2017年11月16日の記事参照)。この時も私はカオマンガイを食している。 | |
2日目の終了後、今年の4月から稼働しているゴンドラに乗った。ヨコハマエアキャビンという名称で、桜木町駅から、赤れんが倉庫などのあるエリアにつながる。 ヨコハマエアキャビンHP |
|
ゴンドラ乗り場。片道1000円、往復1800円。 | |
このあたりは、港、高層ビル、遊園地など色々な要素があって、その中を突っ切るように空中に飛び出していく感じが、素晴らしい。 | |
来た方向を振り返って撮った写真。ゴンドラに付いているLEDのパネルがSF的な情緒を醸している。時間的に薄暮の頃だったので、余計にきれいだ。 | |
到着駅を降りてから撮った写真。いい感じだ。 | |
ランドマークタワー。いい写真が撮れた。このままコロナが明ければいいのにと、しみじみ思った。 |
10月8日と9日の2日間、KTCCがオンラインで開催された。この週は、本来は私が週会長として国際KTCCが開催されるはずだったが、国際KTCCは4月の時点で中止を決定した(2021年4月30日の記事参照)。その時点では日本はコロナの第4波に対して緊急事態宣言が出されていて、10月に海外から自由に参加できるようにはなってないだろうという予測で、断念するしかなかった。緊急事態宣言は10月から解除されているとはいえ、実際にまだ海外との往来は自由ではなく、中止は正解だった。なお、この10月開催というのも、元の期日ではなく、3月に予定していた会を10月に延期したものだった(2020年11月3日の記事参照)。 国際KTCCをキャンセルした代わりに、昨年コロナのせいで開催できなかった国内のKTCCを開催する事になった。国内のKTCCについても8月初旬に世話人会で協議した。その頃は第5波がすごい勢いで拡大しつつあり、現地開催は断念せざるをえなかった。 以上のような経緯で、今回はオンライン開催となった。集会長は岩渕和也先生(北里大学)。オンライン開催は業者に任せるのであればともかく、自前でするのはかなり大変だ。今回は、岩渕先生の砕身の奮闘により、開催に漕ぎ着けた。 KTCCでは、全演題が10分の口頭発表(5分プレゼン5分討論)を行うが、全演題がポスター発表も行う。今回はZoomのブレイクアウトルームの機能を使って、各ポスターでの討論をうまくできた。また、オンライン懇親会も、ブレイクアウトルームを使って、いくつかのテーブルに分かれるような形で、いい感じで開催できた。岩渕先生、ありがとうございました! |
|
河本研からは2演題を発表。一つは、長畑君の発表で、「血液細胞の起源」という、何だか分厚い本のタイトルになりそうな演題。このところ長畑君が進めてきた無脊椎動物や単細胞生物まで遡るという話(2020年9月15日の記事参照)で、河本研が提唱してきた「ミエロイド基本型モデル」という造血モデルをさらに深掘りしたものだ。もはやT細胞や胸腺からはかなり遠いが、KTCCは懐が深いから受け入れてもらえるだろうと思い、発表させていただいた。座長は伊川友活先生(東京理科大学)。 | |
もう一つは、T細胞を生体外で作って患者に投与するという臨床応用に関するもので、次世代型のT細胞レセプター遺伝子導入法の開発についての永野君の発表。カセットデッキ構造をTCR遺伝子座に配置しておいて、TCR遺伝子をカセットテープのように挿入するという技術で、縣先生(滋賀医大)と寺田先生(同)との共同研究で開発してきた。 河本研はこのところ「基礎研究と臨床応用研究の両輪」という方針で進めてきたが、今回の2演題にその姿勢がよく現れていると思う。 |
|
KTCCは会則で「一人の代表と6人ほどの世話人」で世話人会を作り、世話人会で会の方針を提案、40名ほどの運営委員による運営委員会で決定する、という事になっている。基本的には運営委員の研究室からの発表だけというclosedな会で、「未発表データを含む最新の成果について、自由に討論し、相互に切磋琢磨する場とする」という主旨で運営されている。 KTCCは桂先生が1991年に始めた会で、2009年からは欧州、米国、豪州の胸腺/T細胞の研究会と連動して、各地域での会を4年に1回開催するという取り決めになった。従って、通常は国内だけで開催し、4年に1回は国際KTCCとして開催するという事になっている。 桂先生が現役の間はずっと桂先生が代表であったが、退官されてからは「代表、世話人、運営委員の任期は4年とし、4年毎に見直す」という会則に従って、代表と世話人は積極的に入れ替えを行なってきた。代表と世話人は国際KTCCではオーガナイザー役を務める。代表については、4年間任につき、最後の年に国際KTCCの集会長を務めて、退任するというのが慣わしになっている。私はこの4年間代表を務めてきて、今年国際KTCCの集会長を果たすという流れであったが、前述のようにコロナのせいで国際KTCCは開催できなかった。とはいえ、会の開催へ向けての資金集めや、会場、宿泊施設、懇親会場の確保、キーノートスピーカの内諾などの準備はしっかりと進めてきたので、十分に任は果たしたと考えて頂く事にして、今期で代表を退任する事にした。同時に、これまでに慣い、世話人の役もおりた。 次期の代表は、谷内一郎先生(理研)にお願いする事になった。また、今回は世話人の入れ替えも行われた。私と共に世話人を4期(16年)された糸井まなみ先生(明治国際医療大学)も世話人を退任された。新世話人として、木村元子先生(千葉大学)、茂呂和世先生(大阪大学/理研)、横須賀忠先生(東京医科大学)が就任された。 この機会に、これまでのKTCCの世話人をまとめてみた。こうしてみると、大学の学長や、免疫学会の理事長をされている人/された人などが沢山いて、中々豪華な顔ぶれだ。 |
|
閉会の挨拶の折に、記念写真を撮った。その1。 | |
その2。 | |
その3。皆、いい顔をしている。 |
本日の京都新聞朝刊の文化欄(11ページ)に、「科学と社会、歩み寄りと対話」という記事が掲載された。毎週金曜日にこの欄に載るシリーズになっている記事だ。今週はノーベル賞週間でもあるので、「科学と社会の距離」というようなお題を頂いた。 記事: 私はこれまでもずっと科学を社会に紹介する活動に力を入れてきた。そういう活動について、「科学者としての説明責任」とか、「税金を使って研究している人の義務」とかいう表現が使われることも多い。実際、社会は科学者が何をやっているか監視する必要があるし、科学者はそういう必要性に対して応じる責務はあろう。 しかし、記事の中に書いたように、啓蒙とか、アウトリーチといった上から目線的な形態は、今は好まれない。代わりに、「科学コミュニケーション」という、双方向性の、科学者と一般市民が対等な関係で対話をする形式が主流だ。サイエンスカフェなどが好例だ。 発信する側も一枚岩になっている訳ではない。私は免疫学を中心とした科学コミュニティに属しているが、この領域の大御所と呼ばれるような人の中には、「一般向けのアウトリーチ活動?そんなもの、好きな人にやらせとけばいい。科学者は、研究にだけ専念してたらいい。」という考え方の人がいたりする。私は、そういう考え方もあっていいと思っている。一方で、私のようにその手の活動が好きな人もいる。だから、好きな人がすればいいのだと思う。双方向性のコミュニケーションは、楽しいものだ。この記事の要点はその点で、科学と社会は、情報開示の責務だとか説明責任とかではなく、根っこでは心で繋がっているのが良い、というのが主旨だ。 記事の中で少しふれているが、免疫学会では2008年から毎年夏にお台場の科学未来館で「免疫ふしぎ未来展」というイベントを開催している。100人の研究者が参加し、3000人の訪問者がある、大きなイベントだ(2019年8月4日の記事、2018年8月5日の記事参照)。研究者との対話、細胞や寄生虫などの現物の展示、実験教室などが売りだ。免疫学の研究者の皆様は、これまでもとてもよくやってこられたと思うが、今後も是非この活動に積極的に関わっていただきたい。 記事の中でふれた、科学技術振興機構が進めている「サイエンスアゴラ」に参加している学会は多いが、単体でこれほどの規模のイベントをやってる学会は無いのではと思う。他の学会も、こういう活動をすればいいのに、と思う。 |
この日の朝、「スズメバチの巣にご注意ください」というメールが総務課から回ってきた。場所は、すぐ近くだ。 | |
早速、見にいった。この竹藪の中にあるらしい。 | |
警告の看板。 | |
少し回り込むように竹藪を覗き込むと、確かに、ある。 | |
巣のアップ。中々立派な巣だ。ハチの姿が見られなかったので何とも言えないが、ネットで調べたところ、巣がやや小ぶりなのと、開けた空間に巣を作っていることなどから、おそらくコガタスズメバチの巣であろうと思われた。 この翌日、駆除されたとのこと。コガタスズメバチは比較的大人しいらしいが、それでも人通りの多い所なので、駆除もやむなしであろう。総務課からのメールでは、「駆除しました」という報告に続いて、「なお、駆除をした後も駆除時に出かけていた蜂が戻ってくることがあり、このような蜂は戻りバチと呼ばれます。戻りバチは巣がないことに怒って凶暴になっていることがあるため、引き続きご注意いただきますようお願いいたします。」という警告文が添えられていた。 |
|
6日の朝、現場に行ってみた。確かに巣は無くなっていた。 | |
前記の警告通りに「戻りバチ」が数匹、あたりを飛び回っていた。大きさから見て、やはりコガタスズメバチのようだ。「小型」といえども、他のハチと比べると、十分大きい。ちょうど通りかかられた総務課の原さんによると、巣の駆除は5日の昼間に専門の業者が行ったとのこと。昼間に駆除すると外出中のハチが多く、そのために戻りバチが沢山出ているらしい。夜に駆除すると戻りバチはあまり出ないとのこと。戻りバチは1週間くらい巣があったあたりを飛び回るらしいので、要注意だ。 |
この2週間ほど、スタッフ室、大学院生/研究員室、実験室Bのエアコンが故障していた。この期間、残暑が結構きつかったので、暑くて大変だった。この日の夕方、修理してもらえた。結露で溜まった水を吸い上げるポンプが壊れていたせいで、センサーが働いて停止していたとのことだった。 |
表記のセミナーで講演させて頂いた。主催は日本橋渡し研究アライアンス(Alliance for Clinical Translation of. Japan; ACT japan)と革新的医療技術創出拠点プロジェクト、共催は大阪大学の未来医療開発部。 | |
特別講演は坂口先生と私。 | |
今回の開催はハイブリッド形式で、会場参加された人達もおられた。坂口先生も私も講演はオンラインで行った。270人の参加申し込みがあり、盛況だったそうだ。 |
8月下旬から9月末まで、ずっといい感じで新規感染者が減り、ついに緊急事態宣言が全国的に解除となった。飲食店の営業時間の制限などはまだ続くようだが、何にせよ、やれやれだ。首都圏で病床数不足で自宅療養者が増えた事などを見て、多くの人が行動制限したからではないかと言われている。 | |
京都でも、いい感じで減少した。 | |
世界全体はどうかというと、インドで減った分茶色い部分が減っているが、赤(欧州)やピンク(アメリカ)などはあまり顕著には減っていない。ワクチンが浸透した分、規制が解除されているからであろう。 | |
1つ前の記事で書いた春秋講義の中で使ったスライドの1枚。ワクチンを打った人の中で感染が広がると、耐性株が出てくる可能性が高くなると考えられる。 | |
医療体制が保たれる限り、ある程度の感染者が出るのは仕方がないという感じで、各種規制を無くすというのが世界の趨勢だと思われる。ウイズコロナという考えだ。多くの人がワクチンを済ませているので、感染したとしても重症者や死亡者の割合は激減するだろうという期待もある。 今後、日本はどうなるか。ワクチン接種で日本の半年くらい先を行っていたイスラエルのケースが参考になろう。このスライドも、春秋講義で用いたもの。イスラエルでは5-6月は新規感染者がほぼゼロになり、コロナは終息したと考えられていた。しかし、7月以後、デルタ株が激増している。イスラエルとの人口比で計算すると、日本で言えば全国で1日に10万人の感染者が出ているくらいのレベルだ。感染者が増えても死亡者が増えないのであればいいのだが、気になるのは、今回の波での死亡者が、ワクチン接種前の波と比べて、半分程度にしか下がってないことだ。8月から各種規制が再開されているらしい。このようなケースも想定しておく必要があるという事であろう。 |
|
事前質問の中には、正しい情報をどう伝えるのか、というものがいくつかあった。難しい質問だ。私も機会があれば発信するが、質問に対しては、宮坂先生や小安先生のYoutube動画を紹介した。 宮坂先生による解説 小安先生による解説 |
京都大学は春と秋に「春秋講義」と題した講演会を行っている。今回は、私は本来9月10日に講演する予定であったが、緊急事態宣言下であったため、全面的にオンライン配信ということになった。また、ライブではなく、オンデマンド形式となった。 | |
10月18日から配信されるらしい。事前登録してなくても、誰でも視聴できるようにするとのこと。 京都大学春秋講義HP: |
|
ビデオの収録は、本部時計台の近くの国際科学イノベーション棟の中の一室で行われた。内容は、少し前に行ったウイルス再生研の公開講演会(2021年7月17日の記事参照)の時とどうしても似たものになってしまうが、今回は90分の枠をいただけたので、免疫の仕組やワクチンについて、より丁寧に解説した。また、事前に頂いた質問や、公開講演会の時に頂いた質問への回答も、スライドに文字情報として表示しながら行った。 |
東大高柳研の新田先生から出戻りの形で頂いたプラナリア(2018年10月17日の記事参照)は、よく増えて、元気にしている。ただ、飽和してしまったため、最近は週に一回餌をやるだけにしていて、増えも減りもしていない状況。 | |
週に一回の餌だと、大きくなってくれない。一円玉は直径がちょうど2cmなのでスケールとしておいている。新田先生から頂いた時は明らかに2cm近い個体もいたのに、今はどれも1cm以下だ。冷凍保存したニワトリのレバーを削り出して、解凍して餌にしている。 |
午後に鴨川を散歩。川底に沢山の白い筋が見られる。 | |
少し前に書いたが、これは荒神橋の近くで鴨川に流入している白川分水路から入ってきた白砂だと思われる(2021年1月21日の記事、2021年7月2日の記事参照)。 | |
白川分水路について、再掲載する。分水路は、銀閣寺みちあたりから、今出川通に沿って地下を流れている。一方の本流の方は動物園のあたりで一度琵琶湖疏水に流れ込み、その後疏水から分岐する形で復活する。そのため、復活後の白川には白砂の流入はない。そういえば祇園あたりを流れている白川は、水はきれいでいい感じではあるが、川底が特に白いという印象はない。白川という名前の事を考えたら、疏水を介さないで何とかして直接つないだ方が白砂が流れ込んで風情があるように思うが、白川は氾濫しやすい川であるようなので、治水という点では良くないかもしれない。 | |
1枚目の写真に少し写っているが、鴨川の東岸に、何箇所かヒガンバナが咲いている。 | |
近くで撮った。この季節の花として馴染み深いが、ヒガンバナは日本の固有種ではなく、帰化植物だ。とはいえ、中国から、相当昔に来たようで、すっかり日本の初秋の風情を作り出している。不稔性なので、種で増えることはない。従って、種が流れ着いてここで育ったということはありえない。球根が流れ着いたという可能性はないではないが、まあ誰かが植えたと考えるのが自然であろう。田の畔などでよく見かけるが、基本的には人の手で植えられたものだ。 | |
花のアップ。花が咲き終わった後、葉が出てきて、冬を越し、夏の前に枯れるというサイクル。立派な球根があるが、毒草なので、食べられない。 | |
こちらはワルナスビ。最近、鴨川の堤防沿いでよく見かける。これも帰化植物で、毒草だ。トゲもあったりして、こちらはヒガンバナと違って嫌われ者だ。 | |
ネット情報によると、世界中ではびこっているらしく、どこでも嫌われているようだ。とはいえ、よく見ると、いかにもナス科という感じの花で、花自体はそれなりにおもむきがある。 |
この台風は京都にはほとんど影響がなかった台風であったが、進路が珍しかったので、記事にする。西から東へという進み方自体はごく普通であるが(例外は2018年7月28日の記事参照)、通常は南から北へという進行も加わるので、今回のように西から東にほぼまっすぐという経路は珍しいと思われる。福岡県に上陸するのは観測史上初とのことだ。 | |
この日の朝6時頃、台風が紀伊半島に上陸した頃の雨雲レーダー。京都や大阪にほとんど雨が降っていないのが分かる。強風にもならなかった。 |
表記の学会がオンラインで開催された。元々は昨年8月に奈良で開催されるはずだった会が、コロナのせいで一年延期となり、結局オンライン開催となった。 | |
実行委員長の河合太郎先生(奈良先端技術大)による挨拶。 | |
免疫学会理事長の小安重夫先生(理研)による挨拶。小安先生は、この後引き続いてイントロダクトリーコースの第一演者として免疫学の概論を講義をされた。その後、改正先生が自然免疫について、私が獲得免疫について講義した。 | |
サマースクールのいい点は参加者が講師と直接話をする機会がある点だ。例年「免疫学者を囲む会」という企画があって、5、6人のスクール生と講師で40分くらい話をするセッションが、2ラウンド行われる。今回もオンラインで、同じような構成の会が行われた。私が参加したグループのうち一つで撮った記念写真。 | |
その後、スクール生だけの懇親会。グループはあらかじめ決められている。講師も適宜乱入して良いとのことだったので、どこということもなく、押し入った。 | |
さらにその後、全く自由な懇親会の時間となる。スクール生も残っているが、サマースクールのスタッフと、常連の小安先生、茂呂先生らが残った。1部屋になったところで、使い慣れたZoomのシステムに皆で移動した。写真は、茂呂先生の部屋に石井優先生が参入された時のもの。楽しかった。 | |
2日目、スクール生によるポスター発表は9件あったが、そのうち2件がポスター賞を受賞。 | |
最後に、参加者による記念写真。その1。 | |
その2。 | |
その3。 | |
その4。 | |
その5。今回のサマースクールは、これはこれでとてもよくオーガナイズされて楽しかった。とは言え、やはり来年は是非現地開催して頂きたい。 |
表記の学会がオンラインで開催された。元々は昨年9月に京都の国際交流会館で開催されるはずだった会が、一年延期となり、結局は現地開催を諦めて全面的にオンライン開催となった。大会長は田中秀則先生(HLA研究所所長)。 | |
初日のシンポジウム1では増田さん、シンポジウム2では私が話をした。 | |
シンポジウム1の座長は田中先生。堀田秋津先生(CiRA)は、HLA-Cだけを残してAとBを欠失させたHLAホモiPS細胞で、Cの両アリル(C1/C1)のうち片方をゲノム編集でいくつかアミノ酸配列を変えてC2型にするという戦略を紹介された。とてもいい戦略だ。 | |
特別講演の3演題。 | |
特別講演2はDaniel Geraghtyによる非古典的クラスI分子の話。スクリーンショットを撮り損ねたので、この写真はネットから拝借した。Danとは佐治先生との昼食会(2018年8月29日の記事参照、2019年7月5日の記事参照)でご一緒した事がある。非古典的クラスI分子にはHLA-E、HLA-F、HLA-Gなどが含まれる。Danはこれらの分子の発見者。妊娠した時に母親から見たら子供はHLA不一致の非自己なので、免疫反応を抑制する仕組みが必要だ。これらの分子は主に妊娠の維持に働いていると考えられている。 | |
特別講演3は坂口志文先生。発見の歴史の話を含めた、スケールの大きな話だった。 | |
学会賞を受賞されたのは徳永勝士先生(国立国際医療研究センター)。 | |
受賞記念講演の座長の一戸辰夫先生(広島大学)と徳永先生。様々な遺伝子が各疾患に関与しているが、免疫が関与する疾患の場合、HLAの多型性の関与は他の遺伝子に比して圧倒的に大きい。素晴らしい講演だった。 |
表記のセミナーで、オンラインで講演させて頂いた。産官学の交流を図るいいセミナーだ。主催は近畿バイオインダストリー振興会議と都市活力研究所。私の講演の座長は坂田恒昭先生(大阪大学)にして頂いた。 | |
もう一人の演者は荒瀬先生。座長は竹田先生。感染増強抗体の話(2021年5月24日の記事参照)はとても興味深い。 |
昨年の今ごろから、23回にわたって連載されたシリーズが、1冊の本として発刊された。発刊日は8月26日。今回の連載シリーズの企画にあたっては、まず題名と著者のリストを作成し、各著者には以下のようなお願いをした。 ******* 本シリーズでは、最近10年くらいを目安にして総括していただきたい。また以下のような項目でお願いしたい。 1. 背景となる基本知識の概説 2. 最近(ここ10年以内)の概念の進歩 3. 臨床に関連する話題:病態の理解や治療への応用の話 自分の仕事の紹介の記事というよりも、その分野の現状や臨床に関連する話を解説する記事にする。大事な話題を網羅してある必要はあるが、羅列的ではなく、特に重要な話題について焦点を絞って解説する。「こんなことが新たにわかった」「かつてはこう考えられていたけど、今はこういう考えかたに変わったと」いう概念の進歩や変遷を記述し、「面白い」と思える総説にする。臨床に関連する話題を一定量含める。 ********* 著者の先生方には上記の意図がよく伝わっており、どの記事も面白く、読み応えのある本になったと思う。それと、以下にタイトルと著者を貼り付けるが、著者にはそれぞれの分野での第一人者の先生方がずらっと並んでいて、錚々たるラインアップになっている。 序文: 目次: アマゾンのサイト: |
|
ここからは目次を張り付ける。その1。研究の当事者が書く総説は、単なる情報の羅列的な紹介ではなく、話題の取捨選択やその話題の業界での評価という形で著者の論考が加わるので、効率よく頭に入りやすいし、読み物として面白い事が多い。臨床医の方々が免疫学の知識をアップデートして頂くのに役立つ、いい本になったと思われる。 | |
その2。 | |
その3。 | |
その4。 |
鴨川の西側の堤防沿いにサルスベリが何本か植えられている。とてもきれいに咲いていたので、写真を撮った。なお、研究所の建物の南側にも一本植えられており、教授室から見られる(2019年9月11日の記事参照)。 | |
花のアップ。この季節は花が少ないので、ありがたい。 |
この日、8つの県で新たに緊急事態宣言が出され、合計で21都道府県となった。人口で言うと日本人の75%が宣言下に置かれている事になるらしい。 | |
藤田医科大学は愛知県にあるので、愛知県の状況は私には重要だ。図からわかるように、愛知県の第5波は、相当大きい。 |
歯学生・歯科医療従事者向けの「骨免疫学」の本を献本いただいた。著者は塚崎雅之先生(東大医学部高柳研特任助教)。アマゾンのサイトでは9月1日発売となっている。
単なる解説書ではなく、例えば「歯周病で顎骨が減って歯が抜けるのは進化過程で獲得した生体防御反応である」という、彼が考えた仮説が論考されていたりして、面白い。 アマゾンのサイト: |
|
全体にわかりやすいカラーの図、写真、細胞キャラなどが使われていて、大変分かりやすい。表紙の絵や、細胞キャラは塚崎先生の妹さん(塚崎安奈さん、東京芸大日本画科卒)が描いてくれたらしい。さすがプロ、という絵だ。 | |
塚崎先生の略歴。元テコンドー高校生王者とは、すごい。 | |
塚崎先生は骨免疫学会のウインタースクールの常連で、スノーボーダー。この写真は3年前の野沢で撮ったもの(2018年1月25日の記事参照)。ラボニュース記事の解説文:「チャレンジコースの39度という斜度のバーンを滑った後の記念写真。ここをスノボで降りてきたのはMatteo Guerrini君(手前、理研Fagarasan研の研究員)と塚崎雅之君(高柳研の大学院生)。」 | |
高柳研には何人か体を鍛えるのが好きな人がいて同好会みたいな活動をしているらしく、新田剛先生(准教授)や塚崎先生はそのメンバーとの話だ。私は少し前にターザンという雑誌にイラストを描いたことがあった(2019年12月19日の記事参照)が、左の写真はウインタースクールでの講義の中でそのターザンという雑誌を紹介する時に使ったスライド(2020年1月23日の記事参照)。ウインタースクールは今年の1月はコロナのせいで中止になったが、次のシーズンには再開してほしいものだ。 |
この日、京大病院を含めた京都の主だった病院が連名で「災害レベルに達した新型コロナ感染症拡大による医療の危機について」と題する声明文を出した。 https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/info/pdf/20210823_01.pdf |
|
赤を背景にした白字の文書になっており、かなり強烈だ。医療崩壊がすでに起こりつつあるので、昨年の第一回の緊急事態宣言の時くらいのつもりで外出の自粛を、と訴えかけている。 |
この記事は日曜日に書いているが、この2日前の8月20日の夜8時に、京大医学部を紹介する動画がYoutubeにアップされ、その中で私がウイルス再生研を紹介した。動画を作成したのは京大工学部のYoutuberの二人(3回生、コバ君とサイコ君)。彼らは「いだちゃんねる」として定期的に配信していて、登録者は5万人を超えているとの話なので、結構な人気サイトであるようだ。実際、アップされてから約2日で、すでに再生回数3万回くらいになっている。 動画サイト: とても小気味良い編集で、結構笑える。私が「セルソーター」「ES細胞」「研究所の歴史」などを説明した部分は編集で見事にカットされていて、「おいおい君らなあ」と思わないでもないが、それでも「普段入れない研究室に潜入」という目的は十分達成されているのであろう。実際、視聴者の評価もとても高い(現時点で高評価1100:低評価8)。 |
|
コロナのせいで京大のオープンキャンパスが開催されないので、代わりに京大医学部を紹介、という設定。ウイルス再生研は厳密には医学部の一部ではないが、研究所名に「医」という言葉が入っているし、大学院の研究科としては医学研究科に属している教授も多いので、まあ医学部の紹介の一環で出てきてもそうおかしくはないかと思う。コバ君の方が京大の産官学連携関連のオープンイノベーション機構に動画編集などの業務で関わっており、そのつながりで私が研究室や研究所を紹介することになった。 | |
約10分の動画で、前半は医学部の山本憲先生。医学構内を紹介。 | |
私は後半に登場。 | |
研究室を紹介。収録が土曜日(8月14日)の夕方だったので、あまり人がいなかったが、瀬和さんがES細胞の継代をしていたので、少し話をしてもらった。 | |
うちの研究室は、山中先生がウイルス再生研におられた時に使っておられた場所にある。このあたりがiPS細胞の発祥の地であることを紹介した。 | |
5号館地下にある医療用ES細胞製造施設を案内(外から見るだけ)。この日は大雨だったので、「この施設は地下にあるから浸水に弱く、上の階に同様の施設を作るように国にお願いをしている」という話をした。 | |
この二人は最近、理研に行って小安重夫先生に新型コロナとワクチンの話を聞いてきたという(下記)。動画のページの解説欄(「もっと見る」欄)にリンクがはってある。なおこの動画は「いだちゃんねる」ではなく「免疫学会ちゃんねる」。 【新型コロナ】ワクチンって本当に安全?感染によるリスクを徹底解説: |
|
さすが小安先生で、ワクチンの重要さをとてもわかりやすく説明している。 |
昨年はオリンピックと時期が重なるということで1回お休みということであった。今年はオンラインで開催、ということになった。いろいろな企画があり、楽しそうだ。準備が大変だったであろう。また、SNSなどを通してまめに予告を発信していたようだ。 | |
私はトークコーナーに出演。中々いいラインアップだ。コロナ関連でみても、宮坂昌之先生、石井健先生、小野昌弘先生、高橋宜聖先生など、聴き応えがありそうな顔ぶれが出演している。 | |
トーク班のオーガナイザー。 | |
トーク班は理研の福山英啓先生(写真)が中心になって運営されていた。 | |
小安重夫先生(理研)は免疫学会の理事長として最初の挨拶をされ、その後自然リンパ球についてのトークをされた。 | |
私は第3部、がん免疫がテーマのセッションで、再生T細胞療法の話をした。右に写っているのはこのセッションの座長をされた谷口智憲先生(京大)。あらかじめ録画したものを流す形式だった。3人分の発表が終わった後、視聴者からの質問をQ&Aの機能を使って座長がピックアップし、発表者がライブで対応した。なおこの日のトークは8月31日までオンデマンド配信されるらしい。 | |
第5部の「ポストコロナへ」は、第一部のコロナの最前線に続いて、とても聴き応えがあった。この日のトークコーナーの視聴者は200人以上あったらしいく、十分盛況と言えるが、内容を考えるともっと多くのに聴いてもらってもよかったように思う。写真は高橋宜聖先生(国立感染研)。 | |
トークが終わったあと、「博士と話そう」コーナーに参加。研究者になるにはどの学部がいいか、留学すべきか、などの質問がとびかっていて、いいコーナーだった。 | |
うちのラボからは増田さんと長畑君が、実行委員として参加。ポスターや動画を作成して展示し、この日もシフトに入って一日中対応にあたっていた。 | |
イベント終了後、関係者によるmeetingがあった。今回の実行委員長の伊川君の挨拶。全体としては1100人がサイトに訪れたらしい。盛況だったと言えよう。 | |
実行委員の田中ゆり子先生。今回、とてもよくがんばられたらしい。お疲れ様でした。 | |
最後に、記念写真。その1。 | |
記念写真、その2。 |
大阪、埼玉、千葉、神奈川は8月2日から緊急事態宣言が出されていたが、この日から茨城、栃木、群馬、静岡、兵庫、福岡と共に京都にも出された。9月12日まで。 | |
京都ではここのところ新規感染者が一日500人以上出ている。宣言もやむなしか。 |
今年は8月16日月曜日から18日水曜日までが研究所の夏休み。この日、梅雨の晴れ間的な天気だったので夕方に鴨川を散歩。研究所に短い虹がかかった。 | |
虹の部分のアップ。 |
今年も五山送り火は、昨年と同じで寂しいものになった。「大」は六箇所の点火、他は一箇所か二箇所だけの点火だった。 | |
昨年の記事では「来年は普通に催されて、『去年は大変だったねえ』と言えることを願う。」と書いた(2020年8月16日の記事参照)が、その願いは叶わなかった。来年こそはと思う。 |
今年は天気がおかしく、8月12日ごろから梅雨のような感じで前線が停滞し始めた。しかし通常の梅雨とは少し異なり、あちらこちらで豪雨になっている。これは14日朝の雨雲。九州から関東にかけて広く雨雲が覆っている。 | |
写真は10時ごろ、研究所の駐車場。土砂降り。 | |
この日の11時ごろ、東山沿いの地域に避難指示が出され、携帯が何度も鳴り響いた。修学院とかだけでなく、松ヶ崎や吉田も含まれていた。避難指示は滅多に出ないので、ちょっと怖かった。その頃の雨雲レーダーの情報。 | |
11時頃の鴨川。水嵩がかなり増していた。 | |
大雨でこういう濁流になった時は、魚は岸の近くに避難する。サギがそういう魚を狙っていた。 | |
対岸では濁流の中を、カモが流されないように一生懸命泳いでいた。カモは草食なので、水嵩が増している時に泳ぐ必要はあると思えない。何をしているのだろうと不思議に思った。 | |
この前の日の新聞記事。梅雨前線のような前線だ。予報通り、この後1週間以上天気がぐずついた。 |
7月12日に東京で緊急事態宣言が出されたが、東京も、全国各地でも、その後増え続け、オリンピックが始まると同期するように感染が拡大した。やはり人の移動や集まりの機会が増えたということなのであろう。 | |
京都でも、残念ながらかなりの勢いで増えている。 | |
今回の第5波は、気の緩みからこれまでほど真剣に規制に従わなかったという要素もあるかもしれないが、感染力が強いデルタ株によるものという要素もあろう。東京では9割がデルタ株であるらしい。一方、高齢者でワクチンが進んでいるためか、現時点では死亡者数(赤線)があまり増えていない。今後もう少し様子を見ないと何とも言えないが、死亡者数が減っている事自体は朗報ではある。左図であるが、忽那賢志先生(大阪大学)が作成されてネットに載せられているものを拝借した。 | |
世界全体ではどうか見ると、ワクチン接種が進んでいるにかかわらず、感染者数は増加傾向にある。まだワクチンが行き渡ってない地域もあるので、しばらくは難しい状況が続くであろう。 |
8月8日の朝、教授室の窓ガラスにカマキリがへばり付いていた。ここは2階だし、草木がすぐ近くにある訳ではないので、どうやってここに来たのか、またこんな所で待ち構えていて勝算はあるのかと心配に思った。もしかしたら、夜には部屋の灯火に惹かれて来る虫がいるのかもしれない。 | |
アップ。体長5cm。かっこいい生き物だ。 | |
コカマキリかハラビロカマキリのどちらだろうと思って、ネットで検索すると、ハラビロカマキリは羽に白色の紋があるとのこと。隣の窓から顔を出して見てみると、白紋が確認できたので、ハラビロカマキリに確定。ハラビロカマキリは体長はオス45 - 65mm、メス52 - 71mmとのことなので、オスと思われる。なおずいぶん前のラボニュースにオオカマキリが登場している(2009年8月16日の記事参照)。 | |
次の日(8月9日)になっても、まだ居た。がんばれ! |
オリンピック期間中に2つの台風が来たが、27日頃に来た台風8号は東北の方に逸れ、10号は昨日関東をかすめる程度で済んだ。オリンピックとしては、運が良かったと言えよう。9号が本日西日本を襲っているが、それほど大きな台風ではなく、朝9時に熱帯低気圧になった。 | |
それでもこの日の日中はかなりの暴風雨になった。写真は朝10時頃、まだ南風。この後、台風が日本海側を東進するにつれ、西風へと転じ、風雨は強まって行った。 |
15日間行われたオリンピックが幕を閉じた。なんだかんだ言いながら、夜遅くに家に帰るとその日の総集編的なテレビニュースを見るのが結構楽しみだったので、終わると寂しい気がした。写真はネットから拝借したもの(日刊スポーツ)で、聖火が消えていくところ。さっと消えたのだが、もう少し時間をかけてじわじわと消してもいいのに、と思った。それにしても、「火が消える」のを見るのは、何とも寂しいものだ。 | |
閉会式自体は、開会式と同じで、あまり面白くはなかった。ただ、パリへの引き継ぎ式の部分は、なかなか良かった。中継映像では、パリのエッフェル塔の近くに多くの人がに集まっていたが、多くはマスクを着けていないようで、「アフターコロナ」感があふれていた。写真はネットから拝借(ロイター)。 |
河岡先生が、彼の家の近所の若い人達に「京大見学&実験体験」の会を催し、私が免疫の話などを20-30分、受け持った。いいことだ。計3回。この写真は1回目。 | |
2回目、8月5日。 | |
3回目、8月10日。 |
この日は藤田医科大学に出勤。同大学構内のホールで、実験動物中央研究所の野村龍太先生(理事長)と秦順一先生(特別顧問)の話を聴いた。同研究所の歴史から、現在進めているパーキンソン病などの疾病モデルマウスの話まで、幅広い話題で、面白かった。うちの研究室でも実中研で作製されたNOG-dKOマウスをかなり使っており、大変お世話になっている。 |
コロナのせいでろくに出張にも行けず、ネタがないので、どうということのない話を載せる。うちに8年くらい前から居着いている猫がいて、ニャーゴと呼んでいる。最近は妻の車の下が好みだ。 | |
出庫の際にはエンジン音に気がついて逃げていくのであるが、あまり賢い休息所とは言えない。 | |
夜はほぼ毎日家の中に入ってくる。時々膝の上に乗るのがかわいい。 |
なんだかんだ言いながら、オリンピックは開催されることになり、この日、夜8時から開会式が開催された。オリンピック開催の是非の問題はおいといて、開会式について少し書くことにする。それぞれの演目はそれなりのレベルであり、楽しめた。おおむね評判も良いようで、総じて成功だったと言えよう。ただ、個人的感想としては、全体的に、意表をつく演出もなく、イマイチであるように思った。東京ゲゲゲイの起用は良かったが、他のダンサーに埋もれてしまっていた。歌舞伎と上原ひろみのジャズピアノの組み合わせなどは良いと思ったが、演出そのものが地味に過ぎた。ドローンでの空中作像はもはや斬新さはなく、演出も単にエンブレムが地球なるなど、あまりに普通で面白くなかった。写真はネットから拝借(AP)。 確かに世の中がお祝いムードでもないから演出は地味でもいいかもしれないし、迷走したため最終的には予算的に厳しかったかもしれないが、私としてはチープなりにもう少し前回の東京オリンピック以後世界をリードしてきた日本のサブカルチャーへのリスペクトがあってもいいと思った。その方向性での演出は、ゲーム音楽を入場行進に使うとか、プラカードに吹き出しを使うとかくらいしかなく、例えば手塚治虫や特撮もの、あるいはドラゴンボール、アキラ、ジブリ作品などのような世界的に人気のあるアニメが全く取りあげられなかったのは、いかがなものかと思った。 |
TBS系朝の情報番組「あさチャン」で私たちの取り組みが紹介された。あさチャンは朝6時から8時までの番組。この日はオリンピックの直前ということもあって内容は盛りだくさんだったが、その中で「日本発コロナ治療薬最前線」というコーナーがあり、山中先生がアナウンサーの夏目三久さんのインタビューを受けるという形で進行した。ライブではなく録画。 | |
全部で13分くらいのコーナーであったが、その前半に、2分弱の尺で我々の研究が紹介された。新型コロナへの取り組みについてのテレビでの紹介は、TBS報道特集(2020年11月21日の記事参照)、テレビ朝日報道ステーション(2021年6月8日の記事参照)に続き3度目。 | |
この「新型コロナ治療用T細胞製剤」の開発は藤田医科大学で進めようと考えている。今回は主に藤田医科大学での研究風景が流された。3日前に大久保君が撮ったばかりの映像で、手前が川瀬先生、奥が美山先生(2021年7月19日の記事参照)。「京大ウイルス研のチームが藤田医科大学と共同で開発」という文脈での紹介で、「映像提供:藤田医科大学」とクレジットされている。 | |
今回のコーナー全体では、「iPS細胞で新型コロナ治療(我々の取り組み)」、「mRNAワクチンをがんワクチンとして利用」、「iPS細胞でがん治療」、「iPS細胞でアンチエイジング」などの話題が提供された。 | |
治療用の細胞はiPS細胞から作ると説明。 | |
「キラーT細胞」という言葉が出てくる。 | |
ナレーターがキラーT細胞について説明。 | |
キラーT細胞はウイルス感染を治す「切り札」と説明。 | |
ナレーターが動画を使いつつキラーT細胞について説明。 | |
その中で河原くんが撮った動画も使われた。 | |
我々の戦略は、イラストを使って説明された。 | |
わかりやすい、いいイラストだ。ただし、このイラストだとT細胞からiPS細胞を作るように見える。実際にはコロナ特異的T細胞レセプター遺伝子を取り出してiPS細胞に導入するというステップが入る。「T細胞の記憶に当たる分子をiPS細胞に入れてそのiPS細胞からT細胞を作る」と説明していたが、尺の関係でこういう説明図になったようだ。「iPS細胞財団が提供する準汎用性iPS細胞を使うから、即納型T細胞製剤を作れる」という部分が表現できていなくて残念ではあるが、「コロナ記憶T細胞をiPS細胞で再生」というより基本的なコンセプトは十分表せているとは言えよう。 | |
キラーT細胞は、とても有用な細胞だ。これをiPS細胞から再生できるということは、人類にとって大きな意味を持つ。この写真と次の写真は大久保君が藤田医科大学で撮ったもの。 | |
「人類」と言うとたいそうに聞こえるかもしれないが、それくらい重要な事業だと考えている。 | |
今後、京大病院でがん治療法、藤田医科大学病院でウイルス感染治療法として開発を進めようと考えている。 | |
今回は尺の関係で強調できなかったが、新型コロナだけでなく、SARSやMERSなどの既存の怖いウイルス疾患に対してもT細胞製剤を作って備蓄しておくという戦略が可能だ。今回の事業体制をインフラとして整備しておけば、未知のウイルスのアウトブレイクに対しても、回復患者から素早くT細胞レセプターをクローニングすることによって出現後半年で臨床試験、1年で実用化ということが可能だと考えている。 |
6月上旬に、京都大学医学部や基礎医学関連研究所の医者に、京都府が開催している大規模接種への協力の要請があり、いくつかの候補日を挙げて応募したところ、この日が割り当てられた。「サンガスタジオ(亀岡)」か「けいはんなプラザ」を選べて、私はけいはんなプラザを希望した。8時40分頃、到着。 | |
7時50分に研究室の近くで乗り合いタクシー(写真)に拾ってもらった。 | |
けいはんなプラザの位置。「京阪奈」といいながら、ほとんど奈良だ。 | |
今回は2つの会場があり、私は上のイベントホールの方だった。 | |
会場の入り口。上のマップでは南玄関に当たる。シャトルバスなどで来られた人は北玄関から入った。 | |
入ってすぐの整理券配布書。ここで接種会場が振り分けられるのだと思われる。 | |
イベントホール会場の予診票確認コーナーと、接種を待つスペース。 | |
この会場全体としては8レーンで各レーン最大1日に200人、つまり最大一日1600人に接種が可能だ。ただ、今回は2回目接種の人に限られていて、4週前に1回目を接種した人に限られていた。従って人数もあらかじめわかっていて、500人強とのことであった。それで、全体で4レーンだけが手配されていた。イベント会場では2レーンが稼働し、私は②レーンを担当。 | |
接種後は、この部屋で摂取済証を発行してもらい、15分(アナフィラキシーの可能性の高い人は30分)待機する。 | |
もう一つの会場。 | |
予診票。上の4つの項目は予診票コーナーで確認済み。5番目以後をチェックする。「こんにちは(待たせた場合は「お待たせしました」)。まずお名前をお願いします」と言って名前を言ってもらってから、念の為体温を再確認、年齢と対象グループを確認。その後「病気はありますか」「薬は飲んでますか」「アレルギーはありますか」を確認。最後に「1回目の接種はどうでしたか」と訊く。 | |
高齢者の多くが何らかの薬を飲んでおり、そういう人はおおむね「お薬手帳」を持参してきていた。何らの薬を飲んでいると言う人には「血液をサラサラにするお薬を飲んでおられますか」と尋ねる必要があるが、本人がわかっておられない可能性もあるので、手帳がある場合は確認する。抗凝固薬を服用されている場合は、接種後2分間押さえておくよう指導する必要があるからだ。この確認作業に際して、写真の薬剤名が載ったリストは大変役に立った。 特に30分待機も2分間止血も必要が無い人には、「今回も普通に接種していただけます。前回と同じように接種後15分間様子を見させてください。接種はあちらです。」という感じで指示をだす。 なお、自分が予診をした人が待機中に具合が悪くなった場合、原則引き続いてケアをすることになっていた。例えば救急車で搬送されることになった場合も、病院まで付き添う必要があった。 |
|
接種ユニットは2つのブースが連結していて、まず予診ブース、次が接種ブース。写真は私と、予診補助役の看護師さん。補助役の看護師さんはブースを出て次の人を呼んできて、予診の様子を見守りつつ医師の指示に基づいて「xx 時xx分まで待機してください」いう紙に数字を記入して渡し、となりのブースに連れて行って内容を引き継ぐ。動き回るので結構大変そうだ。写真は予診ブースでの私と予診補助役の看護師さん。 | |
医師控室。メインホールの舞台裏の楽屋が使われていた。ここで昼食。マスクを外すことになるので医師同士で会話しないよう「黙食」という張り紙があった。 | |
昼食。普通に美味しく、量も十分だった。 | |
予定通り5時ごろに終わり、乗合タクシーで帰路につく。写真は、京奈和自動車道が木津川を横切るとき、左側(南側/上流側)を撮ったもの。 |
新学術領域「非ゲノム情報複製」では、コロナ禍以後、当番を決めて月に1回くらい外部講師を招いてのオンラインセミナーを開催している。今回は谷内一郎先生が担当で、講師はEllen Rothenberg(Caltech)。 | |
EllenはT細胞初期分化過程の転写制御を一貫して研究対象としてきている。河本研とかなり近い分野を対象にしており、かつてT細胞系列の完全決定過程について同じような知見が得られた時に連絡を取り合って論文をco-submissionしたこともある(Ikawa et al, Science, 2010; Li et al, Science, 2010)。今年の10月に予定していた国際KTCCでは、キーノートスピーカーをお願いしていたのだが、コロナのせいで国際KTCC自体がキャンセルになり(2021年4月30日の記事参照)、残念だった。その代わりとして谷内先生がEllenを呼んでくれたのかどうか知らないが、今回のセミナーは新学術領域を超えてKTCC関係者にも周知された。ある時点で突然出てくる転写因子と、ずっと出っ放しの転写因子があって、出っ放しの転写因子がどうやってcriticalなstepを制御しているかというような話で、面白かった。 |
この日、美山貴彦先生(講師)が初出勤。近々、TBS系の朝の情報番組「あさチャン」で藤田医科大学での取り組み(新型コロナ治療用再生T細胞療法の開発)を取り上げてもらえる事になり、その中で使ってもらえそうな映像を自分達で作成。Progressの大久保君に出張してもらい、カメラマン役をしてもらった。撮影にはトランスレーショナルリサーチ研究部(三原圭一郎教授)にも協力いただいた。ちなみにこの写真の場所で撮った映像は本番で少し使われた(2021年7月22日の記事参照)。 | |
藤田医科大学では22時まで大規模接種を行なっているようで、おそらくそれを目指しての渋滞と思われる車列が大学病院の外側まで続いていた。写真は19時10分頃、前後駅行きのバスの車中から撮影。後できいたらこんな渋滞はこの日だけだったとのことだった。 |
表記の会が開催された。この日の午前中、京大病院(写真)で2回目のワクチンを受けた。 | |
この公開講演会は通常は時計台ホールで開催される(2019年7月20日の記事参照)。昨年は中止で、今年はオンラインで開催となった。 | |
今回はコロナ関連のテーマとした。演者は野田先生と私。 | |
ウイルス再生研1号館1階会議室から配信。500人以上の視聴があったらしく、盛況だった。質問もそれぞれの講演に数十件ずつ寄せられ、時間内には答えきれなかった。 |
広島大学医学部4回生の岸茉里奈さんは4月から学外実習で研究室に来ていた(2021年4月1日の記事参照)。予定の実習期間を終え、広島大での報告会のプレゼンの予行演習を行なった。TCRカセット法でTCR遺伝子を導入したiPS細胞からT細胞を再生するという方法の中の、「iPS細胞からT細胞を再生する」過程を学んでいただいた。向かって左は、指導にあたった永野君。 | |
14日が実習の最終日。マスクを外して記念写真。 |
この日、東京では緊急事態宣言が出された。解除からわずか3週間後の再宣言。解除前から少し増加する傾向があったが、解除後ははっきりと増加しているので、宣言もやむなしか。オリンピックも、首都圏開催競技は原則無観客となるらしい。 | |
京都でも、解除後、やや増加傾向が見られるが、それでも低い数字を保っている。蔓延防止措置も解除になった。 | |
ウインブルドンやMLBの試合を見ていると、観客はほとんど誰もマスクをしていない。欧米はすっかりアフターコロナの気分であるようだ。しかし、イギリスのようにワクチンがよく普及している国でも、図のように、また新しい大きな波が来ている。デルタ株という感染力の強い変異株によるものらしい。とはいえ、ワクチンのおかげか、新規感染者の数の割には死亡者が少ないらしく、規制を強めたりはしないとのことだ。 |
表記の会で、辻真博先生(JST-CRDS)と私で、細胞医薬/遺伝子治療について話をした。辻先生とは昨年10月に発刊された実験医学増刊号「細胞医薬-新規の創薬モダリティ-」を共同編集した(2020年10月23日の記事参照)。今回のセミナーでは、辻先生は膨大な情報をうまく整理され、細胞医薬/遺伝子治療の現在の潮流と、将来的展望について語られた。 実験医学増刊号「細胞医薬-新規の創薬モダリティ-」 序文 目次 アマゾンのサイト |
|
主催の健康医療開発機構は、産官学をつなぐような機能を持つ特定非営利活動法人で、理事長は珠玖洋先生(三重大学)。細胞医薬/遺伝子治療についての2回シリーズを小澤敬也先生(自治医大)がオーガナイズされ、第1回は小澤先生自身が話をされ、今回は第2回。 健康医療開発機構HP: |
表記の会は当初京王プラザホテルで開催予定であったが、Web開催となった。集会長は田賀哲也先生(東京医科歯科大学)。 | |
会の前日の評議員と座長/シンポジスト有志によるオンライン懇親会。誰が座っているかを確認した上で好きな座席をクリックしたら、そのテーブルの会話に参加できる仕組みだ。中々いい仕組みだと思った。 | |
私は2日目のシンポジウムで話をした。ちょっと変わった趣向のセッションで、演者の組み合わせが面白い、と思った。 |
ラウールと申し合わされた訳でなく、偶然同じ日に、理研時代の知り合いである藤本華恵さんが訪ねてこられた。理研免疫センターではフローサイトメトリー室のオペレーターをされており、よく世話になった。2013年にSonyに移られ、今はBio-Radにお勤め。ラウールと藤本さんも懐かしそうにひとしきり談笑。何とも懐かしい1日だった。 |
ラウール(Raul Vizcardo)が来訪。ラウールは、うちが最初に出した再生T細胞論文(がん抗原特異的キラーT細胞をiPS細胞化することによって再生した話:Cell Stem Cell, 2013)の筆頭著者(2012年12月27日の記事参照)。2013年にNIHのNick Restifoのラボに移り、2019年にRestifoがLyellという会社に移ったのに伴い彼もLyellに移った。今回はNIHでの研究を中心に、セミナーをしてもらった。 | |
セミナー後、記念写真。ラウールのCell Stem Cell論文は増田さんの熱心な指導とラウールの堅実な実験の成果で、うちの研究室にとっては転機となる論文だった。うちで再生T細胞の研究をしている若者にとっては、ラウールは「大先輩」ということになろう。 |
この日の午前中にリバーセルで会議があり、昼食後にいつものように鴨川沿いに歩いてラボに戻った。このところよく雨が降ったからか、白川の今出川分水路(2021年1月21日の記事参照)から白い砂が流入した跡が見られた。白川の砂がやたらと白いのは、東山が花崗岩質だからだ。 | |
堤防の斜面にネジバナが咲いていた。200種以上ある日本の野生ランの中で、唯一、雑草化した種である。雑草と言っても、そうそうは見られない。時に群生することがあるが、数年で消えてしまったりする。花がらせん状に咲くのが特徴だ。らせんの向きの表現として、右巻きか左巻きかというと混乱の元になるので、S巻きとかZ巻きという方が良い。この個体はS巻きということになる。らせん構造を持つ生物の多くは遺伝的にどちらかに固定されているが、ネジバナはS巻きとかZ巻きの頻度が半々だとされている(2011年6月27日の記事参照)。 |
表記の会がオンラインで行われた。1時間いただけたので、前半は「細胞医薬とは」という概論的な話をし、概要、歴史、機能強化/付与の例、汎用化などについて論じた。 | |
総合司会をされた高橋良一先生(近江八幡市立総合医療センター血液内科部長)。雑談で「滋賀県ではコロナ新規感染者は一時期に比べたら大幅に減っていますが、油断はできません」というような事をおっしゃっていた。 |
腎臓内科助教の佐藤有紀先生が留学前の挨拶に来られた。佐藤先生は8年ほど前のラボニュース記事に登場されており(2013年8月1日の記事参照)、随分長い間共同研究してきたことになる。虚血で誘導した腎障害の回復が老齢マウスで遅れるのは免疫反応が関与しているという事を見出して報告された(JCI insight. 1(11): e87680. 2016)。組織の傷害に獲得免疫系が関与するという、重要な知見だ。その後もそのメカニズムを解明する研究を続けられ、現在、その成果となる論文を投稿中。新天地で頑張ってください! |
窓辺に置いているコチョウラン(ファレノプシス)が花を咲かせた。この品種はコチョウランとしては小型で、薄いキミドリ色の花だ。ミドリ色系の花は、それはそれできれいに見えるから不思議だ。 | |
ほぼ同時に開花した別なコチョウランの株。いい色だ。コチョウランはあまり空中湿度を保つ必要がないようで、窓辺に置いて水やりしているだけでよく育って咲いてくれるから、ありがたい。 |
産科婦人科の水野林さんがいよいよ留学ということで挨拶に来られた。河岡研には2年前に参加(2019年3月26日の記事参照)。カヘキシーに関するいい仕事をして、先日投稿したばかり。免疫も関与しているということで我々も少し貢献した。新天地で、頑張ってください! |
乳腺外科助教の河口浩介先生と共同研究について打ち合わせをした。大学院生の福井由紀子さん(D3)の研究課題として、乳腺がんのPDXモデルと同患者の末梢血中の免疫細胞を用いて、抗腫瘍免疫を人工リンパ節で増強しようという研究で、渡邊武先生がホストになる。河岡先生も乳腺がんをモデルとしてリンパ節転移例の遺伝子発現を調べていて、大学院生の前島佑里奈さんと共に打ち合わせに参加した。前列向かって左から渡邊先生、河口先生、福井さん、前島さん、後列左から小林さん、私、河岡先生。 |
ツユクサはどこにでも生えている雑草だ。写真は南西地区の構内。しかし花としてよく見るととてもきれいな青色をしている。私は濃い目の青色が好きで、リバーセル株式会社のコーポレートカラーも、クラインブルーという青にしている(2020年4月28日の記事参照)。 | |
青い花といえば雑草ではオオイヌノフグリ、園芸品種ではアジサイ、ネモフィラ、ヒマラヤの青いケシなどが思い浮かぶが、どれも少し淡い青色だ。デルフィニウムは色はしっかりしているがやや紫がかっている。ツユクサのようなしっかりした青の花は他にはほとんどないのではないかと思う。青い色素はアントシアニンで、ペーハーによって赤、紫、青と色が変わる。遺伝子改変で青い花を作るという試みは昔からあるが、アントシアニンを合成する酵素のcDNAを遺伝子導入しても、諸条件が揃わないと青くはならないらしく、例えば遺伝子改変で作られた青いバラは、とても青とは言えず、どうみても紫色だ(下記HP参照)。 「青いバラ」への挑戦: |
新型コロナワクチンのいわゆる職域接種が京大職員に対して始まった。私(河本)は大規模接種に医師として参加する事(7月下旬に予定)に対する接種であるが、職域接種と同じ日に同じ場所で受ける事になった。午前中に接種を受け、その後、次の日まで接種部位の筋肉痛が少しあっただけだった。 |
表記の会がUAE(アラブ首長国連邦)のドバイで開催され、UAE保健省のブースの一画で、我々の研究内容が紹介された。この写真はYoutubeに出ていた今回の展示会の速報映像から頂いた。 Arab Health 2021のHP: 初日ハイライト動画: |
|
本年3月4日-6日に、再生医療をテーマにした日本とUAEの合同オンラインシンポジウム「Japan Healthcare Update」が開催された(2021年3月4日-6日の記事参照)。今回の展示はそのシンポジウムの延長線上の話で、我々の研究課題が選ばれたのか、応じたのが我々だけだったのかよくわからないが、「再生T細胞を用いたがんやウイルス感染症の治療法の開発」の展示をすることになった。今回の展示会の日本側の世話人は、そのシンポジウムでも世話人をされていたオーパス・コンサルティングの内田敦子さん(2020年12月25日の記事参照)。私は7分くらいのプレゼン動画を作成して提出したが、それを少し改変したと思われる映像が、大きなモニターに映されている。左側には展示物と倒立顕微鏡、モニターが設置されている。思っていたよりもずっと大きなブースだった。 | |
この展示会は、「現物を展示する」という縛りがあるらしく、うちからは「iPS細胞から再生したがん抗原特異的T細胞」を提出した。この準備に関しては永野君と白数さんが頑張ってくれた。先週木曜日(6月17日)にフラスコに入れて密封した形で常温で発送したので、会期中生きているか心配であった。写真は会の2日目と思われるが、生細胞はまずまず残ってそうで、一安心。前回の展示会(2020年1月)には、大阪大学の澤先生の拍動する心筋シートの現物が展示されたらしく、残念ながらそれと比べると、とても地味だ。とは言え、何とか形になったということで、ほっとしている。 |
この日、4月25日に発せられた緊急事態宣言が約2ヶ月ぶりに解除となった。全国レベルで見ると、1回目の延長の後は、確かに新規感染者は減少に転じているが、6月に入ってからは、減少率がやや悪くなっている。 | |
京都はと言えば、5月の後半あたりからよく減り、このところ一日20人以下が続いている。大阪もこんな感じで、緊急事態宣言下で、よく減少した。 | |
一方、東京はと言うと、この2ヶ月の間に、半分程度にしか減っていない。6月に入ってからは、むしろ漸増傾向がみられる。オリンピック開催に向けて、不安要素だ。 | |
世界全体で見ると、5月は、いい感じで減っていてワクチンのおかげかと思えたが、6月に入ってから減少の速度が鈍化しているように見える。 | |
この日は藤田医科大学に出勤。写真はお昼前の新幹線の指定席(7号車)。出張はまだ少ないようで、相変わらずガラガラだ。 |
散歩で丸太町通りの橋を渡っていたら、大きな魚が泳いでいた。 | |
これまで何度もニゴイの話は書いてきた(2021年3月18日の記事参照、2018年3月29日の記事参照)。これもニゴイかと思ったが、体型がよりずんぐりむっくりしているので、ニゴイではなく「コイ」だと思われる。ネットで調べたら、背びれの形状が異なるらしく、ニゴイはサメみたいにシュッと帆のように出ているのに対して、コイは尾びれに向かって長く伸びているとのこと。そういう点でもこれはコイだと言えそうだ。どちらもコイ科に属するようなので近縁種ではある。なおニゴイは日本の在来種であるが、現在こうして目にするコイは、残念ながら外来種と考えられている。 |
表記の会が東京江東区のL stay & grow南砂町で、ハイブリッド形式で開催された。この会は昨年は9月にハイブリッド形式で大阪で開催され、私は現地参加して「7ヶ月ぶりの学会参加」とか言って喜んでいた(2020年9月12日の記事参照)。昨年9月は、7月の第2波を特に緊急事態宣言等を発することも無く押さえ込むことができていて、世の中はこのまま元に戻るかもという雰囲気だったが、その後11 月から年末年始にかけての第3波に襲われてしまった。今回はまだ緊急事態宣言中とはいえ、週明けには解除される見込みであり、ハイブリッド開催可としてもそうおかしくはない。とはいえ、今回は昨年(大阪)と違って会場が遠いので、私はオンライン参加とした。 | |
森尾友宏先生(東京医科歯科大学)と共同で座長。テーマは「新たな手法による免疫治療戦略」。アルゴリズムを使ったネオアンチゲンのエピトープペプチド配列予測や、AI を使った診断法の話などが聴けた。 | |
集会長の藤井慎一郎先生(理研IMS)による閉会の挨拶。ハイブリッド形式は大変だったであろうと思う。 |
LINK-J(ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ ジャパン) は、産官学連携でのイノベーションを促進している一般社団法人で、定期的にテーマを決めてこういうシンポジウムを開催しているらしい。理事長は岡野栄之先生(慶應大学)。 LINK-JのHP: |
|
先週と今週は、講演の機会がたまたま立て込んで大変だった。この会は視聴者が400人以上とのことで、さらに「創薬」という観点から「細胞医薬」の話をする必要があり、最後に1時間のパネルディスカッションもあったりして、かなり重みのある会だった。洪先生はmRNAワクチンの話をされたが、その中で「免疫をつけるには皮下注や筋注よりも皮内注射が一番」と話されていた。椛島先生も先日そう話されていた。免疫細胞の局在を考えると、納得の話だ。 | |
パネルディスカッションをしているところ。岡野先生はさすがで、視聴者からの質問を巧みに捌いて、名司会ぶりだった。 |
表記の会で、教育講演的な話をした。座長をされた藤田芳郎先生(中部ろうさい病院)にはよく声をかけて頂いている。講演会の後の会食が毎回楽しみだった(2019年12月3日の記事参照)のに、そういう機会が無くなって久しく、お酒好きの私としては、ストレスが溜まる一方だ。 |
ラボの近くの鴨川沿いを散歩していると、丸太町通りの橋の下あたりで、岸に向かって泳いでいるヘビを見かけた。 | |
おそらくシマヘビであろう。1m以上あり、わりと大きい。 | |
少し上流側の草むらの中に消えていった。シマヘビはそう珍しいヘビでもなく、河原の草むらの中にいても不思議ではない。とはいえ、これまで鴨川で見かけたことがなかったので、何だか嬉しく思った。もっとも、ヘビが嫌いな人にはちょっと嫌な話かもしれない。もしかしたら、元々生息していたものではなく、先日の豪雨の際(2021年5月21日の記事参照)に流されてきたのかもしれない。 |
表記の会は当初鎌倉での開催が計画されていたが、Web開催になった。 | |
集会長は福島県立医科大学の柴田昌彦先生。 | |
今回は、1時間の講演を6本、という構成だった。 | |
数日後、記念品を送って頂いた。「赤ベコ」という会津の民芸品。400年前の大地震の後の復興事業で厳しい労役をさせられた中で生き残った牛が、赤い色をしていたことに因むという。無病息災や疫病退散の意味があるらしい。胴体に描かれた斑点は疫病の象徴とのこと。牛痘(牛の天然痘)を表している訳ではなく、ヒトの子供が天然痘に罹らないように、身代わりとしてつけられたものであるらしい。何であれ、昨年獨協大学の徳田先生から頂いた「黄ぶな」グッズ(2020年12月17日の記事参照)に続いて、今の世によく合った品だ。ありがとうございました。 |
このところ毎年獨協大学では2回生に講義を2コマさせて頂いているが、昨年に続き今年もオンラインになってしまった。昨年も栃木だよりの品をいくつか頂いた(2020年6月12日の記事参照)が、本年も色々と送って頂いた。ありがとうございます。宇都宮駅周辺で色々な種類の餃子を食した事を思い出す。今回のは、さらに宇都宮経由で那須にいったという設定との事で、那須高原アイテムもある。那須高原と言えば、胸腺研究関係者と、免疫学会の後に一泊だけのミニツアーに出かけた事を思い出す(2007年那須ツアーの記事参照)。火山地形、旅館、露天風呂…旅行したい! |
いつの間にか60歳になってしまった。人生の節目であろうが、考えなければならない事が多すぎてあまりにも気ぜわしく、感慨にふける余裕がない。それでもラボの皆は、豪華な品で祝ってくれた。ありがたい。還暦だから赤がモチーフになっているようだ。赤いバラと、赤い記念フォトアルバム。「祝還暦」の字は長畑君が書いてくれたらしい。中々の達筆だ。 | |
緊急事態宣言の最中でもあるので、こんな感じで密にならないように祝っていただいた。勿論、飲食は無し。 | |
教授室で、渡邊先生と、秘書さんとで記念写真。約1年前には、渡邊先生の傘寿(80歳)のお祝いをマスク姿で行った(2020年7月15日の記事参照)。飲食を伴うお祝い会は、いつになったらできるようになるのだろう。 | |
フォトアルバムは、テーマごとに、この十数年の写真を、ラボニュース欄などから集めてきてまとめて頂いた。これは誕生日関連のページ。2009年と2010年の写真は、何とも懐かしい(2009年6月9日の記事参照、2010年6月9日の記事参照)。この頃は、当時の秘書であった越智さんによくいじられていた。その越智さんは、途中でセンター全体の秘書業務を統括するオフィスに引き抜かれた。部屋を移る日の越智さんの寂しさを押し殺した満面の笑みが思い出される(2010年1月8日の記事参照)。 | |
バンド(Negative Selection)関係の写真1。なつかしい。 | |
バンド関係の写真2。これらの他、学会、スキー、ゴルフなど、時系列に並んだ写真を次々と見ていると、ふと、私は今死にかかっていて、「走馬灯のように過去の記憶が蘇っている」のでは、と思ったりした。 |
我々が進めている新型コロナ治療法研究が、テレビ朝日の報道ステーションで紹介された。全部で13分25秒と、わりとしっかりと尺が取られていた。CGを使ってキラーT細胞が働く仕組みがきちんと解説してあり、とてもいい構成だと思った。前半は編集された映像で、後半はZoomで繋がれたライブインタビュー映像。 冒頭は私が一人で顕微鏡を覗いているシーン。大久保君(progress、リバーセル広報、NSのキーボード)が今回の番組用に撮った動画が使われた。今回の放映部分はテレ朝のサイトやYoutubeに公式に載せてある。 Youtube: |
|
iPS細胞から再生したキラーT細胞。 | |
JEM (2015) 212 (3): 307–317からダウンロードされた動画。死にかけの細胞はPIで赤く染まるようになっている。 | |
この日の1週間くらい前にZoomで収録された動画。キラーT細胞といえばがんの免疫細胞療法に使われているという印象が一般にはあり、我々もキラーT細胞にがん細胞を殺傷させたりしているが、本来は主に感染細胞を殺傷するための細胞だ。 | |
キラーT細胞を上手に使うと感染細胞だけをうまく殺してくれると、当然期待できる。 | |
先ほどとは別なキラーT細胞ががん細胞を殺傷している動画。ケンブリッジ大学のGillian Grifithsらによるもの。解像度のよい、素晴らしい動画だ。 番組で使われた動画の元動画サイト: https://www.youtube.com/watch?v=i7HBHV27qxA https://www.youtube.com/watch?v=ntk8XsxVDi0 同じラボによる別なきれいな動画サイト: https://www.youtube.com/watch?v=jgJKaP0Sj5U |
|
がん細胞が死ぬと決まった瞬間、ピカッと赤く光る仕組みになっている。「キラーT細胞、すごい!」と思わせる映像だ。 | |
ここからはウイルス感染の時に何が起こっているかを解説するCG。 | |
ウイルスが肺に到達。 | |
まず食細胞が食べるが、すり抜けるウイルスが肺胞上皮細胞へ。 | |
すり抜けたウイルスはスパイクタンパクを使って細胞にくっつき、細胞内に入る。 | |
そして細胞内で増殖する。 | |
最初は1個の細胞が感染するだけでも…。 | |
ウイルスはその細胞を飛び出て、まわりの細胞へと拡がっていく。 | |
そこで、樹状細胞の出番。ウイルスを取り込む。 | |
リンパ節に行って、キラーT細胞にウイルスの断片(ペプチド抗原)を提示。それに反応できるキラーT細胞が活性化される。このあたりが、きちんと描かれているのが素晴らしい。簡単な教科書などでは、ヘルパーT細胞がキラーT細胞に指令を出すような描き方がされがちだが、このコーナーでは、とても正確に描かれている。 | |
そして、ウイルス感染細胞だけを選択的に殺傷する。このように特異的に攻撃するのが獲得免疫系の特徴であるが、よく考えてみれば、すごいことである。今回の動画が載ったYoutubeのコメント欄に、「言語を使える人間ならともかく、具体物な情報を他者へ共有する行為ってすごくないですか?しかも細胞レベルで。 人間(言語)以外だと方角と距離を伝える『ミツバチのダンス』くらいしか知りませんでした。」(zhcxaaryr2ai5bn0ua)というのがあった。これはとてもいい感心の仕方だと思う。 | |
ナレーションは、「その情報が記憶される」と記憶を強調。 | |
記憶ができれば、2度目の感染時に、もし抗体をかいくぐって細胞内に入った場合でも、キラーT細胞は「第2の矢」として即座に対応できる。 | |
「今話題の各種変異型ウイルスには効くのか?」という疑問点が挙げられた。 | |
この疑問点に関しては、ラホイヤ研究所のSette教授が答えた。 | |
コロナから回復した元患者や、ワクチン接種歴のある人の白血球(末梢血単核球)を、従来型のウイルスあるいは変異型のウイルス由来の抗原で刺激したら、同じような割合でT細胞が反応した、という知見が得られている。つまり、従来型で誘導されたT細胞の記憶は、変異型に対しても十分有効だということを示している。 | |
実際のデータ。こういうのを示すのは報道番組では珍しいのではと思う。棒グラフは左から従来型、イギリス型、南ア型、ブラジル型、カリフォルニア型(=インド型)。折れ線グラフは個人ごとのデータ(元患者11人分、ワクチン接種者19人分)を結んだもので、基本的には棒グラフだけを見れば良い。 このデータだけをみると従来型と変異型で差がないということの他に、ワクチン接種者の方がT細胞の反応が良いようにも見える。ここではワクチン接種歴のある人からのデータを取るためにスパイクタンパクだけの話になっており、そのためにスパイクタンパクだけで見るとワクチンの方が反応が良さそうに見えている。論文では元患者の白血球だけを用いて10数種類の全てのタンパク質を標的にした実験も行っており、その場合はワクチンよりも反応したT細胞の割合は多いので、ワクチンの方がT細胞の記憶を誘導するのに良いとは言えない。この論文は現時点ではまだbioRxivに載っている(下記)。参考までにこの記事の最後に解説スライドをつけたので、よければご覧いただければと思う。 https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.02.27.433180v1 |
|
これらのデータから、キラーT細胞に関しては変異型を恐れる必要はないと説く。 | |
そして、キラーT細胞が重症化を抑える効果があるだろうと。キラーT細胞の応援演説として、ありがたい話だ。 | |
画面はウイルス再生研に戻る。大久保君が撮った映像。 | |
このあたりから我々が進めている治療法の開発の話が始まる。 | |
この研究は主に臨床研究に強い藤田医科大学で進めていると解説が入る。 | |
リバーセルとの共同研究であることも画面に示された。 | |
iPS細胞を用いる戦略の解説が始まる。 | |
ウイルスの記憶を持つ分子の遺伝子をiPS細胞に導入。「ウイルスの記憶を持つ分子」というのはT細胞レセプターのことであるが、番組ではレセプターという言葉を使わない方針となった。 | |
iPS細胞に遺伝子が導入された。 | |
そのiPS細胞からキラーT細胞を再生。 | |
これは河原くんが撮った、再生キラーT細胞が抗原特異的にがんスフェロイドを攻撃する映像。緑が再生キラーT細胞。 | |
死んだ細胞は赤くなる。組織も破壊されているのがわかる。30時間くらいの実験。 | |
ここからは、「この治療法を確立しておくと、今回のコロナだけではなく、未知のウイルスによるパンデミックへの備えになる」という話。大久保君映像、3度目。 | |
未知のウイルスによるパンデミックが起こっても、ゲノムの解析は1ヶ月以内に終わるし、全ゲノム情報はすぐにシェアされるであろう。 特定のHLAに乗りやすいペプチドの予測も合成もすぐにできるであろう。患者あるいは元患者から反応するT細胞を採取するのもいいが、健常人からでも特異的T細胞は試験管内で誘導できる。体制さえ整っていれば、パンデミック発生後、3ヶ月あればT細胞レセプターのクローニングができるであろう。 |
|
そのT細胞レセプターをiPS細胞に導入するのはすぐにできるだろう。導入されたiPS細胞の中から良いものを選ぶのは通常なら分化能と再生T細胞の品質を確かめる必要があるので5-6ヶ月かかるが、複数株を用いて作製に取り掛かれば、株選びのステップはとばせる。 | |
T細胞レセプターの入ったiPS細胞から臨床試験に十分な量のT細胞が作れるのに3ヶ月。それで合計で半年後には再生キラーT細胞が準備できるという話にしている。まあ体制が完璧にできていればの話で、実際にはそううまくいかないかもしれない。 | |
このコーナーが始まって6分30秒あたりから、Zoomを使っての生配信で登場。 | |
質問と応答案は直前まで何度かやり取りをして、最終稿がもらえたのは番組の1時間くらい前。質問の方はアナウンサーが読む全セリフが書いてあるが、応答案の方はざっくりと要点が書いてあるだけだった。 | |
まずアナウンサーの人がキラーT細胞と抗体について説明。 | |
「抗体とキラーT細胞の違いは?」という質問がきた。 「ワクチンと言えば抗体、という話になりがちですが、キラーT細胞も誘導されます。抗体は、ウイルスに直接くっついて、ウイルスが細胞に入るのをブロックする力を持っています。ただ、それをすり抜けて、ウイルスが細胞内に入ってしまうと、抗体は効果がありません。」 |
|
「そこでキラーT細胞の出番になります。キラーT細胞は、ウイルスに感染した細胞を、細胞ごと殺します。どんどん殺していくので、体からウイルスがいなくなって、病気を治す力を持っています。」 | |
次に「キラーT細胞を培養するためには、iPS細胞を経由しないといけないのですか?」という質問。「病気から治った患者の血液の中には、その病気を治したキラーT細胞がいます。ただ、このままだと、免疫系が拒絶するので、他の人に直接入れることができません。そのため、iPS細胞を使います。京都大学のiPS細胞研究財団が作っている、他人に拒絶されにくいiPS細胞を材料にします。私たちの場合、キラーT細胞がウイルスを見つける時に使う分子を取ってきて、iPS細胞に入れます。そのiPS細胞からキラーT細胞を大量に作ります。この分子を入れるところと、iPS細胞から大量にキラーT細胞を作るというところに、私たちは独自の技術を持っています。」 | |
Q3「治療薬は、どんなタイミングで投与する想定ですか?」A3「重症化リスクの高い患者が、肺炎を起こす前に使って、重症化を防ぐことを想定しています。 」Q4「変異型にも効果はありますか?」A4「変異は、ウイルスのスパイクたんぱく質に起こります。抗体はスパイクに対してできるので、ウイルスが変異を起こすと効かなくなることがあります。一方、キラーT細胞は、ウイルス全体を標的にするので、ウイルスが少し変異を起こしても、効果を持ち続けることが期待できます。」Q5「キラーT細胞はどれぐらいの期間、ウイルスを記憶しますか?」 A5「免疫は、いったんつけば、何十年も持つようなこともあります。ただ、今回のコロナに関しては、誰も分かりません。できるだけ長く続くことを期待しながら、研究を続けていこうというところです。」 | |
Q6「実用化のめどは立っていますか?」 A6「私たちはウイルスを記憶する分子もすでに持っていますし、元になるiPS細胞もあるので、1年ぐらいあれば再生T細胞は作れそうです。ただ、ちゃんとした施設で作って、安全性を見極めるのに時間がかかるので、臨床試験は早くても3年後になると思います。そのころには、新型コロナは終わっているかもしれませんが、いったんこの体制ができたら、他のウイルス感染症のキラーT細胞を作って備えておくことができます。未知のウイルスが来てパンデミックが起きた時にも、半年以内くらいに細胞を作って治療に使うなど、すぐに対応できると期待しています。」 写真は、全ての応答が終わって「ありがとうございました」と言われて、ほっとして嬉しそうにしているところ。 |
|
この写真は、手伝いに来てくれていた大久保君が撮った、中継の様子。Zoomとはいえ、ライブ出演は初めてだったので、とても緊張した。 | |
私が作成した、bioRxivに出てるSette論文(下記)の主なデータの解説スライド。タンパク質から計数百個の断片というのは、いわゆるoverlapping peptideのこと。全タンパクに対して反応したキラーT細胞の頻度を測定したデータ。ここではキラーT細胞のデータだけを出しているが、論文では、ヘルパーT細胞の反応も測定されている。 https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.02.27.433180v1 |
|
既感染者とワクチン接種者を比べるためにスパイクタンパクだけで見たデータ。そもそも変異があるペプチドが全体の数%しかないし、それを乗せるHLA分子も人によって大きく異なるわけだから、「こうなるに決まっている」という結果ではある。 | |
冒頭で述べたように、今回の放映部分はテレ朝のサイトやYoutubeに公式に載せてある。Youtubeの方は、この原稿を書いている時点(アップされてから50時間くらい)で再生回数44万回以上、コメント1200以上と、この手の医学的な報道映像としては異常な再生回数とコメント数である。コメントを見ると、「はたらく細胞」ファンが多く訪れているのがわかる。「はたらく細胞」の中のキラーT細胞が、マッチョでかっこいい、人気キャラだからであろう。Yahooニュースに、「俺の知ってるキラーT細胞と違う」 報ステ特集に「はたらく細胞」ファンから思わぬ反応、という記事(下記)があったりする。 Youtube: Yahooニュース:俺の知ってるキラーT細胞と違う」 報ステ特集に「はたらく細胞」ファンから思わぬ反応 |
表記の会で夜7時40分から1時間の教育講演的な講演を行なった。この日は9時54分からのニュース番組でZoomでの生出演の予定が入っていて、9時ごろから直前打ち合わせがあるというので、何だか落ち着かなかった。 |
新学術非ゲノム情報複製も3年目に入った。公募班員は2年目。領域会議は通常なら泊まりがけで開催するところであるが、コロナ禍のせいで今回の領域会議もon lineということになった。結局一度も実際の顔合わせが無かったことになる。残念だ。写真は2日目に顔出しで撮った記念写真。 |
4月25日に発せられてから約5週間になる緊急事態宣言であるが、さらに約3週間、延長されることになった。世界はどうかとみてみると、世界全体では収束に向かいつつある。 | |
日本全国で見たら、5月12日に延期が決まった後は、緩やかではあるが減少に転じている。とはいえ、ここでもっと抑え込んでおいて、オリンピックの頃に第5波が来ないようにしようということであろう。 | |
京都も、緊急事態宣言下の最初の2週間くらいは高止まりな感じであったが、この3週間ではしっかり減ってきている。このままウイルスが消え失せてくれたらいいのにと思う。 |
先週末のインターフェロン・サイトカイン学会で荒瀬尚先生(大阪大学)が発表されていた話だったが、この日の朝、ニュースになっていた。「セル」に載るとのこと。抗体依存性感染増強という現象は以前から知られており、この場合はウイルスに抗体が結合して、その抗体分子の根元の部分を目印にして食細胞が貪食しようとする際に、ウイルスがその食細胞に感染するというものである。今回荒瀬先生が見つけたのは、スパイクタンパクに側方から結合して、その結果としてスパイクタンパクがレセプター分子(ACE2)に結合しやすくなるというもの。このタイプの抗体があるかどうかで重症化の予測ができるかもしれないという。また、このタイプの抗体しかできないような変異株が現れた時には、非常に厄介だと言えそうだ。獲得免疫系悪者説(2020年10月14日の記事参照、及び下記の記事参照)を唱えている私としては、納得できる話である。 免疫学会ニュースレター記事「新型コロナ:獲得免疫は味方か敵か」 |
夕方、鴨川を散歩。昨日の雨のために、まだ水量がやや多い。これくらいの水量があった方が、川としては存在感がある。 | |
下流側を望んだ写真。夕方の鴨川は風情があって良い。 |
昨年7月に開催されるはずだった学会が、約1年延期されたが、結局on line開催になってしまった。集会長は東京医科大学の善本隆之先生。状況に振り回され、苦労されただろうと思う。 | |
本年度からこの学会の理事長になられた吉村昭彦先生(慶応大)。吉村先生は来年度の免疫学会の集会長もされるはずだ。お忙しいのに、この手の公務的な仕事もよくされていて、偉いなあと思う。 | |
今回は、1日目のシンポジウムで話をした。松崎有未先生(島根大学)と久々に挨拶できたのはよかった。間葉系幹細胞は再生だけでなく免疫抑制にも使えるので、用途は広い。私の演題は「iPS細胞を材料とした即納型汎用性T細胞製剤の開発-臨床試験に向けた開発と次世代型を目指した改良-」。 | |
総合司会をされていた田中ゆり子先生(東邦大学)。 | |
2日目の午後のシンポジウムの司会をされていた田原聡子先生(筑波大学)。 | |
このお二人の姿を続けてお見かけして、ライブ演奏のことを懐かしく思い出した。毎年夏に免疫学会主催で開催される一般向けイベント、「免疫ふしぎ未来展」の打ち上げは、銀座のライブハウスでネガティブセレクションが演奏したりするのであるが、田中先生と田原先生はそのレギュラーメンバーであった。遠い昔のことのようだ。写真は2017年、田中先生。曲は中森明菜の「DESIRE」。 | |
同じく2017年のライブで、田原先生。曲はZARDの「負けないで」。お二人の「こんな写真出さないで」という声が聞こえる気もするが、すでにこのラボニュース欄に熱唱中の勇姿で何度も登場いただいているので、この際ご容赦いただければと思う。 | |
そういえば今回の集会長の善本先生も、2011年に免疫ふしぎ未来展の実行委員長をされた時の打ち上げで、歌われたことがあった(2011年8月21日の記事参照)。曲はツイストの「ひきがね」。いい写真だ。コロナ禍で新しく面白い写真が撮れないので、やむなく昔の写真を引っ張り出しているという感じではある。早く元の世界に戻ってほしい。 |
この前の晩からこの日の朝にかけて京都の北山でかなりの雨が降った。写真は朝8時ごろ、研究所の近く。 | |
橋の下では、一時、歩道のあたりまで水位が上がっていた模様。 | |
カモが、所在無げにしていた。 |
精華大学は、岩倉の北部の山あいに位置する。芸術学部、デザイン学部、マンガ学部などを擁しており、クリエーター養成校という感じの大学。デザイン学部の中に建築コースがあり、そのコースの4年生は、各自がテーマを決めて建物を設計し、模型を作るという。少し前にこのコースの担当の高松樹先生と吉原雅人先生のお二人と、たまたま知り合う機会があり、その縁で卒業制作発表の外部評価者として招いていただいた。 高松樹先生紹介ページ: 吉原雅人先生紹介ページ: |
|
今回は、コンセプトの発表会。13人の学生さんがそれぞれ15分ずつの持ち時間で、7-8分発表、残りは質疑応答という進め方。評価者は3人で、他の2人は大久保博志さん(progress、NSのディレクター、リバーセルの広報担当)と、高橋優希さん(45rpm)。建築に関しては3人とも素人であるが、コンセプトについては、一般論としてあれこれとそれなりのコメントはできたと思う。いろいろなアイデアを聴けて、とても楽しかった。 |
産経新聞夕刊一面トップ記事で、大学発ベンチャーが新型コロナ研究に迅速に取り組んでいる事が紹介された。その中で、リバーセルが京都大学、藤田医科大学と共同で進めているT細胞製剤を用いた治療法の開発について、筆頭で紹介された(赤枠で囲った部分)。また、京都大学の研究室の写真が掲載された。 記事全文: なお、この記事は、少し前に5月5日にon lineで掲載されていた。 on line記事(無料記事): |
|
左の文は、赤枠部分を取り出したもの。この記事がすごくいいのは、大学発ベンチャーの強みがしっかりと書かれていることだ。ここに書かれている通り、大学発ベンチャー企業のいいところは、「研究開発能力が高いので、有事の際に独創性のある事業を臨機応変に開始できる」という点だ。 我々はこれまでにiPS細胞から再生した他家キラーT細胞をがんの治療に使う研究を進めてきた。一方、キラーT細胞はもともと感染細胞を殺傷するために存在している細胞なので、当然ウイルス感染症にも使える。本文中にもあるように、この研究はリバーセルの支援の元に、藤田医科大学との共同研究の形で進めている(2020年10月14日の記事参照)。藤田医科大学はアビガンの治験を行った実績があり、新型コロナ治療の研究開発能力が高い。私(河本)は藤田医科大学にクロスアポイントメントで職位を得ており、この4月に研究室を開設した。広島大学血液内科から川瀬孝和准教授が着任しており、三浦康生先生、斉藤邦明先生らの協力の下に、プロジェクトをリードしてくれている(2021年5月10日の記事参照)。これも本文にもあるが、このアプローチは他のウイルス感染症にも使えると考えている。例えばSARSとかMERSのケースでは、すでに患者の末梢血単核球が色々な研究機関で保存されているので、それらからウイルス特異的T細胞レセプターを採取することは可能だ。そのT細胞レセプターを用いて、あらかじめウイルス特異的他家キラーT細胞を5種類くらい作って凍結保存しておき、アウトブレイクが起こった時にすぐに使えるよう備えておくことができる。難しい話になるが、それぞれの地域での頻度の高いHLAクラスI分子に拘束性のTCRを5種類ほど用意すれば、その地域のほとんどの人をカバーできると考えられる。例えば日本の場合、2種類(HLA-A2402とA0201)で8割くらいがカバーできる。また、未知のウイルスによるパンデミックが起こった時でも、この戦略を確立しておけば、1年以内に治療法が開発できると期待される。 |
iPS細胞研究所(CiRA)ニュースレターの45巻(4月号)で、iPS細胞を用いた新型コロナに関する話題が取り上げられ、そこに私も登場した。CiRAの斉藤潤先生(臨床応用部門准教授)との対談形式。斉藤先生らは、新型コロナ感染症から回復した患者さんからiPSを作製して、重症化のメカニズムの研究に提供されている。iPS細胞そのものや、そのiPS細胞から再生した組織を用いて感染実験を行われている。 表紙に登場されているのはその斉藤先生。CiRAのニュースレターの表紙はこのところ大内田美沙紀さん(CiRA国際広報室、サイエンスイラストレーターでもある)(2019年5月31日の記事参照)が手がけていたが、今回は写真。とてもかっこいい写真だ。 CiRAニュースレター45巻(4月号): |
|
広報に大内田さんがおられることもあってと思われるが、CiRAの刊行物は一般にデザインが素晴らしい。左の写真は新型コロナ研究についての記事(全3ページ)の1ページ目。この1ページ目のコロナウイルスのイラストは大内田さんによるもの。 右下に写っている無骨な手は、私の手だ。こういう写真を使うとは、と感心した。今回は全体にレイアウトのテイストがこれまでと変わっていて、よりスタイリッシュになっている感じがする。冊子の最後のページの奥付を見ると、デザイン:長谷川弘佳とクレジットされている。どこまでが長谷川氏によるものかは分からないが、今回のイメージチェンジに、この人の寄与は大きいであろう。こういう人を見つけてきて起用するというのも、CiRAの広報部のすごいところだ。 長谷川弘佳氏を紹介している記事: |
|
記事の中で使われた写真。自分で言うのも何であるが、モニター越しという面白いレイアウトで、中々かっこよく撮れているので、嬉しがって載せさせて頂いた。斉藤先生との対談はon lineで行われたが、そういえばその対談の取材にはプロのカメラマンが来られていた。斉藤先生も、とてもいい表情をされている。 iPS細胞というのはジェネティックだけでなくエピジェネティックにもかなりheterogenousなので、いろいろな経過を辿った患者から複数のラインを樹立して材料として用いると、感染しやすいあるいは感染しにくい各種分化細胞が安定して作れるであろう。そういう細胞を用いて感染実験を行えば、感染しやすさやインターフェロン産生能など抵抗性の差のメカニズムの解明に迫れるであろう。斉藤先生が進めておられる研究は、iPS細胞ならではの長所をよく活かせている。 一方河本研はこれまで紹介してきたように、iPS細胞から再生したキラーT細胞を治療薬として使う戦略の開発を進めている(2021年4月26日の記事参照)。この研究は主に藤田医科大学の研究室で進めている(2020年12月21日の記事参照)。 |
|
もう一枚の写真。これもよく撮れているので、載せさせて頂いた。 |
前回に書いた通り、この日から5月末まで、東京、大阪、兵庫、京都で緊急事態宣言が延長されることになった。また、愛知県と福岡県は、この日から新たに発令となった。4月25日から2週間たったが、全国レベルで見ると、新規感染者数は減っていないというか、むしろ少し増えている。延長もやむなしというところであろう。巷では、「オリンピック中止」の声が強くなりつつある。 | |
緊急事態宣言が出されたエリアだけで見たらどうだろう。東京は、この2週間で少し増えているように見える。1月8日の緊急事態宣言は、今回のより条件は緩かったと思うが、宣言後2週間で明らかに効果が見られていた。 | |
大阪では、新規感染者数で見ると、少し効果が出ているように見える。しかし高止まりとも言える数字であり、医療体制の危機的な状況(患者が適切な治療を受けられていない)が続いている。 | |
京都でも、少し減少傾向が見られる。前回の波(第3波)では、このグラフで見ると宣言から解除まで1ヶ月半くらいかかっている。今回もそれくらいかかるのだろうか。 |
この日、お昼頃から藤田医科大学に出勤。4月25日から東京、大阪、兵庫、京都に緊急事態宣言が出ており、5月11日までの予定であったが、5月末までに延長されることになった。また、5月12日から愛知県と福岡県でも緊急事態宣言が出される。 12時30分ごろ、新幹線で名古屋に向かう。16号車は私一人で、貸切状態だった。今回の宣言下では出勤率や外出率は1年前と比べるとあまり減ってないとのことであるが、さすがに遠方への出張は減っているということであろう。 |
|
藤田医科大学の河本研のオフィスで、斉藤邦明先生(学長補佐、向かって左)、三浦康生先生(輸血細胞治療科教授、中央)、川瀬孝和先生(免疫再生医科学部門准教授)と、新型コロナ感染症の治療法開発研究の進め方についての打ち合わせを行った。三浦先生にはすでに相当数の検体を凍結保存して頂いている。 | |
午後6時過ぎの名古屋駅構内。新幹線は空いていたが、街の人通りはあまり減っていないように見える。「緊急事態宣言が出る前に買い物を」という人達もいるのかもしれない。 |
研究に関係の無い話を一つ。研究所の駐車場の横の樹の下でナガミノヒナゲシが咲いていた。けしの仲間なので、優雅な草姿と花容をしているが、わりとどこにでも生えている雑草。帰化植物であり、時にすごく優勢になることがあるので、生態系に影響を与えているとして嫌がられている。写真から見てとれるが、実が長いので「ナガミノ」と言われる。 ここでこの草をわざわざ紹介しているのは、花の大きさが個体によって激しく異なるという珍しい特性を持っているからだ。ひまわりのような集合花は大きさの差が激しくなることがあるが、通常の花は、種内では大体大きさが揃っている。小さな個体は花を咲かせないで、それなりの大きさの花を咲かせられるようになってから、花を咲かせる。ところが、このナガミノヒナゲシは、小さい個体はそのまま小さな花を咲かせる。この写真でも真ん中あたりに小さな花が写っている。 |
|
小さな花を咲かせている株のアップ。大きな花は直径4-5cmだが、小さな花は1-2cm。もっと小さくなることもある。他にこういう咲き方をする花を見たことがないので、この草を見ると、何だか異世界の生物をみているような違和感を覚える。この現象に関しては、きっとしっかり研究している人がいるのであろうが、ネットでざっと調べても、この特性に言及した記事はほとんど見当たらない。 |
研究室と全く関係ない、河本の個人的な話を少し。この日はとても天気が良く、家の片付けなどをした。午前中は、弟に手伝ってもらい、スタッドレスタイヤを通常のタイヤと交換。庭の垣根に吊るしてあるデンドロビュームが満開だったので、写真を撮った。 | |
これはノビル系のデンドロビュームと日本の在来種であるセッコクとの交配種と思われる。中学生の時に同級生の鴨脚(イチョウ)光茂君から頂いたもの。なお鴨脚家は下鴨神社にまつわる名家。最初は1-2本だったが、その後40年間に良く増えて、これくらいの大きさの株が実家や弟の家のものも合わせると10個くらいある。ノビル系の特徴として唇弁の中に濃赤色の斑紋が見られる。ノビル系は直立するが、この交配種はセッコクのように横向きに生えたり下垂したりする。この前の冬は何回か気温が零下まで下がったが、セッコクの遺伝子があるからか、寒さには強い。 | |
この日、3階のテラスにあるミニガーデンのフレームを取り払う作業もした。1年前にも書いたが、20年近く前、この家を建てて間もなく3階のテラスに、大型の水槽を2つ置いてその上にスチロール材で段々畑のような構造を作り、アクリル板で温室のように囲い水をポンプで水を循環させて、食虫植物ガーデンにしたことがあった。残念ながらアクリル板の温室構造が壊れていって、写真のような残骸を残すのみとなった。コロナ禍のせいでイベントもなく家にいた大学生の息子2人が手伝ってくれた。 | |
2時間くらいかけて、フレームの解体が終了。うちに居着いている元野良猫のニャーゴが水を飲んでいる。雨水だから美味しいであろう。 ここに咲いているランはシランで、日本の野生ランの一種であるが、よく観賞用に栽培もされている。庭に植えていた株から種が飛んでいつの間にか育った。このミニガーデンはほぼ雨水だけで、いわゆる窒素リン酸カリなどという植物にとっての肥料成分がない。それで雑草類はあまり生えない。しかし、食虫植物は、自分でそれらの肥料成分を取れるので、こういう条件でも元気だ(2020年5月10日の記事参照)。また、ラン科の植物は、根を介してラン菌と共生しているので、比較的貧栄養な土壌に強い。それで、シランが選択的に育っているのだと思われる。 |
ちょっと前に大久保さん(NSのキーボード担当、リバーセル社の広報担当)から「山紫水明」という言葉の来歴を教わった。元々は漢詩の一節のようであるが、拡めたのは江戸時代の詩人、頼山陽という人で、その頼山陽の書斎兼茶室の「山紫水明処」が、鴨川西岸丸太町を少し上がったあたりという、散歩の範囲内にあるという。知らなかった自分をちょっと恥じた。この日、散歩してその山紫水明処を鴨川側から拝んだ(写真)。申し込めば内覧できるらしい。 | |
つまりこの場所から見える景色があまりに美しくて、頼山陽は「山紫水明」と表した訳だ。左は、その場所から東側を望んだ写真。確かに、鴨川と共に比叡山や大文字山が見え、素晴らしい景色であることを再確認。うちの研究所がその景色のど真ん中に鎮座しているのもいい。 |
この日、アップリンク京都というミニシアターで「JUNK HEAD」という映画を観た。作品の存在は知っていたが、望月先生(2021年3月30日の記事参照)から京都で今やっているよと教えていただいた。TOHOシネマズ二条やMOVIX京都のような大きな劇場は緊急事態宣言を受けて休館しているが、ミニシアターはやっていた。1席づつ間を取る、館内飲食禁止、などの措置が講じられていた。 これは堀貴秀という人が7年かけてほぼ一人で作ったというストップモーションアニメ。地上で細々と暮らす人類の一人が地下で繁栄している地底人世界に調査に行くという、ディストピアもの。「ほぼ一人でよくこれだけのものを」という点は確かにすごいが、それは仕方なくやったことであり、この作品の評価ポイントはそこではない。とにかく、適度に可愛く適度にグロい造形や描写のバランスが、素晴らしい。またキャラ設定やストーリーもよく練られていて、ユーモアや優しさがある。大満足。 JUNK HEAD公式サイト(下記)では1分くらいの予告映像が見られる。 JUNK HEAD公式サイト |
国際KTCC中止のアナウンスを、Global Thymus Networkのメーリングリスト(3−400人)に送付した(写真)。 KTCCは毎年開催されるT細胞研究を中心にした150人規模の研究会であるが、4年に1回、国際KTCCとして開催される。通常、海外から100人以上が参加し、総勢250人規模になる。2021年は国際KTCC開催の年で、元々は3月1日〜5日に開催予定であったところを、コロナ禍の状況を踏まえて、約半年、2021年10月4日〜8日に延期した。この延期を決断したのは昨年10月頃。当時、7月から8月にかけてきた第2波がなんだかんだで制御できていて、Go to eat(10月1日)などというお気楽なキャンペーンが始まったりしていた。少なくとも日本では何とか制御できそうという楽観的な雰囲気があった。 延期を3月から6月頃ではなくてオリンピック後の10月にしたのは、日本という国がオリンピックをどう開催するかを参考にしようと考えたという意味もあった。オリンピックが観衆を海外から迎え入れることができているなら国際KTCCも開催しようがあるという話。オリンピックが観衆を海外から入れられないなら、その2ヶ月後に免疫学者を海外から参加させるのは、社会的にも問題が生じるのではという議論もあった。何にせよ、 10月の開催であれば、4月ごろまで決断を先延ばしできると考えた。 |
|
ところが、10月ごろの楽観的な雰囲気は、11月に入ってから始まった第3波で吹き飛んだ。1月には緊急事態宣言が出され、一定の効果はあったが、3月になると東京や大阪ではある程度以上減らなくなり、ついに解除となった。その後3月下旬から始まった第4波は、変異株が主流となり特に大阪と兵庫で爆発的に増え、4月25日に東京、大阪、兵庫、京都に緊急事態宣言が出されるという事態になった。 これでも諸外国に比べたら大したことはないという意見もあろうが、現実問題として大阪では重症患者に十分な対処ができないという医療危機に陥ってしまっているというので、厳しい対応を取らざるを得ない。1年以上時間があったのに有事に対処できる準備がなされていなかったのは行政の怠慢と言われても仕方なかろう。 諸外国はというと、イスラエルと英国はワクチンのおかげもあってか、アフターコロナ的な雰囲気になっているようだが、他の地域はまだまだで、特にインドではえらいことになっている。ワクチンは元株には絶大な効果があるが、変異株に対しては未知数で、今後の状況は世界的にみても予断を許さない。 3月下旬、国はオリンピックに海外からの観衆受け入れを断念した。そういう状況なので、国際KTCCは断念せざるをえなかった。もちろん、Web会議にするという選択肢もあろうが、KTCCの主旨は「未発表データを含む最新のデータ」を討論する場であるので、on line meetingに馴染まない。また、欧州、東海岸、西海岸の参加者に全日参加を求めるのは無理な話で、それぞれの地域から朝とか夕方に時間限定参加になってしまう。招待演者の講演を拝聴するような会ならそれでも何とかなるかもしれないが、KTCCはそういう会ではないので、中止という決断に至った。 もちろん、今回の集会長であった私の一存ではなく、世話人会での決定によるものである。私としては、この2-3年間、資金を準備し、キーノートスピーカーの内諾も得て(Ellen Rothenbergにお願いをしていた)、着々と準備を進めてきただけに、とても残念だ。 左の写真はKTCCのHPに掲示した中止の告知画面。 国際KTCC中止の告知: |
日経新聞の朝刊に、「新型コロナ感染症ではキラーT細胞の働きが重要」という話が掲載され、その中で我々の研究が紹介された。新型コロナに対しては、抗体の話がよく語られるが、キラーT細胞も同じように重要である。この記事では、新型コロナウイルスの通常株に対して誘導されたキラーT細胞が、変異型ウイルス株にも有効であることが、文献に基づいて論じられている。ワクチンの場合でも、キラーT細胞が誘導されると変異株にも対応できるという話が紹介されている。とてもいい記事だ。 | |
記事の中で使われている「キラーT細胞は感染細胞を殺傷する」という図。世の中にはキラーT細胞はウイルスを直接殺すと思っている人も多いであろうから、こういう図説は重要だ。 | |
記事の最後の方に、我々の研究が紹介されている。キラーT細胞は、計測、単離、増幅などが難しく、また抗体と違って、ある回復患者のキラーT細胞をそのまま他の患者に移入するということができない。拒絶されてしまうので、使い物にならないのである。一方で、我々の技術を用いれば、薬として使える汎用性のT細胞製剤を作製できる(2020年10月14日の記事参照)。 |
この日、3度目の緊急事態宣言が東京、大阪、兵庫、京都に発令された。3月に緊急事態宣言を解除したのは、1月から2ヶ月も続いて効果が薄れてしまいある程度以上減少しなくなったからであったが、解除するとやはりすぐに増えてしまうということが、グラフからよくわかる。 | |
大阪の新規感染者数。4月5日に「まん延防止等重点措置」という規制が発令されたが、主に飲食店の時短要請だけだった事もあってか、ほとんど効果がなかったようだ。とはいえ、先週はその前の週と比べてあまり増えていないので、少しは効果があったのかもしれない。諸外国に比べたらそれほど大きな数字ではないが、すでに大阪の重症者用の病床は満杯だという。1年以上も経っているのに、どうして病床数を十分増やしておけなかったのだろう。民間の中小の病院の中には、集中治療室を持っている病院は沢山あるはずなのに、そういう病院が患者を受け入れると名乗りを上げないのが問題だと思われる。行政がきちんとした制度をつくらないのでこういう事態になっているのであろう。 もしかしたら、大きな第4波なんか来ないと思っていたのかもしれない。実際、京阪神で起こっている第4波は、イギリス型の変異ウイルスによるものが8割を超えており、もしこの変異ウイルスがいなければ、そう大きな波になっていなかったかもしれない。そういう点では、京阪神の第4波は、想定外的な要素もあるかとは思われる。 |
|
京都はどうかと見てみると、第3波と同じくらいになっている。緊急事態宣言が出されてもやむなしか。 |
この日の午後、藤田医科大学に出勤した。川瀬先生、畑中さんと3人でニトリと山田電機に行き、居室に必要な物品を購入。写真は運び終わってやれやれと一息ついているところ。 | |
夕食は金山駅の近くのトンカツ屋さんで、八丁味噌を用いた味噌カツを食した。とても美味しかった。ビールによく合う。 |
この日の午前中、SBI証券の青木英之氏(執行役員常務、写真中央)、堀口智子さん(写真向かって右)と面談した。リバーセルの事業が今後着実に進んだ場合の話ではあるが、IPOに向けてどういう点に注意すべきかなどを色々と教えていただいた。言葉に重みがあり、心にしみた。勉強しなければならないことは多い。 |
奈良先端科学技術大学院大学の数理情報学研究室教授の池田先生が来られた。機械学習の手法を用いて数理モデルを構築するというアプローチで、ライフサイエンスだけでなく色々な産業分野をカバーされている。河岡先生は池田先生との共同研究を以前からしており、研究の視野が広い。私もそういう姿勢を学ぶ必要があるとは思っているが、中々手をつけられないでいる。 |
長浜バイオ大学では毎年4月初旬に免疫学の講義を1コマさせていただいている。全15回のシリーズの第1回で、総論的な話をしている。 | |
昨年はオンライン講義のみで、録画ファイルを流していただいた。今年は全面的に対面形式。大勢の前での講義は久々で、楽しかった。例によって最後の方に「リンパ節一人旅」を観てもらった。新型コロナの第4波が迫り来る中、どこまでこの形式が続けられるか。滋賀県まで大きな波が来る前に、第4波が収まってくれればいいが。 |
嘉島君(秋田大学泌尿器科助教)が久々に京大に来たので、久保田君(D1)を交えて研究打ち合わせをした。少し前に書いたように、久保田君は嘉島君と同期で、嘉島君が秋田大学で医学部剣道部の主将だった時に久保田君も弘前大学医学部剣道部で主将をしており、その頃からの知り合いらしい。そういう関係の知り合いというのは、半沢直樹みたいでかっこいい。どちらかが何か仕事上のストレスがあった時、ドラマの中であったように道場で乱取り稽古でぶつかり合って汗を流してスッキリ、なんてことをやってくれたら、ネタとしては面白そうだ。 |
宇野賀津子先生(パスツール研究所室長、写真向かって左)の仲介で、艸場(くさば)よしみさん(写真右)と面談した。艸場さんはフリーの編集者で、これまでに社会や科学を子供に紹介する絵本の執筆や企画をされてきた。最近では「天才科学者の実験室」のシリーズ(全4巻)を刊行されている。現在、そのシリーズの現代の科学者版を企画中だとのことで、話を聞きにこられた。面白そうな企画だ。私が手にしているのはその「天才科学者の実験室」シリーズの第2巻。 | |
その第2巻の表紙。表紙を見ただけで面白さが伝わってくる。表紙に出ているのはリンネという18世紀の博物学者。分類学を確立した人で、「分類学の父」として知られている。私は子供の頃から植物がとても好きだったので、リンネは一応は知っているが、一般にはあまり知られていないのではないだろうか。そんなリンネに焦点を当てるのは素晴らしいと思った。この巻の中では他にリービヒ(肥料を作った18世紀の化学者)、ハーベイ(血液の循環を記した17世紀の解剖学者)、ワトソンとクリック、今西錦司(棲み分け理論を提唱した20世紀の生態学者)が取り上げられている。何とも味わい深いラインアップだ。 潜入! 天才科学者の実験室(全4巻) |
|
それぞれの科学者の実験室を見開きで描いた絵が、素晴らしい。いろいろな資料から構成したらしいが、ディーテイルにわたってそれらしく描き込まれていて、観ていてあきない。構成には佐藤文隆先生(京都大学名誉教授、宇宙物理学者、元湯川記念財団理事長)が協力し、絵は「たなべたい」という京都在住の漫画家/イラストレーターが描いている。さすがにプロの作品で、思わず魅入ってしまう。こんな部屋にずっと浸ってみたいものだ。このリンネの部屋の絵であるが、本の紹介ページの試し読みコーナーにあったので、リンクをはっておく。 ②生き物はなぜ生まれた?~リンネほか:試し読み |
この日の読売新聞の朝刊に、新型コロナ感染症の治療法開発が紹介された。午前中にリバーセルの会議があり、記念写真。 | |
記事全体。iPS細胞を利用した新型コロナ研究の紹介記事という主旨で、我々の研究だけでなく、CiRAの斉藤潤先生らが進めている患者由来iPS細胞を用いた研究や、同じくCiRAの高山和雄先生が進めているiPS細胞そのものを使ったウイルス感染研究の話なども紹介されている。 | |
我々の研究の、図解説明。わかりやすく描かれている。 | |
我々の研究内容が紹介されている部分の記事。リバーセルは、「河本宏教授が創業した新興企業」という表現になっている。藤田医科大学と京都大学との3者の共同研究である旨も記されている。 |
免疫学の講義の主任は上野英樹先生であるが、4コマを担当させていただいている。免疫担当細胞の分化(1)(2)と、免疫応答の仕組み(1)(2)。今年は対面式講義が復活。とは言ってもハイブリッド形式で、Zoom配信も行う。対面の方の参加者は20人くらいだった。それでも、「講義をしている感」があって、やはりこの方が良い。この日の午前中は前半の2コマ(免疫応答の仕組み)の話をして、最後にNegative Selectionのオリジナル曲「リンパ節一人旅」の映像を観てもらった。次回(4月13日)は負の選択の話にからめて「Happy Deepee」を観てもらう予定。 |
今年度は、大学院生3人が加入。その他、医学部の学生が1人、4月から7月まで実習生として参加。写真はその学生さんで、広島大学新4年生の岸茉里奈さん。写真を撮る時だけマスクを外してもらった。広島大学免疫学講座の保田朋波流先生の紹介。保田先生は菅野先生の後任として、2019年8月に着任された。保田先生は私が横浜理研免疫センターにいた頃、黒崎研に在籍しておられた。 | |
京大病院泌尿器科からの研究委託の形で、久保田聖史(まさし)君が博士課程1回生として参入。久保田君は嘉島君と同期で、嘉島君が秋田大学で剣道部の主将だった時に久保田君も弘前大学剣道部で主将だったそうで、一対一で剣を交えたことはないがチームでは対戦したこともあって、お互いによく知っているらしい。奇遇だ。写真は左から私、久保田君、赤松秀輔先生(泌尿器科講師)、後藤崇之先生(泌尿器科助教)、増田さん。 | |
博士課程1回生の板原多勇君(写真中央)。京都薬科大学の芦原英司先生の研究室で卒研としてgdT細胞の研究をしていた。主に再生T細胞製剤の開発研究に取り組み、主に永野君が指導にあたる。 | |
修士課程1回生の貝谷亮太君。近畿大学生物理工学部遺伝子工学科での卒研では受精卵におけるCyclinT2による遺伝子発現調節分子メカニズムを研究していたとのこと。造血細胞の系列決定過程に興味があるとのことで、主に長畑君が指導にあたる。 |
リバーセルのオフィスはクリエーションコア御車の3階にある。4月1日から斜め向かいの、1.5倍くらい広い部屋に移ることになり、引っ越しの手伝いに来た。3階のテラスからの景色。 | |
複合機以外はスタッフが運搬。引っ越しがおおむね終わって、ミニカップ麺を引っ越しそば代わりに、ちょっと一息。向かって左から本村さん、三宅さん、大久保さん、畑中さん。 | |
畑中さんが買ってきてくれた「笹屋伊織のどら焼き」。普通のどら焼きとは随分異なり、餡がしっとりした皮でぐるぐる巻きになっている。美味しい。月に3日しか売っていないらしく、希少品だ。本村さんは「あなむらのくしだんご」を買ってきてくれた。これも希少品(2020年6月17日の記事参照)。 |
この日の大阪の新規感染者は600人、兵庫は211人と、2 月以後最多で、急増傾向が鮮明になってきた。京都は57人と増加傾向にあるがまだ波はそう大きくはない。大阪と兵庫で突出して多いのは19日から始まったセンバツが要因と一つという説があるが、人の移動と集中があればある程度そうなるのはやむを得ないであろう。大阪と兵庫では4月5日から、蔓延防止重点措置という主に飲食店に時短などの規制をかける法律が施行される。京都も緊張感をもってのぞむ必要があろう。この日の、昼下がりの鴨川の様子。結構多くの人が花見を楽しんでいる。 | |
昨年の同日、やはり平日(火曜日)昼下がりの鴨川の様子。昨年はほとんど誰も花見をしていなかったから、えらい違いだ。昨年は4月7日に首都圏、16日に全国に緊急事態宣言が出されるなど、花見の頃には得体の知れない緊張感が漂っていたが、今年はいわゆるコロナ慣れということであろう。 | |
これは今年の写真。同じ場所から南側を望んだ。実に長閑だ。 |
望月敦史先生の渾身の著書「理論生物学概論」が刊行となる。今回、表紙のイラストを描かせていただいたことで、この日、御礼として美味しそうな日本酒をいただいた。まだ現物は出回ってないが、予約可能な状態だ。 共立出版のサイト(いろいろな通販サイトへのリンクあり): アマゾンのサイト: |
|
これがその本の表紙。今回のイラストは、私としても自分のスタイルの集大成的な力作と言える。自分にとってもいい記念になると思ったので、制作過程を詳しく紹介することにした。 | |
望月先生は理論生物学において独自のアプローチを確立し、生命現象を数理モデルで解き明かしてこられた。理化学研究所で望月理論生物学研究室を主宰されていたが、2018年4月にウイルス再生研に移られた(2018年7月3日の記事参照)。扱う対象は広範で、遺伝子制御ネットワークから、細胞、組織構築のレベルまでカバーされている。だからこそ、単著でこういう本が書けるのであろう。 さて、わかったかのように書いてはいるが、私が理論生物学というものをよく理解できている訳ではない。数学は受験勉強以来ほぼ関わってないので、すでに数式のほとんどは模様にしか見えない。そういう状態の人が表紙のイラストなんかを描けるのかと思えるので、大きな挑戦であった。 勿論、一般的に言えば、今回の私のイラストよりいいイラストも、いくらでもありうるだろう。ただ、今回の作品は、望月先生にとても気に入っていただけたので、要件は満たしたと言えそうだ。 2020年12月下旬に望月先生からメールで依頼があった。「様々な生命現象に対する数理研究、および様々な数理的手法を取り上げ、豊かさや多様性が感じられることを目標にして書きました。河本先生が得意とされるような、にぎやかで楽しい感じのイラストを描いていただけないだろうか、と思っています。」という内容だった。 依頼時に、当時ほぼ完成していた原稿も読ませて頂いた。前記のように、正確な理解は全くできない。ただ、章立ての構造などから、「反応の速さ」「ネットワーク」「形態形成」という3つの軸があること、分子(遺伝子)、細胞、組織という階層性があることはおぼろげながらわかってきたような気がした。また、こんなに幅広く生命現象を取り上げ、それを単著でまとめるというのは、ただごとではないと思った。 ぼやっとであるが、分子、細胞、組織といった階層性を3階建ての建物で表そうというアイデアが湧いたので、何とかなるかと思った。 それで、引き受けることにした。共立出版の編集担当者は、山内千尋という人。 |
|
1月の前半はばたばたしていて作業ができなかったが、山内さんからは「できれば1月中には草案を」と言われていた。それで、1月24日日曜日に、イメージを具体化する作業を行った。全制作過程の中でこの作業が一番大事で、これが形になっていれば、その後の仕上げの作業は時間さえ作れば、何とかなる。 最初のイメージは、階層性と京都を結びつけて、左のようなお寺風の「三重の塔」であった。この時点で、3つの階層を吹き抜けた柱状の構造のコンピューター、というイメージはできていた。 |
|
しかし、理論「生物学」であるから、生物の要素が欲しいと思った。この時、「ハウルの動く城」のイメージが浮かんだ。それを組み合わせてみたのがこの案。生物種でいえば、カエルのイメージ。後に聞いたことであるが、望月先生は「ハウルの動く城」がお好きだそうだ。 | |
どうせ生物にするなら、四角でなくてもいいだろう。では、こんな感じか、と基本構造を描いてみた。 | |
吹き抜け構造を真ん中に持ってきたかったので、正面を前方にすることにした。「数理生物学者が生物を突き動かす原理を制御している」というイメージで、真ん中に望月先生が登場するという、最終形に近いイメージがこの時点でできた。「できた!」と一時思ったが、じっと見ているうちに、何か物足りなく思えてきた。「そうだ、3つの階層性だけでなく、3つの柱があった方が良さそうだ」と思った。 | |
それで次の案として、元の柱を「形態形成」として、「反応速度」と「ネットワーク」の柱を加えようと考えた。お互いの柱は繋がっている方が良さそうだ。相当ややこしくなりそうと思いながら描いたのがこの図。これはできた時にようやく「うん、これは行けそう」と思った。 | |
望月先生と編集の人に提示するために、色鉛筆でざっと色をつけてみた。 | |
意図を伝えるために、絵の意味を加筆したバージョン。3つの塔は左から「ネットワーク」「組織化」「速さ」。全体が有機的に繋がり、一つの生物として歩いているというイメージ。「ネットワーク」の塔は、チューブによる連結を描いているうちに、Moog(モーグ)という初期のシンセサイザーを思い出し、1階にそういうイメージを入れようと考えた。「速さ」の塔は、動きの象徴として動力源を置き、動力源としては「スチームパンク」のイメージで行こうと思って蒸気機関を取り入れることにした。 絵やイラストというのはあれこれ描き込んだ方が良いというものではない。一般には密な部分と疎な部分のバランスが大事だ。そういう意味では、この絵はごちゃごちゃ書き込みすぎとも言える。 しかし、幸いなことに、望月先生にも、山内さんにも、気に入っていただけた。望月先生は、こういう賑やかで楽しそうなのが好きということと、こういう「ちょっと気持ち悪いデザインも好き」と言っていただけて、ほっとした。 |
|
構造がわかるように解説した図。 | |
さて、 望月先生と編集からゴーサインがでた。ここから先は、一定の時間をかければ、それなりの作品にはなるであろう。しかし、仕上げ段階は、それはそれで考えなければいけないことは多い。 まずは全体の構造の歪みが出ないように、パワーポイントで構造図を作った。この上に紙を重ねて、まずは基本構造トレース。一番上の屋根は、ドラフトではしたから見上げる構造になっていなかったが、最終稿では視点は3階のフロアと天井の間にあると想定して、3階の天井も見えるようにした。 |
|
次に、どういうイメージを入れていくかを考えた。立体的にごちゃごちゃした機械を適当に積み重ねて描くこと自体は、実はそれほど難しくない。ただ、それだけでは面白くないし、今回は3つの塔の意匠の中で遊べそうだったので、ところどころに色々なオマージュやキャラを仕込んでおこうと考えた。 3つの柱のコンピューターで最初に思い浮かべたのはサイボーグ009のブラックゴーストの正体。コンピューターではなく脳であるが。ブラックゴースト団の最高幹部で表向きの首領、スカール。3つのコンピューターと言えば、エヴァンゲリオンのマギシステム。 |
|
我々の世代で「機械」といえばウルトラセブンの敵役の中で圧倒的に強かったキングジョー。そして、キカイダー。キカイダーは特に好きだった。ジャイアントロボは命令に従うだけのロボットだったが、最後は自分の意志で動いたりして感動を呼んだ。 | |
ネットワークのイメージとして、前出のモーグというシンセサイザーを操る故キース・エマーソン。モーグはカラフルなシールドでモジュール間をつなぐ様が印象的。キース・エマーソンはライブではハモンドオルガンにナイフを突き刺すことも。 キース・エマーソンのライブ映像: 故フランク・ザッパ。ザッパは、複雑かつ難解な曲を作る。 ブラックページNo2: Moggio: |
|
右側の塔は、スチームパンク風にしようと考えた。パイプ、釜、歯車、蒸気機関のイメージ。また、中央の塔の3階には、近藤滋先生(魚の体表の模様を数理モデルで解き明かした人)と、模様が鮮やかな熱帯魚(ディスカス)。ヘッケルの系統樹。 近藤先生が集会長を務められた2013年の分子生物学会では、最終日の「2050年の分子生物学会」というイベントにNegative Selectionを登場させて頂いた(2013年12月3日の記事参照)。 |
|
2月も忙しくて中々作業ができなかったが、締め切りが近づいた下旬の週末と祝日に一気に作業を進めた。まずは上記のイメージを取り入れつつ鉛筆(シャーペン)で下書き。 | |
いつもは鉛筆での下書きの上にペン入れして消しゴムで消すという作業をして原画を作るが、今回は構成が複雑だったので、鉛筆での下書きをスキャンして取り込んでフォトショップでレイヤー化して茶色にし、異なるレイヤーに、原図を黒線で描いていった。私はペンタブを持っていたなかったで、この作業はマウスで行った。 | |
線描作業のアップ。 | |
線描作業完了。彩色は塗りつぶしツールを使うので、ちゃんと囲ってないと色が流れ出てしまう。普通にペンで描いてスキャナーで取り込むと、閉じてない箇所が多くて修正が大変だが、今回はPC上で丁寧に線描をしたのでその点は楽だった。 | |
まず人物だけ彩色。 | |
全体の着色完了。これを2月26日に納品。2月中という期限にも何とか間に合った。 | |
背景に着色してみた図。背景について私自身もあれこれ試しはするが、本全体の色なので基本的には望月先生と編集サイドにお任せ。表紙のデザイン作成過程で色々な案が出され、最終的には望月先生が決められた。最終案は、これに近い。薄い青というのは、中央の塔の紫色とも相性がよく、いい背景色だと思う。 | |
中央の塔の部分のアップ。望月先生の右側の物体は遺伝子制御ネットワークの3Dホログラフというイメージで、赤い球が全体を制御しているキーファクター。左上の近藤先生は、苦労した割には全然似ていないのが残念。 | |
下段ではキース・エマーソンとフランク・ザッパが演奏中。左上には、自分自身が登場。細胞に餌をやっている。 | |
右側の塔の蒸気機関は、結構苦労したが、それらしくはなったかと。右下のキャラはちょっと〇〇爺に似ているようにも見える。 総じて、かなり大変な作業であったが、結果的には自分でもお気に入りの作品ができて、よかったと思う。 |
紅萠は、京都大学の広報誌。2002年に創刊され、今回が39号。年に2回発刊されるようだ。とても丁寧に作り込んであり、読み応えがある。Web冊子もある。 pdfファイル: Web冊子: |
|
冒頭の記事には湊長博総長が登場。京大の特徴は独創性、という論点には賛成だ。 | |
私は「研究室でねほりはほり」というコーナーに登場。真面目に研究に取り組み始めたのが大学院を修了後桂研に移ってからの32歳時だったので「遅咲き」と表現されている。当時の状況はそういう表現でも正しいと思うが、昨今の医学部出身の大学院生は、医師としての研修期間が長くなっているので、30台で研究を始めるのはそう珍しいことではなくなっている。 研究室でねほりはほり: |
|
教授室の風景をパノラマでイラスト化し、ピックアップするという構成。教授室は、自身が居心地がいいように好きなもので囲まれているが、それをとても上手くピックアップしていただけた。イラスト集へのリンクをQRコードで示してある。Web版ではリンパ節一人旅のYoutube動画や胸腺模型のページへのリンクもある。 イラスト集へのリンク: リンパ節一人旅のYoutube動画: 胸腺模型のページ: |
|
本文の方は研究の話をきちんと紹介していただいた。趣味の品々に囲まれてはいるが、この部屋では基本的には仕事をしている。週末も大体はこの部屋にきており、大学の滞在時間は研究室の中では誰より長い。まあ、好きでやっていることなので、自慢できることではないが。記事の本文中にあるが、家に帰って寝る前に1時間弱、お酒を飲みながらネット検索やYoutubeで音楽や映像を楽しんでおり、日々の生きる糧になっている。 |
黄砂は「中国西部の砂漠の砂が日本の青空を奪うくらい飛んでくる」という、地球規模のスケール感がある気象現象だ。 | |
太陽を撮ると、暈(かさ)がかかっているので、こんな写真になる。幻想的だ。 | |
東山が霞んでいる。昔の人は正体も知らぬままにこの現象を「春霞」と呼んで風雅に楽しんでいたようだ。とはいえ、物が汚れるなどの被害もあるし、黄砂に対してアレルギーを持っている人がいたりするので、風物詩として楽しむのは不謹慎であろう。 |
教授室から2種類のサクラを観ることができる。一つは、白い桜。 | |
花のアップ。 | |
もう一つは、いわゆるソメイヨシノ。 | |
この写真は、26日金曜日の夕方、本部でちょっと所用があって、その帰りに医学部構内で、芝蘭会館の南側のサクラを撮った。とても立派な樹だ。夕暮れ時のサクラも風情があって良いと思った。 | |
同じサクラの樹の下で撮った、2005年の国際KTCCの時のグループ写真。ふと思い出したので、ここに貼り付けておく。懐かしい。とてもいい写真だ。確か、高浜研の人が芝蘭会館のテラスから撮ってくれたのだと思う。今はそのテラスの部分には出られないので、こういう写真は撮れなくなっている。 高解像度ファイルへのリンク: |
|
26日金曜日の夜、ラボ関係者数名で、教授室から窓の外のサクラをめでつつささやかな花見の会。「昨今の第3のビールは相当美味しくなっている」との話に、「河本先生はエビスビールをお好きならしいが、もし区別がつかないなら、教授格付けチェックで降格、というゲームはいかがでしょう」ということになり、写真の4種類を紙コップに入れてどれがエビスビールか当てるというテストを行なった。「当てて当然」 な感じの設問で、もし外したら「オフィスの冷蔵庫に入れてある(河本が買った)エビスビールを第3のビールにすり替えられても文句を言ってはならない」という罰則が待っていたので、私にとってはリスクしかない勝負であった。実際、相当難しくて、第3のビールがどれもとても美味しいことに驚いた。迷ったあげくに正解して、何とか面目は保てた。特にサッポロのゴールドスターは、よく似ていた。よく見ればラベルに「エビスのホップを増量」と書いてある。迷った私のことを味音痴なのではと思われる方は、是非ブラインドで試してみてください。 | |
27日土曜日の午後、ラボの近くを散策。鴨川は、結構な人出だった。京都は時短要請も解除されたし、このところ京都府全体で新規感染者10-20人程度と頑張っているので、これくらいはいいかとも思う。一方、お隣りの大阪府は、28日は323人で東京の313人より多かったという。京都も同じようになるのは時間の問題か。 | |
疏水沿いのサクラ。いい感じだ。サクラは湿気を好むので、川沿いによく植えてある。 | |
ちょっと心配なこともあった。我々のラボの建物の東隣りの分子生物実験研究棟の南側のシダレザクラの様子がおかしい。 | |
7-8本並んでいるのだが、全てこんな感じだ。近くによって枝をよく見ても、新芽や花芽が見られない。 | |
樹自体が枯死してしまっている訳ではなさそうで、枝によっては花を咲かせている。 この冬は相当寒かったから花芽がやられたのか、あるいは昨年夏や秋から調子が悪かったのか。私の勘違いで、これから花が咲くのであれば良いが。 | |
29日月曜日の朝、出町柳の橋から高野川を望んだ写真。高野川の東側の河原にはとても立派な桜並木が、北山通りあたりまで延々と続く。鴨川に比べて堤防の部分が狭いのが残念だ。 |
遅ればせながら、「鬼滅の刃」を二条シネマで観た。それなりに見応えはあったが、邦画興行成績歴代1位というのはちょっとどうよ、とは思った。とはいえ、煉獄さんはとてもかっこよかった。多くの子供達がこれを観たのであれば、教育上良いとも言えそうだ。写真は入館時にもらえたシール。 |
火、水と藤田に出勤。火曜日は、名古屋駅あたりで夕食をとった。名鉄駅の近くの「ナナちゃん人形」が、アスカの装束になっていた。シン・エヴァンゲリオン上映記念ということであろう。この前日(22日月曜日)にNHKプロフェッショナル仕事の流儀で、75分スペシャルとして庵野秀明を取り上げていた。「密着を始めて間もなく私たちは悟った この男に安易に手を出すべきではなかった と」という恨み節のナレーションで始まった。アニメ作品は通常は最初に綿密な絵コンテがあってそれに沿って作っていくのが普通だが、今回はそういうものがなかったらしい。数人で食卓を囲むほのぼのとした会話シーンを、役者を使ったモーションキャプチャを用いつつ、どう撮るかというカメラワークをこだわりぬくシーンがあり、すごいなと思った。制作過程で冒頭やエンディングの大きなパートの全面的作り直しとかがあったりして、スタッフは大変そうであった。とても見応えがある番組だった。 | |
大学病院の玄関の近くに、川崎重工のPCR検査センターが設置されていた。自動PCR検査システムを取り入れて、一日2500検体をこなせるらしい。 ニュース記事 |
|
ネット記事から拝借した内部の様子。すごそうだ。 |
本日から首都圏でも緊急事態宣言が解除となった。しかし全国でみても、東京でみても、3月は漸増傾向にある。緊急事態宣言の効果が薄れてきているのは確かで、再延長しても抑えこむ効果は期待できないかもしれないが、解除すると一層緩むであろう。 | |
先に3月1日で解除された関西圏では、大阪や兵庫県ではリバウンドで増加が見られるのに対して、京都は割とよく抑えている。そういう訳で本日から関西圏では京都だけで飲食店の時短要請が解除された。今後京都に第4波が来るかどうか、春休み期間が正念場であろう。 | |
3月20日土曜日の夕方、映画を観た後、鴨川沿いを散策した時の様子。人通りは戻ってきている。このままいい春になればいいが。三条大橋から南を望んだ写真。 | |
同日17時頃、四条大橋。 |
この日の午後、シン・エヴァンゲリオンを、TOHOシネマズ二条のIMAXシアターで観た。 | |
大変良かった。ネタバレ禁止だろうからあれこれ書かないが、突き放したような「Q」の世界を引き継いだ上で落とし前をつけつつ、色々な疑問に応えてくれた。年甲斐もなく、うるっときたりする場面もあった。映像としても、どのシーンも構図や色使いが素晴らしく、スキがなかった。庵野秀明、さすがだ。 |
小安重夫先生(理化学研究所理事)は2013年に慶應大学から理研に移られたが、その際に最終講義をされなかったらしく、今年度で65歳になられたので、「では最終講義を」という話になったとのことだ。仕事を辞められる訳ではない。約1時間の講義の中で、タイトルの通り、「感染症における免疫応答」という切り口を軸に取り組んでこられたという事が、ひしひしと伝わってきて、素晴らしかった。 | |
講義の後半で、比較的最近の成果として、自然リンパ球の発見の話があった。細胞としては茂呂和世先生が見つけたが、的確なcharacterizationが迅速になされてNature論文になったのは、やはり小安研に感染免疫という主軸があったからこそだったと思われる。この細胞の研究には私も少し協力させていただいた経緯もあり、その縁で自然リンパ球学会のポスターを描かせていただいたりした(2018年1月23日の記事参照、2019年1月18日の記事参照)。 なお、私達のバンド(Negative Selection)のセカンドアルバムには「蟲の襲来」という自然リンパ球を題材にした曲があり、茂呂先生には一部を歌っていただいている(2019年12月5日の記事参照)。このセカンドアルバムは6曲を収録予定で、曲のマスタリングは終わっているが、コロナ禍のせいでミュージックビデオが作れず、リリースが遅れている(2020年11月27日の記事参照)。 |
|
最終講義の中で、課外活動としてアメフト部の顧問の話などをされた。一方、天谷先生による紹介の中では、「お酒」「宴会」「カラオケ」などのキーワードが出された。とはいえ、総じてその方面についてはやや情報不足かと思われた。Negative Selectionにとっては、小安先生は、免疫学会が毎年夏に開催してきた一般向けイベント「免疫ふしぎ未来展」の打ち上げパーティーでのライブで、トリをとられる名ボーカリストである。そういう訳で、小安先生の課外活動を補足させていただく。これまでにラボニュース欄で登場していただいた写真を集めただけなので、問題ないであろう。2013年、沢田研二の曲に始まった。小安先生の唄は、よく通る声質で、情感豊かに熱唱されるので、心に響く。 | |
2016年からはもっぱらスピッツの曲。茂呂先生がコーラスに入ったりする。 | |
2015年に札幌で開催された免疫学会では、小安先生は集会長をされたが、公式な懇親会が無かった。そこで、NSが中心となって非公式な懇親会を開催し、その会でも2曲を歌われた。「女々しくて」での、小安研と茂呂研をあげてのバックダンサー達のパフォーマンスが、素晴らしかった。 |
午前中に会社で会議があり、昼休みに鴨川沿いを歩いて研究室に戻った。ユキヤナギが満開だった。 | |
府立医大のあたりの鴨川に、ニゴイの群れがいた。何度もラボニュース欄に登場していてちょっとしつこいが、大きな魚が群れているのを見ると嬉しくなって、つい写真を撮ってしまう。 | |
群れのアップ。 |
この次の日、小安重夫先生(理化学研究所理事)による最終講義があるが、その小安先生は新型コロナウイルスに対するワクチンについて、免疫学会理事長として小安先生名で、免疫学会のHPから一般向けの記事を発信された。基本的にはワクチンの重要性を説く内容だ。 新型コロナウイルスワクチンについて 免疫学会HP: |
|
小安先生はさらに、免疫の仕組みを平易に解説する記事も書かれた。小安先生の文章はわかりやすくていい。記事に挿入されている図については、私も少し協力させていただいた。 免疫システムの仕組み |
加藤雅也さんからメールで写真展開催中の通知が来た。2015年9月にNHKのBSプレミアムで放映された前後編物の番組「セルワールド」に、私は加藤さんによるインタビューを受けるという形で出演した(2014年7月28日の記事参照)。この番組は、加藤さんが地球侵略を目論む宇宙人として登場し、地球人を調査するために人間の体の中で働く細胞を学んでいく、という筋書きだった。加藤さんとは、ロケの前後に昔の特撮物のオタク話をしたりした。以来、時々連絡をいただいたりしている。 今、天理市で写真展をされているとのことであるが、その作品をスライドショーにした映像がYoutubeにアップされている(下記)。色も形も鮮烈で、素晴らしい。 俳優 加藤雅也 展覧会 「天理を撮る~心の奥にある風景~」 https://www.youtube.com/watch?v=y6oILENMlrY |
北村俊雄先生が最近小説を書かれ、本年1月に出版された。献本いただいてすぐに読んだが、最近また読み返したので、ラボニュースで紹介しておく。北村先生はNegative Selectionではドラマーであるが、何曲か作詞もされている。文才はあるとは思っていたが、小説を出版されるとはと、ちょっと驚いた。 ある映像作家が、自ら撮影した17秒間のビデオ映像に何故か強く惹かれ、これは何なのだ、という話。私は大人になってから小説というものをあまり読まなくなってしまったので、ちゃんとした論評はできる気がしないが、読みやすく、場面の描写や、登場人物の心理描写がよく書けていると思った。読後感も爽やかだ。 税込1100円、アマゾンで購入可能。中々の高評価だ(7/8が5点、いいコメントが多い)。 17秒の向こうに なお、Negative Selectionの1st albumでは「Openings」と「夏の終わりに」を作詞されている。以下はYoutubeの映像。「夏の終わりに」は今回のこの小説に少し通じるところがあるように思う。 Openings: 夏の終わりに: |
|
裏表紙。いい装丁だ。 |
表記の会であるが、当初は神戸でhybrid形式で開催される予定であったが、結局完全Web開催となった。首都圏では緊急事態宣言が続いているという状況では、まあ仕方ないであろう。写真は二日目、今回の集会長の森尾友宏先生(東京医科歯科大)による会長講演で、再生医療学会理事長である澤芳樹先生(大阪大)が森尾先生を紹介されているところ。 シンポジウムはライブ形式とオンデマンド形式に分かれていた。私は13日の夕刻のライブ形式のシンポジウム「ゲノム編集技術で実現する細胞治療の未来形」で「TCRカセット法」について話をした。座長は安藤美樹先生(順天堂大)と山崎聡先生(筑波大)。いろんな話が聴けていいシンポジウムだった。 |
10年前のこの日、大地震が東日本を襲った。私はその頃横浜鶴見にある理研の免疫センターにいた(2011年3月11日の記事参照)。激しい揺れが長く続き、リーダー室の本棚から本がバラバラとこぼれ落ちたのを思い出す。すぐに停電になり、またネットもつながらなくなった。夕方くらいに、携帯電話で津波の映像を見た時は、えらいことになっていると驚いた。多くの職員が研究所で夜を明かした。横浜研全体で多分500人近くが宿泊したと思われるが、毛布や非常食が十分数備蓄されており、感心したのを思えている。非常用電源の燃料も12時間分くらいは備蓄してあって、燃料が尽きる前に何とか電源が回復した。間に合わなければ動物舎に影響が出て多くの実験を中断せざるをえなくなるところだった。 引き続いて起こった原発事故は、関東ではより深刻で、外国人リーダーの多くは、本国からの避難命令に従って帰国した。 あれから10年。節目として振り返ってみた。2012年4月からは京大に異動となった。10年一昔とよく言われるが、この10年は研究環境が大きく変わり、研究課題もより臨床応用に向けた課題を主軸に変わった。 この3月で、コロナ禍が深刻になって、1年になる。昨年の3月16日に書いた記事(2020年3月16日の記事参照)では、教授室から見えるハクモクレンがちょうど満開として写真を載せており、例年より早いと書いている。昨年もハクモクレンの写真は同じ3月11日に撮っているので、春の訪れは今年も同じくらいの早さと思われる。 |
|
1月上旬に出された緊急事態宣言であるが、首都圏以外は3月7日に予定されていた解除を1週間繰り上げ、3月1日に解除された。一方首都圏では、3月7日に予定されていた解除が見送られ、2週間延長された。全国で見た新規感染者数は2月の下旬から3月上旬にかけて下げ止まっており、やむを得ないといえよう。 | |
東京も全国と同じで、新規感染者数は2月の下旬から3月上旬にかけて下げ止まっている。この2、3日は先週の同曜日より多いらしく、緊急事態宣言中にかかわらずすでにリバウンドの気配があるという。 | |
京都は緊急事態宣言中に新規感染者数はとてもよく減り、解除された頃には一日5人以下の日が続いたりした。しかし、解除後、再増加の傾向がかなりはっきりと見られる。残念だ。 | |
この日の午前中、産経新聞の取材があった。主に再生T細胞を新型コロナ感染症の治療に使うという取り組みについての話をした(2020年10月14日の記事参照)。藤田医科大学の研究室も4月からスタッフが参加する予定。しっかりと進めて行きたい。 | |
この日、久しぶりに外食で昼食。熊野神社の近くのインド料理店「チャンダー」でスペシャルランチを食した。タンドリーチキンが付き、2種類のカレーが選べる。1450円。とても美味しい。 | |
昼食に行く道中、丸太町通りに面した画廊(imaru art gallery)で、三瀬夏之介という画家の個展が開催中だった(下記サイト)ので、立ち寄った。和紙を使った日本画が基本だが、金箔なども用いた素材感が溢れる現代絵画的な作品で、とても好きな作品が多かった。写真は案内葉書だが、画廊ではとても大きな作品の展示もあり、迫力があった。3月11日から4月10日まで開催しているとのこと。 https://www.imuraart.com/exhibition/2021/02/odd-night.html |
表記の会がUAE(アラブ首長国連邦)のドバイで開催された。今回のテーマは再生医療。 | |
このご時世なので日本側からはオンライン発表であるが、現地では写真のような会場が使われたらしい(過去イベントからのイメージ画像)。オンラインでも配信されて、登録者は3000人以上だったとのこと。 | |
オーガナイザーの方々。ピーターシェーン先生と内田敦子さんとは、昨年12月に打ち合わせをした(2020年12月25日の記事参照)。 | |
初日のプログラム。澤先生、岡野先生、高橋夫妻など、再生医療業界きっての顔ぶれが並んでいる。 | |
二日目のプログラム。 | |
三日目のプログラム。内容の濃いシンポジウムだった。 |
節分といえば通常は2月3日だが、今年の節分は2月2日。124年ぶりだそうだ。今年は吉田神社の節分祭は、屋台も出ないし、火炉祭などの行事の多くが中止になった。昨年この時期は、外出の際にマスクをつけ始めたころだ。ラボの有志で節分祭に行ったが、マスク姿が写っている(2020年2月3日の記事参照)。しかし、この時点ではまだ人出も多く、とても楽しそうだ。遠い昔のようにも思える。 | |
緊急事態宣言は、残念ながら延長になった。こうして新規感染者数の推移をみると、効果はあったようだが、劇的というほどではないから、延長もやむなし、というところか。 | |
京都は、残念ながらやや高止まり感がある。 | |
芝蘭会館の横の梅。 | |
花のアップ。八重だ。 |
この日の午前中リバーセルで用務があり、昼休みに鴨川沿いを散策しつつ今出川からラボまで戻った。対岸に見えている3階建ての建物がリバーセルの事務所があるクリエイションコア・京都御車(みくるま)。 | |
今出川を下がってすぐのところに水路のような構造があって、そこに何かの稚魚が沢山いた。 | |
府立医大の対岸あたり。ラボニュースではよくニゴイの話が出てくる(2020年10月4日の記事参照)が、今回もしつこく登場させる。川の真ん中に群れの魚影が見える。 | |
魚影をアップ。10匹くらいの群れだった。冬は川の水がとてもきれいだ。 | |
今回の散策で初めて気が付いたのだが、荒神橋を少し上がったあたりに、「白川」の放流口がある。どうして白川がここに、と不思議に思った。白川の本流は四条大橋を少し上がったあたりで鴨川に注いでいる。 | |
流れはほとんどないが、確かに白川の白い砂が運ばれてきているのがわかる。 | |
最近は、疑問点の多くはネットで簡単に調べられるのがいい。どうやら、白川の氾濫に備えて、銀閣寺道の白川と疏水が交差するあたりから、「今出川分水路」という水路が治水目的で設置されているようだ。2008年に作られたらしい。川や水路の流路を眺めるのは、ブラタモリみたいで楽しい。 | |
鴨が沢山いる。さすが鴨川。 | |
研究室の近くで、立派なニゴイを見かけた。 |
表記の会がon lineで開催された。がん免疫総合研究センターは英語名がCenter for Cancer Immunotherapy and Immunobiologyで、略称はCCII。京大の腫瘍免疫学の基礎研究とがん免疫療法の開発研究の両方を牽引してくれる存在になってくれることを期待。この日のシンポジウムのキーノートレクチャーは小川誠司先生。食道などを材料に前がん状態の組織がクローン性に拡大していく様が語られた。クローン拡大を駆動していた遺伝子が必ずしも最終的な発癌過程で働き続けるわけではないという話も面白かった。シンポジウム全体では、バイオインフォマティクスの話が多かった。 プログラム: |
|
シンポジウムと直接は関係ないが、昨年9月から医学部の正門を入ってすぐ左側に本庶先生のノーベル賞受賞記念のモニュメントが設置されている。この記事に絡めて写真を載せておく。デザインは安藤忠雄氏とのこと。 | |
左ページの拡大写真。 | |
右ページの拡大写真。クラススイッチやAIDの話がきちんと書かれている。 |
昨年12月14日から21日に強い寒波がきて日本海側に豪雪があったが、年末年始にも寒波がきて暴風雪となり、1月8日から11日までもまたもや厳しい寒波で豪雪。日本海側各地で記録的な豪雪だったようだ。一方、京都では雪はほとんど降らなかった。 そんな寒波の波状襲来の中、新型コロナの感染者は日本の各地で増え続けて、1月8日に首都圏で緊急事態宣言が出され、この日、ついに京阪神にも出された。同時に愛知、岐阜、福岡、栃木にも出された。全国レベルで見て、今年に入ってから新規感染者数7000人以上が続いたりしている。新規感染者数はある程度以上に増えたら制御が効かなくなることは諸外国を見れば明らかなので、緊急事態宣言もやむを得ないであろう。新年の初めのラボニュース記事がこういう暗い話題になってしまい、残念だ。 |
|
東京は、このところ日本全体の3分の1くらいの新規感染者を出しているので、困ったものである。緊急事態宣言後の連休に、東京の繁華街の人手は前週より減りはしたものの、昨年4月の緊急事態宣言時よりは2-3倍多いとのことだ。まあ政府の要請も緩いし、敵の得体が知れなかった4月と違い、多くのことがわかってきた今、人々の気が緩むのも致し方がないという事であろう。 | |
大都市のグラフの形は、どこも概ね同じような感じであるが、よく見れば異なる点がある。大阪は11月中旬頃東京並みになりかけたが、その後よく頑張っているかに見えていた。しかし、1月に入って再増加に転じた。 | |
京都はというと、ここのところ100人を超えるのが当たり前になってしまった。12月中旬あたりからから高止まり感があったが、この1週間を見ると、残念ながら増加傾向にあるようだ。昨日と今日は藤田医科大学の出勤予定日であったが、リモートワークにさせて頂いた。 |