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ラボニュース 2011

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2011年12月26日(月)

2011年RCAI忘年会
Cell Stem Cell表紙画像 今年の忘年会は年の瀬の押し詰まった26日。写真はコーディネーションオフィスのスタッフがつくってくれたケーキ。
Cell Stem Cell表紙画像 RCAIのロゴが入っている。
Cell Stem Cell表紙画像 今年は130人近くの参加者があった。
Cell Stem Cell表紙画像 伊川と芝野のタコヤキコーナー。
Cell Stem Cell表紙画像 初出店、エンカルニータのパエリア。最近、母親から教わったとのこと。その場で調理してくれた。
Cell Stem Cell表紙画像 村橋さんは今年はイクラ丼。これはうまい。藤本さんがサーブしてくれている。
Cell Stem Cell表紙画像 センター長に供出していただいたワインによるワインコーナー。センター長の向かって左に慶応大の茂呂さんの姿がみえる。彼女は2012年4月からRCAIに移る予定だ。
Cell Stem Cell表紙画像 新しい出店、藤井ラボの佐藤先生のカリフォルニアロール。
Cell Stem Cell表紙画像 昨年の好評に応えてのジャファールの焼肉。この出店はジャファールが前面に出ているが、実は献身的な裏方のスタッフ数名が実質的に支えているという意見がある。
Cell Stem Cell表紙画像 昨年に引き続き、谷内先生によるマグロ。あまりのおいしさに小安先生も大喜び?
Cell Stem Cell表紙画像 各種輸入ビールのコーナー。
Cell Stem Cell表紙画像 横浜研の渡辺その子推進部長のあいさつ。
Cell Stem Cell表紙画像 12月からRCAIの副センター長になられた小安先生のあいさつ。慶応大のラボは維持しながらの兼務で来られることになった。小安先生は4月からRCAIでもラボを持たれる予定で、茂呂さんが中心となってナチュラルヘルパー細胞の研究をされるとの話だ。 この後、Negative Selectionの演奏。ひきがね、与作を大野先生が唄い、天城越えを茂呂さんが唄った。
Cell Stem Cell表紙画像 いったん片付けてから、一部のテーブルだけ残して同じ部屋で二次会をした。
Cell Stem Cell表紙画像 本日セミナーをされた山村先生はそのまま残って忘年会に参加された。一次会でジャズの曲を数曲演奏されたが、二次会にも残って頂き、伴奏をしてリクエストに応じて伴奏していただいた。メロディーの分かる曲なら即興で伴奏しておられた。すごい腕前だ。北村先生のドラムも加わり、豪華な即興カラオケバンドになった。

山村先生セミナー
精神神経センターの山村隆先生がセミナーをされた。多発性硬化症と腸内細菌叢との関連性の話だった。疫学的にみると多発性硬化症の発症頻度は近年著増しており、その増え方は潰瘍性大腸炎とよく似ている。食生活の欧米化と関係がある可能性が高いという。またマウスにおける多発性硬化症のモデルのEAEは、抗生剤で症状が軽快するという。  山村先生とはこの何年かはバンド関係でよくお会いしているが、scientificな話をまとまって聞いたことがなかったので、とてもおもしろかった。今後大野先生らとの共同研究を進められるようである。

2011年12月22日(木)

本田先生、RCAI来訪
東大の谷口維紹研の准教授の本田賢也先生がRCAIでセミナーをされた。本田先生は西川研で学位をとった後、谷口研、大阪大学の竹田研を経て1年くらい前に谷口研に戻ってきた。最近腸管免疫、特に腸内細菌が免疫に与える影響についての研究が華々しい。SFBがTh17を誘導するとか、ClostridiumがTregを誘導するなどの話である。  ちょっと不思議に思ったのは、おそらく腸管免疫研究全体にいえることではないかと思うが、これらの話の中で抗原のことがあまり調べられていないことだ。例えばTh17がDCによって活性化される時に何らかの抗原が存在するはずだが、その抗原は何なのだろうか。もしかしたら、腸内細菌が影響を与えるのはそういうpriming の部分ではなく、その後のサイトカインによる非特異的なexpansionに関わっているということなのかもしれない。

2011年12月21日(水)

長澤先生、RCAI来訪
京大再生研の長澤丘司先生がRCAIでセミナーをされた。ホストは石川先生。石川先生が若い人向けの話を、とお願いされていたようで、長澤先生の若い頃の研究のとっかかりからの話がきけた。大阪母子医療センターの時のCXCL12 (SDF1)欠損マウスの表現型解析の話から、造血幹細胞のニッチに関する最近の研究成果までを聞く事ができた。CXCL12を軸にしながらも分子メカニズムにふりまわされることなく、骨髄ストローマ環境というテーマに一貫して取り組んで来られた姿勢は素晴らしいと思った。  造血幹細胞のニッチに関するcontroversyについても明快な見解を提示され、すっきりした。どの分野でもそうであるが、一流誌に出た話でもあやしいものは多いということだ。  カメラが故障していたため、左の写真はネットから拝借した。

2011年12月19日(月)ー20日(火)

iPS細胞クレスト領域会議
iPS細胞のクレストは平成20年度から3期にわたって募集があり、計23のグループが採択されている。iPS細胞に直接関与した研究だけでなく、広く幹細胞学研究も含まれている。今回の集会では全研究代表者が出揃い、進捗状況の報告をした。とてもききごたえがあった。私は第一期の古関グループの中に分担研究者として加えて頂いている。RCAIからは私の他、山田先生、増田さん、ラウール迫田君が参加した。会場は南阿蘇のホテルグリーンピア南阿蘇。
ホテルの窓からの景色。カルデラの南側の外輪山の麓にあるので、北側に阿蘇山がみえる。朝日のコントラストで浮かび上がる山容が猛々しくも美しい。中々の絶景だ。
同じくホテルの窓から北西側をみたところ。内輪山群、カルデラ、外輪山というスケールの大きな火山地形を見渡すことができる。なお、このホテルの温泉は、立派な露天風呂もあり、とてもよかった。

2011年12月17日(土)

岡島智美さん、理研来訪
千葉の市川高校3年生の岡島智美さんがRCAIを訪れた。彼女はすでに筑波大の生命科学系の学部に進路が決まっていて、免疫学の研究者を志しているという。市川高校はスーパーサイエンススクールに認定されていて、そういう高校でいい研究を行った実積があると、いくつかの大学では入学がpromoteされる仕組みがあるようである。研究者のエリート養成コースを文科省が推進しているということであろう。  拙著「もっとよくわかる!免疫学」を読んで、免疫の話を直接教えてほしいということで訪ねてこられた。筑波大では入学後まもなく渋谷彰先生のラボで研究を始めることになっているらしい。すでに渋谷研も訪問していて、渋谷彰先生とも和子先生とも会っているとのことだった。  2時間ほど免疫の仕組みの入門編の話をしたが、すでに基本的なことはよくわかっている様であった。まだ若いので研究分野を決めてしまわなくてもいいのではと一応アドバイスはしたが、本音としては是非免疫学の研究者になって欲しいものである。それにしても、熱心さ、積極性には感心させられた。将来が楽しみだ。

2011年12月15日(木)

サイエンスイラストのフォーラム
横浜で開催された分子生物学会プログラムのひとつとして、12月15日(木)に、「お悩み解決!サイエンスイラスト!描く?頼む?」という題名のフォーラムが開催された。「日本サイエンスビジュアリゼーション研究会」と「文部科学省新学術領域研究 蛍光生体イメージ」との共催。オーガナイザーは小林麻己人先生(筑波大)と三輪佳宏先生(筑波大)。
  「「お悩み解決!サイエンスイラスト!描く?頼む?」   司会者がパワーポイントで「効果的な作図の方法」と、「プロのイラストレーターに頼む方法」というようなテーマで話を進め、6人のパネリストがコメントするという形式。パネリストは左から自分で描く研究者として私、プロのイラストレーターのウチダヒロコさん、イラストレーターで科学コミュニケーション論研究者の田中佐代子先生(筑波大・サイエンスビジュアリゼーション研究会代表)、プロのイラストレーターとうまく作業を進めている研究者として渡辺正夫先生(東北大学)、出版社側からは石田勝彦さん(東京化学同人、「現代化学」編集室室長),飯田啓介さん(ライフサイエンス統合データベースセンター、元蛋白質核酸酵素編集長)。  作図という意味では、科学コミュニケーションに使うものだけでなく、学会で使うスライドや申請書のポンチ絵などでも多くの研究者が苦労していると思われる。欧米では、大学や研究所に科学コミュニケーションの専門チームがあったり、専属のイラストレーターがいたりするという。日本はまだまだ遅れているといえる。そういう体制に少しずつでも変えていくためには、今回のようなフォーラムは、とても大事だと思われる。  やや詳しいレポートをCell Fate倶楽部に載せているので、見て頂ければと思う。
  Cell Fate倶楽部
写真は打ち上げの食事会。前列左は飯田さん、右は小林先生、後ろは左から田中先生、小林先生のところの大学院生二人、菊谷詩子さん(サイエンスイラストレーター)、ハヤシベキョウコさん(サイエンスイラストレーター)、石田、ウチダさん、三輪先生。田中先生、三輪先生、小林先生から筑波大の様子をあれこれきけたのと、菊谷さん、ハヤシベさんと オタク的な漫画の話(手塚治虫のダークサイドとか、横山光輝の描くキャラは数パターンしかないとか)ができて楽しかった。

2011年12月12日(月)

新田先生来訪
新田先生がRCAIを訪れ、セミナーをされた。彼は今年の春に徳島大の高浜先生の研究室から国際医療センターの鈴木春巳先生の研究室に室長として異動した。今回のセミナーでは、主に高浜研で行った研究について話をされた。beta5tの話と、胸腺ナース細胞の話。胸腺ナース細胞研究は背景、アプローチ、結果、解釈などを非常に分かりやすい構成で話をされ、とても勉強になった。

2011年12月9日(金)

免疫細胞キャラがNHK高校講座生物に登場!
高校の生物の教科書の改訂があり、来年度から内容が大幅にかわる。それに伴い、免疫の占める割合が一段と増える。…という話は、半年くらい前に、高校の生物の先生がRCAIに来られた時にきいていた。  さて、NHK高校講座生物は数年ぶりに新作をつくっているらしい。上記の改訂の影響か、今回の新作シリーズでは、免疫についてよりしっかりとした内容にしたいということで、2、3ヶ月前にデイレクターの方から内容に関する相談を受けた。私は、「改訂される教科書では、液性免疫や細胞性免疫を、きちんと抗原特異的な反応として教えようとしているようなので、番組でも抗体が抗原特異的につくられる仕組みを紹介したらいいのでは」と助言した。  現在の教科書では、ヘルパーT細胞がサイトカインを産生してB細胞を刺激するということしか書いてない。これは間違いではないが、これでは同じ病原体を攻撃できる抗体をつくるようにヘルプする仕組みが説明できていない。
この日、14時40分から15時迄「体液と成体防御」という回が放映された。RCAIではTVは見られないので、後で番組HP(下記)にupされた映像をみた。
 NHK高校講座生物
 案内役は鈴木ちなみさん。「どうやって同じ病原体に対してT細胞とB細胞が共同できるのか」という点を中心に据えた構成になっていた。サイトカインの話は出てこないで、抗原特異性の話だけで進められている。なかなかおもいきりがいい構成である。
鈴木ちなみさんに、お笑いのハマカーンの二人がからみながら説明するという構成で話が進む。それにしても、ボケとツッコミをまぜたり、先生がでてきて解説したり、紙芝居みたいにして解説したり、最新映像を織り交ぜたりと、手を変え品を変え、視聴者をぐいぐいとひっぱていくつくりになっている。もともと高校講座はそういう傾向はあった(私は深夜によくみている)が、今回の新シリーズはさらに凝っていると思われた。それにしても、ハマカーンの二人はさすがにうまいなあと思った。
そういう中で、「免疫劇場」という紙芝居という形で、「樹状細胞、T細胞、B細胞の連携」が説明され、ここで私の描いた細胞キャラが出てきた。「作・絵 河本宏」とクレジットを入れて頂き、ありがたいことである。鈴木ちなみさんと、ハマカーンの浜谷さんが細胞役を演じる。
紙芝居は「もっとよくわかる!免疫学」の中にでてくる連携図をほとんどそのままつかったもの。ただし、今回の図では、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞の出す高原レセプターが、同じ病原体の中でも異なった部位(エピトープ)をみているということが、よくみればわかるように描かせて頂いた。
紙芝居の途中に2カ所、RCAIの岡田峰陽先生らが撮った生体内の細胞のタイムラプス映像が入る。これはとても効果的な出し方だと思った。理研とともに、新学術領域「蛍光生体イメージ」のクレジットも入っている。  研究者として、いろいろな形での社会への貢献がありうるが、今回は岡田先生とともに、番組の製作にいい形で協力できたと思う。

2011年12月7日(水)

防災訓練
横浜研では、毎年この時期に防災訓練が行われる。今年は、まず津波を想定した訓練が行われた。1階のひとが2階以上に避難するというものだ。次は通常の火災訓練。写真のように、建物の中にいるものは、全員が外に出て、各チームのリーダーが、チームのメンバーが全員いるか点呼して、フロアごとの責任者(旗をもってヘルメットを被っている人)に知らせる。

2011年12月5日(月)

「免疫の事典」刊行
桂先生が7年越しで取り組んでこられた「免疫の事典」が完成し、刊行された。桂先生の他、私(河本)と、小安重夫先生(慶応大学)、山本一彦先生(東大)が編集に携わった。まず項目を選定し、3年前くらいから多くの著者に記事をお願いし、原稿を集めて査読し、いくどものreviseを経て、この秋に桂先生がひとりで最後の全体のチェックを終えられた。私は節目節目では手伝ったものの、桂先生の労働量に比べると圧倒的に少なく、編集に名前を入れてもらうのが申し訳ないくらいだ。
   朝倉書店「免疫の事典」
 昨今はWikipediaなどで何でもネットで調べられるが、多くの場合、ネットにある文章は査読の入ってない、書きっぱなしのものが多い。そういう文章は、わかりにくかったり、間違いが多かったりするものである。こういう時代でも、きちんとした辞書や事典は必要なのだと思う。 今回は事典の編纂作業に関わり、それがいかに大変かということを実感した。桂先生、お疲れさまでした。この事典編集担当の朝倉書店の千葉さん(写真中央)が、この日に完成品を数冊持って来られた。千葉さんも、本当におつかれさまでした。

2011年12月1日(木)ー2日(金)

ミシガン大学とのジョイントワークショップ
ミシガン大学の免疫関係の研究者とRCAIの研究者の合同ワークショップがあった。ミシガン大学側は Wesley Dunnick、Gabriel Nunez、Sophie Paczesny、Malini Raghavan、Naohiro Inoharaらの参加があり、写真は代表としてDunnickがOpeningのあいさつをしているところ。RCAI側からは多くの先生が参加したが、その他にラホヤ研究所のヒルデ・シャルロット(Hilde Cheroutre)が、RCAI側の研究者として参加した。彼女は数年来谷内先生との共同研究を進めてきていたが、今年から非常勤のユニットリーダーである。
ワークショップの終了後、鶴見の西口のシェ・佐山という店で、引き続きdiscussion。個性的な料理で、雰囲気もよく、鶴見にこんな店があったのかとちょっと驚いた。
今回の中でおもしろかった話題が、写真手前左のInohara先生の話。曰く、RagKOマウスのような免疫不全マウスでも、腸内細菌叢は殆ど正常マウスと変わらないとのこと。リッターメイトとしてヘテロとホモを並べて同じケージで育てると、離乳して2ヶ月後も差は出ないという。彼は、「差がでる」とする他の多くの研究者の場合、上記のように同じケージ、同じ母親という条件で比較してない、マウスのn数が少ないなどにより、ケージごとのの違いをみている可能性が高いという点を主張していた。一方、ヒルデやシドニアはそんなことはありえない、彼のは観察期間が短い、もっと長期にみれば差はでるはずだと言っていた。普通に考えたらIgAを大量につくって腸管内に放出しているのだから、獲得免疫系は腸内細菌叢の構成に何か影響を与えているはずと思えるが、  Inohara先生のデータも結構説得力があるように思えた。病原性のある細菌に対しては獲得免疫系は当然重要であろうが、SPF環境の常在菌の構成にはあまり影響してないのかもしれない。本当のところはどうなのか、大変興味がある。

2011年11月30日(水)

アフリカツメガエルのオタマジャクシ、旺盛に成育中
10月29日に50匹くらいが孵化し、おおむね順調に育って、40匹あまりがほぼ足並みそろえて育っている。もうひとつの水槽では10月13日生まれのオタマが20匹あまりがすでにカエルになっている。
上と同じ水槽をアップで写した。脚が生えてきている。このころは、とてもよく食べる。植物性の餌(テトラプレコ用の餌)と動物性の餌(亀の餌)をすりつぶして混ぜてやっている。

2011年11月27日(日)ー29日(火)

日本免疫学会学術集会、幕張で開催
数年前、日本免疫学会は財政を引き締めるため、原則神戸のポートアイランドと幕張メッセをかわりばんこという方針を決め、今回はそのシリーズの第1回めで、千葉大学の徳久先生を集会長として幕張で行われた。次回は審良先生が神戸でされることになっている。  私は幕張にきたのは初めてだった。会場の近くのアパホテルに泊まった。プリンスホテルがアパホテルに買収されてアパホテル&リゾート東京ベイ幕張というホテルに替わったものらしいが、さすがにもとプリンスホテルだけあって、40階くらいある高層ホテルだった。泊まったのは28階の部屋で、写真のように素晴らしい景色だった。富士山もみえている。
ホテルの部屋からのお昼の景色。陸側をみると千葉ロッテのマリンスタジアムがすぐ近くに見える。  さて、幕張は、学会会場としてどうだろうか。東京からちょっと遠い(特急で23分)が、大きなシンポジウムを開催できるホール4つが同じフロアに並んでいて、便利だ。ポスター会場にもいきやすい。総じて、いい会場だと思った。駅(海浜幕張)の周辺には飲み屋も沢山あって、食事や飲み会をするにも問題はない。ただ、大都市から遠いので、名のあるダウンタウンエリアに行くのは難しい。その分リゾート感があればいいが、それもちょっと弱い。会場として、「機能的には問題ないが華やかさに欠ける」といった感じであろう。
今回、伊川君が免疫学会研究奨励賞を受賞した。ありがたい話だ。他の受賞者は、澤新一郎先生、鈴木敬一朗先生、手塚裕之先生、馬場義裕先生。11月28日の総会の後、授賞式があった。受賞者は、会期中ずっとポスター会場に研究内容を紹介するポスターが掲示される。
懇親会の後、伊川君の受賞の祝賀会というのを名目にして有志で集まって、駅の近くの居酒屋で2次会をした。高浜研の矢野弘太君(写真右端)がMelchers賞をもらったことのお祝いも兼ねさせてい頂いた。
お店は海浜幕張駅のすぐ近くの「おだいどこ」とかいうお店で、3000円でお酒のみ放題2時間+かなりの料理がでた。
小安先生(右から2人目)はこの日はお元気で、この後カラオケにもつきあって下さった。
KTCCのなじみのメンバー+石戸先生。

2011年11月21日(月)

栄川先生、RCAI来訪
Washington University School of Medicineの栄川先生(写真左から2人目)がRCAIでセミナーをした。京大再生研の教授の長澤先生が大阪母子医療センンターの研究所にいた頃、栄川先生はそこの大学院生としてSDF1のB前駆細胞における役割りについて研究しており、その頃まだ桂研にいた私(河本)は彼と共同研究をしていたことがある。その後New York UniversityのDan Littmanのところに谷内先生と入れ替わるようにして行き、NKT細胞におけるRunxの重要性や、ThPOKの制御機構についてのいい仕事をした後、2年くらい前から独立して頑張っている。  最近は、胸腺内T細胞分化だけでなく、メモリーT細胞のbiologyや末梢での発現分子のエピジェネティックな制御にも興味をもって研究を進めているようだ。AP4という転写因子についての話もしていたが、その他にもいくつかいい分子を捕まえているようだ。彼は事情通で、ちょっとcynicalな面もあるが、なかなかにaggressiveで、話がおもしろい。

2011年11月11日(金)

徳島大学高浜研訪問
徳島大学の高浜研を訪問させて頂いた。セミナーをさせて頂くのは三回目だが、前回は2004年5月だったので、7年ぶりである。造血モデルの話を中心にさせていただいた。  ちなみに私はファイルを保存するときにファイル名の頭に西暦の最後の2桁と月と日を6桁の数字としてつけることにしている。従ってこの日の発表用のpptファイルの名前は「111111徳島セミナー」である。この形式でファイリングする場合、2以上の数が6つ並ぶことはないので、このように6つの数字がぞろ目で並ぶのは100年に一回のことである。セミナーの最初にそういう話をしたが、あまりうけなかった。  セミナーの後、街で食事をとりながらあれこれとdiscussionを続けた。右から講師の高田先生、最近国立感染研から移られた講師の笠井先生。左端は学会で徳島に来られていた山口大医学部解剖学教室の准教授の徳田先生。

2011年11月9日(水)

犬飼先生来訪
山梨大学小児科の犬飼先生が来られた。小児のALLの中で、転座によってE2A-HLFという融合タンパクができるタイプがある。頻度は低いが、予後は悪いという。犬飼先生は広島大の稲葉先生らとともにずっとE2A-HLFの研究をされてきた(2010年9月24日の記事参照)。今回は、E2Aの機能に関する共同研究の打ち合わせのために来られた。
犬飼先生は趣味で天体写真を撮られているという。先生の撮られた作品例を載せさせて頂く。これはアンドロメダ星雲。数分の露光の間、手動で合わせ続けているのだという。
オリオン座大星雲。犬飼先生によると、アポロ計画などの影響からか、天文ファンは我々の世代には多いが、若いほど少ないという。天文雑誌の写真の投稿者の年齢分布をみると、年を経た分だけ、高齢化していってるらしい。このままだといずれほとんどいなくなるのではと危惧されていた。  この日は打ち合わせ後、鶴見駅の近くで犬飼先生、私、伊川君の3人で夕食をとった。私もご多分にもれず子供に頃はそこそこの天文ファンで、「天文学への招待」という本を愛読していた。犬飼先生もその本を知っていいて、あの頃はパロマ山の天体望遠鏡が直径5mで世界最大でしたねえ、などという話ができてとても楽しかった。

2011年11月8日(火)

実験動物の慰霊祭
横浜研では、毎年この時期に実験に使われた動物への慰霊祭が催される。場所は、NMRの近くの、慰霊の石碑があるところ。横浜研所長の大熊先生が式辞を述べられている。動物実験に携わっているひとはほとんど皆出席する。
供え物として果物やチーズが献呈される。京大のコンベではmatingを促すためにマウスに時々チーズを与えていたが、ここのマウスはチーズを食べたことはないであろう。生きているうちに食べさせてほしかったと思っているかもしれない。  最後に、全員が並んで、順に祭壇の前で合掌し、献花をする。

2011年11月2日(火)

秋山先生来訪
東大医科研の秋山先生がRCAIでセミナーをされた。胸腺髄質上皮細胞の分化、特に組織特異的抗原の発現という機能的分化についての話で、RANK, CD40, リンフォトキシン受容体シグナルの働きに焦点があてられていた。彼はこれらのシグナルの下流にあるTRAF6を軸にして研究を進めてきたわけだが、AIREや、組織特異的抗原の発現がどう制御されているのかは、まだまだ未解明の部分が多い。未解明の部分が多いという事は、これから大きく発展する可能性があるということでもある。   秋山先生は、この日はいつもの赤シャツではなく薄緑の地味なシャツを着ていた。どうでもいいことだが。

2011年11月1日(火)

高校生実験教室
RCAIでは年に1、2回、高校生を招待して講義、実験教室などを行っている。例年黒崎先生と吉田先生が受け持っている行事であるが、今年は吉田先生が都合悪いということで、うちのラボが受け持つことになった。今年は県立神奈川総合高校の生徒さん達。今回の教室に参加したのは生物学を履修している生徒だが、大学みたいに希望で講義を履修できるらしく、1年生から3年生までの、計17人。そのうち女子が16人。午前中は黒崎先生の講義と横浜研の見学、午後は石川先生の講義のあと、実験教室。一般公開とほぼ同じ構成にした。ソーターの前で、記念写真。ソーターの解説をした伊川君は、女子高生に囲まれて嬉しそうだ。
もうひとつのグループ。角川くん(右端)がソーターの解説をした。後列左端が引率の石橋先生。

2011年10月31日(月)

甲府の銘菓澤田屋の「くろ玉」
この前の週の木曜日に、甲府への出張があった。おみやげで目についたのが写真の「くろ玉」。エンドウ豆でつくった餡に、黒蜜をかけて固めたもの。免疫シナプスを形成したT細胞に似ている(下記リンク参照)。特にシナプス面に活性中心(cSMAC)と呼ばれる部分のようなものがあるのが、何ともそれらしい。あんこが見えているだけのことだが...。
   免疫シナプスを形成するメカニズムを発見
 それで、斉藤先生におみやげとして買ってかえった。斉藤先生も、横須賀先生も、おもしろがってくれた。  見た目のとおり味も濃厚だが、とてもおいしい。お茶受けによさそうだ。

2011年10月21日(金)

横浜研ハロウィーンパーティー
横浜研では外人の研究者を中心としたパーティーを毎年夏期に開催しているが、今年は節電のために延期となり、この日の開催になった。  ハロウィーンということで、仮装パーティーということになっていた。
このパーティーの企画/主催者の一人推進部の藤田さん(右から2人目)は、気合いの入った、背中がスースーした装束だった。藤田さんは、「中学生の娘がこの姿を見て、何やらnegativeなコメントをはいた。どうやら私の妖艶さに嫉妬していたようだった。」というような事を言っていたが、その解釈はちょっと独善的にすぎるのではないだろうかと思った。
パーティーが始まって30分くらいしてから、昨年も登場した牧野さんと日菜さんのデュオ。披露された2曲のうち1曲はオリジナル曲だそうだ。いい曲だった。
次にRotten Wedding Cakeというバンドが登場。ギターがOSCの研究者らしい。唄とベースは東工大の大学院生。全体にスローでヘビーで、唄をしっかり聴かせる曲。3曲中1曲はオリジナルだった。バンドの演奏も唄も、また音楽性もとてもレベルが高く、この後に演奏するのはちょっときついと感じた。
ハロウィーンパーティーであるにもかかわらず、今年のうちのテーマは「和の心」。とりあえず大野先生がPurple Hazeをやって、次に茂呂さんに登場してもらって「天城越え」。最後は、大野先生で「与作」。Negative Selectionの新しいレパートリーだ。天城越えと与作はポピュラーな曲なので、わりとうけたと思われる。
 くじ引きで景品が配らせたあと、余興にまたスリラーの演奏+踊りをした。これですでに3回目であるが、パーティー参加者は毎年結構入れ替わっているようで、それなりにはうけた。左端は人事の荻原さん。短期間でマスターして踊りに参加して下さった。ありがとうございました。
上の写真のアップ。赤目現象がたまたま起きたからではあるが、我ながらゾンビ感あふれる表情だ。
 踊りの途中で頭を上下にはげしく振る部分があり、2年前の初披露の時にカツラがとれてしまい、恥ずかしかったが、それはそれでウケはした。というわけで最初は偶発的な出来事だったが、この会をきりもりしている推進部の藤田さんが、「今年もヅラ落とし、期待してます」とプレッシャーをかけるので、今年も仕方なくやった。確かにその瞬間にそれなりに笑いはとれるが、果たしてこれでいいのかと、悩んでしなう。
この日はサイエンスフロンティア高校の学生が30人くらい参加していた。最後に、代表のひとりがが挨拶した。達者な英語と中国語で話し、皆をおどろかせた。
高校生に国際的な雰囲気を味わってもらおうという試みなのであろうが、それにしてはちょっと演奏が長過ぎたように思えた。大人のパーティーなので、他の参加者は皆、酒を飲んだりもする。高校生達が、理研の研究者のいい面だけを見てくれていたらいいが。

ゼノパス、里子に
平野研の宮井君が、ゼノパスを5匹、引き取ってくれた。とても嬉しそうだ。これで子ガエルは10数匹にまで減った。  ただし、これで終わりではない。花子は、一般公開が刺激になって、10月11日に、産卵した。いつもの癖で、拾ってしまった。彼の背後にある真中の水槽には、孵化後9日目くらいのオタマが二十匹くらいいる。
彼は持ちかえるための容器として、メディウムの空きボトルをもってきた。とりあえず入れてみたが、「カエルの瓶詰め」状態になった。これではちょっとかわいそうなので、この後大きい入れ物に移し替えた。

2011年10月19日(水)

西城忍先生来訪
西城忍先生がRCAIでセミナーをされた。西城先生は東大医科研の岩倉洋一郎先生のラボから1年くらい前に千葉大真菌センターに特任准教授として着任された。セミナーではDectin1とDectin2の話をされた。分かりやすくて、ところどころユーモアがあり、とてもいいセミナーだった。Dectin1とDectin2はそれぞれ真菌のベータグルカンとアルファマンナンを認識し、カンジダの感染に対しては重要な自然免疫系センサーとして働いている。しかし、アスペルギルスは別な未知のセンサーが働いているらしい。真菌研究も、まだまだ奥が深そうだ。  西城先生は免疫ふしぎ未来では協力員の整理役をされ、大活躍だった。また、8月21日の記事に少し書いたが、Thrillerのゾンビダンスにも加わって頂いた。ありがとうございました!

2011年10月13日(木)

前田高弘先生来訪
前田高弘先生(左から3人目)のセミナーがあった。2008年11月28日に一度セミナーをして頂いている(過去のラボニュース欄参照)ので、3年ぶりである。前回はCity of Hope National Medical CenterでPIとして独立して1年目くらいの時だったが、最近HarvardのBrigham and Women's Hospitalに移ったばかりとのこと。血液学会で日本に来られるというので、その直前に理研を訪れてもらった。  セミナーではLRFについての話をされた。最近publishされたLRFがB細胞成熟や胚中心の形成に必須という話(JCI, 121: 2583, 2011)。もうひとつは2007年のScience論文の、LRF欠損マウスでは骨髄でB細胞がつくられるかわりにT細胞が分化するという話の続き。おもしろかった。

2011年10月10日(月祝)

シンポジウム「サイエンスイラストをセンス良く美しく描く法則」
京大の農学部で日本微生物生態学会が開かれた。その関連公開シンポジウムとして「サイエンスイラストをセンス良く美しく描く法則」が開催された。私は一聴衆として参加した。
  シンポジウムのチラシ
    このシンポジウムは、日本サイエンスビジュアライゼーション研究会が共催している。この研究会はほんの数年前に筑波の先生方が中心になってつくられた会で、代表は田中美佐子先生。筑波大の人間総合学部芸術科の准教授で、ビジュアルデザインの専門家だ。幹事は小林麻己人先生(筑波大講師、写真左)と三輪佳宏先生(筑波大講師、写真右)。この2人は研究者である。
  日本サイエンスビジュアライゼーション研究会HP
  基本的には、一般向けに科学を伝えるためのツールとしてのサイエンスの視覚化を扱う会である。私も免疫学会の科学コミュニケーション委員会をやってるし、イラストにも興味があるので、この会に参加している。特にこの会独自の年会などがある訳ではなく、いろいろな学会に付随してワークショップを開催するという形で布教していくということらしい。
この日は写真のように大入り満員であった。ただし、この熱気は、必ずしも科学コミュニケーション活動への共鳴を反映しているわけではないと思った。つまり、聴衆として参加した研究者の多くは、広報用の図(一般向けの解説の図)をつくりたいという動機で聴きにきているのではないと思う。そうではなくて、普段のプレゼンテーションとか、あるいは科研費の申請に描くいわゆるポンチ絵とかを作るに際して、よりよい図をつくりたいということだと思われる。  今回は、豊橋技術科大学の鯉田孝和先生が漫画的表現を使った広報用の作図例(鯉田先生自身の作品で、プロ並のきれいなイラスト)を、またウチダヒロコというプロのイラストレーター(もともとは自然科学の研究を少ししていたので理系イラストレーターを標榜)が雑誌の挿絵や表紙につかわれたサイエンスをイメージした素晴らしいイラストの数々を披露してくださった。これらは大変目の保養にはなったが、おそらく聴衆からしたら別次元の話であろう。
  鯉田孝和のイラスト 
  ウチダヒロコのイラスト

2011年10月9日(日)

大久保君を囲む会
大久保君は、新学術領域のHPを作ってくれたり、Negative Selectionでキーボードを弾いてくれてたりしている。彼が京都に帰省しているということで、洛北高校の同級生が集まっての飲み会があった。左から二人目は大久保君の奥様。歌手として仕事をされてたこともあるらしい。それにしても、地元で飲むのは、リラックスできて、よい。

2011年10月8日(土)

横浜研一般公開
例年6月か7月に行われるが、今年はその頃は世間が節電モードだったので、10月に延期になった。今年は10月3日にノーベル生理学・医学賞の発表があり、免疫学者が受賞したので、それにあわせた解説ポスターや、配布用解説記事などの作製が結構大変だった。  うちのラボはいつものようにカエル、プラナリアなどの展示と、樹状細胞模型の展示などを行った。また、午後にはいつものように実験教室も開催した。来年から大野先生がしてくれることになったので、うちのラボは今年でお役御免である。
「セルソーターで細胞を取り分けよう」という実験教室である。生徒は当日募集、高校生以上を20人。私が20分ほど免疫の仕組みとセルソーターの仕組みについての講義をする。次に4つの班に分かれてもらって実験室に移動し、班長(伊川、角川、増田、佐藤)がマウスの解剖をみせた後、各自に胸腺あるいは脾臓をメッシュですりつぶして細胞懸濁液をつくる実験をしてもらう。それからセルソーターで胸腺のヘルパーT細胞とキラーT細胞を分取するところをみてもらうという段取りで、計1時間20分くらい。一般公開は、一般のひとが見られないところを見せることに意義があるので、あえて普段使っている実験室や共通機器室を見せるような構成にしている。

2012年10月6日(木)

David Baltimore理研栄誉フェロー称号授与式
David Baltimoreに「RIKEN Honorary Fellow(理研栄誉フェロー)」の称号が贈られることになり、授与式が横浜研の交流棟で行われた。  記念講演では、昨年の国際免疫学会のキーノートレクチャーと同じようなmicroRNAの話が中心で、今回はmiR146aの欠損マウスのフェノタイプの話(JEM 2011、炎症/骨髄増殖性疾患/腫瘍などが起こるなど)の話もしていた。  しかし、国際免疫学会の時も思ったが、これほどのひとならもう少しスケール感のある話をしてもいいのに、と思った。また、この3日前に発表された今年のノーベル生理学・医学賞へのコメントもほとんどなく、理研のOSCのRNAに関する仕事への言及もなかった。ちょっと、なんだかなあ、という感じだった。  なお、今年のノーベル生理学・医学賞について、Cell Fate倶楽部の10月3日付けの記事に少し私なりの論考を書いたので、興味のある方は読んでいただければと思う。
Cell Fate倶楽部

2011年9月23日(金)ー24日(土)

新学術領域「細胞運命制御」若手の会開催
新学術領域研究では領域内の若手の研究者間の交流の機会をつくることが推奨されている。場所は今年5月31日に開催された班会議と同じで、軽井沢プリンスホテル。前回と違い、今回はいい天気だ。写真はホテルのすぐ近くの池。
若手のポスター発表や口演に加えて、シニアの研究者が自分の研究者としての経緯を紹介しつつ若者にメッセージを送るような話をするという試みがなされた。  北村先生と宮島先生のDNAXでの苦労話は、サイトカイン/サイトカインレセプターのクローニング競争の歴史の証人としての生々しい話で、おもしろかった。中西先生の話しは、若い頃に興味をもった「老化」という現象をキーワードにしていかに研究を自分で切り開いてきたかという一貫性のある話で、若者にはいい勉強になったであろう。
今回はゲストとして須田先生に来て頂いた。須田先生の話は、須田研と中内研を渡り歩いた岩間先生の話とあわせて、biologyとしての日本の血液学の本流の歴史を垣間みることができた。
今回、公募班員の中の若手や、各ラボの若手研究者に声をかけ、若手20数名、総勢40名弱の会になった。とてもいい会だった。
懇親会のあと、部屋で遅く迄「情報交換会」を続けた。写真は伊川君が撮ってくれたもの。  この日の懇親会で、茂呂先生と幸谷研の呂先生が三国志の話でマニアックにもりあがっていたが、私は全く入れなかった。私は歴史には全般に疎いので話に加われないこと自体はどうということないのだが、横山光輝の三国志を読んでいなかったことを茂呂先生に「えー、読んでないですかー?」といわれ、自称漫画オタクとして、とても不覚だった。遅ればせながら全巻を大人買いして通読することにした。

2011年9月21日(水)

台風15号が関東を直撃
この日は午後1時からお茶の水で免疫学会の理事会があり、科学コミュニケーション委員長として出席した。終わった15時頃にはかなり暴風雨が強くなってきており、お茶の水駅の近くで高浜先生、高木先生と科学コミュニケーション活動についての打ち合わせなどをした後、17時頃に東京駅に移動。この頃はさらに暴風雨はひどく、この後まもなくJRの多くの路線が一時運行をとりやめた。私は高浜先生と東京駅の地下の飲食店街のある店で悠然と夕食をとり、10時過ぎに店を出た頃には電車は動いていた。  地震の時と違って、少し待てば電車は動きだすであろうと思われたのに、後でみたニュースによると、多くのひとが6時頃から歩いて帰ったらしい。その頃は、まだ風も強かったので、外を歩くのは危険だったはずだ。皆どうしてそうまでして早く家に帰りたいのかと少し不思議に思った。

2011年9月13日(火)

茂呂先生理研来訪
慶応の小安研の茂呂和世先生がRCAIでセミナーをした。Natural Helper細胞の発見から、類似品との鑑別点(nuocytesは定常状態では検出できないとか)、気道感染症における役割りについての新ネタなどを、とてもわかりやすくまとめてくれていて、また質疑応答も堂々としていて、とてもいいセミナーだった。つい数週間前にライブハウスで「あなたをー殺してーいいですかー」とおどろおどろしく唄っていたひとと同一人物とは思えないほどだった。

2011年8月21日(日)

免疫ふしぎ未来2011展
第4回目となる免疫ふしぎ未来展。昨年は国際免疫学会があったので開催されなかった。2007-2009年の3回は、5月の連休のうちの2日間というものだったが、今年は夏休みの、一日だけということになった。そのおかげで随分関係者の負担感は減ったと思う。それもあってか、あるいは一年休んだこともあってか、ボランティアの集まりはよかったようだ。実行委員長は東京医大の善本先生。写真は朝のミーティングの時のもの。実行委員10数人もあわせて、全部で70-80人いる。午後からの参加者もあったので、のべ100人近くがスタッフとして参加してくれたとのことである。
この日は朝から雨が降っており、お客さんの入りが心配されたが、10時の開始早々から、大盛況だった。写真は会場のひとつで、この部屋では免疫学入門のパネルの他、組織の観察、実験動物(ゼノパスとプラナリア)、免疫細胞模型、寄生虫、血球凝集実験などのコーナーなどがあった。
もうひとつの展示会場。こちらは、時事性の高い放射線関係の展示(霧箱、ガイガーカウンターなど)、顕微鏡体験、マイクロインジェクション体験、新学術領域パネル、日本の免疫学の歴史パネルなどがあった。奥の部屋では夏休み自由研究コーナーや、ヤクルトの出展の腸内細菌の紙芝居もあった。
ショートトーク会場。開始早々から満席状態が続いた。今年は東海大の佐藤先生が全体の構成を考え、内容に重なりがないよう、また連続性があるようにとうまく考えられていた。  未来展は終日にぎわい、来訪者は合計で1500人以上になった。
打ち上げパーティーは銀座のTACTというライブハウスで開催。60人強の参加があった。会が始まって40分くらいして、Negative Selectionのライブが始まった。最初は大野先生の「リンゴ追分」「タイガー&ドラゴン」で始まった。
続いて東邦大の田中ゆり子先生が相川七瀬の「夢みる少女じゃいられない」を熱唱。田中先生はショートトークの司会もしており、昼も夜も大活躍だった。  後ろの怪しい風体のベーシストは、高浜先生。
引き続いて実行委員長の善本先生がツイストの「ひきがね」を熱演。
「ひきがね」では東京理科大の北村大介先生がリードギターを奏でた。北村先生はこてこてのブリティッシュロック派だが、ツイストの曲は例外的に何曲かやっていたらしい。とても巧い。
出ました、慶応の茂呂和世先生の情念の唄、「天城越え」。「体うらはら、あなた、山が燃える〜〜」と唄っているところ。
国際医療センターの鈴木春巳先生によるKing Crimsonの「21st Century Schizoid Man」。歌詞がややあやしかったものの、装束といい、シャウトといい、ロックスピリッツあふれたパフォーマンスだった。
真打ちは、東京理科大の後飯塚先生。白塗りに、ウエディングドレス。物悲しいギターのアルペジオをバックに、リンゴの「赤」について熱く語るパフォーマンス。引き続いて、King Crimsonの「Red」をバックに、ドレスを振り乱し、ついには脱ぎ捨てて、暗黒舞踏を披露。いい感じで昭和アングラしてたと思う。若いひとには「何これ?」と思われたかもしれないが...。
大野先生が戻ってきて「2億4千万の瞳」を唄った後、アンコールでhighway starを演奏して、最後に余興で「Thriller」。ゾンビダンスには何と千葉大の西城忍先生も参加!
近くのカラオケで2次会。楽しい一日だった!

2011年8月19日(金)

免疫ふしぎ未来の打ち上げパーティーライブの練習
免疫ふしぎ未来展は21日(日)に開催予定であるが、その打ち上げには、銀座のライブハウスを借り切ってのパーティーを予定している。今回、Negative Selectionは専属のボーカリストの大野先生以外に、いろいろな人に唄ってもらう予定。この日は、ほぼ全員揃っての通し練習。練習そのものも、楽しいものだ。

2011年8月17日(水)

ヤシの実
先日川崎のCostcoで、外側の皮を削った状態のココヤシを4個980円で購入した。説明図には簡単に開けられそうに書いてあったが、種子の外皮にあたる茶色の部分がたいそう硬く、ぎざぎざの付いたパン切りナイフでギコギコとかなり苦労して、やっと開いた。中の液体はココナッツジュースと呼ばれ、甘くてそのまま飲んでも十分おいしい。固形胚乳にあたる白い部分も、そう甘くないが、こりこりしてまあ食べれる。この固形部分を擦りおろして煮込んだものがいわゆるココナッツミルクであるらしい。

2011年8月14日(日)

ゴム状硫黄
ラボとは関係ない話であるが、子供(小4男子)の夏休みの自由研究用に行った実験を紹介する。硫黄を溶かして急速に固めるとゴム状になるという実験。子供の頃やってみたかったのに機会を持てずに残念に思っていた実験だ。妻の実家に置いてあった硫黄の塊をもらって、砕いて使った。硫黄自体は100度強くらいの温度で、写真のように簡単に溶ける。しかし、これを固めてもゴム状硫黄にならない。もっと熱くしないとだめなのだ。
シャベルで溶かすのは不安定だったので、古い鍋に変えた。溶けた後、熱し続けると琥珀色になってきた。そのまま熱し続けると、突然粘性があがってまるで固まったようになった。粘性が増すのは、普段は8つの原子からなる環状の硫黄分子が、長い直鎖状になるかららしい。  この状態で急冷すればゴム状になるはずだが、どろどろすぎて流しこめない。
さらに熱し続けると、今度は再びさらさらになった。その前後に、発火してしまった。炎は色が薄くてみえないが、強烈な臭いがしたので燃えているとわかった。蓋をして消した。消火後、硫黄はかなり高温になっているようで、さらさらしている。水をはったお皿に流し込んで急冷した。流し込んでいる間に鍋の中の硫黄は少しずつ粘っこくなってきて、後半は最初ほど細く流せなかった(写真下)。
固まった硫黄をすぐに取り出して引っ張ってみた。うまくゴム状になり、引っ張るとよく伸びた。という訳で、実験は成功。単に伸びるというだけでなく、少しもとに戻ろうとする力、すなわち弾力性がある。とはいえ、引っ張った分完全に戻るというほどではない。なお、1時間ほど置いておくと、固い状態に戻った。  子供のためにした実験とはいえ、自分が一番楽しんでいた気がする。
暗くなってから、炭火の上で燃やしてみた。妖しい青い炎をあげて燃えた。  ネットで「硫黄」で検索していて、硫黄が噴出している火山で、硫黄が自然発火して燃えている幻想的な写真が載っているサイトをみつけた。写真がとてもきれいだ。興味のある方はどうぞ。
まるで地獄の業火−青い炎が美しくも過酷な硫黄

2011年8月9日(火)

清田先生来訪
スタンフォード大学のWeissman研の清田先生(写真中央)がRCAIに来訪し、セミナーをされた。マウス幹細胞から前駆細胞にかけての分画と遺伝子発現のデータベースのプラットフォームの話など。彼は米国の研究事情についても詳しく、とてもおもしろかった。前駆細胞の分化経路の話も、T-B分岐の部分はうちの話と少し合わないが、ミエロ-リンフォイド前駆細胞というステージについては彼も実験で追認しており、Weissmanも最近では認め始めているという。いいことだ。

2011年8月8日(月)

窓に遮光フィルム
節電施策の一貫として、センターの東側の窓の内側に遮光フィルムが貼られることになった。東側は居室スペースで、すでにブラインダーとかは設置されていたが、さらに冷房効率を上げようというものである。東側は防音のために2重窓になっており、その内側の方の硝子の内側に貼られた。明るくするために窓を大きくとってあるのに、この夏の節電のためだけにわざわざ恒久的に暗くするというのは、勿体ない話だとも思った。それにしても、水を吹き付けて、気泡をぬきながら貼付ける手際は見事なものだ。

2011年8月2日(火)

松崎有未先生RCAIでセミナー
慶応の松崎有未准教授(写真左から4番目)にセミナーをして頂いた。松崎さんは中内研にいた頃、桂研との共同研究で胸腺中の最も未分化な前駆細胞に関する論文を出しており(JEM, 1993)、94年にこの世界に入った私からすると大先輩である。松崎さんはその後造血幹細胞よりに研究をシフトし、米国への留学以後はside populationなどを取り入れて各種体性幹細胞の研究を行っている。今回のセミナーでは、間葉系幹細胞の移植で起こる慢性GVHDの話をされ、とてもおもしろかった。

2011年7月20日(火)

特定領域「免疫系自己」班会議
特定領域研究「免疫系自己」の班会議が京都で開催された。公募研究を合わせると60以上のプロジェクトから成る大所帯なので、全員が話をするとなると、各自10分にしても2日まるまる要する。私も公募研究に加えて頂いている。下記はHPへのリンク。
   特定領域「免疫系自己」HP
 さて、この特定領域研究「免疫系自己」は、今年度で終了である。免疫系自己が終わるというだけでなく、連綿と続いてきた「特定領域研究」も、これで終了である。今後は、新学術領域研究という体制に移行することになる。新学術領域は、規模でいうと特定領域の半分か3分の1くらいだから、免疫分野でも、この班が終わると、おそらく代わりに複数の新学術領域研究が立ち上がるのだろうと思われる。  特定領域のような大型予算の班会議は、多くの研究者が一堂に会するという醍醐味があったが、こういう規模のものはこれでお終わりかと思うと、寂しい気もする。写真は2次会。

2011年7月7日(木)

再生医療実現化プロジェクトワークショップ
この日と次の日の二日にわたって大阪の梅田で「再生医療実現化プロジェクト第3回夏のワークショップ」が開催された。久しぶりの大阪だったので、大阪駅ビルの変貌ぶりに驚いた。スケール感はいいが、あまり味わい深さはあまりないように思った。北側にはまだ工事中のビルもあり、まだまだ発展しそうだ。
集会は、iPS細胞の各拠点の拠点長(山中先生、中内先生、岡野先生、笹井先生)がそろい踏みで、さらに各拠点から30-40人ずつくらい、文科省からも沢山来ていて、大きな会だった。実現化にむけての、各プロジェクトの生々しい話が聴けて、とてもおもしろかった。  会場で、勝部君にあった。今産総研にいるらしい。彼は、私がまだ桂研に居た頃、大学院生として、MLPアッセイを使った研究をしていた。すっかりスリムになっていたので、すぐにはわからなかった。エリスロイド系も含めたMLPアッセイ法は、胸腺組織の外側で増えている細胞だけを培養1週間目に取り出して解析するなど、かなり労力を要するものであったが、彼の研究でみつかってきたミエロ-リンフォイド系前駆細胞という分化ステージが、ミエロイド基本型モデルの土台になっている。

2011年7月5日(火)

納涼飲み会
暑くなってきたので、金田先生、中村さんと、うちのラボの有志で飲み会にいった。安士君(手前から2番目)おすすめの店。一番手前のそっくりかえっているのはラウール。

2011年6月27日(月)

和光本所のネジバナ
ネジバナは、ラン科に属する多年生草本。ラン科は単子葉植物の中でもっとも種の分化が進んでいて、原種だけで2万種はあるとされている。しかし、普段の生活では自然に生えているランにおめにかかることはめったにない。高山、湿地、深山などに行けばみられるが、それでも個体数は少ない。  そんな中で、ネジバナは超例外的に、雑草としてみられるランである。明るく開けた草地に時に、時に群生する。6、7月頃に芝生なんかを注意してみると、花が咲いているのがみられる。もっとも、雑草といっても、どこにでもあるという訳ではなく、また花期でないとわからないので、見たいと思ってもそうそうは見られるものではない。  所用があって和光の本所を訪れたところ、芝生にいっぱい咲いているのをみかけた。私のようなラン好きにとっては、雑草といえども、ランはランであり、ネジバナをみかけるととても嬉くなる。
なお、花がねじれてつくからネジバナというが、おもしろいことに、このねじれの向きは、揃ってないそうである。らせんを右巻きとか左巻きとかいうと定義が難しいが、巻き付く様を横から見たときの形からS巻きとZ巻きとするのが、混乱が避けられるので良い呼び方である。ネジバナはS巻きとZ巻きが同頻度らしい。この写真は上の写真の一部を拡大したものだが、この中だけでも混在しているのがわかる。  巻貝にしても、蔓性の直物の巻く向きにしても、遺伝的に規定されていることが多いので、このようにらせんをランダムに作る種が存在することが、むしろ不思議に思える。

2011年6月25日(土)ー26日(日)

日本サイトメトリー学会学術集会
6月25日(土)~26日(日)、京都の岡崎の国際交流会館で日本サイトメトリー学会の第21回学術集会が催された。細胞機能を定量的に調べるいろいろな方法を対象としているとのことだが、実質的にはフローサイトメトリーの話が軸になっているようである。  今回の集会長は、関西医大の園田精昭先生(写真2枚目左)。サイトメトリーはいろいろな分野で用いられているため、話によると、演題の内容については集会ごとに集会長の色が強くでるらしい。薗田先生は血液学者で、ヒト造血幹細胞を研究対象にされているので、今回は血液/免疫/再生に絡んだ話題が多かったようである。  招請講演の演者の一人、韓国のIl-hoan Oh先生は、Bisという分子のKOマウスでは傍血管ニッチが選択的に障害されて造血幹細胞やB細胞が障害を受けるという話(Stem Cells, 28:268, 2010)をしていた。一方でこのマウスではミエロイド系やエリスロイド系の細胞は正常に分化するようなので、骨髄中の造血系細胞の分化を支持するニッチは、かなり不均一である可能性があるように思える。

2011年6月23日(木)ー24日(金)

新潟大学訪問
新潟大の細野先生からのお誘いで、新潟大を訪ねた。新潟は行った事が何度かあるが、大学方面は初めてである。細野先生は私が1994年に桂研に参加した頃、桂研の助教授をされていて、その2年後には新潟大学の教授に移られた。  23日はまず医学部の木南先生のラボを訪問。駅からラボまでは細野研の助教の藤間先生(後列右)に案内して頂いた。後列左は准教授の三嶋先生、前列右は助教の広瀬先生。  伊川君のScience論文では、木南先生と広瀬先生には、共同研究者として、とてもお世話になった。この日は、木南研のBcl11b研究の最新の話も聞かせて頂いて、とても有意義だった。  この後、医学部の病院地区で、病理学の内藤眞先生にホストをして頂いてセミナーをした。セミナー後は内藤先生のラボを訪れた。内藤先生はマクロファージの研究で有名で、日本リンパ網内系学会の現理事長である。Kupper細胞などのマクロファージの動態の話や、「細網内皮系」という概念の変遷の話をうかがった。うちのミエロイド基本型モデルにも興味を持って頂いたようであった。
木南先生に医学部以外の学部の殆どがある五十嵐キャンパスに車で連れて行って頂いた。車で10分くらいだった。理学部を訪問し、着いてそうそうに、ゼノパスを飼っておられるラボを見学させていただいた。前野先生(左)はゼノパスを用いて造血発生の起源組織を見極めようという研究などをされている。井筒先生は、カエルの変態が免疫現象であるという研究をされている。少し前の免疫学会のニュースレターにも記事が載っていたが、オタマジャクシの尾が無くなっていく現象には、成体型の免疫系が幼生期の細胞を拒絶する事が関与しているという説を提唱されている。とてもおもしろい話だ。最近、PNASにその説を支持する論文を出しておられる(PNAS, 106:18309, 2009)。  なお、井筒先生は、漫画が大変上手である。 井筒ラボHP
http://www.sc.niigata-u.ac.jp/biologyindex/izutsu/welcome.html
免疫学会ニュースレター2009年4月号(記事は18頁目)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsi2/scientist/newsletter/pdf/newsletter_v17_no2.pdf
Xenopus tropicalis。普通のアフリカツメガエル(Xenopus laevis)に比べると小さい。5cmくらいしかなさそうだが、これでも成体とのことである。丸々して、かわいい。是非飼いたいと思ったが、いつも28Cにしてやらなければならず、温度管理がとても難しいとの事だった。
24日は午前中に理学部で学部学生向けの講義。その後、細野先生のラボで免疫細胞や胸腺の老化の研究の話や、イモリの免疫細胞の話などを聞かせていただいた。細野先生は残り1年で御退官とのことだが、まだまだお元気そうだし、研究もまだ活発にされているので、もっと研究を続けて頂きたいものである。

2011年6月12日(日)

滋賀県田上周辺の散策
ラボでの出来事とは関係ない話を書かせて頂く。弟らと一緒に、昨年の記事と同じ谷の、さらに奥地を歩き回った。奥地と行っても、車を停めたところから1時間程度である。道中、そこここにモウセンゴケ・コモンセンゴケ・イシモチソウが生えており、食虫植物好きにとっては楽園のような谷だ。  岩が露出している部分が多く、水のpHのせいか、樹が殆ど育たない。写真は、イシモチソウの群落。真中やや上の、黄緑色にみえる部分がそうである。
群落の部分のアップ。
さらにアップ。イシモチソウはモウセンゴケが茎を伸ばして上にのびたような植物である。草丈の低い植物と混生する事が多く、このようにイシモチソウだけの群落は珍しい。
谷沿いに所々ある程度の広さの湿地があって、そういうところで時々ハッチョウトンボをみかけた。体調2cm程度の、日本最小のトンボである。湿地にだけ生息する珍しいトンボだ。

2011年6月10日(金)

第21回KTCCに参加
6月10日(金)と11日(土)に、京都でKTCCが催された。今回の集会長は徳島大の高浜洋介先生。参加者数は155名とのこと。いつもは芝蘭会館だが、今回は御所の西側の平安ホテル。かつて平安会館と呼ばれていたところだ。学術的セッションの他に、KTCCの将来(対象領域、運営形態など)についての話し合いも企画された。この話し合いは大変有意義だった。
会の創始者の桂先生と、創始期の中心メンバーの一人、広川先生(右)。広川先生は、医科歯科大を退官された後も、免疫力を測定する業務をするための会社を自らつくったりして、元気にされているようだ。  平安ホテルはロビーが広くてきれいで、写真のように池のある立派な中庭もある。御所に隣接しているということで、ロケーションもいい。
私(河本)は来年のKTCCの集会長をする事になっている。いつものように芝蘭会館でするとか、また平安ホテルを使うというというのが楽でいいのだが、少し趣向を変えようと思って、別な場所も探してみた。もしいいところが見つかれば、国際KTCCの時の会場の候補としても考える事ができるという期待もある。  候補として上がってきたのが、八坂神社の北、知恩院のすぐ近くの、和順会館である。この2月に竣工したばかりの知恩院関連の宿泊施設で、会議場もある。 知恩院和順会館HP:
http://www.wajun-kaikan.jp/
高浜先生、桂先生、糸井先生、増田さんとで下見に行った。会場は机付きで180人まで入れる立派なシアターで、スクリーンも十分大きかった。ポスターも会場前のホワイエに並べる余裕がありそうだった。周囲は目の前に知恩院の門があり、すぐ南隣が円山公園のひょうたん池のあたり。高台寺もごく近い。京都らしさを楽しむには絶好のロケーションだ。  そういう訳で、来年のKTCCはここでする事にした。日時は、7月6日(金)と7日(土)の予定。

2011年6月9日(木)

50歳の誕生日
50歳の誕生日。半世紀も生きてしまった。  ラボの皆様には今回はケーキで暖かく祝って頂いた。こんなに優しくしてもらうと、自分は知らないだけで、まわりの皆は自分がもうすぐ死ぬ事を知っているのではないか、などと思ってしまう。
ケーキには、ギターの形をしたクッキーが乗っていた。ケーキ屋さんが写真をみてつくってくれたらしい。「50」の文字のローソクが生々しい。ケーキは少し洋酒の味がして、とてもおいしかった。  昨年も一昨年も実はきちんと祝ってもらっていたが、ラボニュースにはjokeとしてもらった物だけを自虐的に載せていたのだった。今年は残念ながら(?)自虐ネタに使えそうな物をもらえなかったので、普通に書かせて頂いた。

2011年6月7日(火)

細胞運命制御コミュニティーサイト「Cell Fate倶楽部」開設
新学術領域「細胞運命制御」のメンバー間のコミュニティーサイトを立ち上げた。いわゆるSNS(Social Networking Service)のようなものだ。もともとは領域代表の北村先生が言いだした事を、私が広報係として応えて進めてきた話である。  このようなサイトは、通常はログインしたひとだけが見られるようなシステムにするところだが、このサイトはあえてそうはしなかった。飛び交うであろういろいろな情報を、領域内の人達だけでなく、ライフサイエンス系の研究者、あるいは科学に興味のある一般の方にも、広く知ってもらおうと考えたからだ。 ただし、記事やコメントを書いてよいのは、本領域関係者に限るようにはなっている。  今回のHPは、もともとSNSのひな形はあったが、progressの大久保君や、その関係者の柴戸さんらにお願いして、より読みやすいよう、あるいは書き込みやすいように、随分と手間をかけて今の形にしてもらった。  他の研究班や学会、研究会を見渡しても、このサイトのような試みは、まだほとんど例がないと思われる。だから、是非成功させたく思う。多くのメンバーが記事を書いてくれたらいいが..。
 Cell Fate 倶楽部
 http://cellfate-sns.com/

2011年5月31日(金)

新学術領域「細胞運命制御」班会議
「細胞運命制御」は、今年度から公募研究のメンバーが30グループほど加わり、大きな班になった。軽井沢で5月31日(火)から6月2日(木)までの3日に亘って領域班会議が開かれた。活発な討論が繰り広げられ、とてもいい会だった。
Gata因子の研究で有名な山本雅之先生(右から2人目)は、東北大医学部の学部長をされている。震災時の苦労談をいろいろと聞かせて頂いた。

2011年5月19日(木)ー29日(金)

EUthyme参加記
EUThyme集会に参加すべく、オランダへ。  会の2日前、19日木曜日の午後にオランダ入りして、まずはRotterdamに泊まった。次の日にErasmus大学を訪れるからである。EricとSteinがdinnerに連れていてくれた。ビールがうまい。SteinはLeidenから来てくれた。
20日金曜日、朝からErasmus大学へ。奥の背の高い建物が本棟で、手前の建物は新棟とのこと。Hematologyのdepartmentを訪ねた。教授4、5人を擁する大所帯である。
朝からいくつかのラボを訪れてdiscussionをしてから、夕方頃、セミナー。夜はホストのJan Corneilson(左奥)がdinnerに連れて行ってくれた。右奥はTom Cupedo。
21日(土)夕方から主目的のmeeting が始まった。80年代の終わり頃から、オランダのRolducという田舎町で、3,4年に1回くらいのペースでThymus関連の研究会が開催されてきた。6年くらい前から、日本、オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカで4年に1回ということで回り持ちで開催するという事になっている。今年はヨーロッパの番。今回はRolducではなく、Leidenの近くのLeeuwenhorstカンファレンスセンター。集会にはEUThyme-Rolduc meetingという名称がつけられた。
集会は200名強くらいの規模。今回のオーガナイザーはAntonius Rolink (University of Basel)とAdrian Hayday (King's College)。朝から夕食後まで学術プログラムが詰まっており、特別なsocial eventも無く、やや盛り上がりに欠けた。それでも、この分野の重要な研究者が集まり、とてもいい情報交換の場となっていた。
日本からは高浜洋介先生(徳島大)、中山峻憲先生(千葉大)、谷内一郎先生(理研RCAI)、松本満先生(徳島大)、鈴木春巳先生(国際医療センター)、糸井マナミ先生(明治国際医療大)、浜崎洋子先生(京大)、秋山泰身先生(東大医科研)等が参加。 うちのラボからは、伊川君、増田さん、角川君、佐藤さんと私で、計5人が参加した。また、うちのラボに長期間研修に来ていたEricやMirelle(右から2人目)も参加していた。
EUThyme集会は5月24日(火)まで。会の終了後、会場から車で1時間半くらいのWillemの家を訪れ、BBQ会。浜崎さんの後ろはRoland Scollay。Willemの昔からの研究仲間であり音楽仲間でもある。CSLという会社を辞めてから、今はMonash大学でコーディネーターのような仕事をしているらしい。
Eric, Stein、Janneke、Niennkeも参加。写真はMirelleとNienkke(右)。
25日(水)26日(木)は伊川君と増田さんと共にMaastricht大学を訪れた。WilfredやGerald Bos、そしてラボの若者達とdiscussionをした。
25日の夜は地元料理を食べにいった。Wilfredの奥さん(Annekke、左)も元気そうだった。
27日(金)は再びErasmus大学へ。伊川君、増田さんがEricらと生データを交えて検討しあった。
27日の夜、Wilfredと一緒にBob Meekと会う。彼は昨年Bloodに論文を出した後、Maastricht大からLeidenにあるCruCellという会社に移った。

2011年5月13日(金)

平野先生国際賞記念講演
平野先生は2011 年の日本国際賞を岸本先生とともに受賞されたが、4月に予定されていた祝宴や記念講演会が、震災後の自粛ムードや節電のために、キャンセルされた。その分をRCAIでお祝いしようという事になり、この日、6階の大セミナー室で講演をされた。また、6階ロビーで簡素ではあるが祝賀会も催された。

2011年5月2日(木)

伊川君、理研研究奨励賞受賞
理研では、若手研究者に贈られるに研究奨励賞という賞がある。受賞者は理研全体で10名弱。今年は伊川君が受賞した。和光の理研本所で授与式があり、野依理事長からひとりずつに賞状が手渡された。

2011年4月28日(木)

Willem来日
Willemは昨年末にNature Reviews Immunology誌から「胸腺クロストークという観点から胸腺上皮細胞分化を論じる」というような趣旨のReview Articleのinvitationを受けた。Willemには失礼な言い方になるが、このinvitationはちょっとした驚きであった。勿論、Willemは大変喜んでおり、人生の集大成の論説にするといって張り切っている。今回の来日は、仕上げをして、submitする作業を終えることが目的。4月20日から日本にいるが、おおむね真面目に取り組んできており、この日の夕方、submissionを無事に終え、さくら水産でささやかな打ち上げ飲み会をした。

2011年4月22日(金)

新潟の桜
血液学関連のセミナーがあって、新潟を訪れた。ホテルの前の桜が満開だった。京都より2週間くらい遅いくらいか。
上越新幹線、道中の写真。まだこんなに田畑に根雪があるのに驚いた。さすが雪国だ。

2011年4月19日(火)

免疫ふしぎ未来展実行委員会
今年度も科学未来館で免疫ふしぎ未来展をすることになった。この日の夕方、実行委員会が開催され、写真はその後の親睦会。実行委員会の委員長は東京医大の善本先生。免疫ふしぎ未来展はこれまでは5月の連休に2日間行われていたが、今年度は8月21日(日曜)の1日だけの開催の予定。これまでと同様の展示に加えて、日本の免疫学の歴史を紹介するパネルやショートトーク、ヤクルトによる腸内細菌と健康のコーナーなどの新企画が加わる。また、時事問題にからめた話として、放医研の先生らによる、放射線の人体への影響のパネル展示やショートトーク、ガイガーカウンター、霧箱などの展示をお願いする事になった。

2011年4月10日(日)

今年の桜
今年は3月に寒い日が多かったせいか、桜が遅かった。写真は京都の高野川。御影橋から北をみたところ。写真のように、京都では4月10日でもまだ満開という感じであった。
これは理研の近くのバス通り沿いの桜並木。4月11日の朝。こちらもようやく満開。普通は横浜の方が京都よりも早く咲くが、今年は京都よりも2、3日遅いようだった。

2011年3月11日

大地震
4時46分、大きな揺れが襲い、しかもそれが1分以上続いた。震度5くらいだろうか。特にRCAIの建物は免震構造のためか上の方の階はよく揺れる。阪神大震災の時のようなつきあげるような鋭い揺れではなく、ゆっさゆっさと大きくゆっくり揺れた感じだ。私は自分の部屋で本棚が倒れないように押さえていた。  写真は、伊川君の机の後ろの本棚。一番上の段の本が落ちた。
ラボでも、アルコールがこぼれる、物が落ちる、などの被害がみられた。おどろいたのは、ディープフリーザーが数十センチ動いたこと。あんなに重たいのに…..。キャスター付きのメタルラックなどは、動きたい放題という感じだった。  地震の直後から停電になった。非常用電源がすぐに作動して、ラボも居室も少しは電灯がついていたが、サーバーはダウンして、ネットは使えなかった。RCAIにはTVがないので、情報は携帯電話やラジオに頼った。 td>
床にこぼれて広がったアルコールを拭いているところ。劇薬でなくてよかった。
5時頃。鶴見駅近辺に住むラボのメンバー数名を車で送って行こうとしたが、潮鶴橋に向かう道は案の定ほとんど動かないような渋滞。途中からは歩いてもらった。他にも、駅へ歩く人が多く見られた。しかし、駅に辿り着いても、JRは動いていない。遠くのひとは大変だ。
渋滞の原因のひとつは、信号が停電しているからである。いくら停電とはいえ、電柱や電線が断線したとかいう訳ではないのに、信号まで点かないとは、脆いシステムだ。
理研の横の鶴見川のほとり。写真は、上流側を見ている。津波はみられなかったが、鶴見川はいつもと違ってかなり激しく流れていた。このあたりはほぼ河口なので、普段は殆ど流れはない。津波の水がひくphaseを見ていたということであろう。
午後7時頃。帰れない人達のために、交流棟ホールで非常食、水、毛布の配布が始まった。王先生、増田さん、谷内先生の姿がみられる。食料は、非常用のパン、せんべい、カンパンなどの中からひとつを選ぶという配り方。
写真はカンパン。割とやわらかく、よく噛めばいい味が出て、結構おいしかった。
これはチョコチップ入りのパン。これも結構おいしかった。
これは薄い塩味のせんべい。味はまあまあというところか。
夜9時頃。居残り組で、非常食やおやつなどを食べながら、ラジオに聞き耳をたてていた。余震は10分ごとくらいの頻度で起きていた。
京浜工業地帯のどこかで、何かが燃えて、低い雲を赤々と焦がしていた。恐らくは、千葉の石油タンクの火災であろう。夜の12時頃に停電は復旧した。復旧には順序があるらしく、工業地帯であるこのあたりはかなり後回しにされていたようだ。
泊まり組の人達は、各々自分の机の近くに椅子を並べたりして寝ていた。写真は、支給された毛布。薄めだが、暖かかった。私は、6階のラウンジのソファーの上で寝た。
翌朝10時に、非常食の配給。10時迄に帰ったひとも多く、もらいに来ていた人は少なめだった。しかし、昨晩の食べ物より、ずっといいものだった。

2011年2月23日(水)

金指先生来訪
大学の同級生の金指(かなざし)秀一先生(写真右)が来訪。UMNファーマというベンチャー会社の社長だ。写真左は取締役で製造開発部長の上村謙吾さん。資本金32億円、社員数5-60人のかなり大きな会社だ。主に進めているのは、組み替え型の新型インフルエンザワクチンの開発。現行のインフルエンザワクチンはウイルスをニワトリの卵で増やしてから取り出して不活化したものだが、この方法では5千万人分つくるのに半年かかるとか、もしトリインフルエンザの場合は毒性が強すぎるためニワトリの卵では増やせない、などの問題があるそうだ。  それで今、国策として、培養細胞にヘマグルチニンなどのウイルス表面のタンパク質をつくらせて、それをワクチンに使うという話が進んでいるという。この会社では昆虫由来の細胞にヘマグルチニンをつくらせているらしい。もう第II相臨床試験までいっていて、他社に先んじているそうだ。他の会社もそれぞれ別な方法で組み換えでワクチンをつくっているらしく、最終的に国の正式なサポートを受ける数社の中に残れるかどうかが勝負どころだそうである。  金指先生は、もともと小児科の医者で、留学から戻ってからは市井の病院に務めたりしたが、ある時思い立ってこの業界に入ったという。彼は温厚な人柄なのでベンチャーの社長というのが不思議な気がしたが、きくところによると会長の道下眞弘先生が経営に大きく関与しているらしい。道下先生は京大第一内科の先輩で、よくできるということと、aggressiveさで有名だったひとだ。  それにしても、うまくいけば大きいとはいえ、まさに競争が熾烈な業界だ。私にはとても勤まりそうにない。
参考URL: 株式会社UMNファーマ
http://www.umnpharma.com/

2011年2月20日(月)ー25日(金)

FANTOM5の集会
横浜研で理研OSC(オミックスセンター)が進めているプロジェクト「FANTOM5」の集会があり、国内外の関係者が集まった。主に交流棟ホールで行われていたが、何度かRCAIの6階も使われた(写真)。うちのセンターはOSCとは共同研究のプロジェクトで理事長ファンドを頂いている。その一貫でうちのチームはT細胞分化のタイムコースサンプルをFANTOM5で解析してもらっているので、その進捗状況の報告のプレゼンを行った。  それにしても、バイオインフォマティクス関係のひとが多く、殆どの参加者がPCを開けながら参加しているのが印象的。特にそういった関係のひとが話し合っているときには、motif conservation とか tag cluster annotationsなどの言葉が飛び交い、何の話をしてるのかさっぱりわからなかった。
FANTOM5参考URL:
http://www.riken.go.jp/r-world/info/info/2010/101206/index.html

2011年2月7日(月)

拙著「もっとよくわかる!免疫学」刊行!
ちょっと宣伝。昨年、春先から秋にかけてこつこつ書いた本が、羊土社から2月4日に発行された。単独著書なので、感慨もひとしおである。  羊土社の「もっとよくわかる!」というシリーズの最初の本になるので、責任は重い。とにかく、わかりやすくすること、それでも、本質的な骨格はきちんと書くことを目指した。  そのため、これまでの教科書とかなり異なる構成にし、またディーテイルに立ち入らない、イラスト/マンガを沢山とりいれるなどの工夫をした。抗原特異性が免疫学の中心課題と考えている関係上、獲得免疫系の仕組みの解説を中心に書いているが、獲得免疫系の始動役としての自然免疫系についても、しっかり書いたつもりである。  基本的には入門書として書いたものなので、生命科学系の大学生や院生、医学生、臨床医にお薦めしたいが、新しいトピックもupdateしてあるので、免疫学の研究者の方に読んで頂いても、十分楽しんで頂けるのではないかと思う。
羊土社のHP中の紹介記事
http://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/book/9784758122009/index.html

2011年1月29日(土)ー30日(日)

恒例志賀高原スキー
今年はWillem、Wilfred、伊川君の4人。ひとつ前の記事の最後に書いたが、前日の夜更かしとアルコールのせいで、目覚ましを二つセットしたにもかかわらず不覚にも寝坊をしてしまった。遅れてひとりで行って、ゲレンデで合流できたのが午後2時半頃だった(2時間の遅れ)。伊川君、外人二人の引率、ありがとうございました。  天気はそう悪く無かったので、結構滑ったが、宿のあたり(タンネの森周辺)でも日中マイナス9度と、とても寒かった。その分、雪質はとてもよかった。  写真は焼額のプリンスホテルのカフェテリア。
土曜日の夜は起きてサッカーの試合(アジア杯の決勝)を見ていたが、前日の寝不足がたたって延長線の途中で寝てしまい、決勝点の瞬間は見逃しまった。写真は日曜日、帰る前にバス停に向かう途中でみた光景。あるホテルの屋根の雪おろし。
雪おろしの様子のアップ。雪が背丈よりも高く積もっているのがわかる。1立方メートル300kgくらいとすると、2平方メートルあたり車一台分くらいの重さだ。このホテルの屋根は40m x20mはありそうだから、雪の総量としては車400台分、観光バスでいえば20台分くらいは乗っている計算になる。ここまで積もる前に雪かきしておくべきだったのであろう。  それにしても、ひとつ足を滑らせたら、5階の高さから転落である。いくら下が雪といっても、これは、ちょっと怖い。前の晩、長野のローカルニュースで、雪かきで転落して二人死んだとか言ってたが、これをみて、確かに雪かきは命がけだと納得した。

2011年1月28日(金)

Willem/Wilfred歓迎会
WillemとWilfredの歓迎会を、いつものように6階のラウンジで催した。この日は高浜先生がたまたま東京に方に所用で来られるということだったので、それに合わせて歓迎会をこの日に設定した。北村俊雄先生、山村隆先生にも来て頂いた。これでNegative SelectionとPositive Selectionのメンバーがほぼ揃ったことになる。
今年は参加者が20名を越えたので、ラウンジの部屋を出てすぐのところにもテーブルを置いてホットプレートをセットした。この日のお昼に川崎のCostcoで買ったとてもお買い得な牛肉を、たっぷり楽しんだ。また、ジャファル(右から2番目)のカレーも、炊きたてのジャスミンライスとともに、大変おいしく頂いた。東大医科研の秋山泰身先生も駆けつけてくれた(左から3番目)。
Willemと桂先生の、珍しいツーショット。この二人が20年も前に始められたつながりが、こうやって連綿と続いている。お二人がまだこうして元気そうにされているのは、ありがたいことだ。
Positive Selectionによるジャズの演奏。トロンボーンはWillem、ピアノは山村先生、ドラムは大久保君、ベースは高浜先生。ジャズやボサノバのスタンダードナンバーを数曲。このバンドの演奏はレベルが高い。
大久保君は、ドラムソロがまわってくると、嬉しいような、困ったような、苦笑いのような様々な表情を呈するので、見ていておもしろい。
Negative Selectionも、Mistreated、Rock and Rollなど、何曲か演奏した。夏のライブと同じフルメンバーに、Wilfredが加わった形だ。
Negative Selectionの女性ボーカリストとして、茂呂さん(慶応大学)が「天城越え」を、「体うらはら、あなた、山が燃える~」と熱唱しているところ。バンドとしてはまだ練習不足で演奏にはまとまりがなかったが、この曲はレパートリーに加えてやっていけそうな手応えがあった。
エンカルニータ(手前左)、堀先生夫妻(手前右)、村橋さん(中央、何か料理中)、天野さん(村橋さんの左)らも参加。賑やかな会になった。
11時頃から2次会で行った鶴見駅の近くのジャズバーで演奏するWillemと高浜先生。結局、帰ったのは4時、寝たのが4時半。翌朝7時20分鶴見駅集合でWillemやWilfredとスキーにいくことになっていたのだが、夜更かしとやや過度のアルコール摂取がたたって、不覚にも寝過ごしてしまった。

2011年1月24日(月)

免疫学会賞ラボ内祝賀会
この日、WillemとWilfredが日本に来たので、夕食にふたりを連れてさくら水産でも行こうとして街にでたら、ラボの皆が、別な食事処で私の免疫学会賞受賞を祝うサプライズの祝宴を用意してくれていた。WillemとWilfredは予め聞かされていたらしい。 越智さんが「ラボの皆からの贈り物があるので目を閉じて下さい」と言って私の首にかけてくれたのが、写真の首飾り。折り紙を切ってひとつずつのりで貼ってつなげた、心のこもった逸品だ。こんな素晴らしいものを頂いたのは幼稚園のとき以来だ。絶句した。
何はともあれ、心の暖まる、いい会だった。ありがとうございました!私は宴会の間中、首飾りをしていたが、のりがまだよく乾いていなかったからか、何度かちぎれたので、その都度つなぎ直してもらった。

2011年1月23日(日)

湊先生を囲む会
この日のお昼12時から、「湊先生を囲む会」というのが京都の都ホテルで催された。その心は、湊先生の還暦祝い兼医学部長就任祝いの会である。ちなみに湊先生は京大医学部の教授で、私は理研に来る前は湊研の助教だった。この日はOBを中心に、50人以上が馳せ参じた。今年は湊研20周年にもあたるらしい。写真は服部先生(現北里大学教授)がパワーポイントで湊研の歴史をおもしろおかしく紹介しているところ。
ラボの現役メンバーを中心にしたAKB48「会いたかった」のパフォーマンス。終わった後、踊った人達が湊先生と記念写真を撮っているところ。 踊りをみているとき、「よくやるよ」と笑いつつ、「自分も加わりたい」という衝動を感じたのは、おそらく気のせいであろう。
秘書の谷脇さん(真中)と准教授の浜崎さんからの記念品の贈呈。大学の中をフットワーク軽く飛び回れるようにということで自転車が送られた。浜崎先生が持っている箱は本庶先生からのプレゼントで、中身は定番の赤い頭巾とちゃんちゃんこ。このあと、湊先生はちゃんと着た姿をお披露目された。
縣先生のあいさつ。今回の世話人はOBの杉江先生と、現准教授の縣先生。暖かみのある、とてもいい会だったと思う。お疲れ様でした。この後、ほとんどのひとはホテルの中で部屋を移しての2次会に流れ込んだ。

2011年1月17日(月)

大雪で新幹線大幅に遅れる
16日(日)から17日(月)にかけて広範囲に雪が降った。この冬はよく降る。普通は関ヶ原を過ぎると積雪をみなくなるが、この日は名古屋をすぎたあたりまでかなりの雪が積もっていた。写真は名古屋駅、朝9時頃。新幹線がずっと徐行運転するためにすでに京都から2時間かかっている(本来40分)。名古屋駅を過ぎてからもしばらく徐行運転が続いた。
しかし、三河地方あたりからは晴れ上がって、別世界のようだった。富士山も、きれいに見えた。東海地方や関東地方は、冬は「乾季」なのだとつくづく思った。

2011年 行事一覧

1月 理研合同リトリート
5月 Rolduc thymus meeting
6月 KTCC
7月 理研一般公開
7月 RISP
12月 免疫学会
ーー リトリート