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ラボニュース 2023

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2023年12月28日(木)

森本先生来訪
森本亮先生が訪ねて来られた。森本先生はThomas Boehm(マックスプランク研究所)の研究所に留学中で、胸腺の進化的な起源についての研究などをしている(2019年5月19日の記事参照)。今回はしばらく日本に滞在し、1月中旬に開催される免疫学会にも参加するとのこと。Thomasは近々定年退官でラボを閉じるとのことであるが、森本先生は最近、スウェーデンの研究所へPIとして異動することが決まったという。おめでとうございます!

2023年12月27日(水)

河本研忘年会
2023年の師走はなんやかんやで忙しくて、年の瀬も押し迫った頃になって、ようやくラボの忘年会を開催できた。5月にコロナの規制が緩まってからは、各種集会などが現地で普通に開催されるようになり、いい年だったと思う。研究についても、着実にいい成果が得られていて、いい年だった。ラボの皆様、お疲れ様でした。

2023年12月22日(金)

H.U.グループの中央研究所を訪問
以前にも書いたが、リバーセルは、本年4月からH.U.グループ中央研究所と戦略的提携基本契約を締結し、共同開発研究を模索している。いくつかの計画を検討中で、実際の共同研究の相手先は河本研あるいは京大の他の研究室ということになる。今回は3回目の訪問(2023年9月15日2023年6月26日の記事参照)。この日の午前中は、新幹線から富士山がきれいに見えた。
あきるの市にある中央研究所(奥の建物)。
H.U.グループの中の会社の一つH.U.セルズという会社の細胞製造施設を見学させていただいた。
立川で、関係者による会食。H.U.グループは若手の研究者が多く、色々な方向性での共同開発ができそうで、話が弾む。
          

2023年12月21日(水)

第3回広報連絡会
この日の夕方、本部の会議室で表記の会が開催された。教授会が有ったので会には参加できなかったが、会の終了後に本部棟の地下で開催された情報交換会には参加できた。写真はその情報交換会にて、向かって左から木下こづえ先生(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科生態環境論講座准教授)、野崎治子理事(広報担当)、澄田先生。
 木下先生は前職は京都大学野生動物研究センター保全生物研究部門助教で、これまでに主にネコ科動物(ユキヒョウ、チーター、ツシマヤマネコ)の保全・繁殖研究をしてこられた。動画作成など広報にも精力的に取り組まれてきたそうだ。その他にも、ユキヒョウについての本を上梓されたり、動物について「何がわかっていないか」(例えば「どうしてキリンは声を出さないのか」とか)をテーマにした絵本の制作を監修されたりしている。木下先生にはコピーライターをされている双子の妹さん(木下さとみさん)がおられるようで、ユキヒョウの本はお二人の共著、絵本は妹さんが書いて、お姉さんを含む野生動物研究センターの方々が協力、ということのようだ。

(動画)
・京大先生シアター「希少動物の繁殖を追う」:
・京都大学野生動物研究センターHP:
・野生動物研究センターオリジナル動画(各種動物の交尾のシーンを軸にしてオリジナル曲が付けられている):
(本)
・幻のユキヒョウ 双子姉妹の標高4000m冒険記:
・どうぶつのわかっていること・わかっていないこと :
          

2023年12月21日(木)

医生研チャンネル制作チーム今年最後の打ち合わせ
医生研チャンネルは配信を始めて1年4ヶ月。表チャンネル6本、裏チャンネル75本の動画をアップしてきた。更新頻度を高く保つのが大事だと考え、裏チャンネルは毎週新作をアップしている。今後は表チャンネルの更新頻度をもっと上げる予定。今年は、医学部3回生の栁澤君と林さんが制作チームに加わってくれたので、随分助けられた。
          

2023年12月20日(水)

中国医薬大学と京都大学のジョイントシンポジウム
中国医薬大学は、台湾の台中市に位置する、医学部を中心にした私立の総合大学。京都大学と中国医薬大学は、2022年9月に大学間学術交流協定を締結した(2022年9月28日の記事参照)。この協定締結にあたっては、以前から中国医薬大学と実質的な交流を行なってきた医生研、京大病院、iCeMSという三部局が京大側の代表部局として進めてきたが、この三部局の中では、医生研が主軸として務めてきた。協定締結を記念して、初となる合同シンポジウムが開催された。このシンポジウムも、引き続いて医生研主導で進めてきた。
河本研と中国医薬大学との付き合いは2019年に始まり(2019年10月18日の記事参照)、2020年1月、コロナ禍が始まる直前に中国医薬大学を訪れて講演をした(2020年1月9日の記事参照)。コロナで共同研究は中断したが、昨年4月から王啟鴻(Chie-Hong Wang)先生(研究員)が2ヶ月間河本研に滞在して技術移管を行なったりした(2023年4月25日の記事参照)。今回の合同シンポジウムの2日前の18日月曜日の午後、王先生の上司のLong-Bin Jeng教授が研究室にこられた。向かって右側から王先生、永野君、Jeng先生、私、福永君。
Meetingの後、焼肉屋さん(祇園弘)で会食。向かって左端は板原君(河本研D3)。
シンポジウムの前日、先斗町の「草風土うしのほね」でwelcome reception。会食後、記念撮影。私の向かって左隣りが、中国医薬大学学長のMien-Chie Hung先生。
シンポジウムの当日、開会の前に芝蘭会館の応接室で湊総長とHung学長で記念品の交換。向かって右からDer-Yang Cho教授、Long-Bin Jeng教授、Hung学長、湊総長、河野泰之副学長、私、鈴木淳教授(iCeMS)。
会場は芝蘭会館の稲森ホール。
湊総長による挨拶。臨床試験へ向けた共同開発への期待を語られた。
Hung学長による挨拶。京大と一緒にアジアを牽引して行こうというような話だった。
関係者で記念写真。
医生研からは大串雅俊先生(永楽研准教授)が、自分の話(着床期前後の発生現象について)の他にES細胞センターの紹介もしてくれた。
河野副学長による閉会の辞。河野先生は元東南アジア研所長で、アジア地域のサイエンスの発展に向けて、という視点の話をされた。
懇親会で、萩原正敏先生が挨拶。萩原先生はUCSDの京都大学サンディエゴ研究施設の施設長をされている。その関連で言うと、私はこれまでに交流セミナーで話をさせていただいたり(2021年10月22日の記事参照)、京都大学ライフサイエンスショーケースin San Diegoという京大関連のベンチャー会社をサンディエゴで紹介する会で話をさせていただいている(2022年3月2日の記事参照)。CMUとの交流でもご活躍されることになるかもしれない。

京都大学サンディエゴ研究施設HP:
今回は、医生研からは河本研が代表して世話をしてきた関係で、当日の運営も主に河本研メンバーが担った。向かって右から加藤君(特定研究員)、王先生(中国医薬大学)、貝谷君(D1)、永野君(助教)、周君(D2)、板原君(D3)。お疲れ様でした。
中国医薬大学のHung学長は、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターでずっと活躍されていたがん研究の大家であるが、大変ノリのいい人で、今回の懇親会でも快く裏チャンネル向けの突撃インタビューに応えていただけた。合同シンポ全体については医生研チャンネル(表)でそのうちレポートするが、Hung先生のインタビューの様子を、予告編として2024年1月11日公開の裏チャンネル(第78回)に載せている。iCeMSの鈴木先生からもにぎやかなインタビューが撮れたので、同じ回に載せた。
第78回 アジアで輝け!中国医薬大学(台湾)×京都大学合同シンポジウム2023インタビュー!

2023年12月18日(月)

クリスマスツリーの飾り付け
裏医生研チャンネルの演出用にLEDライトを持って来ていたので、それを使って医生研一号館の正面玄関入ってすぐのロビーにクリスマスツリーを飾り付けた。

2023年12月15日(金)

柳田先生と打ち合わせ
柳田素子先生(腎臓内科教授)とは長らく共同研究を続けている。この日、打ち合わせを行なった。向かって右端から、大学院生の谷口圭祐先生と、同じく大学院生の好川貴久先生。

2023年12月14日(木)

京都大学永田町同窓会
表記の会が都市センターホテルで開催された。国会議員や官僚の中にいる京大OBによる同窓会で、京大からは理事や各部局の部局長が参加する。同窓会会長の伊吹文明氏による挨拶。法案を通すには人脈が大事、というような事を話されていた。
湊総長による挨拶。京大の学問の歴史を守っていきたいというような話をされていた。
議員については与党から野党まで特に偏りなく参加されていた。「xx学部yy年卒のzzです」というような挨拶を聞いて、それが自分の在学期間と重なってたりすると、妙に親近感が湧く。
京大からの出席者で記念写真。

2023年12月13日(水)ー14日(木)

第36回バイオセラピィ学会
表記の会が昭和大学の上條記念館で開催された。この学会は、がん免疫療法を中心にした歴史のある学会であるが、外科系の先生方が中心になって運営されている。
白金台の近くのホテルに宿泊。
いい部屋だった。
ホテルの窓からは八芳園の庭が望めた。
ホテルで開催された会長招宴の会。
今回の集会長、角田卓也先生(昭和大学)による挨拶。
奥村康先生(順天堂大学特任教授)と。
浦部晶夫先生(NTT東日本関東病院)と。浦部先生は2013年の血液科学セミナーの記事に登場していただいている(2013年11月9日の記事参照)。
向かって右から硲(はざま)彰一先生(周南記念病院)、鳥越俊彦先生(札幌医科大学)。
昭和大学上條記念館。
上條ホール。
上條記念館の地下に立派な部屋があって、そこで懇親会。
懇親会では日本酒のコーナーが設られていた。
日本酒のコーナーのアップ(1)。会員有志による寄贈。
日本酒のコーナーのアップ(2)。
日本酒のコーナーのアップ(3)。美味しそうなお酒が並んでいる。
日本酒のコーナーのアップ(4)。ワインはシャトー・オー・ブリオンの流れを汲むクラセンス・ディロン・ワインズという高級ワインであるとのこと。
バイオセラピィ学会の理事長である河野浩二先生(福島医科大学)の挨拶。
Robert M. Hoffman先生 (Department of Surgery, University of California, San Diego, CA, U.S.A.)による挨拶。がん細胞がメチオニンに依存している事(ホフマン効果)の提唱者で、メチオニン摂取制限などの治療法を開発した人。
マグロの解体ショー。中トロの握りがふんだんに供された。
吉村清先生(昭和大学)(向かって右端)のグループの若いスタッフと。向かって左から平澤優弥先生(医員、大学院生)、石黒智之先生(助教)。昨年、吉村清先生が編集したがん免疫ぺディアでは表紙を描かせていただいた(2022年2月14日の記事参照)。
2日目の午前中のがん免疫学会との合同シンポジウムで話をした。スライドは英語、発表は日本語という形式だった。

2023年12月7日(木)ー9日(土)

第36回日本内視鏡外科学会総会に参加
表記の会がパシフィコ横浜で開催された。参加者7000人という、大きな集会だ。羽渕友則先生(秋田大学医学部長、泌尿器科教授)が集会長。
外科手術はほとんどが内視鏡手術になっているらしく、またその多くがロボットを用いた遠隔操作によるものらしい。多くの企業が立派な展示ブースを出していて、その隆盛ぶりに驚いた。
1枚目のポスターの中にもあるように、こういう感じでロボットの手で手術されるようだ。
外科医は写真のような装置に座って、頭と手を装置に突っ込んで、操作するようだ。このシステムのおかげで、外科医の寿命(手術ができる年齢の上限)が随分伸びたらしい。
今回は2日目の全体懇親会で演奏、という形で学会からの招待を受けて参加。前日は19時から1時間ほど会場でリハーサルをして、その後桜木町駅の近くで軽く夕食。この日のリハーサルにはNSの録音でエンジニアを務めてくれているEnrico Sesselego氏 が立ち寄ってくれた。Enricoは超一流のギタリスト(Steve Vai、Paul Gilbert、Frank Gambale、Steve Lukatherなど)の録音にも関わるすごいエンジニアであるが、縁あってNSのファーストアルバム、セカンドアルバムとも録音、ミキシング、マスタリングをしてくれた(2019年11月29日の記事参照2017年11月8日の記事参照)。
夕食後、21時から23時まで桜木町駅の近くでスタジオ練習。写真はEnricoが撮ってくれた。
スタジオ練習の最後の30分には羽渕先生も参加。写真は練習の後。
ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテルに宿泊。写真は窓からの景色。
遅くまで部屋飲み。こういうのは久しぶりだ。
8日の午後はAMEDの先端バイオ創薬の成果報告会に参加。私はポスター発表だった。
大きな学会だけあって、懇親会も規模が大きい。
8日の18時15分から、展示会場と同じホールの一画で、全員懇親会。
比内地鶏とハタハタ。集会長の羽渕先生が秋田大学だから、秋田色が前面に出されていた。そんな中、右端に愛媛のじゃこ天が置いてある。これは、この何週間か前に、秋田県の佐竹知事が「メインディッシュがいいステーキだと思って開けたらじゃこ天です。貧乏くさい。」という発言をして炎上した事を受けての出品であるようだ。脇に「佐竹の殿様失言謝罪メニュー」と書いてある。なお、この騒動でじゃこ天は有名になって、かえって売り上げが伸びたらしい。
横手焼きそばと秋田の地酒。
提供されていた地酒のリスト。
羽渕先生の挨拶。
高橋淳先生(CiRA所長)、高橋政代先生(ビジョンケア社長)と。羽渕先生、高橋夫妻と私は、京大医学部昭和61年卒の同窓生。私は羽渕先生とは中学、高校、大学で同級生。なお高橋夫妻はシンポジウムの演者として招聘されていた。
ネガティブセレクションのメンバーと羽渕先生。
アトラクションでは、まずは羽渕先生の生い立ちや経歴の紹介のスライドが面白おかしく表示された。大変力作でとても見応えがあった。その後、NSが登場して、Openingsという曲の変拍子のイントロに始まり、鈴木春巳先生の歌でリンパ節一人旅を演奏。その次に、羽渕先生が沢田研二の「勝手にしやがれ」を熱唱。
その後、山本学先生(足立共済病院院長)一座によるパフォーマンス。銀河鉄道999の主題歌の替え歌に合わせて、この装束でのダンス隊。すごいインパクトだ。
こういう芸風はかつて多分全国的にあったのであろう。私が研修医になりたての時(1986年)、第一内科(現血液・腫瘍内科)の忘年会で、研修医グループは時代劇(水戸黄門)の寸劇をした。写真はその時のもので、私が扮する悪徳商人が病床に臥し「喉が渇いた」というと、奥様役の看護師さんから顔に水をかけられているところ。同じ日の出し物で、医局スタッフのグループの中には、偉い先生方(男性)がバニーガールの姿で踊っておられたという記憶がある。今回、山本一座のパフォーマンスを観て、外科系にはこういう芸風がまだ残っている事を知り、懐かしくかつ嬉しく思った。
山本一座とNSメンバーで記念写真。後列向かって左端が山本先生。鈴木先生は昨年分子生物学会の閉会式で演奏した「逆襲の助教」の時の装束(2022年12月2日の記事参照)。楽しかった!
「逆襲の助教」ミュージックビデオ:
片付けを終えてから、羽渕先生とNSメンバーで桜木町駅近くの居酒屋で打ち上げ。その後はホテルで羽渕先生の部屋で遅くまで部屋飲み。羽渕先生とNSメンバーでの飲み会は初めてであったにもかかわらず、深い会話を交わすことができ、いい夜だった。
                     

2023年12月3日(日)

教授室から見えるカエデが紅葉
教授室の窓からはカエデが見れるのであるが、建物に近くて気温がやや高いのか、敷地内の楓市内の観光地に比べて、毎年紅葉が少し遅い。それでも今年は一時冷え込んだからか、例年より少し早い(2021年12月8日の記事参照)。
          

2023年11月30日(木)

林さん、裏医生研チャンネル登場へ向けた収録
林璃菜子さんは医学部の3回生。いわゆるMD研究者育成プログラム(1-2回生のうちから基礎医学研究室に参加して研究に加わるプログラムで、ラボローテーション:ラボローテとも呼ばれている)で2年前から河本研に来ており、宮崎正輝准教授の指導の下で研究に関わっている。今年は7月に開催された阿蘇シンポジウムでもポスター発表され、来年1月の免疫学会にも参加される予定だ。林さんは高校生の時に国際化学オリンピックで銀メダルを獲られ、京大医学部に飛び級入学されたという逸話の持ち主。今年の6月頃から医生研チャンネルの制作にも関わっていただいている(2023年5月18日の記事参照)。
 裏医生研チャンネルでは私が解説役をする回が多いが、私以外の人の登場回を増やしていきたいと考えている。そんな中で、林さんが、心電図の解説をしてくれる事になった。林さんは、最近心電図検定で3級を取得したとのこと。心電図検定には4級-1級があり、3級というのは一般臨床医のレベルだそうだ。新機軸の打ち出しという事で、収録も、新しく設置したスタジオで行った。
林さんと同じく、医学部3回生の栁澤真さん。彼は林さんより一足先に医生研チャンネルの制作スタッフに加わってくれている(2023年5月18日の記事参照)。

2023年11月30日(木)

オンシジュームが咲いた
このオンシジュームの株は、4年前と5年前(2019年1月18日の記事参照2018年1月2日の記事参照)に咲いた後、しばらく花を咲かさなかったが、今回久しぶりに、しかも沢山の花を咲かせた。オンシジュームといえば一般には「沢山の黄色い花」というイメージだが、この種は、色も形も典型的なオンシジュームとかなり異なる。前にも書いたが、日本の野生ランのえびねにちょっと似ているということもあって、えびねファンの私としては、好きな花だ。

2023年11月29日(水)

日立との共同研究の中間報告会
以前にも書いたように日立の自動培養装置iACE2をT細胞の自動培養に使う事に向けた共同研究を進めている(2023年8月28日の記事参照2023年3月14日の記事参照)。各培養ステージについて実質的なdiscussionをすることができ、今後の進め方について具体的な方針が見えてきた。この日、打ち合わせの後、焼肉の店で情報交換会を行った。焼肉は、テンションが上がるので、楽しい。
          

2023年11月29日(水)

堀井先生と会談
ファイザーの堀井郁夫先生が、薬学部での講義の折に立ち寄って下さった。5年前にも一度来ていただいている(2018年10月4日の記事参照)。堀井先生の仲介で、2018年から2020年にかけて2年間ファイザーと共同研究をさせていただいたりした。この共同研究では多くの知見が得られたので、機会があれば何かまたご一緒したく思う。

2023年11月27日(月)

藤田医大河本研の歓送迎会
藤田医科大学に出勤。その後、金山の近くの店で、歓送迎会。美山先生は残念ながら外勤先の都合で欠席。写真は向かって左から、中村柚琳さん(医学部4回生)、杉田さん、川本さん(臨床検査学科4回生)、高柳さん、磯貝さん、金原さん、川瀬先生、私。送別されたのは川本さん。卒研のような形式で春から実習に来られ、美山先生の指導の下、TCRのクローニングなどに励み、いいデータを出された。歓迎されたのは高柳さんで、9月から事務関係の仕事をしていただいている。中村さんは、昨年ラボニュースにも一度登場していただいている(2022年4月25日の記事参照)。今年の1-2月に一度出入りして研修をされているので、全くの新規参入ではないが、これからしばらく再度研究室に参加して、より本格的にTCRのクローニングや機能解析に取り組んでもらうことになる。先日(10月8日)に行われた白衣式で、男女各一人の代表として宣誓する役に選ばれたので、その時点での成績は学年で一番だったという事であるらしい。素晴らしい。
2023年度藤田医科大学白衣式:
金山駅のすぐ近くの九州料理屋さん。写真はコースの中のメインディッシュであるもつ鍋で、スープがとても美味しかった。

2023年11月25日(金)

ヒメツルソバ
前記のお店の近くの駐車場の脇に、中々立派なヒメツルソバの群生が見られた。
ヒメツルソバは、ソバと同じタデ科に属する、ヒマラヤ原産の外来種。元々園芸品種として導入されたものらしく、それだけに、雑草にしては中々美しい。

2023年11月24日(金)

渡部先生来訪
渡部良広先生は桂研の先輩で、JT(日本タバコ)からの出向で桂研に来られていた間に、胸腺組織の高酸素沈下培養の開発や、胸腺組織由来間葉系ストローマ細胞株TSt-4の樹立など、桂研の研究の発展に多大な貢献をされた。現在金沢大学の先端医療開発センターの特任教授。SCARDAという国産ワクチン開発事業(2023年8月8日の記事参照)関連で、新規モダリティ開発の事業の一つにも採択されている。この日はその話を聴かせていただいた。打ち合わせ後、大学近くの店(くうかい)で昼食。

2023年11月23日(木)

中山俊憲先生を悼んで
千葉大学学長をされていた中山先生が、11月2日にご逝去された。日本免疫学会からの訃報は11月6日に届いた。闘病されていたことも知らなかったので、突然の訃報は、大変ショックだった。中山先生には、理研チームリーダーへの応募の際や、免疫学会教育推進委員会への参加の際など、人生の節目で大変お世話になった。左の写真は、本橋新一郎先生(千葉大)が、写真を整理したら出てきたとのことで、この日、送って下さった。中山先生は2017年6月28日-30日に千葉の幕張メッセで開催されたがん免疫学会で集会長をされ、その時の写真。向かって左は、清野研一郎先生(北大遺制研)。
同じ会で、自分が持っている写真を振り返ると、こんな写真が見つかった。
がん免疫学会総会秘蔵のお酒として、「俊憲の酒」なるものが供されていた。面白い企画だ。中山先生は、こういう茶目っ気も持っておられた。
もう一枚、送っていただいた写真。私の髪の量からして、理研のチームリーダー時代の写真だと思われる。あれこれ検討してみたが、どの会での写真だったか、判明しなかった。
 最後になりましたが、中山先生のご冥福を、心よりお祈りいたします。

2023年11月21日(火)

toberu2で科学コミュニケーション関係の交流会
toberu2は、「若い起業家が集まり、4 ヶ月間寝食を共にしながら学び考える場」として造られた建物とのこと。篤志家の支援によるものであるらしい。場所は、芝蘭会館前の斜めの道を川端通りに向けて少し行ったあたり。
少し前に紹介したジャルさん(2023年10月13日の記事参照)がここの住人で、住人は施設を使えるという事で、半地下のスキップフロアにあるスペースで、おでんをつつきながらの会食を企画され、医生研チャンネル制作チームを招いていただいた。写真は、食事が落ち着いたあたりで、澄田先生が医生研の科学コミュニケーションの戦略に関してプレゼンしているところ。
参加者で記念写真。向かって右から、香月亜美さん(京大OI機構)、森一彦先生(京都先端科学大学)、ジャルさん、大久保さん、私、澄田さん。森先生はマーケティング、ブランディングなどの専門家。色々な話ができて、楽しい会だった。
右から二人目は、ここの住人で、前記の写真を撮ってくれたPuzzar Citlinさん(ガーディアン社共同創業者/代表取締役)。ガーディアン社は、子供をいじめや虐待から守る会社とのこと。

2023年11月20日(日)

朝の虹
この日、朝の8時過ぎに、西の空に虹が見られた。
これは、秘書の宮武さんが撮った写真。御所にかかる虹。
鴨川にかかる虹。私が撮った1枚目の写真が8時15分で、この写真が8時55分だから、40分以上虹が持続していた事になる。
虹の根元は、府立医大の少し北だから、リバーセル社の他多くのベンチャー会社が入っているクリエーションコア御車あたりか。「虹の根元には宝物が埋まっている」などと言われているので、ありがたいショットだ。
          

2023年11月18日(土)

ゴジラ-1.0を鑑賞
ゴジラのシリーズは、劇場にわざわざ観にいく程のファンではないが、今回のは評判が良い感じだったので、二条シネマのIMAXシアターで観てきた。評判通り、いい出来だった。特撮(CGと実写の統合)が良くできていたし、またヒューマンドラマとしても、よくできていた。主役の神木隆之介は、「らんまん」の牧野富太郎役の演技は、植物好きの私としては植物との対話の様のオーバーアクトな感じが、NHKの朝ドラだから仕方ないかもしれないとはいえ、ちょっとどうよと思っていたが、今回のは好演だった。ヒロイン役の浜辺美波は、「シン・仮面ライダー」(2023年5月4日の記事参照)での演技がとても格好良かったが、今回の終戦直後の薄汚い服を着た役柄も、素晴らしかった。

2023年11月13日(月)

動物慰霊祭
医生研では、毎年この時期に、実験動物を慰霊する儀式を行なっている。コロナのせいで2020年から2022年までは全員が集まることができず、建物ごとに時間差で礼拝、献花無しという段取りであったが(2022年11月18日の記事参照)、今年からは元通りに、医生研の関係者全員が集まり、その後順に献花するというスタイルに戻った。私が、全体への挨拶の後、まずは代表して献花。
以前はウサギやイヌもいたが、今はマウス、ラット、サルだけになっている。動物実験をしている研究機関では、どこの機関でも、動物慰霊祭を開催して、研究のために犠牲になった動物達を悼んでいる。

2023年11月11日(土)

平尾誠二さんと山中先生の友情を題材にしたドラマ
ラグビーの平尾誠二さんは、約1年の闘病の末、 2016年10月に胆管細胞がんで亡くなられた。山中先生は対談をきっかけに平尾さんと親交を深められたとのこと。このドラマは、平尾さんの最後の1年間の闘病に焦点を当てている。山中先生は奔走して治験への参加を手助けしたりする。写真は実際の対談時の写真(向かって右側)と、ドラマで再現された場面の写真(テレ朝HPより)。平尾さん役の本木雅弘(もっくん)が、まるで平尾さんが憑依したかのような名演。演技派で知られる滝藤賢一さんも、山中先生役を見事に演じでいて、お顔は随分違うのに、ほとんど違和感なく観れた。最初は少し訝った気持ちで観ていたが、そのうちドラマに引きずり込まれ、最後は泣きそうになってしまった。
平尾さんの奥さん役は、石田ゆり子さん。(写真はテレ朝POSTより)私はこの女優さんのファンで、ラボニュースでは少し前にも石田ゆり子さんの「女房酔わせてどうするつもり」というニッカウイスキーのコマーシャルを取り上げたことがある(2019年7月24日の記事参照)。なお、このドラマについては、以下の12月1日に載せた裏チャンネルの回で、冒頭とエンディングで言及している。
#72:【京大イベント】アカデミックデイ2023 PART2【とびだせ医生研】:

2023年11月10日(金)

衣食住セミナーでお茶会
少し前から、設計士の事務所主催の「衣食住セミナー」に顔を出すようになっている。7月には、私、澄田先生、大久保さんの三人で、科学コミュニケーションについての話題を提供したりした(2023年7月7日の記事参照)。今回は川辺明伸さんという建造物を対象にした作品を得意とする写真家が、木造建築(学校の校舎レベル)の火災実験に立ち会った時の写真と話を、お茶会形式で味わうという趣向。全員で同時という訳にはいかないので、5-6人ずつ交代でお茶を楽しんだ。
終わってからは、お楽しみの会食+お酒。色々な刺激が得られる、いい会だ。

2023年11月6日(月)ー7日(火)

香港中文大学を訪問
 昨年、Stephen Dalton先生(香港中文大学:The Chinese University of Hong Kong:CUHK)が来所され、「ES/iPS細胞から褐色脂肪細胞を作製して糖尿病治療に使う」という話をされた(2022年11月15日の記事参照)。2023年の3月から6月にもサバティカルのような形で当研究所に滞在された(2023年4月25日の記事参照)。ホストは伊藤貴浩先生(写真向かって右端)で、伊藤先生がジョージア大学におられた頃、Dalton先生もおられ、その頃からの付き合いらしい。Dalton先生の滞在中から、医生研と、香港中文大学の中のSchool of Biomedical Sciencesという研究機関とで、今後協力関係を結べないかという話が出ていた。そのような流れの中で、今回、私と伊藤先生が招待されるという形で、香港中文大学を訪れた。
 香港には「香港大学(The University of Hong Kong: HKU)」という国立大学もあるが、こちらは香港島にある。香港大学へは、以前に同大学の中にあるパスツール研究所のImmunology Courseの講師として二回行ったことがある(2012年11月18日の記事参照)が、香港中文大学は初めてだ。
大学に隣接する形で「University」という名前の駅があり、泊まったホテル(Hyatt Regency、写真中央)もそのすぐそばにあった。
部屋。今回は前日入り。
窓からの景色。
同じく前日入りした伊藤先生と、ダウンタウンを散策。日曜日だったこともあってか、すごい人出だった。
夕暮れ時で、香港島の林立するビル群が美しい。
西の方を望んだ。手前は埠頭。
街を歩いて北上。高層ビルが多いが、外装のための足場が、竹で組まれているのが、面白い。
足場のアップ。竹で組まれていることがよくわかる。
男人街というナイトマーケット。
露天の席がある地元の店で夕食。
焼きそば、魚、ホタテ貝、ハトを食した。
ハトのローストは、69香港ドル。一ドル20円くらいだから1400円くらい。非常に美味しかった。
ホテルの前から大学のキャンパスを見たところ。丘の斜面に建てられている。
所長のAndrew Chan先生自らが車でキャンパス内を案内して下さった。
キャンパスの中の、景色がいい場所から、東側を望む。
北東側を望む。大学キャンパスと海との間にサイエンスパークというエリアが作られ、多くのビルが稼働している。香港中文大学や香港大学の知財を活用して商業化するための、産官学連携の組織とのこと。工学、農学、医科学などを幅広くカバーしているらしい。特許を出せば、産業へ向けての開発は、引き受けてくれるとのことなので、羨ましい限りだ。
School of Biomedical Sciencesが入る建物。大きい。スタッフの数などは医生研と同じくらいのようであるが、大学院を持っているといの話で、教育のdutyもかなりあるらしい。
コアファシリティのスタッフの案内で見学。構造としては、ロの字型になっている。
現在空きのラボスペース。
見学の後、11時から私がセミナーで話をした。45分講義、15分質疑応答。その後、ホテルの横の建物で昼食。向かって右からAndrew Chan(陳文楽)所長、Dalton先生。
今後の協力体制の可能性についての打ち合わせと、研究者とのdiscussionが終わったあと、夕方からサイエンスパークにあるトランスレーション部門を訪問。
向かって右端は、案内してくれたGao Bo先生。
見学後、1時間半ほどトランスレーション部門の人達とdiscussionをして、その後同じ建物の中のレストランで会食。豪華だった。向かって右側からChan所長、YAO Xiaoqiang (姚曉強)教授、TSUI Kwok-Wing Stephen (徐國榮) 教授、私、伊藤先生、JIANG Xiaohua (蔣曉華)副教授、ZHAO Hui (趙暉) 副教授、GAO Bo (高波) 副教授、Dalton教授。
アヒルの脚とシイタケの料理。とても美味しかった。
生簀。ハタ、イセエビ、アワビ。いずれも料理として供された。
2日目の午前中、伊藤先生のセミナー。
Cancer Biologyをやっている人が多いからか、質疑応答が飛び交っていた。
伊藤先生のセミナー後、昼食。始めに供された酸辣湯(サンラータン)が美味しかった。この後、私は帰路についた。伊藤先生はもう一日滞在された。

2023年11月1日(水)

まほろば開店36周年の会
「まほろば」は、高野川に沿った川端通りに面した、蓼倉橋の近くにある居酒屋。毎年11月1日は、開店記念の祝賀会になっており、常連の人達が参集する。今年もよく賑わっていた。
写真は、厨房と、店主の和田さん。和田さんは、同志社大学の美術サークルの一つである「くらま画会」の部長をされていた人で、私も同時期(学年的には和田さんの方が2年先輩)に京大の美術部にいたので、美術部つながりの知り合いだった。和田さんは卒業後、一旦会社勤めをされてから、脱サラしてこの店を開店された。この店に来ると、古き良き時代にタイムスリップできる。
          

2023年11月1日(水)

「Kyoto University U channel」始動!
この日、京都大学の本部の広報課が、「Kyoto University U channel」という動画配信サイトを開始した。医生研では、昨年8月から医生研チャンネルの配信を始めているが、京大の広報はそれを結構高く評価してくれているようで、少し前の広報連絡会でも、その活動内容について話をさせていただいた(2023年9月21日の記事参照)。で、驚いた事に、京大全体のHPのトップページに、「Kyoto University U channel」配信開始、という話が載っていて、その告知の画像に、医生研チャンネルのサムネイルが使われている!10月5日に配信を開始した「第64回:【ノーベル賞特番①】免疫学から見るmRNAワクチンのしくみ」のサムネイルだ。なお、この回は、タイミングが良かったこともあってか、他の回に比べるとすごく再生回数がよく伸びており、1ヶ月少したった現時点で、1万5千回に迫ろうとしている。
「Kyoto University U channel」のサイトに入ると、トップページはこういう感じ。このチャンネルの開設に伴って、新規に「京大先生、質問です!」というシリーズ。
Kyoto University U channel:
その中の、特集のコーナー。月間特集は、「iPS細胞の今」。京大らしい取り組みだ。この中で、新作は「京大先生、質問です!」の第一作となる高橋淳所長への質問という動画。その分野の第一人者が、色々な質問に次々と答えていくという構成だ。撮影場所は京都大学のセミナー施設「吉田泉殿」とのこと(「吉田泉殿」については2023年9月14日の記事参照)。

京大先生、質問です! 髙橋淳(iPS細胞研究所所長):

2023年10月30日(月)

久保先生のセミナー
久保允人先生(東京理科大学)が、メディカルイノベーション大学院プログラムのセミナーとして話をされた。
メディカルイノベーション大学院プログラムは、「医療・創薬・行政で活躍されている多様な先生方から、最先端の研究内容やキャリア形成について講演いただくセミナーシリーズを開催しております」という趣旨のようだ。
「キャリア形成」に関する話ということで、かつてプロ野球の選手を目指してプロテストを受けたことがあるという話もされた。理研の免疫センターでは同僚だったので、 理研での思い出話は心に沁みた。
なお、久保先生は、今年6月に開催されたKTCCで集会長を務められた(2023年6月16日の記事参照)。その時に抄録集の表紙用に書いたイラストについても言及して頂いた。ありがとうございました。

2023年10月24日(火)ー28日(金)

第29回東アジアシンポジウム(East Asia Joint Symposium)に参加
表記の会が韓国で開催された。ホストは順天郷医学生物科学研究所(Soonchunghyang Institute of Medi-Bio Science: SIMS)。このシンポジウムは1994年に始まり、以下の9研究所が参加していて、順番にホストしている。医生研は2017年にホストした(2017年10月17日の記事参照)。
・東京大学医科学研究所(日本)
・ソウル国立大学分子生物学遺伝学研究所(韓国)
・順天郷大学順天郷医学生物科学研究所(韓国)
・上海生物化学・細胞生物学研究所(中国)
・国立台湾大学医学院 生物化学・分子生物学研究所(台湾)
・国立台湾師範大学(台湾)
・京都大学医生物学研究所(日本)
・沖縄科学技術大学院大学(日本)
・上海科技大学免疫化学研究所(中国)
 この会は基本的には上記の9研究所のそれぞれがPIを4人、若い研究者を4人送り込むという方式で成り立っている。新任のPIを紹介するという役割もあるが、基本的には最近いい仕事をした人を参加させて、研究所の活動をアピールするという感じだ。
 今年は医生研からはPI枠で新宅博文先生、中馬新一郎先生、岡田崇先生、山田真弓先生、若手研究者枠では一條遼先生、村本裕紀子先生、小西理予先生、水谷龍明先生が参加した。
24日9時10分関空発の便を使うことになったので、前日はりんくうタウンのホテルに宿泊。写真はホテルの窓からの朝の景色。
今回のホスト研究所であるSIMSは、チョナン市にある。ソウルの南で、バスで1時間半くらいの距離。人口68万人とのことなので京都市の半分くらいだ。
インチョン空港からバスで会場のあるホテル(Ramada Encore by Wyndham CheonAn)に到着。写真はホテルの部屋。いいホテルだった。
ホテルの窓からの景色。
会場はホテルの20階。会は15:45から始まった。
SIMSの所長、Jongsoon Lee教授による挨拶。
ウエルカムレセプションの料理の一部。少し前のプサンでの学会(8月31日の記事参照)の時と同じく、お寿司が供され、美味しかった。この他にもいろいろな種類の料理があり、結構豪華だった。
ディレクターは集まって食事をするという形式になっていた。
20時ごろにレセプションが終わり、その後「ヌタウナギ」を求めて、歩いて20 分くらいの生簀付き海鮮食堂を、医生研チャンネル制作チーム(澄田先生と大久保さん)と、新宅先生、中馬先生、小西先生との、合わせて6人で訪れた。ヌタウナギを食べようという話は、先日配信した裏医生研チャンネル第66回「ヤツメウナギとヌタウナギの免疫系」でヌタウナギを取り上げた事からきている。他の脊椎動物は我々と同じT細胞やB細胞を広く持つが、ヌタウナギとヤツメウナギは、我々とは全く異なる独自の獲得免疫系を持っているという話。なお、少し前の、プサン出張の記事の中でもヌタウナギの写真を載せている(2023年8月31日の記事参照)。
裏医生研チャンネル第66回「ヤツメウナギとヌタウナギの免疫系」:
「この店は生簀がありそうだからヌタウナギもいるかも」とのことで、澄田先生がネットであらかじめ調べてくれていた。確かに沢山の生簀があり、いろいろな魚介類が入れられていた。写真はホヤ(向かって左)とタイラギガイ(右)。
大きな水槽の中にウナギのような魚が居たので、一瞬期待したが、アナゴだった。どうやら、ヌタウナギは韓国中で食べられている訳では無いようで、プサン周辺の人だけが好んで食べているという事らしい。
気をとり直して、せっかく来たのだからと、白身魚の鍋(3-4人前を一つ)と、刺身の盛り合わせを注文した。テーブルに座ると、デフォルトで5品くらいのおかずが2セットと、ワカメスープ、人数分のご飯が出てくる仕組み。デフォルト分は一人500円程度だったので、良心的だ。鍋は6000円(5万ウォン)くらいだった。
刺身の盛り合わせも6000円(5万ウォン)くらいだった。そう高くない感じだった。
デフォルトで供されたおかずの中に、カイコのサナギがあった。カイコの繭から絹糸の元になる系を巻き取る際に、まず繭ごと茹でる。糸を取り終わった後にはサナギの死骸が残るのだが、これはまさにそれだ。絹の生産過程で大量に出るので、いいタンパク原であるはずだが、日本ではほとんど食べられない。何人かは「わりと香ばしくて美味しい」とか言って普通に食べていたが、私は子供の頃に釣りで使っていたサナギコ(これをすり潰した粉)の臭いと全く同じだったこともあり、2,3個は口にしたが、それ以上は食べる気にならなかった。
レセプションで食事をとった後だったので、それほど多くは食べられなかったが、鍋も刺身も美味しく、皆、大満足だった。写真向かって左から、小西先生、新宅先生、私、澄田先生、大久保さん、中馬先生。
この会の特徴は、話題が多岐にわたる事。異なる分野の話は、視野が広がって良いのだが、ある程度予習しておかないと、話についていくのが大変だ。左は、二日目の朝イチで私が座長をしたPI枠のセッション。リボゾームで起こるタンパク質の品質管理の話、プラナリアの幹細胞の話、クマノミとイソギンチャクの共生の話、コロナウイルスの変異株の進化の話、造血幹細胞の不均一性の話、という感じで話題が広範に拡がっていて座長泣かせではあったが、質疑応答は結構多く飛び交ったおかげで、何とかこなせたと思う。
医生研チャンネル制作チームは、今回、初の海外出張となった。前述のヌタウナギ関連の動画を撮るのはオマケであって、主目的は今回医生研から参加した8人の発表者を取材すること。写真は、2日目の休憩時間に、新宅先生を取材しているところ。今回は、医生研の人以外に、集会長のJongsoon Lee先生(SIMS)、御子柴克彦先生(上海科技大学免疫化学研究所)、中西真先生(医科研)、佐藤佳先生(医科研)らの取材もさせていただけた。ご協力、ありがとうございました!
昼食は、ランチボックスが参加者全員に供された。2段になっており、かなりの量だ。右の二つのカップは、汁物とご飯。
ランチ会場は昨晩のレセプションと同じで、会場に隣接していて、便利だった。私の隣に座っているのはソウル国立大学分子生物学遺伝学研究所の所長JongKyeong Chung教授。ヌタウナギを食べそこねた話をしたら、扱っているレストランをネットで探してくれて、さらに今回の集会のスタッフの一人が車で連れて行ってくれるように、手配してくれた。前述のように、プサン以外の街ではヌタウナギを出す店はあまりないらしく、店があったとしたらそれはプサン出身者がやっていて、客も大体はプサン出身者ということらしい。何ヶ所か電話で確認しつつ探してくれて、予約もして下さった。ありがとうございました!
東アジアシンポジウムの創始期に主導した数名のうちの一人が新井賢一先生で、2019年度からその名前を冠した“Ken-ichi Arai Award”が設立され、若手研究者1名に贈られることになっている。今年はJong-Seok Moon教授(SIMS)で、炎症という観点からアルツハイマー病の病態に迫った研究だった。
バンケットでの食事を少なめにして、バンケット終了後、Chung先生の手配で、車に乗ってヌタウナギが食べられるレストランに向かった。ライムさんはテンションが上がっている模様。昨晩の6人に加えて、医科研から中西真先生、佐藤佳先生、稲田利文先生が、「それは面白そう」と参加。
車で15分くらいで、お店に到着。ロゴにウナギの絵があり、水槽もある。
水槽の中にいた、ヌタウナギ!
ライムさんとメタ爺で記念撮影。
この店もキムチ、ニンニク、若い高麗ニンジンなどが付き出しとして供された。高麗ニンジンはゴマ油につけて食べた。
ヌタウナギは危機を感じると大量の粘液を放出する。表の水槽から運ぶ時に店の人が見せてくれた。
粘液を放出するヌタウナギの動画(28秒):
下調べて、料理法として、鍋と網焼きがあることは知っていた。今回は、合計9人なので、鍋を4人分、網焼きを5人分という形で注文した。まず鍋が来た。写真ではわかりにくいが、皮をむかれて頭部を切断された上で、15cmくらいにぶつ切りにされたヌタウナギの躯体が、まだ生きていて、うごめいていた。
こういう光景を予想していた訳ではなかったので、一同、騒然となった。店側としては先に小さく刻んで動きが無くなってから出すこともできるであろうが、新鮮であることを示すために、あえてこういう出し方をするとのことだ。その時の動画を以下にリンクしておく。唐辛子の赤味が血糊のようにも見え、かなりグロいので、「閲覧注意」です!
鍋の中でうごめく(のたうちまわる)ヌタウナギの動画(50秒)[閲覧注意!]
鍋ではあるが、汁は少なく、煮るというより、炒める感じ。
出来上がってきたら、店の人がハサミで一口サイズにばらしてくれる。
食した。とても美味しかった。食感としてはコリコリしていて、ホルモン(小腸)のような感じ。臭みはほとんどなく、魚としての旨みもちゃんとあった。本物のウナギにはかなわないとしても、美味しい料理として普通に通用しそうな味だった。
向かって左から佐藤先生、中西先生、私、澄田先生、小西先生、大久保さん、稲田先生、中馬先生、新宅先生。
鍋をつついている時に、網焼きが始まった。網焼きだから開きにしてあるかと思ったら、網焼きと同じくぶつ切りだった。頭部の他に、肝臓も取り出してあるらしい。この時の動画もある。これも結構グロいので、「閲覧注意」としておく。
網の中でうごめくヌタウナギの動画(50秒)[閲覧注意!]
網焼きも、ある程度焼けたら、ハサミでさらに細かく切ってもらえる。タレをつけてもいいが、塩味がついていて、そのままでも食べられる。そのまま食べても、臭みがなく、炭火焼きの香ばしさがある上にちょっと旨みがあって、とても美味しかった。
鍋の方はご飯をぶち込んでおじやのようなものを作ってくれた。美味しかった。9人分で、お酒も合わせて、22万ウォン(2万6千円)くらいだったので、一人3000円にもなってない。生きた海産物を、海から離れたところで、ふんだんにいただいた事を考えると、大変良心的な値段だ。
一行で、店の前で記念写真。楽しかった!皆、いい顔をしている。なお向かって右端の奥にいるのがJiheon Jeong先生というSIMSのスタッフで、車の送迎だけでなく店の中でもずっと注文などを手伝ってくれた。ありがとうございました!
三日目、中馬先生のプレゼン。
三日目の夕方から、SIMSの見学。車で10分程度の距離だった。
何班かに分かれて研究室などを見学。スペースが広々としている印象。
ポスターセッション。
今回のオーガナイザー代表のJae-won Shim教授による挨拶。ヌタウナギツアーの手配もあれこれやってくれた。
lifetime achievement awardがSIMS前所長のJeongbin Yim教授(写真中央)に授けられた。
来年のEAJSの告知。ホストは国立台湾大学医学院 生物化学・分子生物学研究所。所長のMing-Shyue Lee教授がスライドを使って挨拶された。日程は10月29日から11月1日。
フェアウエルディナー。SIMSの先生方と。
もう一つのテーブル。ひと通り食事を済ませた後であったが、スタッフが近隣の店から骨付きの唐揚げを買ってきてくれた。このあたりの名物らしい。
最終日は、空港への移動の途中に、SIMSスタッフのはからいで、ソウルにある昌徳宮(チャンドックン)に立ち寄った。李王朝の五大王宮の一つらしい。広大な敷地だった。1405年建立とのことだが、何度か消失と再建をしているらしい。代表的な建物である仁政殿の前で記念写真。写真主に医生研の人であるが、真ん中あたりの白黒の服の人は東大医科研西村栄美研の松村寛行先生。
忍政殿の中。即位の礼などが行われていたらしい。
バスに戻る途中、入り口の辺りで写真。向かって右から山田先生(医生研)、中馬先生(医生研)、御子柴先生(上海科技大学免疫化学研究所)、松村先生(医科研)、私。
ソウル駅で解散。中西先生と、駅の近くの地元民向けのような感じの店でポークスープを食して、ほっこりした。
帰路はギンポ空港発。窓からソウル市街が見えた。東アジアシンポでは広く様々な分野にわたる話を聴いて学ぶ事ができ、また社交も取材もしっかりできたので、いい出張だったと思う。

2023年10月13日(金)

ジャルガルサイハンさんと面談
ジャルガルサイハン・ジャルガルマーさん(写真向かって右からニ人目)は、京都大学 産官学連携本部の研究員。モンゴル出身で、ジャルガルサイハンというのが姓でジャルガルマーというのが名前らしい。先日ゼスト御池で開催された京大アカデミックデイのイベント(2023年9月24日の記事参照)で出展されていて、医生研チャンネルチームと一度話をしましょうということになった。ジャルさんは本業は外部資金関連の業務のようだが、課外活動として、若い研究者が研究内容をサイエンスカフェのような形態で講義する「偏愛講座」や、フィールドで講義する「偏愛ツアー」などを企画されている。とてもactiveな人で、今後も何かの活動でご一緒することがありそうだ。

ジャルガルサイハンさん紹介ページ:
「偏愛講座」「偏愛ツアー」紹介ページ:
            

2023年10月11日(水)ー13日(金)

BioJapan 2023に参加
表記の会がパシフィコ横浜で開催された。
リバーセルはJST関連のエリアでブースを出した。
昨年(2022年10月12日の記事参照)、一昨年(2021年10月13日の記事参照)も開催されたが、今年はコロナによる制約が全く無く、ほぼ完全に元の世界に戻った感じで、とてもよく賑わっていた。
向かって左から畑中恵美子さん(リバーセル)、今村健一さん(H.U.グループ)、梶川益紀社長(リバーセル)。
展示会の終了後、会食向かう途中で、日本丸をバックに。向かって左端は大久保博志さん(リバーセル広報)。

2023年10月10日(火)

山崎聡先生と会食
山崎聡先生(写真向かって左から二人目)が京大に来られた折に、江藤浩之先生(左端、CiRA)、山本玲先生(左から3人目、ASHBi)と会食。中内研OBの会に私が混じった形だ。いろいろな話が出て面白かった。

2023年10月5日(木)

裏医生研チャンネルに今年のノーベル賞についての解説をアップ
10月2日に今年のノーベル生理学・医学賞の発表があり、mRNAワクチンの開発に貢献したということでカリコ氏とワイスマン氏が受賞。順当なところであろう。
免疫が関わることでもあるので、「緊急特番」として、医生研チャンネル制作チームで急遽解説動画を作成し、通常は毎週月曜日夕刻にアップするところを前倒しして、この日(木曜日)の夜、裏チャンネルにアップした。裏チャンネルはこれまで60本以上載せてきたが、再生回数は普段は200-300回といったところで、いい時で1000回を超える事もあるという程度であったが、今回はタイムリーだった事もあってか、この原稿を書いている時点(10月15日夜)で5000回を超えている。多くの人に見ていただいて、ありがたいことだ。

裏医生研チャンネル
第64回:【ノーベル賞特番①】免疫学から見るmRNAワクチンのしくみ

2023年10月5日(木)ー6日(金)

第18回生命医科学研究所ネットワーク国際シンポジウム
表記の会が医科歯科大学で開催された。ホストは医科歯科大の難治疾患研究所。このネットワークは、現在、12の研究所が参加している(北大遺制研、東北大加齢研、群馬大生体調節研、東大医科研、東京医科歯科大難治研、金沢大がん研、京大医生研、阪大微研、阪大蛋白研、徳島大先端酵素研、九大生医研、熊本大発生研)。医生研は、統合前にウイルス研と再生研がそれぞれ別個にホストしている(2013年6月27日の記事参照)。2025年には医生研がホストする番が回ってくる。
会場は医科歯科大M&Dタワー2階の鈴木章夫記念講堂。M&Dタワーは写真中央の一番高い建物。
鈴木章夫記念講堂の入り口。
立派な講堂だ。
今回の会頭、仁科博史先生による開会の辞。今回の会は、病院に近いということで、マスク着用が義務付けられていた。コロナが5類に引き下げられた5月以後では、マスク着用の義務がある会は初めてだ。また、同じ理由で、情報交換会もなかった。いまだにコロナの影響がある。
向かって左から、ネットワークシンポの運営委員である遊佐宏介先生、今回口頭発表をした杉田征彦先生(野田研准教授)、伊藤能永先生。
運営委員会は21階で開催された。いい景色だ。
          

2023年10月2日(月)

加藤博己先生のセミナー
加藤先生は、2018年4月に藤田研の准教授から教授としてボン大学へ移られた。今回、帰国された折に、セミナーをしていただいた。世話人は生田先生。
セミナーは今年の2月にサイエンス誌に出た論文(Science, 379:586, 2023)の内容についてで、RNAメチルトランスフェラーゼがインフルエンザの複製を抑制するという話だった。創薬につながる可能性もある、重要な成果だ。
会食に向かう途中、三条大橋から。最近ようやくちょっと涼しくなった。
会食の席で、向かって左から、生田先生、加藤先生、藤田尚志先生、竹内理先生、私。季節がら松茸の土瓶蒸しや松茸ご飯が供され、加藤先生もご満悦の様子だった。

2023年9月27日(水)ー29日(金)

京都大学研究交流セミナーに参加
京都大学の医学部・薬学部を中心に、若手がポスターを出して交流を図る会が開催された。6年くらい前から始まったが、コロナで中断していたので、今回は第3回。場所は医薬新棟の1階。17時から19時までがポスターセッションで、20時から21時は口頭発表。若手の交流にはとてもいい機会だ。ポスターのデザインが、やけにかっこいい。
ポスターは全部で300演題近く集まったらしく、毎日盛況だったらしい。私は最終日に参加。医生研からは合計10題くらいが参加。会場には軽食と飲み物も用意されていた。
口頭発表は、医生研からは北畠真先生と河本研の長畑君。
この日は北畠先生の発表があった。
今回は裏チャンネルでの取材も行った。医学研究科長の伊佐正先生が来られていて、スタッフの臨機応変なはからいで、取材させていただけることになった。伊佐先生はとても気さくな感じで取材に応じていただけた。ありがとうございました!

2023年9月28日(木)

東京理科大学訪問
理科大の合成生物学研究部門のアドバイサリー委員会に、外部委員として参加した。理科大の野田キャンパスは千葉県野田市にある。東武野田線の運河駅のすぐ近く。運河とは何のことかと言うと、利根運河というのが江戸川と利根川をつなぐ運河として、かつて稼働していたらしい。全長8.5km。1890年開通に開通したが、よく使われたのは20年間くらいしだったようだ。現在は、洪水時に水を分散するための治水としての役割があるらしい。
東京理科大野田キャンパスのマップ。アドバイサリー委員会は左端の10号館で行われた。午後は生命科学研究所を訪れたが、東の端にあり、15分ほど歩く必要があった。
運河駅から理科大に行く途中で運河を渡る橋。
橋から運河の東方向を望む。「運河」というだけあって、幅、深さ共に、中々のスケールだった。
アドバイサリー委員会が開かれた10号館。合成科学部門は、伊川友活先生(生命科学研究所)が部門長をしている。伊川先生は桂研での弟弟子(おとうとでし)。「部門」と言っても、恒久的なものではなく、5年間、学部や研究所の中から合成生物学的な研究をしている研究者が複数集まってつくられた部門。従って基本的には構成員は皆が兼任である。今回は最終年度の評価会ということだった。合成生物学的というだけあって、葉緑体を動物細胞に導入するとか、真菌類の菌糸の融合など、面白い研究が多い。
昼食後、伊川先生のラボを訪問。写真は生命科学研究所。生命研の訪問は初。
ラボの入り口に、ファンシーなポスターが貼ってあった。学生さんが作ったらしい。いい出来だ。
伊川研のスタッフである重廣司先生(助教)、平川真弓先生(助教)と、研究内容に関するdiscussion。二人とも、いいデータを出していた。
伊川研の人達と。HPによると上記2人のスタッフの他、博士過程2人、修士課程3人、学生4人がいるようで、にぎやかそうだ。
夕方、セミナーをさせていただいた。この研究所は多田富雄先生が所長をしていたこともあり、免疫学に重点を置いてきた歴史がある。現在も免疫学者が多く在籍している。この日も、北村大介先生、久保允人先生、後飯塚僚先生、中野直子先生らに来ていただいた。
後飯塚先生はNegative Selectionの準メンバーで、セカンドアルバムにも登場いただいている。セミナーでは、途中で「ガッテン」に出演した時(2018年10月31日の記事参照)の映像をまず上映した。セカンドアルバムの中からは、後飯塚先生が登場する「Transcytosis」および「蟲の襲来」と、その他数曲のミュージックビデオを、それぞれ一部だけ、予告上映した。北村先生、久保先生とも共演したことがある。左図は、セミナーの中で表示したスライド。
セミナー後、運河駅の近くで会食。いい1日だった!
          

2023年9月24日(日)

京都大学の一般向け広報イベントに参加
京大は少し前からアカデミックデイという一般向けイベントを開催している。この3年間はコロナで行われていなかったが、今年から本格的に再開。コロナ前は時計台ホールの建物でやっていたらしいが、今年は初の試みとしてゼスト御池での開催となった。ポスターのデザインが、いい味を出している。
ゼスト御池は、御池通りの地下にある、市役所前あたりを中心にした商店街。ところどころにある広場っぽいところに、写真にあるくらいの間隔でブースが割り当てられる。A0版ポスター2枚分のパネルと、180cmx70cmくらいのテーブルが用意されている。展示は11時から18時。
このところずっと免疫学会が主催の免疫ふしぎ未来展(@お台場)にポスターや細胞を展示してきた(2022年7月31日の記事参照)が、今年はそちらに出さなかったため、アカデミックデイに参加することにした。倒立顕微鏡でヒトiPS細胞のコロニーと、再生T細胞を見ていただいている。顕微鏡で見えている画像は、モニターにも映し出されている。
教授室で飼っているアフリカツメガエル(ゼノパス)も展示した。大人気で、まずこれを見るために足を止める子供たちが多かった。
A0ポスター①。臨床応用に向けた開発研究を紹介した。
A0ポスター②。用語の解説と、顕微鏡で見える画像の説明、それとどうしてアフリカツメガエルが研究に関係しているかを説明。アフリカツメガエルは、我々の研究には直接は関係ないが、1962年にジョンガードンという人が核移植という技術を使ってカエルの核を初期化したという話があり、それが後にiPS細胞の研究に結びつくのであるが、その実験で用いられたのがアフリカツメガエルだった、ということで関連付けた。
お昼頃に、いわゆるピッチトーク(短い時間でのプレゼン)が行われた。一人3分。
永野君が担当してくれた。わかりやすくで、いいプレゼンだった。
大学にはいろいろなクラブ活動があるが、科学クラブのような活動もある。iGEM (The International Genetically Engineered Machine competition)というマサチューセッツ工科大学で毎年11月ごろ開催される合成生物学の大会があり、それに参加する事を一つの目的とした集まりとのことだ。世界中の多くの大学の学生が参加しており、日本からも沢山の大学が参加している。京大の活動については、医生研の北畠真先生が自発的に指導役をしている。今年の活動内容として、鹿が忌避する臭いを発する物質を大腸菌に作らせて、鹿を駆除することなく鹿による食害を防ぐ方法を開発するとのことだった。そのために、プレゼンを行った石橋凌平さん(理学部)は鹿の角と耳のようなものを頭につけている。わかりやすくて、とてもいいプレゼンだった。なお、鹿による食害に関しては、私も深泥池の貴重な植物を食い荒らしていることに腹を立てており(2022年4月9日の記事参照)、こういう研究は是非奨励したいところだ。
新宅博文先生(医生研)が見に来られていたので、記念写真。
広報課の月舘彩子さん(写真向かって右から二人目)、学術研究展開センター(KURA)の大西 将徳さん(同三人目)と。大西さんは、今回のイベントを中心になってオーガナイズしてこられた。今回初となったゼスト御池での開催は中々の盛況で、成功だったと言えそうだ。ただ、ゼスト御池では出展数はせいぜい30 組くらいが限度だが、時計台でのイベントの方ではこの倍くらい出展できるらしく、来年はどうするか検討中、とのことだった。
服部和枝さんが来られていた。少し前まで掛長をされていて、ウイルス研と再生研の統合や医生研3号館の改修工事などで、大変お世話になった(2019年9月25日の記事参照)。

2023年9月21日(木)

広報連絡会でプレゼン
少し前にも書いたが、京大の広報はプレスリリースや動画配信など、とてもいい仕事をしてきているが、今後、さらに力を入れるという方針らしい(2023年9月7日の記事参照)。全学の広報関係者に呼びかけて広報連絡会という仕組みが立ち上がり、今回はその2回目の会合。現地では30人くらいの集まりではあるが、オンラインで90人くらい参加されていたようなので、大きな会だ。本部の広報としては、本年11月から動画配信の案内サイトを立ち上げるという話で、その関係で昨年度から動画配信に力を入れている医生研の制作チームに声がかかった。
広報を担当されている野崎理事の挨拶。
広報連絡会の世話役をしている月舘さん(2023年7月18日の記事参照)。
私は20分間のプレゼンで、まず研究所と自分の研究の紹介を3分ほどした後、科学コミュニケーションの意義の話(左図)とその方面での自分の活動歴の話を7分くらいした。
これまでに行ってきた科学コミュニケーション関連の活動を列記したスライド。それぞれ実例を示しながら紹介した。
後半10分は医生研での動画配信について、まず意図や意義を説明。
制作チームを紹介。澄田先生も大久保さんも、相当なマルチスキルだ。だからこそこれまで3人で何とかやってくることができた。
表チャンネルの紹介スライド。
裏チャンネルの紹介スライド。この後、実例の動画を7-8本上映した。
最後の方で示した、裏チャンネルに協力をしてくれている人のスライド。望月先生と牧野先生はこれまでに何度か出ていただいた。中馬先生や神田先生は今後出演していただけそう。この一年は、裏チャンネルはほとんど私が出ていたが、今後はいろいろな人に登場いただく予定だ。
若い人もスタッフとして加わってくれている。栁澤真さん(2023年5月18日の記事参照)と林璃菜子さん(2023年5月18日の記事参照)は共に医学部3回生の学生さん。
私のプレゼンの後、澄田先生が動画制作の具体的な手順(企画、撮影、編集など)や、動画の再生に関連して年齢層や経路などの解析法について説明した。

2023年9月16日(土)

大学院教育コース「腫瘍学コース」のリトリートで講義
リトリートとは、本来は日常から離れて静養することのようであるが、アカデミアの世界では1-2日かけて行う研修会のようなイベントを指すことが多い。京大の大学院の各コースでは、リトリートという名で、学生が順次発表し、その際に講師を招いて特別講演が催されることが多い。外部施設で行われることもあるようであるが、今回は芝蘭会館の山内ホールで開催された。なお、大学院の講義は英語で行われる。私は長畑君の成果の内容(Blood論文、食細胞の起源を単細胞生物まで辿る話、2022年12月15日の記事参照)を紹介した上で、「がん化は分化の逆行と解釈されることが多いが、進化の逆行という要素もある」という、長畑君が最近提唱している説を紹介した。また、細胞医薬についての概論と、うちの研究室で進めている戦略について、話をした。
このコースの担当である小川誠司先生(向かって右端)、小川研の若い人達と。向かって左から二人目は、今回のリトリートの世話役を主に進めてきた岡﨑幸治さん(血液腫瘍内科学/腫瘍生物学講座 大学院2年生)。お疲れ様でした。

2023年9月15日(金)

H.U.グループの中央研究所でセミナー
以前にも書いたが、リバーセルは、「汎用性他家T細胞を技術基盤とした細胞治療事業」を共同で推進しようという話で、本年4月からH.U.グループ中央研究所と戦略的提携基本契約を締結している(2023年6月26日の記事参照)。この日は、あきるの市にある中央研究所で2回目のセミナーを行った。その後、関係者で、立川で懇親会。いい共同開発研究に発展しそうだ。
          

2023年9月14日(木)

吉田泉殿で会合
この日の夕刻から、京大の吉田泉殿で未踏科学ユニット(2023年7月29日の記事参照)の活動の中間評価会が催された。吉田泉殿は西部講堂の裏側あたりにあり、鞠小路通に面している。京大の附置研究所やセンターはあちこちに散らばっているので、それらの研究所やセンター関係者が京大の本体で集会を催す際の施設として主に使われているようだ。
戦前の建物であるが、最近改修されたとのことだ。入り口。
廊下。
入って右側にある応接室。
南側の庭。
一階の集会室。評価委員会が開かれた後、懇親会。向かって左から二人目は前京大総長の山極壽一先生。

2023年9月11日(月)

鴨川の川床で食事会
北村俊雄先生(神戸先端医療研究センター長、向かって右から2人目)の呼びかけで、伊藤貴浩先生(医生研、右端)、柳田素子先生(京大医学部)と川床で会食。柳田先生は会食には間に合わず、川床で落ち合ってから合流、二次会では一緒にバーでスコッチウイスキーを楽しんだ。
          

2023年9月10日(日)

びわ湖ホールでスティーブ・ライヒの音楽を鑑賞
知人に誘われて、表記の演奏会を聴きに行った。スティーブ・ライヒは、あるパターンの音列を繰り返す、いわゆるミニマルミュージックの作曲家。私は学生の頃テレビの音楽番組でライヒの「木片の為の音楽」というのを聴いて、とてもかっこいいと思い、以後少し聴いていた。80年代のキングクリムゾンを聴いていてポリリズムな感じが好きだったからかもしれない。
びわ湖ホール。1998年竣工とのこと。
びわ湖ホールの大ホール。この日に聴いた「ドラミング」というのは1時間近い長い曲。普通に聴くとミニマルミュージック系の曲は退屈であるが、その日の気分次第で、しかも適度にアルコールが入っていたりすると、心地よくトリップできる感はある。以下は別なグループによる演奏であるが、参考までに。
木片の為の音楽Youtube:
ドラミング:

2023年9月7日(木)

京大広報関係者顔合わせの会
京大の広報はプレスリリースや動画配信など、とてもいい仕事をしてきているが、今後、さらに力を入れるという方針らしい。そういう背景で、京大の各部局の広報関係者が集まった顔見せ懇親会が百万遍近くのお店で開催された。澄田先生だけでなく、私にも声をかけていただけた。呼び掛け人は、月舘彩子さん(写真向かって右から3人目)。月舘さんは元朝日新聞の科学部の記者で、6月から京大広報課に着任(2023年7月18日の記事参照)。
もう一つのテーブル。野崎治子理事(向かって右から3人目)も参加された。
本部の広報の今羽右左ディヴィッド甫(David Hajime Kornhauser)さん(国際広報室長)と。ディヴィッドさんは、日本テレビワシントン支局プロデューサー、米国務省外交官などの経歴を持つ強者。うちのラボはこれまでに何回かプレスリリースを出してきているが、その際、大変お世話になった。
野崎治子理事とライムさん。野崎理事は、2022年4月に広報担当として京大の理事に就任。経歴的には人事畑の方のようであるが、昨年は各部局を訪問して広報の取り組みについてヒアリングされるなど、京大の広報のさらなる発展に、とても前向きに取り組んでおられる。医生研も昨年11月に訪問され、その際には私と澄田先生で医生研チャンネルについて説明し、好評だった(2022年11月4日の記事参照)。ライムさんをよく覚えていただいていて、この日も一緒に記念写真。ありがたいことだ。
野崎理事紹介HP:
          

2023年9月7日(木)

大阪府高齢者大学校の方々と打ち合わせ
大阪高齢者大学校は、シニアの方々の生涯学習の場を提供する認定NPO法人。略称は「コーダイ」とのこと。大学といっても単年度の入学を繰り返す仕組みで、一つのテーマについて週1コマの講義が年に26回開催される。科目は60くらいあり、歴史、社会、生命科学、語学、美術、音楽、園芸など多岐にわたり、その中から自由に選べる。講義の会場は大阪中に7-8箇所あり、講師は300-400人いるらしい。受講料は6万円/年とのこと。毎年2000人以上が入学し、入学式は大阪国際会議場のホールで行われるという話だ。来年度の、その入学式で、講演をさせていただくことになった。この日はその打ち合わせで、写真中央は理事長の古矢弘道先生。
大阪府高齢者大学校HP:
          

2023年9月7日(木)

プロボストオフィス室長の川村匡さん来訪
京都大学企画部長兼プロボストオフィス室長の川村匡さんが来室。この7月に現職に着任されたとのことで、研究科長や部局長に挨拶に周っておられるとのこと。卓越研究大学の本年度分は、京大は不採択であったが、来年度には是非採択されるよう頑張っていただきたいものだ。

2023年9月6日(水)

ディープフリーザー買い替え
11年前に購入したディープフリーザーが、ついにダウンし、買い替えることになった。廃棄になるフリーザーに、長畑君と永野君が、「長い間お疲れ様でした」と、別れを惜しんでいる。

2023年9月5日(火)

「あなむらのくしだんご」の差し入れ
裏チャンネル用の動画の打ち合わせなどをしているところへ、リバーセルの本村さんが、あなむらの串団子を差し入れてくれた。
滋賀県の草津の「吉田玉栄堂」という和菓子屋さんが売っているとのことだが、平日しかやってなくて、しかも午前中で売り切れてしまうことが多いらしく、ネットで調べても入手困難なレアものという扱いになっている。ラボニュースには2回目の登場(2020年6月17日の記事参照)。みたらし団子のような甘いタレではなくストレートな醤油味。とても美味しい。一串(50個)350円。
          

2023年9月3日(日)ー4日(月)

ひだまり会(京医61卒クラス会)
数年に1回、京大医学部のクラス会が開催されている。前回は2018年10月だったので、5年ぶりだ(2018年10月13日の記事参照)。今回は、芝蘭会館の山内ホールで、昼食をゆっくりととりながら、各自が近況報告するという形式だった。
私は研究所長就任に関連した話題として、動画配信を始めた話などをした。写真は三木先生(大阪公立大学)が撮ってくれたもの。
高折晃史先生は、今年の4月から京大病院の病院長をされている(2023年8月27日の記事参照2023年7月28日の記事参照)。経営の難しさについてなど、苦労話をされた。
門脇先生も香川大学病院の病院長をされているとのことで、高折先生と同じく、病院経営に関する苦労話をされた。
中川義久先生は2018年12月に滋賀医大の循環器内科の教授に就任された。
小林充先生は民医連の公益社団法人「信和会」の理事長をされている。ネットによると医師42人、一つの病院を含む19事業所を擁する大きな組織のようだ。彼は最近、反戦の歌をオリジナル曲として作って、ギター弾き語りの動画をYoutubeにアップしたとのことで、聴かせていただいた。ウクライナの戦争を題材にしているようで、メッセージがはっきりしていて、曲も中々いい。背景の岩倉や宝ヶ池の景色もいい。
「始めない者」Youtube:
二次会。楽しかった。
翌日の月曜日には、関連イベントとして「未来医療を多角的に考える研究会」を、CiRAのセミナー室で開催。森貴久先生(湘南鎌倉総合病院)、羽渕友則先生(秋田大学)、三木 幸雄先生(大阪公立大学)、高橋健造先生(琉球大学)、佐瀬一洋先生(順天堂大学)の話が聴けた。大医学関係者は定年退官まで後3年半くらいなので、現役のうちにもう1、2回は集まれたらいいなと思った。
          

2023年8月31日(木)ー9月2日(土)

ICBMT2023に参加
プサンで開催された第7回International Congress of Blood and Marrow Transplantation(ICBMT)という学会に参加した。プサンは初めてだ。地図で見ると、九州にとても近い。
往路の飛行機から見えた淡路島と明石大橋。
プサンの郊外。背が高いマンションが多い。
宿泊したホテル(パラダイスホテルプサン)は市街地から少し外れたエリアにあり、ビーチに面していた。チェックインの前に周辺を少し散歩。右側のベージュ色の建物がホテル。
ホテルの近くの商店街。
さすがに港町だけあって、海産物を生きたまま売っている店が沢山並んでいた。
ヌタウナギ。日本ではほとんど食べないが、韓国ではよく食されるらしい。
ヤツメウナギと同じ無顎類の中の円口類に属している。無顎類はかつて海の中で隆盛を極めたが、現在の魚類(顎口類)が登場すると、ほぼ絶滅し、今はヤツメウナギとヌタウナギが残るのみである。ヤツメウナギは他の魚にくっついて吸血するが、ヌタウナギは海の底で魚の死骸などを食べている。ヌタというのは粘液の事で、ヌタウナギは捕食者に攻撃されると、大量の粘液を放出して身を守る。円口類はサメ以後の脊椎動物が持っているT細胞レセプター、抗体、MHC分子といった獲得免疫システムとは異なる、独自の獲得免疫系を持っていることで、免疫学の進化を考える上でとても貴重な存在だ。
タコも生きたままで売られている。
これはユムシ。環形動物だからミミズやゴカイの仲間だ。日本でも一部で食されているようだが、普通には見かけない。英名はPenis Fishというらしい…。
ホヤも売られていた。長畑君の学位論文審査会が終わった後に居酒屋で食した(2022年12月20日の記事参照)。
居酒屋で長畑君と食べたホヤ。韓国で売られているホヤに比べると随分小さい。この店(クウカイ)の店主が宮城県出身だから出されているが、一般には日本ではレアな食材だ。
ホテルの部屋。
部屋からの景色。いい感じだ。
ホテルとは別な会場で催された、会長招宴のディナー。
今回の集会長のKi Woong Sung先生(Professor of Pediatrics, Samsung Medical Center, Sungkyunkwan University School of Medicine)と。
韓国料理をやや欧風にしたフルコースであったが、メインディッシュは、「焼肉定食」という感じだった。さすがに食べきれなかったが、とても美味しかった。
ホテルの部屋のテラスから見下ろした写真。プールかと思っていたが、ジャクジーのようだった。
朝、ホテルのテラスから。こんな景色を見ながら、一日中ボーッとできたらいいのになと思った。
会場はホテルからシャトルバスで15分程度の、BEXCOという施設。
入り口。
メインホール。
今回の集会は、参加者が約1000人で、メインホール以外は4会場が使われていた。各会場にはテーブルがあり、ランチョンセミナーでは、写真のような昼食が供された。
企業展示。
海岸近くの会場に場所を移して、初日のウエルカムディナー。
日本風の握り寿司が供されていた。
巻き寿司は、韓国ではキンパと呼ばれ、韓国独自に進化している。
向かって左端から、高橋聡先生(東大医科研)、豊嶋(てしま)崇徳先生(北大)と。
二日目は、着席スタイルのディナーだった。
アトラクションとして、韓国の民族楽器による演奏と、寸劇が観られた。
民族音楽は、日本の雅楽や民謡に通じるものがあった。寸劇では、熱演を楽しめた。
隣に座られた先生に調べてもらったら、「マンガでわかる免疫学(韓国版)」が、まだ入手可能であることがわかった。
最終日に同じセッションで講演されるMihue Jang先生(Korean Institute of Science and Technology)と。CAR-NK細胞の話をされる。
加藤光次先生(向かって左、九州大学)、稲葉寛人先生(セントジュード小児研究病院)と。稲葉先生は、最近行った混合型白血病の研究において、私達が以前に書いた総説(Kawamoto et al, A map for lineage restriction of progenitors during hematopoiesis: the essence of the myeloid-based model, Immunol Rev. 238:23-36, 2010)がヒントになったと言ってくれて、嬉しく思った。
最終日、私が話をしたセッションのプログラム。
会場。
講演の中で、最初の方でまずこの本を紹介。
引き続いて、中国語版が出たこと、そして韓国語版が出たことを見せると、結構ウケて、最後に右端の写真を出して「ネットで買えるようなので、チェックしてください」と言ってしめくくると、どういう訳か、拍手が沸き起こった。
帰路の飛行機の窓から。日本の中国地方のあたり。
瀬戸内海上空から、徳島市と吉野川が見えた。
徳島市から吉野川の上流方向を望むアングル。吉野川がほぼまっすぐに伸びて、異様な地形であることがわかる。
飛行機が旋回して、今度は和歌山市と紀ノ川に、同じような地形が見られる。
大阪湾から、和歌山市と紀ノ川を見たところ。
吉野川や紀ノ川は、中央構造線という大断層に沿ってできた川だ。断層部分は、岩石が脆くなって風化しやすく、こういう谷が形成されやすいということらしい。
前出4枚の写真の解説。この航路で、さらにお昼のフライトであったおかげで、壮大な地形が楽しめた。

2023年8月28日(月)

日立製作所とmeeting
日立製作所とは少し前からT細胞の分化誘導をiACE2という自動培養装置でできるようにするための共同研究を進めていて、すでにiACE2は医生研一号館の共同研究スペースに運び込まれている(2023年3月14日の記事参照)。この日、共同研究についてのmeetingが開催された。
自動培養装置を動かしながらの打ち合わせも行った。培地の流れなどを見ていると具体的なイメージが湧いてくる。
情報交換会へ向かう途中、川端通りから見えた立派な積乱雲。積乱雲は夏にはよく見られるが、今年は観測史上一番暑い夏だったということもあり、積乱雲を見る機会が多かったように思う。月並みであるが、タクシーの中で「竜の巣だ!」と言って何人かで盛り上がっていた。
情報交換会の後で撮った写真。再生T細胞療法を患者に届けるにあたって、とても大事なプロジェクトなので、効率よく共同研究を進めていきたい。

2023年8月27日(日)

高折邸でプログレッシブロック鑑賞会
高折先生が京大病院の病院長に就任した事を祝して、北村先生と私で高折先生のお宅を訪問。北村先生と一緒に高折邸を訪ねるのは3回目で、8年前ぶりだ(2015年9月17日の記事参照2013年11月11日の記事参照)。とにかくコレクションがすごい。また、その多くを「LP」で聴けるというのも、ありがたい事だ。
前回と前々回もそうだったが、今回もワインなどを楽しみながら、素晴らしいオーディオシステムで、昼間から夜まで、かなりの爆音でプログレッシブロックの名曲を、沢山鑑賞した。実に贅沢な一時だった。

2023年8月26日(土)

佐治先生主宰の昼食会
コロナのせいで、それまで月に一回開催されていた昼食会(2019年12月25日の記事参照2019年8月28日の記事参照)はなくなっていた。今回、久しぶりに復活。中宮さんと宮武さんが参加した。
          

2023年8月23日(水)

日本繊維機械学会関連イベント「私達のSDGs」で講演
表記の会に参加。日本繊維機械学会の関連団体である「繊維リサイクル技術研究会」が主催している会のようだ。少し前に記事にしたが、今回のイベントの実行委員長の森下あおい先生(滋賀県立大学人間文化学部教授)からのお声かけで参加することになった(2023年8月2日の記事参照)。繊維製品のリサイクルといえば古着を再利用するとか、一度繊維に戻してから布地を再生するとかという話になるが、それを再生医療とどう繋げるか、結構難しい課題であった。
会場は京都文化博物館別館。烏丸御池の近くにある、雰囲気のある建物。本館は1986年に建てられたらしいが、この別館は1906年に日本銀行京都支店として竣工という歴史があり、国の重要文化財に指定されているらしい。左の写真は本館と別館の間にある中庭から別館を撮影。
ホールはとてもいい感じだ。
ホールを前の方から撮影。
今回の実行委員長である森下あおい先生による挨拶。
私は「再生細胞に新しい使命を与える」という表題で1時間の講演を行った。再生医療の現状と課題を話してから、衣服が皮膚のように再生できるかというような可能性について、「きのこレザー」の話などをした。きのこレザーの話は打ち合わせの時に教えてもらったものだが、真菌を使った人工皮革で、コスト削減や動物愛護の観点からSDGs的に良いという点だけでなく、近い将来「損傷部位を自己修復できるようになるかも」という話もある。
自己修復する菌糸レザー:
 若い人が多かったので、学会での議論を奨励する意味で、「逆襲の助教」も観てもらった。
講演終了後、少し休憩をはさんでから、この研究会に所属している色々な大学の学生さんによる「ファッションショー」が行われた。再利用、洗練、革新など、様々なテーマで、自作の服を着て各自が自ら出演。素晴らしかった。
最後には、研究会の主宰者である木村先生が登場。とても楽しそうだ。いい会だった!

2023年8月21日(月)ー24日(木)

第24回免疫学会サマースクール
表記の会に参加。昨年は対面ではあったが、宿泊はホテルなどに各自で泊まるという形式だった。今年は、同じホテルに皆で泊まるという、元の形式に戻った。
会場は、博多駅からバスで30分くらいの、福岡アイランドシティフォーラム。
宿泊したホテル(The358 UMI)。
講義が行われた会場。
今回の集会長、馬場義裕先生(九大生体防御医学研究所教授)による開会の辞。
初日のプログラム。今年は、私はイントロダクトリーコースの最初の講師。
抗原特異的な反応のメカニズムを軸にした話の後、若い人に向けたメッセージとして、「学会で質問などをして存在感を示すのが大事」という話をした。その文脈上で、「逆襲の助教」を上映した。
ホテルの部屋からの景色。西側に向いている。
ウェルカムパーティー。
免疫学会理事長の黒崎知博先生(大阪大学iFREC)による挨拶。昨年はこういうパーティーができなかった。コロナ禍がほぼ明けたということで、ありがたいことだ。
石井健先生(東大医科研)と若い人たち。向かって左端は、うちのラボに研究をしに来ていて、医生研チャンネルの制作にも関わってくれている林璃菜子さん(京大医学部3回生、2023年5月18日の記事参照)。
21時から場所を変えてフリーディスカッションの会。京大医学部の一回生が3人、参加していた。一回生のうちからこういうスクールに参加するのはいいことだ。また、フリーディスカッションという自由参加の会にちゃんと参加しているのも偉い。
馬場先生と、馬場研のスタッフ。色々と気配りがしっかりとされていた。スタッフは大変だったと思われる。
宮島徹さん(北大血液内科)、松見信平さん(東大岡崎研)と。
椛島健治先生(京大、向かって左から2人目)、茂呂和世先生(大阪大、向かって右から3人目)と、若者達。
今回の会場はショッピングモールと隣接していた。
2日目の昼食は自由行動。フードコートには何故か博多ラーメンではなく銀座のラーメン店が入っていた。味は良かった。向かって左から高柳広先生(東大)、高岡晃教先生(北大)、石井健先生(東大)、椛島健治先生(京大)、鈴木一博先生(大阪大)、茂呂和世先生(大阪大)。
2日目の午後、鍔田武志先生(東京医科歯科大)の司会で、岸本忠三先生(大阪大学)の講演。岸本先生のような大御所の先生の話が聴けるのが良い。
ポスターセッションの前に、ポスター発表者が1分で内容を紹介するフラッシュトークというコーナーがあった。アピールポイントがわかりやすくて良い。
ポスターセッション。全部で23題の発表があり、中々レベルが高かった。
2日目のフリーディスカッションで、若者と。向かって左から板橋歩未さん(東大高柳研)、田中啓介さん(慶應大長谷研)、野中大地さん(九大澤研)。板橋さんは今年の1月にあった骨免疫学会のウインタースクールにも来ていた(2023年1月31日の記事参照)。
遅くまで話をしたテーブル。向かって左から服部蒼生さん(名市大医学部2回生)、嘉戸俊介さん(同)、林さん(前出)。
          

2023年8月18日(金)

藤田医大河本研で打ち合わせ
藤田医大の河本研で打ち合わせをした。藤田医大では、9月から造血幹細胞移植を専門とする講座が発足するとのこと。いいことだ。

2023年8月16日(水)

今年の大文字五山送り火
2020年と2021年はコロナのせいで5点だけ点火という寂しい送り火だったが、昨年から送り火は元通りに行われるようになった。今年も、台風が去った後、平穏な中で無事にとりおこなわれた。

2023年8月15日(火)

台風7号近畿を直撃
この日はせっかく大学は夏季休暇中だったが、台風が直撃ということで、近畿圏ではほとんどの人が家で大人しくしていたと思われる。2018年9月に京都に甚大な被害をもたらした台風21号(2018年9月4日の記事参照)とよく似た進路だったので、ちょっと怖いなと思っていた。
しかし、少なくとも京都は、風雨ともに大したことはなかった。写真は台風が一番京都に近づいた頃(14時頃)の鴨川。

2023年8月8日(火)

SCARDA関連のサポート機関として理研IMSと合同meeting
日本はCOVID-19に対するワクチン開発において世界に明らかな遅れをとった。ワクチンの開発を促進するために国が昨年から開始したのが先進的研究開発戦略センター(Strategic Center of Biomedical Advanced Vaccine Research and Development for Preparedness and Response : SCARDA)だ。その本体となる事業の一つとして「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」がある。フラッグシップ拠点一つと、シナジー拠点4箇所、サポート機関6箇所が認定された。サポート機関の中で「ヒト免疫についての解析」という項目で、京大と理研IMSが認定されている。連携して効率よく開発を進めることが期待されており、昨年度からオンラインでのmeetingは行われてきたが、今回、関係者全員での対面meetingが開催された。

ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業:
京大拠点の代表である上野英樹先生による挨拶。
理研拠点の代表である山本一彦先生による挨拶。まずは季節性インフルエンザのワクチン接種者などを対象に、同じ検体を京大と理研で解析してデータをつき合わせて議論するという話になっている。
近くのお店で情報交換会。
向かって左から秋吉一成先生(京大工学部)、大野博司先生(理研IMS)、私。
向かって左から岡田随象先生(大阪大学、理研IMS)、濱崎洋子先生(京大CiRA)、私、吉富啓之先生(京大医学部上野研)。
          

2023年8月6日(日)

軽井沢でゴルフ合宿
台風6号が迫りくる中、北村先生主宰のゴルフ合宿に参加。
前日に、梶川さんが運転する車で軽井沢入り。台風の影響か、道中、立派な積乱雲が見られ、時々通り雨に合った。写真は中央自動車道。
参加者。写真は梶川さんに撮ってもらった。向かって左から真下知士先生(東大医科研)、田中ゆり子先生(東邦大学)、中西真先生(東大医科研)、北村俊雄先生(神戸先端医療センター)、岩間厚志先生(東大医科研)、私。さすがに軽井沢まで来ると涼しかったが、天気はやや不安定で、風が強く、また時々通り雨に合って中断したりしたが、総じて楽しくプレーできた。
宿泊したホテルで夕食。再生医療等に関するいろいろな話題が飛び交い、とても楽しかった。
          

2023年8月2日(水)

繊維機械学会関連イベントでの講演に向けての打ち合わせ
8月23日に「繊維機械学会」という学会の分科会である繊維リサイクル研究会が主催するイベントで講演をすることになった。明らかに異分野だ。この日、その研究会の主宰者である木村照夫先生(写真中央、工芸繊維大学教授、繊維リサイクル技術研究会委員長)と、集会の実行委員長である森下あおい先生(写真向かって左、滋賀県立大学人間文化学部教授)と、打ち合わせをした。森下先生とは小中高の同級生で、小学校1-2年の時に同じクラスだった。木村先生は葵小学校の先輩であることも知った。繊維のリサイクル(再生)と再生医療をどうつなげるか、難しい課題であるが、この日の打ち合わせで、少し方向性が見えてきた。

2023年8月2日(水)

Adrian Hayday教授のセミナー
この日の夕方、CiRAの講堂で開催されたキングス・カレッジ・ロンドンのHayday教授のセミナーを聴いた。
Hayday教授はガンマデルタT細胞のTCRのクローニングをした人であるが、その後もガンマデルタT細胞レセプターのリガンドの探索を続けてきた。最近、感染に伴って起こる細胞表面分子(BTNブチロフィリン)の構造変化を感知していることを明らかにしており、今回はその話が聴けた。よくできたシステムだと思うが、何でわざわざ遺伝子再構成で多様性が作れる受容体を使ってこんな分子を認識する必要があったのか、不思議に思った。

2023年8月2日(水)

吉田さん(高校生)が来訪
群馬県立太田高校2年生の吉田裕貴さん(写真向かって左から2人目)が探求活動として来訪。テーマは「免疫医療が変える社会」。「現時点での免疫医療の課題や生物の本来の機能である免疫を用いることで、今後の医療がどのように発展していけるのか」という課題。ざっと講義をした後、吉田さんが用意してきた質問に応じて、抗原特異的な治療法の開発、細胞医薬の躍進などの話をした。また、裏チャンネルで逆取材もさせてもらった。
ラボと研究所の見学を少しした後、現場のスタッフの話を聴いてもらった。
          

2023年8月1日(火)

過剰虹
この日の夕方、教授室からきれいな虹が見えた。外側に色の順序が逆転した虹も見られる。
メインの虹の内側に接するように、色の順が同じな虹が一つ現れている。こういうのを過剰虹というらしい。ぼんやりとではあるが三つ目も見えているように思う。ネットで調べると、4つ、5つと並ぶこともあるようだ。

2023年7月29日(土)

医生物学研究所第17回公開講演会
未踏科学研究ユニット報告会と同日の午後に、表記の会が時計台記念館の百周年記念ホールで開催された。私は連携基盤の副基盤長なので未踏科学の報告会に出る必要があったが、こちらの講演会にも所長として開会と閉会の挨拶するなどの用務があり、この日は行ったり来たりした。今年は「コロナを超えて:医生研のたたかい」という威勢がいいテーマにした。演者は左記の通りで、橋口先生と伊藤先生。
 なお、現地開催は昨年から再開している(2022年7月9日の記事参照)。
橋口先生と伊藤先生の講演内容。
会場。とても暑い日だったが、集まりは良かった。
いつものことだが、高校生の参加がわりと多い。橋口先生も伊藤先生も、共にとてもわかりやすく話をされ、質問があいついだ。

2023年7月29日(土)

未踏科学研究ユニット報告会
表記の会が医生研1号館のセミナー室で開催された。この研究ユニットは、研究連携基盤の研究所やセンターが中心になって、学際的な研究を進めるために2019年度から始められた。現在進められているのは第二期で、左のポスターにあるような4つの事業で構成される。
未踏科学研究ユニットHP:

 量子力学系、ライフサイエンス系、人文科学系、データサイエンス系などのような大きな括りのそれぞれに、複数の部局が参加している。例えば医生研が属している「多階層ネットワーク研究ユニット」には、以下のような12部局が属している。なかなか一つの事業として一体感を持つのが難しいところであるが、このような試みの中から、新しいプロジェクトが生まれたりする可能性があるという期待が込められているようだ。なおこのユニットでは医生研の望月先生が代表者の一人になっていて、ユニット名は望月先生の提案によるものらしい。
多階層ネットワーク研究ユニット
1)主体部局(代表者) : 
・ヒト行動進化研究センター 今井 啓雄 教授
・医生物学研究所 望月敦史 教授
2)参加部局:
ヒト行動進化研究センター、医生物学研究所、東南アジア地域研究研究所、野生動物研究センター、人文科学研究所、生態学研究センター、アジア・アフリカ地域研究研究科、生命科学研究科附属放射線生物研究センター 、医学研究科、人と社会の未来研究院、フィールド科学教育研究センター、環境安全保健機構
3)概要:
原子・分子・分子複合体・単細胞・多細胞・生態系・社会構造など、地球上にみられる様々な階層を「要素が相互作用する複雑なネットワークのダイナミクス」として捉え、根源的な理解を目指します。ネットワークシステムのダイナミクスという数理的な視点で、ヒト社会を含む自然界の様々な階層を研究する方法論を共有することで、それぞれの階層の理解を加速し、また異なる階層間を貫く共通原理に迫ります。
会場。オンサイトとオンラインのハイブリッド形式だった。
連携基盤長の辻井敬亘先生による挨拶。
時任宣博先生(京大副学長、理事、元連携基盤長)による挨拶。このユニット事業は時任先生が連携基盤長だった時に肝入りで始められとのことのようで、今後の方向性などについて、熱く語られた。

2023年7月28日(金)

医学研究科懇談会
夏休み前ということもあってか、最近はこの手の集まりが多い。医学研究科の協力講座の会なので、参加者は主に医学部の教授とOB。昨年まではコロナのせいでこういう対面の懇談会は開催されなかった。やはり対面の会はいい。
医学研究科長(いわゆる医学部長)の伊佐正先生による挨拶。
成宮周先生(医学研究科特任教授、メディカルイノベーションセンター長)による挨拶。
今年の4月から京大病院の病院長に就かれた高折晃史先生(血液・腫瘍内科教授)と。京大病院で実習や研修をしていた時は、京大病院は巨大で畏れ多い存在であった。その病院の病院長に同級生がなるのは、何とも嬉しいものだ。
2021年4月から肝胆膵・移植外科の教授に就かれた波多野悦朗先生と。
波多野先生とは2017年7月に東京の京王プラザホテルで開催された肝癌研究会(集会長:国土典宏先生)の懇親会でNegative Selectionが演奏した時に、Highway Starを歌っていただいたことがある。写真は前日のリハーサル時のもの。あいにく本番の写真は残ってないが、波多野先生(当時は兵庫医大教授)はピーターパンのような装束で、パチパチのタイツで舞台を縦横に駆け回りながら歌っておられて、大ウケだった。

2023年7月26日(水)

クマゼミの抜け殻
昔はアブラゼミが多かったが、最近はクマゼミが優勢になった。医生研の近くの木々にも沢山いて、朝はかなりやかましいが、夏の風物詩として楽しんでいる。駐車場の傍に一本だけサルスベリが植えてあるが、何故かこの木だけ、やたらと抜け殻がある。
成虫が樹液を吸うときは、他の大きな木にとりついていることが多いが、幼虫はこの木の根に沢山いるのだと思われる。クマゼミの幼虫にとっては、サルスベリの根はきっと美味しいのであろう。

2023年7月25日(火)

部局長会議合同懇親会
部局長というのは学部長、学科長、附置研究所長、機構長などで、京大全体で50-60人くらいいて、部局長会議は月に1回開催されている。コロナもほぼ明けたということで、対面で懇親会が開かれた。
湊総長と連携基盤(2023年6月29日の記事参照)関係者。向かって右から中北英一先生(防災研所長)、森井孝先生(エネルギー研所長)、湊先生、辻井敬亘先生(連携基盤長、元化学研所長)、私。

2023年7月22日(土)

「君たちはどう生きるか」を鑑賞
左の画像はスタジオジブリのTwitterから。
宮﨑駿の最新作「君たちはどう生きるか」を鑑賞。「千と千尋」のような感じの作品。ネット上では賛否両論に分かれているが、私は「賛」の側。作中を心地よくトリップでき、ところどころ心が掻きむしられるような衝動も味わえた。なお、宮崎駿の「崎」が、どういう訳か本作では「﨑」(たつさき)に変わっているので、冒頭の「宮﨑」は誤植ではない。
          

2023年7月19日(水)ー21日(金)

第27回日本がん免疫学会総会
今回のがん免疫学会は、三重県津市で開催された。うちからは永野君(助教)、板原君(D3)、周君(D2)が参加。私は所用のため最終日だけ参加した。
会場は三重県総合文化センター。大、中、小のホールを備えた、立派な施設だ。
最終日の午前中のプログラムとして、珠玖先生の追悼記念シンポジウムが開催された。珠玖先生は、日本のがん免疫を牽引してきた先駆者の中でも代表格の先生で、先生御自身が亡くなる直前まで寄付講座やベンチャー会社を率いておられ、色々な戦略の開発に最前線で精力的に取り組んでおられた。昨年9月に、海外への出張中に急死された。誠に惜しまれる。
追悼シンポジウムのプログラム。それぞれの先生が珠玖先生との思い出を語られた。
シンポジウムの会場。
これは2016年9月にソウルで開催された「The 10th International Conference on Cell Therapy」で珠玖先生とご一緒した時の写真。珠玖先生は焼肉がお好きで、この時までにも何度か焼肉をご一緒していたが、この日もせっかく本場に来ているんだからと、明洞(ミョンドン)に繰り出して焼肉を堪能した。
 珠玖先生と宮原先生が進められていたエクソソームを使う治療法の開発(AMEDのACT-M)にも分担研究者として声をかけていただき、大変お世話になった(2017年11月1日の記事参照2018年4月6日の記事参照2019年1月8日の記事参照)。
 珠玖先生が亡くなられる2ヶ月前に淡路島で開催された炎症・再生医療学会に来られていた。会の終了後、淡路島から京都駅まで私の車に同乗され、1時間くらい色々な話をして、開発研究についても励まされたのをよく覚えている。そのほんの2ヶ月後の訃報だったので、とてもショックだった。
          

2023年7月18日(火)

月舘さんと初顔合わせ
月舘(つきたて)彩子さん(京都大学渉外部広報課)は、朝日新聞の科学部の記者をされていて、この6月に京大の広報課に転職された。京大からの動画配信の戦略を練る中で、医生研チャンネルが目にとまったとのことで、話を聞きにこられた。私達としても、京大の広報の進め方には大いに関心がある。いい話し合いになった。今後も広報活動を通してご一緒することが多くなりそうだ。
          

2023年7月14日(金)ー15日(土)

第40回分子病理学研究会「クラークシンポジウム」に参加
分子病理学会は毎年開かれる学術集会をそれぞれ固有のxxシンポジウムと名付けているようだ。今回は北大で開催されるので「クラークシンポジウム」と銘打たれている。毎回テーマを決めて異分野の人を演者として呼んでいるとのことだ。
北大構内のメインストリート。京都では気温が36度とかになっているが、札幌ではお昼でも27-8度で、過ごしやすかった。
構内の池にスイレンが咲いていた。見事な出来だ。「大野池」というらしい。
医学部の建物。
会場はフラテホール。少し前に拠点シンポジウムが開催されたのと同じ場所(2023年3月29日の記事参照)。「フラテ」というのはアイヌ語で「仲間」という意味らしい。
集会長の田中伸哉先生(北大医学部腫瘍病理学教室教授)による開会の挨拶。
津田真寿美先生(北大腫瘍病理学准教授)が総合司会をされていた。津田先生は今回の学会の事務局を担当されており、色々とお世話になった。
ポスター発表。
この学会では、伝統的に初日の情報交換会で屋外バーベキューをすることになっているらしい。雨が少しパラついていたが、屋根のある渡り廊下で、問題なく楽しめた。
大きなホッケで、テンションが上がる。さすが北海道。この他にも殻付きホタテ貝などもあった。
食材の提供元。豪快だ。
北大医学部6回生の佐々木美羽さんが、ホスト側のスタッフとして甲斐甲斐しくBBQの世話をみてくれた。話をしていたら、ポスター用などにイラストを描いているとのことで、見せてもらったところ、絵がしっかりしているのと、テーマに合わせたコラージュも上手で、感心した。
医学部百年記念館で二次会。2019年竣工の新しい建物で、木の香りが心地よかった。
二次会も結構多くの人が参加した。特に若い人が多いのが良かった。
集会長の田中先生と。二次会ではいいお酒も供された。私が持っている男山は旭川の地酒で、田中先生が持っているのは礼文島こんぶ焼酎。こんぶ焼酎はこんぶの香りがして、美味しかった。
このテーブルでは昭和から平成にかけてのアニメの話などで盛り上がった。
スタッフから供与いただいた写真。おそらくこんぶ焼酎を飲んでいる。今回の会は、ホストによる気遣いがあれこれと非常によく行き届いていた。
若い人たちと。向かって右端は、佐賀大医学部6回生の湯村公子さん。ポスター発表もされていて、ポスター賞を取られていた。少し前に記した佐々木さんもそうであるが、6回生は病院実習や国試の勉強で忙しいところを、こうやって学会に参加されているのは、すごいことだ。
二日目に講演。今回は、主に血液細胞の進化的起源を探るという話をした。座長は徳田信子先生(獨協医科大学解剖学教授:2023年6月5日の記事参照)に務めていただいた。
若い人の参加が多かったので、「研究者への道のり」の話を交えながらのプレゼンをした。学生への講義やサマースクールなどでよく使うバージョンであるが、その中で「学会では鋭い質問をするなどして存在感を示すことが大事」という話もする。それに絡めて、「逆襲の助教」を観てもらった。
スタッフに撮っていただいた写真。「逆襲の助教」の中で、私が謎の老人に扮して落ち込む若い助教に「立ち向かえ、学会に行って議論を闘わせろ」と励ますシーン。「さすれば命を統べる小さき分子の理(ことわり)が明らかになろうぞ」と続く。なお、この装束はマグマ大使のアース様をイメージしている(2022年10月31日の記事参照)。
分子生物学会公式テーマソング「逆襲の助教」Youtube動画:
裏チャンネル第50回 昭和ネタで振り返る②メタ爺暴走、アース様降臨:
最後の演者として、坪田敏男先生(北大獣医学教授)がヒグマの生態について話をされた。「ヒグマは、冬眠に備えて受精卵の発達を一旦停止させることによって、着床の時期を制御できる(着床遅延という現象)」「冬眠中に妊娠出産をするのに、一度も起きずに排尿排便もない」などの話には驚いた。着床遅延は発生学的には驚きだが、クマ以外の動物でもときどき見られる現象だとのこと。
ポスター賞の受賞者。
集合写真。とてもいい会だった。
千歳空港で、遅い昼食。スープカレーが美味しかった。

2023年7月12日(水)

佐藤さん歓迎会
細胞製造チームに、佐藤登志子さん(写真向かって左から二人目)が研究員として加わった。先斗町で、細胞製造チームで歓迎会を開催した。

2023年7月11日(火)

直江先生来訪
直江吉則先生(名古屋大学特任准教授)は少し前にiPS細胞から血液系の細胞を誘導する技術を習いに来られていた(2023年3月8日の記事参照)。その技術も含めた研究内容で、AMEDの再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクトに「キメラ抗原受容体を樹状細胞に組み込んだ新規細胞療法に関する研究開発」(代表粕谷英樹教授)という課題名で採択されたとのことで、挨拶に来られた。おめでとうございます!私達も分担研究者として入れていただいている。
近くの居酒屋(くうかい)で、プチ祝賀会。
「痛風盛り」という一皿。日本酒が進む。

2023年7月7日(金)

「衣食住セミナー」でプレゼン
衣食住セミナーは、建築家の事務所の人達が共同で主宰しているセミナーで、広範な話題を扱っている。少し前に南極冬季越冬隊に参加された人の話を聴講した(2023年4月7日の記事参照)が、今回は私と澄田さんと大久保さんの三人で、医生研チャンネルなどの動画撮影を中心とした科学コミュニケーション活動についての話をした。
この写真は7月3日に行なった打ち合わせ。飲み食いしながらの打ち合わせで、すでにとても楽しかった。写真向かって左端が吉原雅人さん。
当日のセミナーの様子。私は自分の話の中で、科学コミュニケーションの意義を述べた後、これまでの制作歴などを語った。写真は「ためしてガッテン!」に出演した時のVTRを観てもらっているところ。
大久保さんの話の後に、澄田先生のプレゼン。なぜこの道を選んだかというストーリーが切々と語られ、心に響いた。
最後に「逆襲の助教」を観てもらった。その後、お楽しみの、会食(+酒)。料理は事務所のスタッフの方達の手作りで、大変美味しかった。この会は、建築系の人だけではなく、様々な業種の人が参加しており、色々な話ができて、とても楽しかった。
           

2023年7月5日(水)ー7日(金)

再生医療Expoにリバーセルが出展
インターフェックスWeekと再生医療Expoが東京ビッグサイトで開催された。リバーセルが神戸医療産業都市のブースで出展したので、1日だけ参加した。
看板。インターフェックスというのは医薬品、化粧品の研究・製造に関わるあらゆる製品・技術・サービスが一堂に出展する展示会。
大きな会場に、すごい数の参加者。コロナ明けを実感できた。
インターフェックスの展示エリアでは、製薬を支持する機器類を作っている企業が多数出展していて、錠剤や軟膏の充填、ラベル貼り、パッケージングなど色々な工程について機器類の実演展示があり、見ていて楽しかった。
神戸医療産業都市とリバーセルの展示。お隣りの展示はあの「ブルボン」がやっている再生医療研究所で、細胞培養用の培地などを作っているとのことであった。
日立製作所のブースで、自動培養装置「iACE2」の説明が行われていて、結構人が集まっていた。私達はこの機械を使ってT細胞の作製を自動化しようと考えている。
製品の説明の最後に、京大およびリバーセルとの共同開発が紹介されていた。
紹介画面のアップ。
日立・京大・リバーセルが共同研究契約を締結(2023年3月16日、京大OI機構記事):
昨年度から医生研1号館3階の全学共用スペースで共同研究を進めている(2023年3月14日の記事参照)。写真はそのラボに設置されているiACE2。

2023年6月29日(木)

研究連携基盤懇親会
研究連携基盤は、「京都大学附置研究所・センター長会議」をベースに、学部・研究科も参加して、2015年に設置された組織。「異分野融合による新分野創成への取組を支援することにより、大学院・学部も含めた本学のさらなる研究力強化、グローバル化に取組みます」としている。懇親会はコロナのせいで開催されていなかったが、今回、4年ぶりの対面開催となった。会場は、時計台記念館に入っているフレンチレストラン、ラ・トゥール。
研究連携基盤HP:
基盤長の辻井先生(化学研究所)による挨拶。
研究連携基盤は毎年「京都大学附置研究所・センターシンポジウム」を京都以外の都市で開催している。読売新聞は以前からこのシンポジウムを後援しており、今回はその関係で読売新聞関係者数名が出席していた。この数日前に国際卓越研究大学の候補校が京大、東大、東北大の3校に絞られたというニュースがあったが、その話をされた。
京都大学附置研究所・センターシンポジウムHP:
「国際卓越研究大学」に採択されると国が運用する10兆円のファンドの運用益が毎年配布される。そのため10兆円ファンドとも呼ばれている。額は運用で出た利益分であるからいくらと確定している訳ではないが、採択された大学(合計5校くらいと予想されている)に配布され、各校数百億円が配布される。それが25年続けられるというから超大型の事業だ。京大がまずは候補校に残れたのは良かったが、今年度にこのうち何校が採択されるのかも不明らしい。これに採択されるかどうかはとても重大な話だ。京大の健闘を期待したい。もしも採択されたら、連携基盤としても忙しくなるであろう。
大学10兆円ファンド(2022年8月31日、日経新聞記事):
国際卓越研究大学の候補、3校に絞られる(2023年6月27日、Yahooニュース)
湊総長の挨拶。この件については相当な重圧がかかっていると思われるが、湊先生はいつものように飄々とされていた。

2023年6月28日(水)

京都大学東京オフィス
京大は「新丸の内ビルディング」の10階に東京オフィスを持っている。会議室などがあり、「本学教職員(元教職員を含む)、本学学生、本学卒業生ほか関係者の方などにご利用いただけます。」となっている。
京都大学東京オフィスHP:
新丸の内ビルディングは東京駅の真前。
新丸の内ビルディングの一階のマップ。普通に行くと一般向けのエントランスに入ってしまう。そのちょっと横のオフィスエントランスから入る。
東京オフィスのフロアマップ。右側の大会議室では京大の丸の内セミナーなどが介されている。
今回zoom会議用に使わせてもらった小会議室。
新丸の内ビルの10階から見下ろした東京駅。

2023年6月26日(月)

H.U.グループの研究所でセミナー
H.U.グループはSRLという臨床検査会社を中心にしたグループ会社で、グループ全体の売り上げは2000億円超とのこと。2017年にH.U.グループ中央研究所という大きな研究所があきるの市に建てられた。リバーセルは、本年4月1日にH.U.グループ中央研究所と戦略的提携基本契約を締結している。「汎用性他家T細胞を技術基盤とした細胞治療事業」を共同で推進しようという話。その協業の一環として、リバーセルのCTO(最高技術顧問)をしている関係から、研究所でセミナーをすることになった。JRの武蔵引田駅からすぐ近く。
研究所のエントランス。
Googleマップでみた航空写真。下の大きな建物は解析検査を日々行なっているところ。日本中から検体が集まるらしい。上の左が開発研究を行なっている建物。研究所内は撮影NGだっだので写真はないが、建物を繋ぐ通路は食堂を兼ねており、曲線で構成されていてとてもいい感じだった。検査棟や研究棟を見学させていただいたが、素晴らしい環境だった。見学のメニューはCGなどで構成されており、「ここは万博のパビリオンか?」と言いたくなるくらい立派だった。
エントランスまでの庭にネジバナが咲いていた。ランの仲間で唯一の雑草化した種。
立川で、関係者で会食。楽しかった。
立川で宿泊。翌朝、立川駅前。人口18万人の街とは思えないくらい駅前は発展している。交通の要衝という側面があるらしい。

2023年6月21日(水)ー23日(金)

第27回日本がん分子標的治療学会
佐賀市文化会館で開催された表記の会に参加した。
入り口の看板。「標的を射抜け」というキャッチフレーズがかっこいい。集会長は木村晋也先生(佐賀大学医学部血液・呼吸器・腫瘍内科教授)。
三会場(ホール)を三日間使う、わりと大きな学会だ。写真はメイン会場である大ホール。分子標的薬という戦略に特化した学会で、全体的にレベルが高い。
私は初日に特別講演をさせていただいた。写真は冒頭で医生研チャンネルの紹介をしているところ。私がやっている「細胞医薬」は分子標的薬とはちょっと違うが、今後のこの学会の発展を考えて、あえて話をさせてくれたようだ。
今回の集会長の木村先生とは中学生の時の同級生。自己紹介の中でその話をする際に、中学校時代の写真と今の写真を並べる形で出した。「40年の月日で、私は毛が頭頂から顔の下半分に移動し、木村先生はこんな紅顔の美少年だったのが業界人のような顔に変貌した」というような話をした。
1時間という枠を頂けたので、若手研究者へのメッセージという事で「逆襲の助教」を上映。
多くの人に視聴いただけた。上映終了後、拍手が湧き起こった。
拡大プログラム委員会に出席。会場のシャトー文雅。
会場。
木村先生による挨拶。コロナが落ち着いてこういう会ができる喜びが感じられた。木村先生は洛南高校から自治医大に行って、京都府立医大で学位取得、メルボルンのWEHIのDon Medcalfのところに留学、その後ドイツへ留学したりしてから、2002年に京大輸血部のスタッフになった。その頃から輸血部つながりで仲良くしている。2009年から佐賀大の教授。慢性骨髄性白血病(CML)の分子標的薬の開発にかかわってこられたので、Bcr-Abl 阻害剤の作用機序や、阻害剤に耐性をもつ変異がとる分子構造などにとても詳しく、まさに分子標的薬業界の牽引者だ。2012年の3月には私の教授就任を祝う飲み会を催してもらったこともある(2012年3月17日(月)の記事参照)。
料理は佐賀の食材にこだわった特別メニューだった。日本酒としては「鍋島」特別純米酒、「万齢」純米吟醸酒が供された。面白かったのはワインで、佐賀県産のワインではなくボルドーの「SAGA」というワインが供されていた。SAGAは「長大な物語」というような意味で、そういえばゴッドファーザーのパートIとパートIIを時系列に沿って繋ぎ直した特別編は、「ゴッドファーザー・サガ」という題名だった。
薩摩琵琶の独演の後、薩摩琵琶とジャズのセッション。面白い試みで、中々よかった。
木村先生自らサックスでジャズを演奏。様になっている。彼は始めて5年くらいとのことだったが、そうとは思えないくらい、とても上手だった。
何よりもまず、佇まいが、様になっている。人前で演奏する時にはこういう「なりきり」が大事だ。
食事後、北林一生先生(向かって左、国立がん研)、高橋暁子先生(中央、がん研究会)らと歓談。
学会会場のお土産コーナーに、ムツゴロウやワラスボの干物が売っていた。
ワラスボの干物のアップ。エイリアンの幼生にそっくりだ。佐賀市は、そこに目をつけて、「有明海のエイリアン」としてワラスボを売り出しているようだ。下記のプロモーション動画はとてもよくできている。なお、この干物はお土産として購入した。近々医生研裏チャンネルで紹介しようと思う。
ワラスボプロモーション動画「W・R・S・B」:

2023年6月21日(水)

オニヤンマ…1?ではなくオオヤマトンボ
朝、玄関の門扉に大きなトンボがとまっていた。
少し前に玄関先に「コオニヤンマ」がいた(2022年9月10日の記事参照)ので、今回もそうかと思ってよくみたら、コオニヤンマとは違いそうで、今度は「オニヤンマ」かと喜んだ。しかし、後にネットであれこれ調べたところ、オニヤンマではなく、「オオヤマトンボ」であることが判明した。オオヤマトンボはオニヤンマによく間違えられるらしい。私も今回調べるまでそういう種の存在を知らなかった。オニヤンマよりはやや小さいらしいが、それでも十分大きい。全長10cm近くはありそうだった。
上記の写真のアップ。何であれ、きれいで、かっこいいトンボだ。
ウィキペディアより転載。コオニヤンマは複眼が少し離れているのに対し、オニヤンマは複眼が接しているということで、今回見たトンボはオニヤンマかと思ったが、体の黄色い線の入り方で別種だと気がついた。オニヤンマは、写真のように眼と羽の間の部分に、黄色の模様が正面から見て「ハ」の形で入っているとのことだ。
やまとナビ(神奈川県)より転載。眼と羽の間の部分が、オニヤンマやコオニヤンマと異なる。
やまとナビ「泉の森」の記事のページ:
これは上記の2022年9月10日の記事の中で使った写真で、コオニヤンマ。

2023年6月16日(金)ー17日(土)

KTCC第32回学術集会
KTCCは、コロナのせいで2020年度は開催されず、2021年度(集会長岩渕先生、2021年10月8日の記事参照)と2022年度(集会長松本先生、2022年5月27日の記事参照)は、オンライン開催になっていた。2021年に私が集会長として開催する予定だった国際KTCCは、結局キャンセルになった(2021年4月30日の記事参照)など、コロナにはひどい目にあってきた。今回、ようやく本来の形で開催できた。写真は芝蘭会館の入り口の看板。
今回の集会長は久保允人(東京理科大)。久保先生からは裏表紙に載せる線描のイラストをお願いされた。参考にした久保研の研究成果の図。
元ネタ(理研からのニュースリリース):
これも参考にした。
久保研HP
久保先生は、何とプロ野球選手を目指してプロテストを受けたことがあるという。驚きの経歴だ。そこで野球のイメージも取り入れることにした。
鉛筆での下書き。この時点ではまだ右側の血管は描いていない。
抄録集の裏表紙用の線描イラスト。サイトカインを野球のボールにたとえた。
色をつけてみた。
受付けが始まった。受付側は、向かって左から久保研の秘書の野田奈々さん、河本研秘書の中宮さん、宮武さん。今回の集会の準備に関しては、野田さんが大活躍だった。お疲れ様でした!
受付けの裏側の白板にイラストの解説を描いた。宮武さんが撮ってくれた。
新田先生の新刊(2023年5月26日の記事参照)も展示した。
久保先生の挨拶。
今回は、久々の対面の会ということで、150人以上が参加し、大盛況だった。
ポスター発表。KTCCはポスター発表での議論を大事にする会で、口頭発表する人も全員がポスター発表をする。これまでは演題数が40件くらいだったので全員が口頭発表+ポスターであったが、今回は60件以上集まったので、20件くらいはポスターだけということになった。
裏チャンネルでも取材をさせていただいた。桂先生にインタビューをお願いしているところ。宮武さんが撮ってくれた写真。
情報交換会。こういう集まりは2019年の会(2019年6月7日の記事参照)以来だから、4年ぶりだ。元の世界が戻ってきた事を実感。
KTCCの発起人、桂先生の挨拶。KTCCは1991年から始まっている。1980年代後半にオランダのRolducで開催された胸腺研究の集会(ThymEUの原型)に触発されてKTCCを作ったという経緯などを話された。
KTCC創始期の主要メンバーである垣生(はぶ)園子先生の挨拶。対面での話し合いの中でこそ、科学の発展や、人事交流などが可能で、KTCCはそういう役割を果たしてきているという話だった。
コロナ前に恒例となっていた、くれしまでの二次会も復活。
2日目に撮られたグループ写真。今回のKTCCは、久々の対面の会で、谷内先生や堀先生による辛口コメントを始めとして、KTCCらしい批判的かつ建設的な議論が飛び交い、とてもいい会だった。

2023年6月15日(木)

王先生送別会
少し前の記事(2023年4月25日の記事参照)に書いたが、王啟鴻(Chie-Hong Wang)先生は中国薬科大学の研究員で、T細胞分化誘導法の習得のために2ヶ月間河本研で研修した。研修を終え、そろそろ帰国ということで、大学院生室の人達と私で、送別会を開催した。
王先生の挨拶。この2ヶ月の間に、しっかり研修できたようだった。彼はとてもフレンドリーで、ラボのメンバーともよく交流したようだ。また、山歩きが好きとのことで、滞在中の休日に大文字山とか比叡山に登ったりしたと言っていた。今後、中国薬科大学とのつなぎ役として活躍してくれるであろう。
           

2023年6月13日(火)

令和5年度新所員講習会
毎年この時期に、その年度から医生研に来るようになった人達を対象に、3時間くらい講習会が開催されている。研究費の適正な使用、安全、衛生、情報セキュリティー、動物実験などに関する規制や実務の進め方についての講習。
講習会終了後、研究所のスタッフも参加して、ささやかな歓迎会を催した。講習会の後にそのまま歓迎会をするというのは、新しい試み。なお、こういう多くの人が集まった飲食を伴う会は、研究所としては2020年の新年会(2020年1月16日の記事参照)以後、全く開催されていなかったので、3年半ぶりだ。先日の拠点キックオフミーティングの情報交換会(2023年5月22日の記事参照)に続いて、こういう会が開けるようになった事を実感できて、嬉しかった。
少し裏チャンネルの取材を入れたので、この写真では私は首から上はメタ爺の格好をしている。坂口研の人達と。裏チャンネルを観ていただいているとの話だった。ありがとうございます。

2023年6月10日(土)

庭のアジサイ
先週のあしかがフラワーパークではアジサイはあまり見られなかったが、今年は庭のアジサイがきれいに咲いた。土壌の影響を受けて色が変わり、より酸性の土壌では青くなるとされる。同じ株の中でも色がばらついているのが面白い。

2023年6月9日(金)

62歳になった
毎年、ラボの皆で私の誕生日には何かお祝いをしてくれている。2020年-2022年の3年は、飲食無しのお祝いだった(2022年6月8日の記事参照2021年6月9日の記事参照2020年6月9日の記事参照)が、今年はケーキとお茶でのお祝いにしていただいた。ありがとうございます!

2023年6月9日(金)

北脇先生らと打ち合わせ
AMEDの先端バイオ創薬研究で、北脇年雄先生(血液・腫瘍内科助教)の研究室では、白血病のPDXモデルを使った研究を進めていただいている。この日、対面での打ち合わせを行なった。向かって右から北脇先生、光吉貴哉先生(同研修員)。

2023年6月8日(木)

「すぐわかアカデミア」の撮影
「共共拠点」事業という、国が推進する大きな事業がある。大学に属する研究所(そういう研究所を附置研究所という)のうち、特殊な施設やマテリアルを有する研究所を他の機関の研究者と共同研究・共同利用しようという事業。32の国立大学に、78拠点がある。この拠点事業全体からの発信として、「知の拠点」と言われる科学コミュニケーション活動が行われてきた。この活動の一環として、2020年4月より「すぐわかアカデミア。」という動画配信が始められた。毎月2件、3~10分の講義を配信されている。この8月に医生研が配信する順番がまわってきたので、医生研チャンネルのチームが動画の制作を開始した。企画書は澄田先生が作成。「すぐわか」では研究所の紹介というよりも、研究内容に焦点を当てて、若い人が何かを学べるようなコンテンツにする事が推奨されている。表チャンネルの河本研の回とやや内容が被るが、長畑君の研究と永野君の研究を紹介することになった。写真は長畑君のインタビュー動画の撮影風景。
永野君のインタビュー動画の撮影風景。
二人でdiscussionしながら歩いている動画の撮影。医療ドラマのワンシーンのようだ。

2023年6月7日(水)

医生研チャンネル打ち合わせ
医生研チャンネルも配信開始して、そろそろ1周年。1年間やって、表チャンネルは5本、裏チャンネルの方は50本を配信してきた。裏チャンネルでは「医生研の紹介」、「新着論文」、「飛び出せ医生研」、「裏講義」、「医生研の自然」など、フォーマットも大体できてきた。これまで8〜9割は私がライムさんと共にレポーターのような役割をしてきたが、今後はできるだけいろいろな人に登場してもらおうと考えている。そういう訳で、朝長研の牧野晶子先生(准教授、後列向かって左)と神田雄大先生(准教授、後列向かって左)、河本研に非常勤で来ていただいている渡邊武先生(特定研究員)と、今後の企画について打ち合わせをした。牧野先生はすでに「第16回ウイルスおりがみ@いきもにあ」でウイルスの被り物をまとって登場していただいているが、少し前の記事に書いたように、シン・仮面ライダーに取材協力されており(2023年5月4日の記事参照)、撮影現場にも行ったというネタを持っておられる。その話を裏チャンネルで近々、取り上げる予定。楽しみだ。
第16回ウイルスおりがみ@いきもにあ:
          

2023年6月5日(月)

獨協医科大学で講義
以前にも書いたが、獨協医科大学の2回生に、解剖学の講義の一部として、2コマ講義させて頂いている(2022年6月6日の記事参照2019年6月24日の記事参照)。昨年からは対面講義が復活。講義が月曜日の午前中なので、前日に栃木入り。前日(4日)の日曜日、徳田信子先生(解剖学教授)と上田祐司先生(同准教授)が、あしかがフラワーパークの観賞に付き合って下さった。宇都宮の手前の小山という駅で拾ってもらい、車で30分くらいで到着。
あしかがフラワーパークHP:
藤棚で有名な場所であるが、藤の時期は過ぎていた。また、アジサイにはちょっと早かった。とはいえ、バラはまだ結構残っていたし、花壇が素晴らしかった。写真はペチュニア。
モネの池。睡蓮はまだ咲いていなかったが、いい雰囲気だった。
クレマチスは花盛りだった。
モネの池にかかる橋。藤棚になっている。
ショウブ。これもちょうど花期だった。
このパークの名物、大きな藤棚。すごい大きさだ。1996年に別な場所から移植されたらしい。普通は大きな藤の移設は難しいとのことで、それで「奇跡の」大藤と呼ばれているようだ。花期に訪れたいものだ。
セブンイレブンは時々ご当地グルメフェアみたいなことするが、少し前に出ていた「佐野ラーメン」がとても美味しかったので、いつか機会があれば現地で食べたいと思っていた。このパークのある足利市は佐野市の隣りにあり、道中で車中から「佐野ラーメン」の看板を見て、食指が動いていた。ちょうど園内に「佐野ラーメン」を出しているフードコートがあったので、遅めの昼食をとった。ラーメンの基本型に近い、コクのある醤油ラーメン。街の人気店とかではないが、十分に美味しかった。
入り口のあたりが園芸店になっていた。そこで珍しい食虫植物が売っていた。西オーストラリア原産の、セファロタス・フォリキュラリスという種。理研のチームリーダー室で一時期栽培していた(下記サイト参照)が、とても気難しい植物だ。園芸のプロが育てるとこうやってうまく育つものだなあと感心した。久しぶりに草姿を拝めて嬉しかった。
参考:河本宏の部屋「食虫植物」
フラワーパークを観賞後、すぐ近くの栗田美術館を訪問。私設の陶磁器の美術館との音だが、近隣の益子焼ではなく、伊万里焼(佐賀や長崎で作られた磁器)が展示されていた。広い敷地内に、展示館が点在している。
栗田美術館
フレディ・マーキュリーが来たことがあるらしい。彼は伊万里焼のコレクターだったとのこと。
同じ場所で記念写真。
伊万里焼の大壺とフレディ。一緒にいる男性(ジム・ハットン)はフレディの連れで、そういえば少し前のクイーンの伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」にも、登場していた。1986年といえば亡くなる5年前であるが、ネット情報によると、フレディはこの頃はまだエイズに感染している事は知らなかったようだ。
同じ場所で記念写真。館内は写真撮影禁止であるが、大壺のコーナーは撮影可だった。
月曜日の講義の様子を、上田先生が撮ってくれた。
若い人に講義をする時に時々使う「ボスに頼まれた仕事は、どんな仕事でも嫌な顔をせずに引き受ける」のスライド。反感を買いそうな内容だが、アンケートでは、意外とそう評判は悪くない。
若者に学会の本質(の一部)を知ってもらうために、今年は「逆襲の助教」を観てもらった。

2023年5月29日(月)ー31日(水)

第6回新学術領域「非ゲノム情報複製」領域会議
表記の会が加賀百万石という旅館で開催された。2019年に始まったこの領域も今年度が最終年度。もろにコロナの被害を受けた領域だ。2年目から4年目までの3年間、領域会議や国際集会が思うように開催できなかったからだ。
新学術領域「非ゲノム情報複製」のHP。なおこの扉絵は私が描かせていただいたイラストで、DNAの複製フォークを表している(2019年9月8日の記事参照)。
新学術領域「非ゲノム情報複製」のHP:
今回は発表と質疑応答だけでなく、食事も、食後の情報交換会も、コロナ前とほぼ同じような形での開催となった。
領域代表の中西先生の挨拶。昨年度も兵庫県の舞子で領域会議は開催されたが、色々と制限があった。コロナへの恨みも述べつつ、最後の年にようやく普通に開催できた事を喜んでおられた。
泊まった部屋。
夕食。部屋が貸し切りで、いい感じだ。
朝食で、古関明彦先生(向かって左、理研IMS)と佐藤理亮(みちあき)先生(東大血液腫瘍内科)。朝食をとりながら話をしていて、佐藤先生が何とあの「佐藤ママ」の次男という事を知った。佐藤家といえば三男一女が全員東大理IIIに進学したことで有名。佐藤先生は、今は東大の血液腫瘍内科の大学院で黒川峰夫先生の指導下に研究に励んでいるとのことだ。明朗快活な好青年という印象だった。
二日目のお昼休み、中庭を散歩。さすがに広い。向かって左から岩間先生、北村先生、中西先生、油谷先生。
ロビーの入り口側。
ロビーの庭側。大きい。
私は谷内先生の分担研究者として入っている。私の発表の際には私はイントロ部分だけ話をして、本題では長畑君に昨年のBlood論文の話とその後の研究の進捗状況について話をしてもらった。
集合写真。
二日目の夕食後の情報交換会で、有田恭平先生のラボの若い人達らと。
情報交換会の二次会で、大きな部屋を使わせていただけた。
佐藤先生がアカペラでオペラ風の歌を歌った。ノリが良くて、素晴らしい。今回の集会は、多くの先生方とじっくりと話ができて、とてもいい会だった。

2023年5月26日(金)

東大医学部で講義
毎年この時期に、東大の医学部の3回生に免疫学の講義(2コマ)をさせていただいている。写真は赤門のすぐ近くの医学部1号館。
1号館の講堂。風格があって、いい。
2コマ目に、例によって「学会は激論の場」という話の中で「逆襲の助教」を観ていただいた。
左は新田剛先生(東大高柳研准教授)が最近(5月9日)上梓した本で、色々な生物の免疫システムを紹介しつつ、生物としての生体防御の仕組みを鳥瞰的な視点から論じている。スケールが大きく、とても面白い。イラストも素晴らしい。超オススメ。

Amazon:コウモリはウイルスを抱いて空を翔ぶ:
今回の東大での講義の中で、長畑君のBlood論文(血液細胞の進化的起源をたどると単細胞生物までさかのぼれたという話、2022年12月15日の記事参照)についての話もした。上記の新田先生の著作の中で、長畑君の研究成果についても丁寧に紹介していただいている(左の図)。ありがとうございます!
          

2023年5月22日(月)

拠点キックオフミーティング
再生研とウイルス研は、2016年の統合までは、それぞれ再生医療とウイルス感染症の拠点として機能してきた。統合後も、しばらくは2つの拠点機能を維持してきた。2022年4月に医生物学研究所に改称した際に両拠点を統合し、「ウイルス・幹細胞システム医生物学共同研究拠点」という新拠点を発足させた。この拠点の中核となる事業として、共同研究課題をマックス100万円/年で30課題ほど単年度の支援を行っている。経費としては、共同研究相手が医生研に来るときの旅費や、共同研究に関してホストラボで行われる活動に使うことができる。二つの拠点の時は年度末に各拠点で報告会を行ってきたが、新拠点になってからは、年度初めにキックオフミーティングという形で開催することになった。昨年はまだコロナのせいでオンラインだった(2022年3月11日の記事参照)が、今年はようやく対面形式(zoom兼用)で開催できた。ほとんどの採択課題の研究者が現地参加してくれた。基本的にはclosedな会。未発表データや新規のアイデアなど、いろいろな話が聴けて面白かった。

2023年度採択課題一覧:
免疫学会関係者で、教授室で昼食。向かって左から青木一成先生(医生研遊佐研助教、元長澤研)、縣保年先生(滋賀医大)、私、長澤丘司先生(大阪大)、久保允人先生(東京理科大)、伊藤能永先生(京大医生研)。
拠点長の朝長先生による閉会の挨拶。
17時ごろから、情報交換会。40人以上集まった。コロナが5類に格下げになったこともあって、ようやくこういう飲食を伴う会を開催できるようになった。4年ぶりだ。元の世界が戻ってきた事が実感できて、とても嬉しかった。
向かって左から北畠真先生(医生研朝長研助教、共共拠点推進ユニットコーディネーター)、杉田征彦先生(医生研野田研准教授)、澄田裕美先生(医生研特定助教、広報ユニット科学コミュニケーター)、栁澤真君(医学部3回生)。情報交換会の間に、お伺いを立てた上で、何人かの先生方について、医生研チャンネルで取材させていただいた。
向かって左から廣田圭司先生(医生研近藤研准教授)、生田宏一先生(医生研教授)、縣先生、私。
          

2023年5月22日(月)

イシモチソウが開花
玄関先に弟からもらったイチモチソウの鉢が置いてある。特に手をかけている訳でもないが、意外と元気で、毎年大きく育ち、花を咲かせたりしている。モウセンゴケの茎が伸びで立ち上がったような草姿。滋賀県の湖東エリアに行けば群落が見られる(2018年6月3日の記事参照)。

2023年5月18日(木)

林さんの話を聞いた
林璃菜子さんは医学部の3回生で、少し前から、MD研究者育成プログラムでうちの研究室の宮崎君の指導下に研究活動に携わっている。林さんは高校生の時に国際化学オリンピックで銀メダルを獲られ、京大医学部に飛び級入学されたつわもの。この日、取材という訳ではなかったが、医生研の広報のチームで、あれこれと話を聞いた。医生研チャンネルの制作にも興味があるとのことだったので、今後少し関わってもらえそうだ。

2023年5月18日(木)

栁澤君、医生研チャンネル制作チームに参加
この日のお昼、裏チャンネルの収録を行った。医学部3回生の栁澤真君(向かって右端)が、少し前から医生研チャンネル制作チームに参加してくれている。若い人の参加は、大歓迎だ。裏チャンネルでは私と長畑君がThymOzに参加した時の話(2023年3月22日の記事参照)を何回かに分けてレポートしている。そのうちの1回は、ブリスベンでクイーンズランド大学のDegnan教授のラボを訪問した時の話。この訪問は長畑君が主導で話を進めたという経緯だったので、長畑君にレポートしてもらった。
第44回:悲願の対面開催!ThymOz2023に行ってきた①:
第45回:コミュニティで切磋琢磨!ThymOz2023に行ってきた②:
          

2023年5月16日(火)

ILASセミナーは全学1回生向けのセミナー。医生研は、今年度は以下の3枠の講義を提供している。
【医生物学入門(月曜5限)】佐藤・川瀬・檜作
【医生物学の最前線(火曜5限)】朝長・河本・石橋
【医生物学にふれる(金曜5限)】野田・廣田・西淵
私は「医生物学の最前線」のうち5コマを担当。
出席者は、さまざまな学部から6人。前半は講義、後半は机をコの字型にして、特定のテーマについて議論する。テーマは、再生医療の倫理的問題点(胚盤胞キメラ、脳組織の培養、14日ルールなど)、動物実験、脳死移植、優生思想など。この日は前半の講義で、例によってリンパ節一人旅の動画を観てもらった。
          

2023年5月15日(月)

磯貝さん歓迎会
今月から藤田医科大学の河本研に、技術員として磯貝和江さん(向かって左から二人目)が参加することになった。この日、金山駅の近くの店で歓迎会。左から美山先生(講師)、磯貝さん、私、金原理恵さん(技術員)、杉田美由紀さん(事務員)、川瀬孝和先生(准教授)。金原さんは今年1月から2ヶ月間、京都河本研に研修に来ていた(2023年3月8日の記事参照)。磯貝さん、よろしくお願いします!

2023年5月10日(水)

磯樹香さん来訪
磯さんは長浜バイオ大学の4回生。ネガティブセレクションの制作活動に興味があるとのことで、この日の夕方、大学に来ていただいた。磯さんは、中高時代は美術部にいたらしく、最近のイラスト作品を数点見せてもらったが、とても上手だった。動画制作にも興味があるとのこと。こういう活動に興味がある人の参加は、ありがたい話だ。

2023年5月5日(金)

大型ゴミの廃棄
ラボの話でなく家の話であるが、この日、連休中の掃除で出た大型ゴミを、京都東北部クリーンセンターに廃棄に行った。このセンターは鴨川の上流に位置する。
いわゆるゴミ焼却施設で、大型ゴミも常時受け付けてくれている。ゴミの種類などを申告書に記入してから、搬入。ゴミの量はまず車ごと計量して、ゴミを廃棄後に再度計量して計測。100kgまでは1000円で、それ以上は100kgごとに1500円加算。
大型ゴミを捨てるところ。写真は以下のページから拝借。このページにはこのセンターでの大型ゴミの捨て方が詳しく解説されている。

京都大型ごみ持ち込み【京都東北部クリーンセンター】へ:
こういう感じで車をバックから付ける。
この日は椅子やスーツケースなどを廃棄した。溝の底はベルトコンベアみたいになっていて、ゆっくりと動いている。この日は椅子やスーツケースなどを廃棄した。仮に足を滑らして落ちても、ベルトコンベアは止めてもらえるのであろうが、「奈落の底」感があって、ちょっと怖かった。
          

2023年5月4日(木)

シン・仮面ライダー鑑賞
遅ればせながらシン・仮面ライダーを観にいってきた。とても面白かった。おそらくこの面白さの多くは、仮面ライダーの1号、2号あたりまでリアルタイムで私がハマっていたからで、そういう意味では私はこの映画を客観的に語る資格がない。一方で評価が分かれているというのも分かる。せめてシン・ウルトラマンくらいの一般性を持たせられなかったのかと、少し残念にも思う。私はあの頃のヒーローものではキカイダーが特に好きだったので、庵野秀明には、是非とも「シン・キカイダー」か「シン・ハカイダー」を作って欲しいものだ。
映画館でもれなくもらえた特典アイテム。仮面ライダーカード。これは嬉しい。怪人がポーズをつけているのが何とも懐かしい。
何と医生研の牧野晶子先生の名前がパンフレットの取材協力欄に!医生研チャンネルのディレクターの大久保君が気がついた。映画の最後のクレジットでも出ていたらしい。この話は、近々、裏チャンネルで報告します!
          

2023年4月26日(水)

「アクリエひめじ」を見学(2025年免疫学会の候補地)
昨年12月の免疫学会の評議会での投票で、2025年の免疫学会の集会長を務めることになった。今のままの忙しさが続くのであれば、とてもまともに務まりそうにないが、せっかく選んで頂いたのであるから、できる限りの事はしようと思う。場所は、いろいろと検討した結果、まずは「アクリエひめじ」を第一候補として見学に行くことになった。ここは姫路駅近くに2021年9月に開業したばかりの新しい会場。

アクリエひめじHP:
アクリエひめじに置いてあった模型。ここから3枚の写真は永野君が撮影したもの。
姫路駅の正面口からは姫路城が見える。
姫路駅からアクリエ姫路へは写真のような連絡通路でつながっている。駅から会場まで歩いて10分くらい。
エントランスの横の広場。
中ホール。
大ホール。
大ホールの外側のホワイエ。
もしもこの場所に決まった場合には、今後の企画などの相談に乗ってもらうために、うちのラボからは永野君、中宮さん、宮武さんに同行してもらった。
展示場はホールと同じ階で、すぐ近くにある。とても広い。永野君が撮った写真。
ホールや展示場の階からエスカレーターで上がった階に、会議室が並んでいる。
会議室をつないでいるロビースペース。南側が大きな窓になっていて、開放感があって気持ちいい。
山陽本線や新幹線の線路が見える。
裏医生研チャンネルで「学会開催に至るまで」という内容のシリーズを考えており、この日はそのための取材も行なった。
今回の見学の一行。免疫学会から外山さんと織田さん、エー・イー企画の内田さんと植田さん、案内役として姫路ビューローのお二人、医生研から伊藤能永先生、澄田先生、大久保君、河本研から永野君、中宮さん、宮武さん。

2023年4月25日(火)

実験動物中央研究所の先生方との打ち合わせ
数年前から、実験動物中央研究所(実中研)のNOGマウス(重度の免疫不全マウス)やNOG-dKOマウス(NOGマウスでMHCクラスIクラスIIをKOしたマウス)などを、ヒト細胞を移植する実験、例えば渡邊先生と小林さんが進めてきた人工リンパ節の実験などで使ってきた。今回、「今後はそのような実験を共同研究ベースで進めよう」という打ち合わせを行なった。写真向かって左から鈴木裕先生(京大OI機構准教授)、小林由佳先生(河本研特任助教)、私、中畑龍俊先生(実中研理事)、伊藤守先生(実中研前所長、理事)、伊藤亮治先生(実中研室長)、渡邊武先生、鈴木忍先生(京大OI機構教授)。いい話し合いができた。

2023年4月25日(火)

Dalton教授と打ち合わせ
Stephen Dalton教授(Chinese University of Hong Kong)は、今年の3月から6月までサバティカル(在外研究)のような形で客員教授として医生研に滞在中。ホストは伊藤貴浩先生(写真向かって右端)で、伊藤先生がジョージア大学におられた頃、Dalton先生もおられたらしい。昨年11月に、「多能性幹細胞から褐色脂肪細胞を作製して糖尿病治療に使う」といセミナーをされた(2022年11月15日の記事参照)。共同研究の打ち合わせや、大学間の協力関係についての話などをした。裏チャンネルにも登場していただけそうだ。

2023年4月25日(火)

王先生、河本研に参加
王啟鴻(Chie-Hong Wang)先生は、中国薬科大学の研究員で、T細胞分化誘導法の習得のために2ヶ月間河本研で研修する予定。2019年に中国薬科大学の先生方が来訪された折に共同研究についての話が始まった(2019年10月18日の記事参照)。私はコロナの直前に中国薬科大学を訪れ、セミナーを行なったりした(2020年1月9日の記事参照)。その流れで2020年の4月頃からCMUから研修を受け入れる予定であったのが、コロナのせいで延期になり、3年後の今、ようやく実現となった。私が手に持っているのは中国薬科大学のChairman(理事長に当たると思われる)である蔡長海(Chang-Hai Tsai)先生からのお土産。コロナもほぼ終息したことでもあるので、今後は中国薬科大学の細胞製造チームとのやりとりが増えるであろうと思われる。
          

2023年4月24日(月)

藤田医科大学でプラタナス講義
2年前からプラタナスというシリーズの講義のうち1回分を受け持っている。藤田医科大学の教員が講師で、他の大学の学生も聴講して、単位を取得できるという仕組みで、好評であるようだ。

医学通論プラタナス-最新医学への誘い-HP
私は前期の第2回に登壇。
放送室。写真は、「逆襲の助教」を流しているところ。今年はこれをいろいろな機会に観ていただくようにしている。

2023年4月22日(土)

研究所見学会を開催
毎年この時期に、大学院志望者への案内を兼ねた研究所見学会を開催している。このところコロナのせいで3年間はオンライン開催であったが、今回は対面開催となった。また、これまでは平日に行なっていたが、今回は土曜日に行なった。土曜日に開催したこともあってか、大学生の見学者数はいつもより多かったが、それにも増して高校生の見学が多く、満杯状態になった。私が研究所の紹介を簡単にした後、各ラボによる研究内容の紹介、研究室/研究所見学などが行われた。

2023年4月18日(火)

大塚製薬の新研究所を訪問
大塚製薬の新しい研究所、「大阪創薬研究センター」は、昨年11月に竣工。場所は、大阪モノレールの彩都駅から少し坂を上がったところ。河本研は、大塚製薬とは3年前から共同研究を進めてきている。その共同研究が、この新研究所で進められることになり、打ち合わせのために、永野君と共に訪問。
建物の中の撮影はNGだったが、窓からの景色はOKということで、4階のフロアから大阪の市街地方面を撮影。黄砂のせいでやや霞んではいるが、キタとミナミが重なった形で、一望できた。真ん中あたりでちょこっと飛び出ているビルが「あべのハルカス」とのこと。この日は私が4階のホールで細胞医薬の現状と課題についてのセミナーを行い、その後共同研究に関する打ち合わせを行なった。
          

2023年4月17日(月)

藤田医科大学で講義
3年前から藤田医科大学で基礎免疫学(医学部2回生、毎週月曜日の午前中70分x2コマを5回、計10コマ)を担当している。3年前と2年前は、コロナのせいでオンライン講義しかできなかった。昨年は、オンライン講義と対面講義のハイブリッド形式(2022年4月25日の記事参照)。ようやく今年から、全面的に対面講義に戻った。ありがたいことだ。この日は第5回「自然免疫系の仕組み」と第6回「免疫細胞の分化と免疫組織」。講義の中では、長浜バイオや京大での講義と同じように、「逆襲の助教」を観てもらった。

2023年4月14日(金)

B8免疫学講義
京大医学部3回生は4月から5月にかけて全28コマの免疫学の講義があり、私はそのうち4コマを担当させていただいている。一昨年から対面式講義が復活しているが、昨年まではzoom配信を兼ねた形式だった。今年からは対面のみ。この日の午後、後半の2コマ(免疫担当細胞の分化)の話をして、講義の中で「研究者にとって学会は自己アピールの機会」「学会は闘いの場」という話に絡めて、「逆襲の助教」を観てもらった。

2023年4月13日(木)

黄砂襲来
毎年のことなので特に騒ぐことではないが、今年の黄砂は量が多く、全国的にちょっと酷かったようだ。この日の黄砂情報。
東山も霞んでいる。
年間に積もる黄砂の量は、日本では一年に1平米あたり1-5g程度らしいので、量としては大したことなさそうであるが、車が汚れて、イヤな感じだ。なお、ネット情報によるとこの量は、日本で1年間に降り積もる煤塵の量のうちの10%程度とのことであるが、他の季節には車はこれほどには汚れないので、黄砂の割合はもっと多いような気がする。

2023年4月10日(月)

長浜バイオ大学で講義
長浜バイオ大学では毎年4月初旬に免疫学の講義を1コマさせていただいている(2022年4月11日の記事参照)。
全15回のシリーズの第1回として、 総論的な話をしている。いつものように講義の終盤に「ガッテン!」に登場した時の映像(2018年10月31日の記事参照)を観てもらったが、今回はさらに「逆襲の助教」の映像(2022年10月24日の記事参照)も観てもらった。

逆襲の助教(Youtube動画):
講義後、帰りの電車までの時間に、いつものように湖畔を少し散策。昨年は満開の桜を観ることができた(2022年4月11日の記事参照)が、今年はすでに葉桜だった。

2023年4月7日(土)

衣食住セミナーを聴講
精華大学の建築学科で客員の教員をされていた吉原雅人さんらと、あるお店で居合わせたのがきっかけで知り合いになり、その関係で精華大学建築コースの卒業制作の評価会に外部評価者として参加したり(2021年5月20日の記事参照2021年12月2日の記事参照)、卒業制作展を観に行ったりした(、2022年2月19日の記事参照)。今回は、吉原さんと他のいくつかの建築事務所が共催の衣食住セミナーに、大久保さんと一緒に聴衆として参加。講師は、津和佑子さん(写真左から二人目)。東大の大学院で伝統的木造建築の耐震性などの研究で学位を取得後、文化財の保存の業務に携わっておられる。本業の傍ら、津和さんは、2010年頃に1年間、南極の越冬隊に技術者として参加された。今回は、その時の話を、選考過程から、行程、現地での日常など、沢山の写真や動画で詳しく聴けて、とても面白かった。写真向かって右から二人目は45rpmという服のブランドの高橋優希さん。

2023年4月1日(土)

大阪で花見
コロナも終わりつつあるし、「久々に花見を」ということで関電および輸血部大学院時代の先輩である柏井三郎先生らと、大阪の京橋の近くの大川沿いで花見をすることになった。
写真は京橋の近くの、大川の東側の河岸のサクラ。
森さん(旧姓)、柏井先生、山本さん(旧姓)。森さんと山本さんは看護師さん。
遊覧船で、大川沿いを花見。ザ・ガーデン・オリエンタルというレストランの企画による花見+食事のツアー。
最初の2枚の写真は藤田邸跡公園。この川向いは通り抜けで有名な造幣局あたりで、そちら側は大阪で働いていた頃に花見等で何度か行ったことはあるが、こちら側は初めてだったので、新鮮だった。
食事は、かつて大阪市が迎賓館として使っていた建物で。雰囲気はとても良く、料理も美味しかった。
                     

2023年3月30日(木)

裏チャンネルの花見の回を収録
ヘロン島出張から帰るとすぐに札幌出張が続き、この10日くらい、ずっとラボを留守にしていた。今年はサクラの開花が早く、出張中に咲き終わっていたら残念だと心配していたが、幸いにもまだ咲いており、この日の打ち合わせでは、鴨川の土手に行って、花見をしながら、裏チャンネルのネタを収録した。ちょうど1年前の花見の時からライムさんとメタ爺での動画作りを始めたので、その辺りの話を中心にまったりと回想する回にしようかと思っていたが、直前に構成を変え、「理系の花見」というようなテーマで、「お茶を飲んだりお菓子を食べたりしながら、理系っぽい話をする」という設定にした。「ソメイヨシノはクローン」「クローンの定義は?」「なんでソメイヨシノにはサクランボがならないの?」などの話から、「自家受粉したらクローンと言えるか?」「減数分裂とは?」「なぜ自家受粉を避けようとするのか?」と話を膨らませ、最後は「iPS細胞から精子と卵子を作って受精させてもクローンにはならない?」「iPS細胞からクローンを作る方法はあるのか」などと、ちょっと重たい話にした。教授室での解説を足したりして長くなったこともあって、結局3本分になった。
第40回:理系の花見① サクラがクローン?
第41回:理系の花見② それはクローンなの?違うの?
第42回:理系の花見③ 結局自分のクローンは作れるの?

2023年3月29日(水)

「北大こども研究所」2023 で講義
表記の会が北大医学部と遺伝病制御研究所(遺制研)で開催された。科学コミュニケーションの成功例の一つだ。
北大こども研究所HP:
子供達は、2日にわたって実験したり講義を聴いたりする。1日目は、午前中は講義と実験、午後に実際の学術シンポジウムに参加してその一部を聴講するというプログラム。午後のシンポジウムは、遺制研の共共研究拠点事業として開催される「感染・免疫・がん・炎症」シンポジウム。シンポジウムが開催されたのは北大医学部の学友会館フラテホール。子供達は最初の講演だけを視聴する。
今回は私がその子供達が聴く最初の講演という役目を担当。小学生が視聴するから、わかりやすくする必要もある。とはいえ、研究者向けのシンポジウムの一部なので、「免疫学入門」の話だけという訳にはいかない。構成が難しいところだ。
北大医学部の建物。
入り口。
ホールの前の方は子供達と保護者の方々が陣取っていた。
この日の午前中にすでに北海道のNHKの取材があり、お昼にニュースで扱われたとのことで、冒頭に高岡先生がその報告をした。
番組中の高岡先生。いいことを言っている。高岡先生は、他にも幼稚園の子供達を対象にした「まもるんじゃー」というイベントも主宰している。
まもるんじゃー2017告知HP:
シンポジウム終了後、関係者で会食。大倉山のスキージャンプ競技場の近くのレストランだった。目の前が着地点あたりになっており、競技が開催されていれば特等席だ。
デザートの際は札幌の街の夜景が見渡せる部屋へ場所を移した。「日本でもこういう集まりが復活したんだな」と、コロナ禍が終息しつつあることを実感した。

2023年3月22日(水)ー26日(日)

ThymOz2023に参加
          
オーストラリアのヘロン島で開催された表記の会に、長畑君と二人で参加した。
この学会は胸腺あるいはT細胞を研究対象にする国際学術集会で、同じような主旨の4つの学術集会で年に一回ずつローテーションで開催している。参加者は100人〜200人。4つの学術集会とは、左図にあるように、KTCC(京都T細胞カンファレンス)(日本)、ThymOz(オーストラリア)、ThymEU(ヨーロッパ)、ThymUS(アメリカ)。ThymOzは、1995年に開始され、今回は第9回。これまでのところ、毎回ヘロン島で開催されてきた。
オーストラリアの北東部の海岸沿いに、グレートバリアリーフと呼ばれるサンゴ礁が沢山ある海域がある。ヘロン島は、グレートバリアリーフの南端に近いところに位置している。
大陸側の地一番近い街はグラッドストーン。ヘロン島までは約70km。
ヘロンリーフという東西10kmくらいの大きなサンゴ礁があり、ヘロン島はその西の端にある。
ヘロン島。東西800mくらいの小さな島。
日本からの行路だが、今回はまず伊丹から羽田に行き、羽田を夜9時ごろ羽田発で翌早朝ブリスベン着。
ブリスベンからグラッドスーンまでは国内線のフライト。
グラッドスーンからは船かヘリコプターのどちらかであるが、かつて激しく船酔いをしたことがあったので、それ以後毎回ヘリコプターで行くことにしている。
羽田発ブリスベン着の飛行機の窓から見えた朝焼け。
ブリスベンは時差で言うと日本より1時間早い。この日、朝からWBCの準決勝があり、早めの昼食をとりつつ、空港で観戦。ライブ映像そのものは観られなかったが、ライブを観ながらの実況中継がYoutubeで観れたので、十分楽しめた。長畑君は学生時代に野球部だったこともあり、野球には詳しい。村上のサヨナラ打には二人で大喜びした。
午後にブリスベン市内にあるクイーンズランド大学を訪問。
歴史のある大学らしく、キャンパスに風格が感じられる。
長畑君が昨年12月にBlood誌に発表した論文(2022年12月15日の記事参照)の中で、カイメンの各種細胞の遺伝子発現を解析したデータを使っている。引用元はBernard Degnan教授とSandie Degnan教授によるNature論文(Sogabe et al, Pluripotency and the origin of animal multicellularity. Nature, 570 (7762), 519-522, 2019)。長畑君は今回のオーストラリア出張で是非Degnan研を訪問したいと思い、連絡を取り合い、アポを取り付けた。写真向かって左からBernard Degnan教授、Sandie Degnan教授。
Degnan研HP:
ヘロン島とその周囲のサンゴ礁(ヘロンリーフ)の写真を手に、ヘロン島での各種生物の採取について話を聴いた。
研究室で、カイメンの幼生体の培養を見せてもらった。
よく使う6ウエルプレートであるが、培地は海水。
カイメンのような単純な構造をした多細胞生物は、それ以後の動物の先祖に当たると考えがちだ。Degnan先生は自ら図を描いて、「ヒトとカイメンは、7億年前に共通祖先から分岐して、片方がヒトになり、片方がカイメンに進化した」と言う話をされた。こういう考えが進化生物学では大事というのは、納得できる。
研究室でひとしきりカイメンの各組織の細胞の可塑性や幹細胞性、さらに多細胞生物化の過程などについてdiscussionをした後、研究棟に隣接する海洋生物飼育施設を見学させていただいた。
オニヒトデ。でかい。
カイメンの水槽の前で記念写真。
カイメンの水槽。
カイメン。石の上の方についているフジツボのような形をした灰色の部分がカイメン。
長畑君は直接触って生きたカイメンの感触を確認した。表面は固くザラザラしているが押すと凹むような弾力性はあった、とのこと。
見学後、キャンパスを通り抜けて、水上バスの乗り場まで案内していただいた。途中、木の枝にオオコウモリが多数ぶら下がっているのを見た。こんなのがキャンパス内で見られるとは。
水上バス。双胴船(カタマラン)だ。現金では乗れないので、あらかじめ大きなバス停などの自販機で売っているチケットを買っておく必要がある。
いい気候で、風がとても気持ちよかった。
街の中央部のビル群。ブリスベンは人口220万人とのことなので、京都(150万人)より大阪(260万人)に近い。大きな街だ。
翌日は朝早くからプロペラ機でグラッドストーンへ。グラッドストーンの空港ではヘリコプターの待ち時間にWBCの決勝の実況中継をYoutubeで観戦した。最後までは観られなかったが、中盤から終盤にかけての緊張感のある展開を楽しめた。
ヘリコプターは、パイロットを含めて五人乗り。Ellen Richie (MD Anderson Cancer Center)(写真向かって左端)、Lauren Ehrlich(University of Texas Austin)(左から二人目)と同乗。この二人は親子。
ヘロン島が見えてきた。
30分弱で到着。
左図は、帰路のヘリコプターの発進時の写真。高いところから見るサンゴ礁はとても美しい。

帰路のヘリコプターの発進時の動画:
宿泊施設について。基本的には戸建てのコテージに分散して泊まる。相部屋という選択肢もある。
私(河本)が泊まったコテージ。広くて、テラスもあって居心地はいい。冷房設備はなく、天井のファンだけで、昼間は流石に室内は暑い。なお、部屋の鍵は、内側からはかけられるが、外出時に外側からはかけられない。リゾートのスタッフと客、研究施設の職員だけなので、安全ということであろう。
初日の夕刻、海に面したテラスで、ウエルカムレセプション。コロナのせいで4年ぶりに会ったという人が多く、とても嬉しかった。「コロナ明け」を実感した。
学術集会場。
100人くらいの参加者があった。
この集会の創始者であるRichard Boyd氏は、Monash大学を退職後、Carthericsというベンチャー会社で研究を続けている。今回もOrganizerとしては名前を連ねているが、残念ながら体調がすぐれず、ビデオメッセージでの参加となった。それでもいつものようにJokeを連発して笑いをとっていた。
キーノートレクチャーは、Nancy Manley(University of Georgia)。胸腺の研究というとT細胞に向けて分化する「胸腺細胞」と、それを支持する「胸腺環境」(主に胸腺上皮細胞)というように、研究対象は大きく2つに分かれる。Nancy Manleyは胸腺上皮細胞側の研究者で、胸腺の発生過程の研究で多くの成果をあげてきている。
二日目、午前中の「Adaptive Immunity and Thymic Development」というセッションで「Tracing Evolutionary History of Blood Cells to the Unicellular Organism」というタイトルで発表。前半はBlood論文の内容(2022年12月15日の記事参照)、後半は胸腺T前駆細胞の分化能についてのunpublished dataの話をした。冒頭に、この前の日、WBCで日本がアメリカを破って優勝した話を出したら、結構うけて、拍手が起こった。
その時用いた写真(ネットから拝借)。プレゼンにおいて、こういうネタを最初に少し提供するのは、大変好ましいことだ。
長畑君はEllen Rothenbergの質問にも堂々と応えていた。EllenはT細胞初期分化の転写制御についての大家。
3日目、朝。海に面したテラスで、高浜洋介先生(NIH、向かって左)と谷内一郎先生(理研IMS)。
テラスから観た夕日。
ポスターセッション。
Cartherics社の若い人が演題を出していた。Cartherics社はRichard Boydらが創業した会社で、河本研としてこれまでにあれこれと協力してきた。そんな関係で、私はScientific Advisory Boardに参画している。

Cartherics社HP:
長畑君は今回、Ellenとしっかりdiscussionができたようだ。彼は、Blood論文のヒントになるようなアドバイスを、2019年のThymEU(2019年5月19日の記事参照)の際に、Ellenからもらったりしている。こういう感じでじっくりと話ができるのが、専門家が集まった小さな学術集会のいいところだ。
4日目のお昼休みは、ちょうど満潮で、長畑君と二人で、波止場の近くで少し泳いだ。船の着岸のための水路が掘ってあるので、波止場の近くでは大きな魚やウミガメがよく見られる。この日、岸から30mくらいの深さ2mくらいのところで、ウミガメを5-6頭、すぐ近くで見ることができた。サンゴに生えた海藻をムシャムシャと食べていた。3m近いショベルノーズシャークも3-4匹見かけた。
その後、南岸沿いに、シャークベイに向かった。
南岸はこういう感じで、層状の岩が続いている。青島の「鬼の洗濯板」のような感じだ。
今回の長畑君のヘロン島出張の大きな目的の一つは、シャークベイでカイメンを見つけること。残念ながらカイメンを見つけることはできなかった。
シャークベイというだけあって、ショベルノーズシャークの子供が沢山いた。
子供といっても1mくらいある。
最終日、お昼休み、テラスで。向かって左から藤森さゆ美先生(徳島大助教)と大東いずみ先生(同教授)。いい写真だ。大東いずみ先生は最近、教授になられたとのこと。おめでとうございます!
私は最終日の夕方の、最後の「Cancer and Immunotherapy」というセッションで発表。
プレゼンの冒頭で、コロナの間の胸腺関連学会について、国際KTCCをキャンセルした経緯を軸に、話をした。コロナの前年の2019年、イスラエルで開催されたThymEUで、KTCCについてアナウンスした話から始めた(2019年5月19日の記事参照)。
その際に出したスライド。2021年の3月に開催、とアナウンス。
スライド2枚目、「日本酒のテイスティングやバンド演奏なども企画してます」、とアナウンスした。
しかし、コロナのせいで…というスライド。「逆襲の助教」の一部を切り取って動画として見せた。澄田裕美先生作のCG動画で、使ったのは「逆襲の助教」の3分40秒から47秒までのあたり。
逆襲の助教:
2020年のThymUSは、マウイ島で5月に開催する予定が一旦延期になり、結局同年10月に若手がオンラインで発表する1日だけの会になってしまった。その会の中で、2021年3月に予定していたKTCCは、10月に開催するとアナウンス。しかしそれもあえなくキャンセルせざるを得なくなった。集会を開催するか否かは半年くらい前には決める必要がある。2021年といえばオリンピックが一年遅れで開催された年で、8月に海外からの観客を迎える形でオリンピックが開催されるようであれば10月の国際KTCCも海外から人を呼べるであろうと考えていた。しかし、3月下旬に、国はオリンピックで海外からの観客を受け入れないことを決めた。それを受けて、4月下旬に、KTCCの中止を決め、関係者に中止したというアナウンスのメールを出した(2021年4月30日の記事参照)。その後KTCCの代表が谷内先生に代わった(2021年10月8日の記事参照)。国際KTCCはKTCCの代表がchairとしてホストすることになっているので、次回は2026年、谷内先生をchairとして開催されることになる。
KTCCはスキップして、次のThymOzの番が回ってきたことになるが、2022年春の開催は、時期尚早ということで延期された。そして、満を持して、2023年3月、今回の開催となった。だから今回の開催を心からcelebrateしたいと述べると、会場全体から拍手が湧き起こった。その後、私が持っているThymOzの写真の一部を、ざっと観てもらった。
私(河本)が初めてThymOzに参加したのは2000年で、その頃はまだ桂研にいた。伊川友活君(現東京理科大教授)と二人で参加。往路の船で死にそうなほどの激しい船酔いを経験し、復路はヘリコプターに。これ以後ずっとヘリコプターを使っている。2003年は理研のチームリーダーとして独立してすぐの参加。左端は高浜先生、左から2枚目はWillem van Ewijkとその奥さん、増田さん。
ThymOz2006あたりから、Global Thymus Conference Networkとして4つの会で一年ごとに回していくことになった。真ん中の写真の左端は斉藤隆先生(理研)。
ThymOz2010では、サイクロンがヘロン島に接近し、島へ渡れなかった。グラッドストーンのホテルに分散して宿泊となったりしたが、集会はしっかりと開催され、ワインテイスティング、フェアウエルパーティーでのクイズ大会、リンボーダンスなどはいつものように行われた。また、自分の楽器を持っていって、バンド演奏をしたりした。中央の写真でアコギを弾いているのはRoland Scollay。ギターも歌もとても上手く、レパートリーも多くて、Rolandの演奏だけで何時間でも皆で歌ったり踊ったりできた。
ThymOz2014では、ヘロン島に渡ることができた。私は京大教授としての参加。個人的な話であるが、往路のシンガポールでの乗り継ぎのセキュリティチェックの際にパソコン、デジカメ、携帯を回収し忘れ、その後ずっと島には届けられず、大変だった(2014年4月2日の記事参照)。それにもめげず、この時もバンド演奏をした。楽器はレンタルで調達してもらえた。歌っているのはCynthia Guidos(University of Tronto)。
ThymOz2018(2018年3月21日の記事参照)。左上、キーノートレクチャーはKen Shortman(WEHI)。右中段、この前の年にがんで亡くなったCharlie Surhを、かつての上司Jon Sprentが悼んだ。高柳広先生(東大)が参加していた(左中段)。永野君や長畑君の姿も見える(左下段)。
そして今回。いい写真がすでに沢山撮れている。
上記の前フリを4-5分くらいしてから、本題のT細胞製剤の開発の進捗状況をプレゼン。
最後に、近々リリース予定のNegative Selectionのセカンドアルバムの宣伝。胸腺/T細胞の集会なので、「VDJ-recombined」という曲(2023年2月5日の記事参照)を是非観てくださいとrecommendしておいた。
フェアウエルディナー。オージービーフのステーキに長畑君は嬉しそうだ。いい会食だった。
今回のオーガナイザーは、Ann Chidgey(Monash University)とDaniel Gray(WEHI)、体調不良のために来られなかったRichard Boyd。ありがとうございました!
移動日の早朝、長畑君と島をぐるっとまわった。朝焼けがきれいだった。
最後に、ヘロン島の鳥についてレポート。ヘロン島は、鳥が支配している島という感じの島で、そこに人が紛れ込んでいるという状態といえる。通路も鳥のフンがこびりついている。哺乳類のフンと違い、それほど臭いわけではないが、島全体に、動物園のような臭いはする。鳥が苦手な人には、ちょっとつらいかもしれない。
フンの上には鳥の巣がひしめいている。
ヒメクロアジサシという鳥で、この島ではやたらと多い。
移動日の朝に、南側の海岸を飛び交うヒメクロアジサシの動画を撮った。鳥が怖い人には、ちょっと恐怖かもしれない。

南側の海岸を飛び交うヒメクロアジサシ:
島の名前にもなっている「ヘロン(Heron)」というのは、サギの仲間の鳥を指すらしい。おそらく写真の鳥だと思われる。島の名前にもなっているが、それほど多くない。
一般的に、鳥というのはやかましいものだ。この島では、夜もずっと鳥が鳴いている。地面に穴を掘って巣にしている鳥もおり、おそらくそういう鳥だろうと思われるが、夜になると鳥の鳴き声が低いところから響き渡る(動画参照)。喧嘩をしているような声で、かなりうるさい。私は、あまり気にならなかったが、今回ThymOz初参加の谷内先生は、「一晩中、床下で鳴いていて、やかましくてよく寝られなかった」と言っておられた。

コテージ周辺の鳥の鳴き声:

2023年3月18日(土)

第21回日本組織適合性学会近畿地方会で講演
表記の会が大阪府赤十字血液センターで開催された。集会長は荒木延雄先生(近畿臍帯血バンク)。
専門家の集会という感じの学会で、鋭い議論が飛び交っていた。
今回は、新型コロナとHLAの関連性について、以下のような話をした。
「特定のHLAを有している場合の感染率や重症化率に差があるのではと当初は期待されたが、現時点では明らかな関連は見つかっていない。一時期日本あるいはアジアでCOVID-19が少ない理由について[ファクターX]が存在するのではと言われ、HLA-A*2402がその候補として論じられたこともあったが、その後日本人でも大きな流行が起こったことから、現在ではファクターXに当たるものはないという理解に落ち着きつつある。抗体は感染の際にSタンパクがACE2に結合しやすくなるような変異が起こった場合、選択的に優勢になりやすい。一方で、T細胞ではそのような優勢な変異株が現れることは原理的に起こりにくい。ある患者でT細胞の攻撃を回避できるエピトープに変異が起こっても、他の人達はそれぞれ異なる多様なHLAを持っているので、単一のエピトープで起こった変異が優位に拡がっていくことは容易ではない。」

2023年3月14日(火)

日立との共同研究についてのニュースリリース
この日の11時、「日立製作所-京都大学-リバーセル」の3者共同研究を開始したという主旨のニュースリリースが日立とリバーセルから出された。左は日立製作所からのリリースの冒頭部分。再生T細胞製剤の事業化に向けては、自動培養装置で製造できるようにすることが非常に重要だ。
日立製作所からのニュースリリース:
リバーセルからのニュースリリース:
日立の自動培養装置、iACE2。医生研1号館の共同研究用スペースに設置されている。
iACE2のサイト:
現在、京大病院での治験に向けて京都大学の細胞製造施設であるCCMTでの試験製造に入っている。CCMTは2022年4月から稼働しており(2022年2月14日の記事参照)、うちの細胞製造チームは2022年11月から試験製造を始めている。左の写真はうちのチームがCCMT内で作業をしているところ。
          

2023年3月12日(日)

淡路島をドライブ
この日は暖かく、いい天気だった。淡路島をドライブ。
明石海峡大橋。
島の南西部の風車群。
島の南都部の海岸線。ひとけが少ない。
南東部に位置する生石(おいし)公園には、明治時代の砲台跡がある。
砲筒。
第一砲台跡。
海を挟んで向かい側の友ヶ島の砲台と共に、防衛ラインとして機能していたようだ。
このあたり(南東部の海岸沿い)には、京都ではあまり見かけない黄色い花を咲かせる草がやたらとはびこっていた。この看板によると「ナルトサワギク」という帰化植物で、1970年代に鳴門で初めて見つかったので「ナルト」と名がついているとのことだ。
この草は、写真のような感じで、この一帯では至るところに咲いており、圧倒的に優勢だった。前項の看板の中にもあるが、植物によっては周囲に他の植物の生育を阻害する物質を撒き散らかす輩がいる。そういう他の植物の成長を阻害する作用のことをアレロパシー(Allelopathy、他感作用)というらしい。ナルトサワギクはアレロパシーが強いようで、タチの悪い外来種として「特定外来生物」(植物では19種)にも指定されている。
 セイタカアワダチソウがそういう作用を持つことは昔からよく知られていて、50年くらい前に鴨川や高野川の河原で繁茂していた時はとても嫌な感じだったが、以前に書いたように最近は少なくとも鴨川界隈ではすっかり大人しい(2021年10月21日の記事参照2021年10月25日の記事参照)。ナルトサワギクもいずれは大人しくなるのかもしれない。
花のアップ。「タチの悪い外来種」と書いたが、結構きれいではある。
赤潮。久しぶりに見た。ネットで調べたら、大阪湾のところどころで発生しているらしい。夜光虫とのことだ。もしそうだとしたら、夜に見たら波打ち際あたりはきれいであろうと思われる。
赤潮部分のアップ。ちょっとエヴァに出てくる海のようで、やや気持ち悪い。
色は薄くなるが、赤潮は沖の方まで続いていた。
徳島県側から見た大鳴門橋。引き潮の最中で、瀬戸内海から太平洋に向けての流れが見える。
橋のたもとの部分から、「渦の道」という通路が設置されており、渦潮を上から見学できる。入場料大人510円。ずいぶん前に一度来たことがある(2014年5月14日の記事参照)。
橋の自動車道の下には、かつて鉄道用に設置された構造物があり、見学用通路はそれを利用して作られたとのこと。この橋が建造された時(1985年開通)には鉄道が兵庫県と徳島県をつなぐという計画があったが、明石海峡大橋(1998年開通)が建造されるまでの間にその計画は頓挫して、関係者はがっかりしたという話を聞いたことがある。
大潮にドンピシャではなかったが(本年3月の大潮は7日〜10日とのこと)、流れが一番強い時間帯だったので、結構見応えがあった。渦の直径は20mになることがあるとされているが、この日に撮った左の写真のように、遊覧船のサイズと比較して実際にそれくらいありそうだった。この渦の動画を下記におく。40秒弱の動画で、写真の渦は動画の後半に出てくる。
鳴門の渦潮の映像

2023年3月10日(金)

MD研究者育成プログラム
この日の午後、MD研究者育成プログラムの京都大学ラボツアーが行われた。夕刻、京大、東大、阪大、名大の医学部の学生さん(1−3回生)4名が、上野英樹研、江藤浩之研の見学後、河本研を見学。私が40分ほどレクチャーした後、長畑、永野、西村が研究内容の話や、質疑応答にあたり、その後ラボ見学。

2023年3月8日(水)

T細胞培養法の研修を終えて
本年1月初旬から約2ヶ月間、3人が週3日ずつ河本研に通って、iPS細胞からT細胞を誘導する培養法の研修を受けた。研修を受けた3人は、向かって左から2人目から直江吉則先生(名古屋大学特任准教授)、金原理恵さん(藤田医大河本研技術員)、小西理予先生(医生研ES細胞研究センター特定助教)。研修で講師を務めた2人は向かって右から永野誠治(助教)、福永淳一(リバーセル、共同研究員)。
先斗町で打ち上げの食事会。お疲れ様でした!

2023年3月7日(火)

澄田先生、医生研1周年
澄田先生がサイエンスコミュニケーターとして医生研に着任されたのが1年前の3月1日(2022年3月1日の記事参照)。この1年間、医生研チャンネル/裏チャンネルなどの動画配信、拠点ニュースレター、要覧の作成、要覧の鼎談記事の構成、イベントのポスター作成、学会テーマソングCG作成など、広報に関連した業務を多岐にわたってされてきた。活動の中でも独創性において白眉であるのは、非公式マスコットキャラ「ライムさん」としての裏チャンネルでのレポーター活動であろう。写真は、澄田先生のオフィスの一部で、最近撮影スタジオのようにセットアップされた。ここでレクチャーシリーズを制作する予定。写真左は大久保博志ディレクター。何度か書いたが、医生研チャンネルは澄田、大久保、河本という、実質3人で制作している。
ここからはラボニュース記事に出した写真で振り返ってみる。まずはつい最近の2023年2月14日「新井真由子さん、再来訪」の回(同日の記事参照)。新井さんは「生き物好き」として登場。
第32回:収斂進化とは??【生き物好きさんいらっしゃい!その1】
第33回:多細胞化って何だ?【生き物好きさんいらっしゃい!その2】
2023年2月5日「琵琶湖畔でミュージックビデオ用の動画撮影」の回(同日の記事参照)。「VDJ-recombinedってどういう意味ですか」とライムさんが縣先生に尋ねているところ。
2023年2月2日「吉田神社の節分祭」の回(同日の記事参照)。年越しそばの店が出てなくて、ライムさんとメタ爺の二人ががっかりしている。
第30回:【医生研の四季?】吉田神社の節分祭
2023年1月24日「大寒波襲来」の回(同日の記事参照)。鴨川で動画撮影をと思って出かけようとしたところ、ふぶいてきて、外出をためらっているシーン。
第29回:【医生研の四季】鴨川雪景色!
2022年10月31日「分生2022テーマソング逆襲の助教のメイキング動画」の回(同日の記事参照)。ライムさんがボーカルの鈴木先生にインタビュー。
第14回:【とびだせ医生研】分生テーマソングのメイキング!
分子生物学会のテーマソング「逆襲の助教」の中で使われた3D-CG動画の1コマ。澄田先生作。この後、カメラがコロナウイルスのスレスレを走り抜け、スターウォーズのような迫力だ。なお、このシーンは下記動画の中の3分44秒あたり。
分子生物学会公式テーマソング「逆襲の助教」
2022年10月29日「いきもにあ2022」の回(同日の記事参照)。牧野先生のウイルスを模したかぶりもの姿に、ライムさんもメタ爺も「参りました」と降参しているところ。
第16回:【とびだせ医生研】ウイルスおりがみ@いきもにあ2022
2022年8月1日「医生研チャンネル、始動!」の回(同日の記事参照)。
第1回:医生研、裏チャンネル始めます!
これは上記の記事の中に出てきた写真であるが、7月31日に、免疫ふしぎ未来展を取材した時のもの。
第8回:免疫ふしぎ未来展を体験してみた!
これも8月1日の記事の中に出てきた写真であるが、2022年4月4日に鴨川の桜を紹介する動画を撮った時のもの。澄田先生が着任されてから1ヶ月でこのようなフォーマットができあがっていたことがわかる。
第5回:【医生研の四季】鴨川&疏水でお花見!
          

2023年3月3日(金)

京大-日立-リバーセル共同研究の居室スペースにソファとテーブルを搬入
京大(河本研)と日立製作所、およびリバーセルの3者の共同研究が、本年1月から始まっている。この記事を載せる頃にはプレスリリースも出されていると思われる。共同研究の場所としては、全学共用スペースを借りることができ、医生研1号館3階にラボスペースと居室スペースが使えることになった。居室スペースの整備を進めていた時に、以前河本研の秘書をしていた矢崎理恵さん(写真向かって左から二人目)(2022年9月14日の記事参照)から連絡があり、プロジェクトの変更でソファやテーブルが不要になったので引き取れないかとの話だった。写真は、2月28日、ソファとテーブルの下見に行った時で、河本研の秘書の中宮さん、宮武さんと。
この日、居室スペースに搬入。3階なので景色がいい。府立医大の建物が見えている。

2023年2月28日(火)

菅先生の研究室を訪問(記:長畑)
カプサスポラに関してお世話になっている県立広島大学の菅裕先生の研究室にお邪魔して来ました。約1年半ぶりの訪問で(2021年10月25日の記事参照)、論文でお世話になった御礼と、今後の研究のご相談を兼ねて伺いました(写真:向かって左から、菅先生、長畑、井上さん)。菅先生とは、医生物学研究所の共同研究拠点事業を介して、共同研究をさせていただいています。この共同研究のテーマに関しては、学部生の井上さんが主に実験をされており、カプサスポラでのトランスフェクション実験を見学させてもらいました。(井上さん、ありがとうございます!)。カプサスポラは、プラスミドのトランスフェクションひとつをとっても、一筋縄でいかないところがあり、菅先生曰く「非モデル動物を用いる難しさであり、しかしながら、人類未踏の地を進む面白さを味わえる」とのことです。
また、今回の訪問でカプサスポラ(Capsaspora)の名前について、ラテン語のcapsa(≒capture、 捕食する)+spora(胞子)が由来であることを教えて頂き、マクロファージ(macrophage)の名前の由来(macro(大きい)+phage(食べる))と似ていることも驚きでした(写真は河本研で撮影した蛍光ビーズを貪食したカプサスポラ)。
 菅研究室では、カプサスポラ以外にも、いくつかの真核単細胞生物の研究がなされており(菅先生のラボのホームページ:)、知的好奇心を掻き立てられました。

2023年2月21日(火)

バイオリソースで解決する21世紀の社会課題(記:長畑)
標記のシンポジウムがナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)主催で、東京の一橋講堂にて開催されました。NBRPは多様なバイオリソース(生物やその細胞・情報)の収集・保存・提供を目的として、2002年から文部科学省のイニシアチブの下で立ち上げられたプロジェクトで、2022年から第5期に入っているとのことです(NBRPのホームページ:)。今回はカタユウレイボヤの血液を研究し始めたこと(2020年9月15日の記事参照)がきっかけとなり参加させて頂きました。
河本研究室から長畑が発表させて頂きました。タイトルは「カタユウレイボヤを用いて動物の血液細胞の進化過程を探る」で、昨年12月にpublishされた論文(Blood 2022;140:2611-2625)の内容を中心にお話ししました。多くの質問やコメントを頂けて、今後の研究が捗りそうです。
配布資料と一緒にNBRPのクリアファイルも頂けました。NBRPで扱っている多種多様な生物が、かわいいイラストで載っていて、見ていて飽きない逸品です。もちろんカタユウレイボヤも載っていますので探してみてください。

2023年2月14日(火)

新井真由子さん、再来訪
新井麻由子さんは、東海大学医学部の二年生。ちょうど1年くらい前に、研究室を訪問されている(2022年2月9日の記事参照)。新井さんは子供の頃から生き物が好きで、ネット上で「昆虫文学少女」とか「ナナフシガール」という名前で頻回に登場している。医生研チャンネルのファンで、毎回観ていただいているとのことを聞いていたので、今回は、研究室を再訪していただいた折に、裏チャンネルの生物談義の回にゲストの聞き役として、登場いただくことになった。生物談義の内容としては、少し前に裏チャンネルで取り上げた長畑君のマクロファージの話(裏チャンネル「第22回体の中の生きる化石!?マクロファージに迫る」)の延長線上の話題として、進化関連の話(「収斂進化」や「多細胞生物化」について)を、長畑君が講義した。写真は、動画撮影後に撮った記念写真。

2023年2月5日(日)

琵琶湖畔でミュージックビデオ用の動画撮影
Negative Selectionのセカンドアルバムは7曲をリリースする予定で、そのうちの1曲に「VDJ-recombined」という曲がある。高浜先生が作詞し私が作曲したこの曲は、遺伝子を再構成して単一種類のTCRだけを発現するようになったT細胞の自信と、他のものになれる可能性を無くしてしまった不安が交錯する様を謳っている。歌は縣保年先生(滋賀医科大学)(2019年11月29日の記事参照)。音源としてはもう完成しており、現在ミュージックビデオを制作中。
ライブハウスでの「当て振り」映像は撮り終えているが、今回は屋外での撮影を行った。場所は、琵琶湖西岸の松の浦水泳場の近くの浜。人の気配がほとんどなく、人工物もほぼ見えない。
このあたりでは琵琶湖の水は南の方に比べるときれいであるが、冬はさらに透明度が高い傾向がある。この日は天気がとてもよく、琵琶湖の深い青がとても綺麗だった。岸辺の所々に雪が残っていたが、この日は比較的暖かくて、過ごしやすかった。すごくいいロケーションで、ベストな日和だ。対岸に雪を冠した山が見えるが、左側の山は伊吹山と思われる。
振り返って西側を望むと、すぐ近くに比良山がそびえている。
この日は、大久保さんがドローンを操って撮影。
北村先生も楽しそうだ。
私も記念撮影。
ドローンで撮影した動画の中のワンシーン。とてもいい映像が撮れた。いいミュージックビデオになりそうだ。

2023年2月4日(土)

第42回日本胸腺研究会に参加
この研究会は、ヒト胸腺を主な研究対象としている。病理の先生や基礎の胸腺研究者も参加しているが、胸腺腫や胸腺がんなどの胸腺疾患にたずさわる外科の先生方が主流を占めている。私は10年くらい前から基礎の胸腺上皮細胞研究者として参加している(2018年2月24日2015年2月7日2014年2月8日2013年2月8日の記事参照)。
今年の集会長の藤本公則先生(久留米大学)による開会の挨拶。本来は久留米で現地開催の予定であったが、コロナ第8波のせいでオンライン開催になってしまい、藤本先生は大変残念そうだった。コロナの第8波もピークアウトしつつあるし、5月にはコロナは5類に引き下げられるとのことであるから、こういう事態も、これが最後になるのではと思う。
この会は、前述のように外科系の医者が主流であるが、基礎系の研究者も参加しており、集会長は外科系と外科系以外の人が交互に務める。私は2016年に集会長を務め、芝蘭会館で開催した。また、代表理事という役職も、臨床系と基礎系の二人体制が取られている。正、二人体制とは言っても、実質的な運営は代々臨床系の代表理事がされている。現在の臨床系の代表理事は、奥村明之進先生(大阪刀根山医療センター)が務められている。今回の理事会(2月3日夕刻開催)で、岩渕和也先生(北里大学)が代表理事を退任され、その代わりに私が就任することになり、この日の総会でそれが承認された。なお、岩渕先生は高浜先生の後を継ぐ形で2018年から代表理事をされてきた(2018年2月24日の記事参照)が、2021年度末で本務を退官されたので、今回の交代となった。なお、岩渕先生は2021年度のKTCCの集会長をされた(2021年10月8日の記事参照)。
 私自身は、胸腺環境の研究にはずっと興味を持っているし、このところ府立医大の呼吸器外科だの井上匡美先生と胸腺腫や重症筋無力症に関した共同研究を行ったりもしている(2020年6月16日の記事参照)ので、ヒト胸腺研究にも引き続き取り組んでいきたいと思っている。胸腺研究会の代表理事をさせていただくのはありがたい話だ。しっかりと務めさせて頂こうと思う。なお、来年の本会は井上匡美先生が集会長をされ、京都で開催される予定だ。
          

2023年2月2日(木)ー3日(金)

吉田神社の節分祭
吉田神社の節分祭は、 京都大学のすぐ近くなので、ほぼ毎年参拝している。2020年、コロナ禍の直前にラボの有志10人くらいで行った(2020年2月3日の記事参照)。2021年は中止だった(2021年2月2日の記事参照)。2022年はやっていたらしいが、行きそこねた。という訳で3年ぶりの参拝となった。写真は京大の吉田キャンパスと本部の間の道であるが、節分祭では屋台が両側にずらっと並ぶ。
吉田山にさしかかると、参道が坂道になる。風情があって、いい。
今年は医生研の裏チャンネルの取材という形で、ライムさんとメタ爺で参拝。この記事をラボニュースに出す頃には、すでにアップ済みだ(下記リンク)。医生研からはそう近くもないが、歩いて10分くらいで行ける範囲内ではあるので、「医生研の四季」というシリーズとして取り上げることにした。「年越しそばを食べに、節分祭に行こう!」と私が掛け声をかけてライムさんを誘い出した体裁になっていたが、現地に来てみると、今年もまだそば屋さんはやってなくて、大変ばつが悪かった。
裏医生研チャンネル 第30回:吉田神社の節分祭
参拝者の多く地元民であろうと思われ、おそらくは多くがどこで何を食べるかという独自のコースを決めているのではないかと思う。私の場合、本宮を参拝後、大元宮(だいげんぐう)を参拝し、その後、坂道の途中でたまこんにゃくの店と、アユの塩焼きの店に立ち寄るというのが定番だ。
アユの塩焼きの店であるが、今年は炉端を囲むいい席に座れた。何年か前にも、ここでほっこりした事があった(2018年2月2日の記事参照)。鮎の塩焼きは、丸ごと食べると、内臓部分がほんのり苦くて美味しい。
帰り道では、参道の坂道から、屋台がずっと先まで連なる様子が見える。いい感じだ。
裏チャンネルでは、2月3日の夜11時からの火炉祭も取材した。お札などの縁起物を燃やす行事で、とても見応えがある。写真は点火前。火炉祭を見るのは4年ぶり(2019年2月3日の記事参照)。その5年前にも、Wilfredらと見に来たことがあった(2014年2月3日の記事参照)。
22時50分くらいから儀式のようなものが始まった。写真(点火)は22時56分。
点火から2分後の22時58分には大きな火になった。熱い。
点火から8分後の23時4分。
点火から34分後の23時30分。まだ多くの人が火を取り囲んでいた。大文字五山送り火もそうだが、火が燃える様は、郷愁を誘う。コロナ禍の少し前に、ラボ関係者数名で滋賀県にキャンプに行ったが、その時の焚き火を思い出したりもした(2019年11月2日の記事参照)。コロナも明けつつあるし、キャンプ+焚き火を再開したいものだ。
          

2023年1月31日(火)ー2月3日(金)

第7回日本骨免疫学会冬季学術集会/ウインタースクールに参加
これまで何度か記事にしているが、この時期、表記の会が、信州エリアで開催される(2020年1月23日の記事参照2019年1月24日の記事参照2018年1月25日の記事参照)。私は2017年1月の集会から常連だが、2021年はコロナのために中止、2022年は開催されたが私は所用で不参加で、今回は3年ぶりの参加ということになる。これまでは軽井沢で開催されていたが、今回は斑尾高原で開催。
 このようにリゾート地で学術集会を開催するというのは、海外で開催される国際学会でもよくあることで、高揚した気分の中で新しい発想が醸成されやすいこと、参加者が宿泊施設にとどまるので互いのコミュニケーションが取りやすいことなどの利点がある。
第7回日本骨免疫学会冬季学術集会/ウインタースクールHP:
特急サンダーバードで金沢まで行き、金沢から新幹線で飯山駅、飯山駅からバスで斑尾、というルート。写真は京都駅で、サンダーバード。
福井あたりの景色。
飯山駅から、北の方を望む。真ん中あたりに野沢の一部が見えている。
今回の会場/宿泊は、斑尾高原ホテル。
初日は到着後集会の開始まで少し時間があったので、ゲレンデへ。ゲレンデの上からホテルを見下ろしたところ。
前の写真の中央あたりのアップ。中央左の三角屋根の建物が会場のホテル。右上に野沢温泉スキー場がよく見えている。
ホテルの部屋。
窓からの景色。南西方向を望んでいる。斑尾山(1382m)と、斑尾高原スキー場が見渡せる。斑尾山は数十万年前に活動をしていた古い火山。
日が暮れた頃、部屋の窓から西の方を望む。遠くに見える妙高山(2453m)の山容がかっこいい。妙高山も火山であるが、こちらは現在も火口付近に噴気がみられるらしく、活火山ということのようだ。
夕刻、学術集会が始まった。
集会長高柳広先生のあいさつ。高柳先生は骨免疫学会の理事長でもある。この日はこの後、オープニングの特別企画として、Boneシンポジウムというセッションが催され、宇田川信之先生(松本歯科大学)、溝口利英先生(東京歯科大学)、前川知樹先生(新潟大学)が話をされた。
夕食はビュッフェ形式。向かって左から小林泰浩先生(松本歯科大)、私、高柳先生、浅原弘嗣先生(東京医科歯科大)。
夕食後のフリーディスカッションタイム。
講師陣の写真。後列向かって左から北村俊雄先生(神戸先端医療研究センター)、高柳先生、浅原先生、宇田川信之先生、荒瀬尚先生(大阪大)、中央は溝口利英先生。
2日目(2月1日)の朝、部屋の窓から。いい天気だ。
窓から西の方を望むと、妙高山と、その山麓の妙高スキー場が見える。
この日の午前中のセッションで、私は「血液細胞の進化的起源を辿るとマクロファージ様の単細胞生物にまで遡れた」という話をした。その中で、若い人向けのメッセージとして「学会は時には激しい議論を戦わせる場である」という話をして、その流れで「逆襲の助教」のミュージックビデオを観てもらった。
「逆襲の助教」のミュージックビデオ:
セッションの間の時間を活用して、有志でゲレンデへ。リフトを乗り継いでエリアの最高点へたどりつき、記念写真。
その地点から、尾根線沿いに写真のような細い林間コースを辿って、斑尾の西側に隣接する「タングラムスキー場」へ。
タングラムスキー場へ向かう途中、野尻湖と妙高山を望む絶景スポットがあった。この記事の冒頭の写真は、高柳先生が以前にこのスポットから撮られた写真。この日はあいにく妙高山にはガスがかかっていて全容が見えないが、それでも野尻湖が見られたのはよかった。野尻湖は、斑尾山の活動でできた堰止(せきとめ)湖であるらしい。
上記の写真の撮影直後に、高柳先生に撮っていただいた写真。
尾根線コースから、野尻湖の絶景を眺める一行。
タングラムスキー場で、荒瀬先生と一緒にコブ斜面コースを滑走。雪質がとても良くて、気持ちがよかった。以下は荒瀬先生に、下方から撮っていただいた動画。何とかこなしているが、ちょっとバタバタしていて、きつそうだ。
タングラムスキー場クイーズダウンヒルコース河本:
一方荒瀬先生は、軽々とこなしておられる。以下は同じコースを、上から撮った動画。
タングラムスキー場クイーズダウンヒルコース荒瀬:
斑尾高原スキー場に戻ってきて、皆で遅い昼食。浅原先生(向かって左端)の年季の入った派手なスキーウエアが、バブル景気の頃の、スキー人気全盛期時代を思い起こさせてくれて、何とも懐かしい。私もかつてはこういうのを着ていた。最近のウエアは、すっかり地味になってしまった。
楽しいひと時だ。
高柳研の若い人達も合流し、皆で記念写真。
この日の夜から、激しく降雪。今年はよく降る。
この集会は、講師の話を聴くだけでなく、若手が発表する機会もある。2日目の夕食後、若い人に向けた優秀演題賞や最優秀演題賞の表彰式が催された。スクールらしい行事だ。
フリーディスカッションタイムには、高柳研の若い人たちと、私、荒瀬先生とで、研究の話を軸に色々な話をして、楽しかった。

2023年1月30日(月)

河岡先生と会食
河岡先生は、本務は東北大学に移ったが、クロスアポイントメントで月に何日かは京大にも顔を出している(2022年3月24日の記事参照)。この日、久々に打ち合わせした後、「クウカイ」で食事+酒。彼は京大での足場もしばらく維持するとのこと。
 この翌日、Vandenbon先生(医生研准教授)との共責任著者論文がCommunication Biologyに掲載された。がん悪液質のメカニズムの一端を解明したという話。こういう研究が進んで、もしがんによる悪液質を抑えることができるようになれば、がんは怖い病気ではなくなるかもしれない。

医生研からのニュース記事(英語)(1月31日付け):
東北大学加齢研からのニュース記事(1月31日付け):

2023年1月29日(日)

アンディ・ウォーホル展を観覧
この日、京都市京セラ美術館で開催中の「アンディ・ウォーホル・キョウト」展を観に行った。アンディ・ウォーホル(1928-1987)は、「ポップアート」というジャンルを大きく発展させた画家。ポップアートというのは、日常の風景、大衆文化であるマンガや有名人の写真などを題材にして再構成するという、ともすると低俗とも取れるような作風の作品群で、純粋な抽象絵画と対立する潮流として現れ、1950年代から60年代にかけて一世を風靡した。
 私は自身が絵を描いたりすることもあって、美術作品を観るのは好きだが、普段それほど美術館に足を運ぶ訳ではない。コロナ禍のせいもあって、2019年12月に中之島の国立国際美術館にクリムトとエゴン・シーレを見に行ったのが最後だ(2019年12月8日の記事参照)。京都市美術館はかなり久しぶり。京都市美術館は、大改修されて2020年5月26日に京セラ美術館としてリニューアルオープンとなった。2020年5月ということは、オープン早々からもろにコロナ禍をくらったことになる。今回も、混雑を避けるため、時間枠での予約制となっていた。写真のように、改修によって入り口が地下になっている。
ウォーホル展は、改修により敷地内に新設された「東山キューブ」という名の新館で開催されていた。
美術館のマップ。敷地内の東北のエリアに、平屋の展示室が増設されている。
今回の観覧は、自発的なものではなく、北村俊雄先生のお誘いによるもの。北村先生は昔からウォーホルの作品が好きで、一度版画を買いかけたこともあったらしい。私はウォーホルは好きではあるが、展覧会を観に行こうとは思うほどではなかった。なので、声をかけていただいたおかげで、いい機会になった。入り口手前の南側に喫茶店が入っており、そこで15時に待ち合わせ。「喫茶店で待ち合わせて展覧会を観に行くとは、学生のデートみたいですね」と、二人で苦笑。
今回の展覧会は気前が良くて、フラッシュをたかないという条件付きで撮影可能であった。いい傾向だ。
今回は「マリリンモンロー」とか「キャンベルスープ缶」などの代表作の展示もあったが、初期のスケッチやデッサンなども展示されており、楽しめた。
洋梨をモチーフにして、銀箔を使った作品。
生花を題材にしたドローイング。
前述の「キャンベルスープ缶」。
カエルもモチーフにした作品。ウォーホルといえばこういう感じで写真をあれこれいじった絵というイメージがあり、これなどはそういう意味では典型的な作品といえよう。今回の展覧会は、総じて、とても楽しめた。鑑賞後、近くの店で二人でわらび餅+薄茶でほっこりした。北村先生、ありがとうございました。

2023年1月26日(木)

藤田医科大学で打ち合わせ
この日、藤田医科大学で、ウイルス感染症細胞製剤の開発研究の進め方についての打ち合わせが開催された。写真は往路の途中、新幹線車窓から撮った伊吹山。
再生T細胞を用いたウイルス感染症治療法の開発研究が、藤田医科大学河本研の准教授である川瀬孝和先生を代表として、2022年度4月からAMEDの新興再興感染症事業で採択されている(下記HP参照)。この日は、国際再生医療センターの細胞製造施設での製造に向けて、関係者が一同に会して方針、工程などを共有した。

「サイトメガロウイルス(CMV)感染症に対する汎用性T細胞療法の開発」:

2023年1月24日(火)

大寒波襲来
この日の夕刻から、10年に一度と言われる強い寒波が襲来。17時30分からiPS細胞研究センターのセミナー室で修士論文の審査会があり、30分後に終わって建物を出ると、景色が一変していて、驚いた。
その頃の雲。
よく見れば冬型気圧配置時に特有の日本海側の筋雲に、二つの異なる向きの流れがある。それらが合わさった領域では大雪をもたらす雲が発達しやすいという話のようだ。大陸からの風が長白山脈というところで一旦分断されて、日本海で再度会合するという構造らしい。会合箇所を「日本海寒気団収束帯」と呼ぶとのことだ。
18時以後、雪が降り続け、帰宅時(23時頃)には、車に大量の雪が積もっていた。
15cmくらいは積もっただろうか。京都でこれだけ降ることは珍しい。
25日の朝の鴨川。
朝の川端通り。道が凍りついており、スノータイヤを履いていないと走れないので、車数は少なかった。この日は終日気温が低く、大通りも日が当たらない部分は一日中凍結したままだった。
この日の午後、ちょうど裏チャンネルの打ち合わせの予定が入っていたので、動画撮影会に切り替え、「鴨川雪景色」の撮影を行った。この日は終日、雪は降ったり止んだりを繰り返しており、撮影に出ようという時は、結構ふぶいていた。
撮影後、コンビニに立ち寄ったら、弁当や惣菜のような日々の流通頼みの商品は、全て消失していた。大寒波、恐るべし。

2023年1月23日(月)

長畑君、学位を受ける
長畑君は、「血液細胞の起源を探る」というテーマで論文を出し(2022年12月15日の記事参照)、論文審査会もクリア(2022年12月20日の記事参照)。この日、京都大学から学位が授与された。おめでとうございます!お疲れ様でした!
          

2023年1月22日(日)

長畑君の論文が京都新聞で紹介された
この日の京都新聞の朝刊の科学欄で、長畑君の研究内容が紹介された。要点がうまく整理された、いい記事だ。
2023年1月22日京都新聞朝刊記事:
          

2023年1月18日(水)

貝谷君、修士論文審査会で発表
貝谷亮太君(河本研M2)が医学部B棟で開催された修論審査会で発表。T前駆細胞の分化能に関する研究で、長畑君が主に指導している。河本研のお家芸的な研究で、こういう研究を続けられているのは嬉しいことだ。
          

2023年1月15日(日)

丹後半島をドライブ
ラボとは関係ないが、久々に丹後半島をドライブ。写真は立岩という柱状節理でできた岩塊。冬の日本海は波が荒く、ちょっと怖いくらいだ。立岩が高さ20mとのことだから、波高は2-3mくらいはありそうだ。
丹後半島の北西岸には、「海岸段丘」という地形が見られる。
丹後半島の東岸は、火山岩でできた切り立った崖になっている。丹後半島ではかつて火山活動が盛んだった事を示している。丹後半島は「山陰海岸ジオパークエリア」の一角を占めており、見どころが多い。