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ラボニュース 2021

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2021年5月12日(水)

iPS細胞研究所のニュースレターで研究内容が紹介された
iPS細胞研究所(CiRA)ニュースレターの45巻(4月号)で、iPS細胞を用いた新型コロナに関する話題が取り上げられ、そこに私も登場した。CiRAの斉藤潤先生(臨床応用部門准教授)との対談形式。斉藤先生らは、新型コロナ感染症から回復した患者さんからiPSを作製して、重症化のメカニズムの研究に提供されている。iPS細胞そのものや、そのiPS細胞から再生した組織を用いて感染実験を行われている。
 表紙に登場されているのはその斉藤先生。CiRAのニュースレターの表紙はこのところ大内田美沙紀さん(CiRA国際広報室、サイエンスイラストレーターでもある)(2019年5月31日の記事参照)が手がけていたが、今回は写真。とてもかっこいい写真だ。
CiRAニュースレター45巻(4月号):
広報に大内田さんがおられることもあってと思われるが、CiRAの刊行物は一般にデザインが素晴らしい。左の写真は新型コロナ研究についての記事(全3ページ)の1ページ目。この1ページ目のコロナウイルスのイラストは大内田さんによるもの。
 右下に写っている無骨な手は、私の手だ。こういう写真を使うとは、と感心した。今回は全体にレイアウトのテイストがこれまでと変わっていて、よりスタイリッシュになっている感じがする。冊子の最後のページの奥付を見ると、デザイン:長谷川弘佳とクレジットされている。どこまでが長谷川氏によるものかは分からないが、今回のイメージチェンジに、この人の寄与は大きいであろう。こういう人を見つけてきて起用するというのも、CiRAの広報部のすごいところだ。

長谷川弘佳氏を紹介している記事:
記事の中で使われた写真。自分で言うのも何であるが、モニター越しという面白いレイアウトで、中々かっこよく撮れているので、嬉しがって載せさせて頂いた。斉藤先生との対談はon lineで行われたが、そういえばその対談の取材にはプロのカメラマンが来られていた。斉藤先生も、とてもいい表情をされている。
 iPS細胞というのはジェネティックだけでなくエピジェネティックにもかなりheterogenousなので、いろいろな経過を辿った患者から複数のラインを樹立して材料として用いると、感染しやすいあるいは感染しにくい各種分化細胞が安定して作れるであろう。そういう細胞を用いて感染実験を行えば、感染しやすさやインターフェロン産生能など抵抗性の差のメカニズムの解明に迫れるであろう。斉藤先生が進めておられる研究は、iPS細胞ならではの長所をよく活かせている。
 一方河本研はこれまで紹介してきたように、iPS細胞から再生したキラーT細胞を治療薬として使う戦略の開発を進めている(2021年4月26日の記事参照)。この研究は主に藤田医科大学の研究室で進めている(2020年12月21日の記事参照)。
もう一枚の写真。これもよく撮れているので、載せさせて頂いた。

2021年5月12日(水)

緊急事態宣言延長
前回に書いた通り、この日から5月末まで、東京、大阪、兵庫、京都で緊急事態宣言が延長されることになった。また、愛知県と福岡県は、この日から新たに発令となった。4月25日から2週間たったが、全国レベルで見ると、新規感染者数は減っていないというか、むしろ少し増えている。延長もやむなしというところであろう。巷では、「オリンピック中止」の声が強くなりつつある。
緊急事態宣言が出されたエリアだけで見たらどうだろう。東京は、この2週間で少し増えているように見える。1月8日の緊急事態宣言は、今回のより条件は緩かったと思うが、宣言後2週間で明らかに効果が見られていた。
大阪では、新規感染者数で見ると、少し効果が出ているように見える。しかし高止まりとも言える数字であり、医療体制の危機的な状況(患者が適切な治療を受けられていない)が続いている。
京都でも、少し減少傾向が見られる。前回の波(第3波)では、このグラフで見ると宣言から解除まで1ヶ月半くらいかかっている。今回もそれくらいかかるのだろうか。

2021年5月10日(月)

藤田医科大学で打ち合わせ
この日、お昼頃から藤田医科大学に出勤。4月25日から東京、大阪、兵庫、京都に緊急事態宣言が出ており、5月11日までの予定であったが、5月末までに延長されることになった。また、5月12日から愛知県と福岡県でも緊急事態宣言が出される。
 12時30分ごろ、新幹線で名古屋に向かう。16号車は私一人で、貸切状態だった。今回の宣言下では出勤率や外出率は1年前と比べるとあまり減ってないとのことであるが、さすがに遠方への出張は減っているということであろう。
藤田医科大学の河本研のオフィスで、斉藤邦明先生(学長補佐、向かって左)、三浦康生先生(輸血細胞治療科教授、中央)、川瀬孝和先生(免疫再生医科学部門准教授)と、新型コロナ感染症の治療法開発研究の進め方についての打ち合わせを行った。三浦先生にはすでに相当数の検体を凍結保存して頂いている。
午後6時過ぎの名古屋駅構内。新幹線は空いていたが、街の人通りはあまり減っていないように見える。「緊急事態宣言が出る前に買い物を」という人達もいるのかもしれない。

2021年5月10日(月)

ナガミノヒナゲシ
研究に関係の無い話を一つ。研究所の駐車場の横の樹の下でナガミノヒナゲシが咲いていた。けしの仲間なので、優雅な草姿と花容をしているが、わりとどこにでも生えている雑草。帰化植物であり、時にすごく優勢になることがあるので、生態系に影響を与えているとして嫌がられている。写真から見てとれるが、実が長いので「ナガミノ」と言われる。
 ここでこの草をわざわざ紹介しているのは、花の大きさが個体によって激しく異なるという珍しい特性を持っているからだ。ひまわりのような集合花は大きさの差が激しくなることがあるが、通常の花は、種内では大体大きさが揃っている。小さな個体は花を咲かせないで、それなりの大きさの花を咲かせられるようになってから、花を咲かせる。ところが、このナガミノヒナゲシは、小さい個体はそのまま小さな花を咲かせる。この写真でも真ん中あたりに小さな花が写っている。
小さな花を咲かせている株のアップ。大きな花は直径4-5cmだが、小さな花は1-2cm。もっと小さくなることもある。他にこういう咲き方をする花を見たことがないので、この草を見ると、何だか異世界の生物をみているような違和感を覚える。この現象に関しては、きっとしっかり研究している人がいるのであろうが、ネットでざっと調べても、この特性に言及した記事はほとんど見当たらない。

2021年5月4日(火)

蘭の花
研究室と全く関係ない、河本の個人的な話を少し。この日はとても天気が良く、家の片付けなどをした。午前中は、弟に手伝ってもらい、スタッドレスタイヤを通常のタイヤと交換。庭の垣根に吊るしてあるデンドロビュームが満開だったので、写真を撮った。
これはノビル系のデンドロビュームと日本の在来種であるセッコクとの交配種と思われる。中学生の時に同級生の鴨脚(イチョウ)光茂君から頂いたもの。なお鴨脚家は下鴨神社にまつわる名家。最初は1-2本だったが、その後40年間に良く増えて、これくらいの大きさの株が実家や弟の家のものも合わせると10個くらいある。ノビル系の特徴として唇弁の中に濃赤色の斑紋が見られる。ノビル系は直立するが、この交配種はセッコクのように横向きに生えたり下垂したりする。この前の冬は何回か気温が零下まで下がったが、セッコクの遺伝子があるからか、寒さには強い。
この日、3階のテラスにあるミニガーデンのフレームを取り払う作業もした。1年前にも書いたが、20年近く前、この家を建てて間もなく3階のテラスに、大型の水槽を2つ置いてその上にスチロール材で段々畑のような構造を作り、アクリル板で温室のように囲い水をポンプで水を循環させて、食虫植物ガーデンにしたことがあった。残念ながらアクリル板の温室構造が壊れていって、写真のような残骸を残すのみとなった。コロナ禍のせいでイベントもなく家にいた大学生の息子2人が手伝ってくれた。
2時間くらいかけて、フレームの解体が終了。うちに居着いている元野良猫のニャーゴが水を飲んでいる。雨水だから美味しいであろう。
 ここに咲いているランはシランで、日本の野生ランの一種であるが、よく観賞用に栽培もされている。庭に植えていた株から種が飛んでいつの間にか育った。このミニガーデンはほぼ雨水だけで、いわゆる窒素リン酸カリなどという植物にとっての肥料成分がない。それで雑草類はあまり生えない。しかし、食虫植物は、自分でそれらの肥料成分を取れるので、こういう条件でも元気だ(2020年5月10日の記事参照)。また、ラン科の植物は、根を介してラン菌と共生しているので、比較的貧栄養な土壌に強い。それで、シランが選択的に育っているのだと思われる。

2021年5月3日(月)

山紫水明
ちょっと前に大久保さん(NSのキーボード担当、リバーセル社の広報担当)から「山紫水明」という言葉の来歴を教わった。元々は漢詩の一節のようであるが、拡めたのは江戸時代の詩人、頼山陽という人で、その頼山陽の書斎兼茶室の「山紫水明処」が、鴨川西岸丸太町を少し上がったあたりという、散歩の範囲内にあるという。知らなかった自分をちょっと恥じた。この日、散歩してその山紫水明処を鴨川側から拝んだ(写真)。申し込めば内覧できるらしい。
つまりこの場所から見える景色があまりに美しくて、頼山陽は「山紫水明」と表した訳だ。左は、その場所から東側を望んだ写真。確かに、鴨川と共に比叡山や大文字山が見え、素晴らしい景色であることを再確認。うちの研究所がその景色のど真ん中に鎮座しているのもいい。

2021年5月2日(日)

JUNK HEAD鑑賞
この日、アップリンク京都というミニシアターで「JUNK HEAD」という映画を観た。作品の存在は知っていたが、望月先生(2021年3月30日の記事参照)から京都で今やっているよと教えていただいた。TOHOシネマズ二条やMOVIX京都のような大きな劇場は緊急事態宣言を受けて休館しているが、ミニシアターはやっていた。1席づつ間を取る、館内飲食禁止、などの措置が講じられていた。
 これは堀貴秀という人が7年かけてほぼ一人で作ったというストップモーションアニメ。地上で細々と暮らす人類の一人が地下で繁栄している地底人世界に調査に行くという、ディストピアもの。「ほぼ一人でよくこれだけのものを」という点は確かにすごいが、それは仕方なくやったことであり、この作品の評価ポイントはそこではない。とにかく、適度に可愛く適度にグロい造形や描写のバランスが、素晴らしい。またキャラ設定やストーリーもよく練られていて、ユーモアや優しさがある。大満足。
JUNK HEAD公式サイト(下記)では1分くらいの予告映像が見られる。
JUNK HEAD公式サイト

2021年4月30日(金)

国際KTCC中止のアナウンス
国際KTCC中止のアナウンスを、Global Thymus Networkのメーリングリスト(3−400人)に送付した(写真)。
 KTCCは毎年開催されるT細胞研究を中心にした150人規模の研究会であるが、4年に1回、国際KTCCとして開催される。通常、海外から100人以上が参加し、総勢250人規模になる。2021年は国際KTCC開催の年で、元々は3月1日〜5日に開催予定であったところを、コロナ禍の状況を踏まえて、約半年、2021年10月4日〜8日に延期した。この延期を決断したのは昨年10月頃。当時、7月から8月にかけてきた第2波がなんだかんだで制御できていて、Go to eat(10月1日)などというお気楽なキャンペーンが始まったりしていた。少なくとも日本では何とか制御できそうという楽観的な雰囲気があった。
 延期を3月から6月頃ではなくてオリンピック後の10月にしたのは、日本という国がオリンピックをどう開催するかを参考にしようと考えたという意味もあった。オリンピックが観衆を海外から迎え入れることができているなら国際KTCCも開催しようがあるという話。オリンピックが観衆を海外から入れられないなら、その2ヶ月後に免疫学者を海外から参加させるのは、社会的にも問題が生じるのではという議論もあった。何にせよ、 10月の開催であれば、4月ごろまで決断を先延ばしできると考えた。
ところが、10月ごろの楽観的な雰囲気は、11月に入ってから始まった第3波で吹き飛んだ。1月には緊急事態宣言が出され、一定の効果はあったが、3月になると東京や大阪ではある程度以上減らなくなり、ついに解除となった。その後3月下旬から始まった第4波は、変異株が主流となり特に大阪と兵庫で爆発的に増え、4月25日に東京、大阪、兵庫、京都に緊急事態宣言が出されるという事態になった。
 これでも諸外国に比べたら大したことはないという意見もあろうが、現実問題として大阪では重症患者に十分な対処ができないという医療危機に陥ってしまっているというので、厳しい対応を取らざるを得ない。1年以上時間があったのに有事に対処できる準備がなされていなかったのは行政の怠慢と言われても仕方なかろう。
 諸外国はというと、イスラエルと英国はワクチンのおかげもあってか、アフターコロナ的な雰囲気になっているようだが、他の地域はまだまだで、特にインドではえらいことになっている。ワクチンは元株には絶大な効果があるが、変異株に対しては未知数で、今後の状況は世界的にみても予断を許さない。
 3月下旬、国はオリンピックに海外からの観衆受け入れを断念した。そういう状況なので、国際KTCCは断念せざるをえなかった。もちろん、Web会議にするという選択肢もあろうが、KTCCの主旨は「未発表データを含む最新のデータ」を討論する場であるので、on line meetingに馴染まない。また、欧州、東海岸、西海岸の参加者に全日参加を求めるのは無理な話で、それぞれの地域から朝とか夕方に時間限定参加になってしまう。招待演者の講演を拝聴するような会ならそれでも何とかなるかもしれないが、KTCCはそういう会ではないので、中止という決断に至った。
 もちろん、今回の集会長であった私の一存ではなく、世話人会での決定によるものである。私としては、この2-3年間、資金を準備し、キーノートスピーカーの内諾も得て(Ellen Rothenbergにお願いをしていた)、着々と準備を進めてきただけに、とても残念だ。
 左の写真はKTCCのHPに掲示した中止の告知画面。
国際KTCC中止の告知:

2021年4月26日(月)

新型コロナの研究が日経新聞で紹介される
日経新聞の朝刊に、「新型コロナ感染症ではキラーT細胞の働きが重要」という話が掲載され、その中で我々の研究が紹介された。新型コロナに対しては、抗体の話がよく語られるが、キラーT細胞も同じように重要である。この記事では、新型コロナウイルスの通常株に対して誘導されたキラーT細胞が、変異型ウイルス株にも有効であることが、文献に基づいて論じられている。ワクチンの場合でも、キラーT細胞が誘導されると変異株にも対応できるという話が紹介されている。とてもいい記事だ。
記事の中で使われている「キラーT細胞は感染細胞を殺傷する」という図。世の中にはキラーT細胞はウイルスを直接殺すと思っている人も多いであろうから、こういう図説は重要だ。
記事の最後の方に、我々の研究が紹介されている。キラーT細胞は、計測、単離、増幅などが難しく、また抗体と違って、ある回復患者のキラーT細胞をそのまま他の患者に移入するということができない。拒絶されてしまうので、使い物にならないのである。一方で、我々の技術を用いれば、薬として使える汎用性のT細胞製剤を作製できる(2020年10月14日の記事参照)。

2021年4月25日(日)

緊急事態宣言発令
この日、3度目の緊急事態宣言が東京、大阪、兵庫、京都に発令された。3月に緊急事態宣言を解除したのは、1月から2ヶ月も続いて効果が薄れてしまいある程度以上減少しなくなったからであったが、解除するとやはりすぐに増えてしまうということが、グラフからよくわかる。
大阪の新規感染者数。4月5日に「まん延防止等重点措置」という規制が発令されたが、主に飲食店の時短要請だけだった事もあってか、ほとんど効果がなかったようだ。とはいえ、先週はその前の週と比べてあまり増えていないので、少しは効果があったのかもしれない。諸外国に比べたらそれほど大きな数字ではないが、すでに大阪の重症者用の病床は満杯だという。1年以上も経っているのに、どうして病床数を十分増やしておけなかったのだろう。民間の中小の病院の中には、集中治療室を持っている病院は沢山あるはずなのに、そういう病院が患者を受け入れると名乗りを上げないのが問題だと思われる。行政がきちんとした制度をつくらないのでこういう事態になっているのであろう。
 もしかしたら、大きな第4波なんか来ないと思っていたのかもしれない。実際、京阪神で起こっている第4波は、イギリス型の変異ウイルスによるものが8割を超えており、もしこの変異ウイルスがいなければ、そう大きな波になっていなかったかもしれない。そういう点では、京阪神の第4波は、想定外的な要素もあるかとは思われる。
京都はどうかと見てみると、第3波と同じくらいになっている。緊急事態宣言が出されてもやむなしか。
          

2021年4月19日(月)

藤田医科大学河本研の居室の整備
この日の午後、藤田医科大学に出勤した。川瀬先生、畑中さんと3人でニトリと山田電機に行き、居室に必要な物品を購入。写真は運び終わってやれやれと一息ついているところ。
夕食は金山駅の近くのトンカツ屋さんで、八丁味噌を用いた味噌カツを食した。とても美味しかった。ビールによく合う。
          

2021年4月19日(月)

青木英之氏来訪
この日の午前中、SBI証券の青木英之氏(執行役員常務、写真中央)、堀口智子さん(写真向かって右)と面談した。リバーセルの事業が今後着実に進んだ場合の話ではあるが、IPOに向けてどういう点に注意すべきかなどを色々と教えていただいた。言葉に重みがあり、心にしみた。勉強しなければならないことは多い。
          

2021年4月16日(金)

池田和司先生来訪
奈良先端科学技術大学院大学の数理情報学研究室教授の池田先生が来られた。機械学習の手法を用いて数理モデルを構築するというアプローチで、ライフサイエンスだけでなく色々な産業分野をカバーされている。河岡先生は池田先生との共同研究を以前からしており、研究の視野が広い。私もそういう姿勢を学ぶ必要があるとは思っているが、中々手をつけられないでいる。

2021年4月12日(月)

長浜バイオ大学で講義
長浜バイオ大学では毎年4月初旬に免疫学の講義を1コマさせていただいている。全15回のシリーズの第1回で、総論的な話をしている。
昨年はオンライン講義のみで、録画ファイルを流していただいた。今年は全面的に対面形式。大勢の前での講義は久々で、楽しかった。例によって最後の方に「リンパ節一人旅」を観てもらった。新型コロナの第4波が迫り来る中、どこまでこの形式が続けられるか。滋賀県まで大きな波が来る前に、第4波が収まってくれればいいが。

2021年4月11日(日)

嘉島君来訪
嘉島君(秋田大学泌尿器科助教)が久々に京大に来たので、久保田君(D1)を交えて研究打ち合わせをした。少し前に書いたように、久保田君は嘉島君と同期で、嘉島君が秋田大学で医学部剣道部の主将だった時に久保田君も弘前大学医学部剣道部で主将をしており、その頃からの知り合いらしい。そういう関係の知り合いというのは、半沢直樹みたいでかっこいい。どちらかが何か仕事上のストレスがあった時、ドラマの中であったように道場で乱取り稽古でぶつかり合って汗を流してスッキリ、なんてことをやってくれたら、ネタとしては面白そうだ。

2021年4月9日(金)

艸場よしみさんと面談
宇野賀津子先生(パスツール研究所室長、写真向かって左)の仲介で、艸場(くさば)よしみさん(写真右)と面談した。艸場さんはフリーの編集者で、これまでに社会や科学を子供に紹介する絵本の執筆や企画をされてきた。最近では「天才科学者の実験室」のシリーズ(全4巻)を刊行されている。現在、そのシリーズの現代の科学者版を企画中だとのことで、話を聞きにこられた。面白そうな企画だ。私が手にしているのはその「天才科学者の実験室」シリーズの第2巻。
その第2巻の表紙。表紙を見ただけで面白さが伝わってくる。表紙に出ているのはリンネという18世紀の博物学者。分類学を確立した人で、「分類学の父」として知られている。私は子供の頃から植物がとても好きだったので、リンネは一応は知っているが、一般にはあまり知られていないのではないだろうか。そんなリンネに焦点を当てるのは素晴らしいと思った。この巻の中では他にリービヒ(肥料を作った18世紀の化学者)、ハーベイ(血液の循環を記した17世紀の解剖学者)、ワトソンとクリック、今西錦司(棲み分け理論を提唱した20世紀の生態学者)が取り上げられている。何とも味わい深いラインアップだ。
潜入! 天才科学者の実験室(全4巻)
それぞれの科学者の実験室を見開きで描いた絵が、素晴らしい。いろいろな資料から構成したらしいが、ディーテイルにわたってそれらしく描き込まれていて、観ていてあきない。構成には佐藤文隆先生(京都大学名誉教授、宇宙物理学者、元湯川記念財団理事長)が協力し、絵は「たなべたい」という京都在住の漫画家/イラストレーターが描いている。さすがにプロの作品で、思わず魅入ってしまう。こんな部屋にずっと浸ってみたいものだ。このリンネの部屋の絵であるが、本の紹介ページの試し読みコーナーにあったので、リンクをはっておく。
②生き物はなぜ生まれた?~リンネほか:試し読み

2021年4月9日(金)

新型コロナ研究の話が読売新聞で紹介される
この日の読売新聞の朝刊に、新型コロナ感染症の治療法開発が紹介された。午前中にリバーセルの会議があり、記念写真。
記事全体。iPS細胞を利用した新型コロナ研究の紹介記事という主旨で、我々の研究だけでなく、CiRAの斉藤潤先生らが進めている患者由来iPS細胞を用いた研究や、同じくCiRAの高山和雄先生が進めているiPS細胞そのものを使ったウイルス感染研究の話なども紹介されている。
我々の研究の、図解説明。わかりやすく描かれている。
我々の研究内容が紹介されている部分の記事。リバーセルは、「河本宏教授が創業した新興企業」という表現になっている。藤田医科大学と京都大学との3者の共同研究である旨も記されている。

2021年4月8日(木)

京大医学部3回生B8免疫学講義
免疫学の講義の主任は上野英樹先生であるが、4コマを担当させていただいている。免疫担当細胞の分化(1)(2)と、免疫応答の仕組み(1)(2)。今年は対面式講義が復活。とは言ってもハイブリッド形式で、Zoom配信も行う。対面の方の参加者は20人くらいだった。それでも、「講義をしている感」があって、やはりこの方が良い。この日の午前中は前半の2コマ(免疫応答の仕組み)の話をして、最後にNegative Selectionのオリジナル曲「リンパ節一人旅」の映像を観てもらった。次回(4月13日)は負の選択の話にからめて「Happy Deepee」を観てもらう予定。

2021年4月1日(木)

研究室に新人が加入
今年度は、大学院生3人が加入。その他、医学部の学生が1人、4月から7月まで実習生として参加。写真はその学生さんで、広島大学新4年生の岸茉里奈さん。写真を撮る時だけマスクを外してもらった。広島大学免疫学講座の保田朋波流先生の紹介。保田先生は菅野先生の後任として、2019年8月に着任された。保田先生は私が横浜理研免疫センターにいた頃、黒崎研に在籍しておられた。
京大病院泌尿器科からの研究委託の形で、久保田聖史(まさし)君が博士課程1回生として参入。久保田君は嘉島君と同期で、嘉島君が秋田大学で剣道部の主将だった時に久保田君も弘前大学剣道部で主将だったそうで、一対一で剣を交えたことはないがチームでは対戦したこともあって、お互いによく知っているらしい。奇遇だ。写真は左から私、久保田君、赤松秀輔先生(泌尿器科講師)、後藤崇之先生(泌尿器科助教)、増田さん。
博士課程1回生の板原多勇君(写真中央)。京都薬科大学の芦原英司先生の研究室で卒研としてgdT細胞の研究をしていた。主に再生T細胞製剤の開発研究に取り組み、主に永野君が指導にあたる。
修士課程1回生の貝谷亮太君。近畿大学生物理工学部遺伝子工学科での卒研では受精卵におけるCyclinT2による遺伝子発現調節分子メカニズムを研究していたとのこと。造血細胞の系列決定過程に興味があるとのことで、主に長畑君が指導にあたる。

2021年3月31日(水)

リバーセルのオフィスの移動
リバーセルのオフィスはクリエーションコア御車の3階にある。4月1日から斜め向かいの、1.5倍くらい広い部屋に移ることになり、引っ越しの手伝いに来た。3階のテラスからの景色。
複合機以外はスタッフが運搬。引っ越しがおおむね終わって、ミニカップ麺を引っ越しそば代わりに、ちょっと一息。向かって左から本村さん、三宅さん、大久保さん、畑中さん。
畑中さんが買ってきてくれた「笹屋伊織のどら焼き」。普通のどら焼きとは随分異なり、餡がしっとりした皮でぐるぐる巻きになっている。美味しい。月に3日しか売っていないらしく、希少品だ。本村さんは「あなむらのくしだんご」を買ってきてくれた。これも希少品(2020年6月17日の記事参照)。

2021年3月31日(水)

鴨川定点観測
この日の大阪の新規感染者は600人、兵庫は211人と、2 月以後最多で、急増傾向が鮮明になってきた。京都は57人と増加傾向にあるがまだ波はそう大きくはない。大阪と兵庫で突出して多いのは19日から始まったセンバツが要因と一つという説があるが、人の移動と集中があればある程度そうなるのはやむを得ないであろう。大阪と兵庫では4月5日から、蔓延防止重点措置という主に飲食店に時短などの規制をかける法律が施行される。京都も緊張感をもってのぞむ必要があろう。この日の、昼下がりの鴨川の様子。結構多くの人が花見を楽しんでいる。
昨年の同日、やはり平日(火曜日)昼下がりの鴨川の様子。昨年はほとんど誰も花見をしていなかったから、えらい違いだ。昨年は4月7日に首都圏、16日に全国に緊急事態宣言が出されるなど、花見の頃には得体の知れない緊張感が漂っていたが、今年はいわゆるコロナ慣れということであろう。
これは今年の写真。同じ場所から南側を望んだ。実に長閑だ。

2021年3月30日(火)

望月先生による「理論生物学概論」刊行、その表紙のイラストを担当
望月敦史先生の渾身の著書「理論生物学概論」が刊行となる。今回、表紙のイラストを描かせていただいたことで、この日、御礼として美味しそうな日本酒をいただいた。まだ現物は出回ってないが、予約可能な状態だ。
共立出版のサイト(いろいろな通販サイトへのリンクあり):
アマゾンのサイト:
これがその本の表紙。今回のイラストは、私としても自分のスタイルの集大成的な力作と言える。自分にとってもいい記念になると思ったので、制作過程を詳しく紹介することにした。
望月先生は理論生物学において独自のアプローチを確立し、生命現象を数理モデルで解き明かしてこられた。理化学研究所で望月理論生物学研究室を主宰されていたが、2018年4月にウイルス再生研に移られた(2018年7月3日の記事参照)。扱う対象は広範で、遺伝子制御ネットワークから、細胞、組織構築のレベルまでカバーされている。だからこそ、単著でこういう本が書けるのであろう。
 さて、わかったかのように書いてはいるが、私が理論生物学というものをよく理解できている訳ではない。数学は受験勉強以来ほぼ関わってないので、すでに数式のほとんどは模様にしか見えない。そういう状態の人が表紙のイラストなんかを描けるのかと思えるので、大きな挑戦であった。
 勿論、一般的に言えば、今回の私のイラストよりいいイラストも、いくらでもありうるだろう。ただ、今回の作品は、望月先生にとても気に入っていただけたので、要件は満たしたと言えそうだ。
 2020年12月下旬に望月先生からメールで依頼があった。「様々な生命現象に対する数理研究、および様々な数理的手法を取り上げ、豊かさや多様性が感じられることを目標にして書きました。河本先生が得意とされるような、にぎやかで楽しい感じのイラストを描いていただけないだろうか、と思っています。」という内容だった。
 依頼時に、当時ほぼ完成していた原稿も読ませて頂いた。前記のように、正確な理解は全くできない。ただ、章立ての構造などから、「反応の速さ」「ネットワーク」「形態形成」という3つの軸があること、分子(遺伝子)、細胞、組織という階層性があることはおぼろげながらわかってきたような気がした。また、こんなに幅広く生命現象を取り上げ、それを単著でまとめるというのは、ただごとではないと思った。
 ぼやっとであるが、分子、細胞、組織といった階層性を3階建ての建物で表そうというアイデアが湧いたので、何とかなるかと思った。
 それで、引き受けることにした。共立出版の編集担当者は、山内千尋という人。
1月の前半はばたばたしていて作業ができなかったが、山内さんからは「できれば1月中には草案を」と言われていた。それで、1月24日日曜日に、イメージを具体化する作業を行った。全制作過程の中でこの作業が一番大事で、これが形になっていれば、その後の仕上げの作業は時間さえ作れば、何とかなる。
 最初のイメージは、階層性と京都を結びつけて、左のようなお寺風の「三重の塔」であった。この時点で、3つの階層を吹き抜けた柱状の構造のコンピューター、というイメージはできていた。
しかし、理論「生物学」であるから、生物の要素が欲しいと思った。この時、「ハウルの動く城」のイメージが浮かんだ。それを組み合わせてみたのがこの案。生物種でいえば、カエルのイメージ。後に聞いたことであるが、望月先生は「ハウルの動く城」がお好きだそうだ。
どうせ生物にするなら、四角でなくてもいいだろう。では、こんな感じか、と基本構造を描いてみた。
吹き抜け構造を真ん中に持ってきたかったので、正面を前方にすることにした。「数理生物学者が生物を突き動かす原理を制御している」というイメージで、真ん中に望月先生が登場するという、最終形に近いイメージがこの時点でできた。「できた!」と一時思ったが、じっと見ているうちに、何か物足りなく思えてきた。「そうだ、3つの階層性だけでなく、3つの柱があった方が良さそうだ」と思った。
それで次の案として、元の柱を「形態形成」として、「反応速度」と「ネットワーク」の柱を加えようと考えた。お互いの柱は繋がっている方が良さそうだ。相当ややこしくなりそうと思いながら描いたのがこの図。これはできた時にようやく「うん、これは行けそう」と思った。
望月先生と編集の人に提示するために、色鉛筆でざっと色をつけてみた。
意図を伝えるために、絵の意味を加筆したバージョン。3つの塔は左から「ネットワーク」「組織化」「速さ」。全体が有機的に繋がり、一つの生物として歩いているというイメージ。「ネットワーク」の塔は、チューブによる連結を描いているうちに、Moog(モーグ)という初期のシンセサイザーを思い出し、1階にそういうイメージを入れようと考えた。「速さ」の塔は、動きの象徴として動力源を置き、動力源としては「スチームパンク」のイメージで行こうと思って蒸気機関を取り入れることにした。
 絵やイラストというのはあれこれ描き込んだ方が良いというものではない。一般には密な部分と疎な部分のバランスが大事だ。そういう意味では、この絵はごちゃごちゃ書き込みすぎとも言える。
 しかし、幸いなことに、望月先生にも、山内さんにも、気に入っていただけた。望月先生は、こういう賑やかで楽しそうなのが好きということと、こういう「ちょっと気持ち悪いデザインも好き」と言っていただけて、ほっとした。
構造がわかるように解説した図。
さて、 望月先生と編集からゴーサインがでた。ここから先は、一定の時間をかければ、それなりの作品にはなるであろう。しかし、仕上げ段階は、それはそれで考えなければいけないことは多い。
 まずは全体の構造の歪みが出ないように、パワーポイントで構造図を作った。この上に紙を重ねて、まずは基本構造トレース。一番上の屋根は、ドラフトではしたから見上げる構造になっていなかったが、最終稿では視点は3階のフロアと天井の間にあると想定して、3階の天井も見えるようにした。
次に、どういうイメージを入れていくかを考えた。立体的にごちゃごちゃした機械を適当に積み重ねて描くこと自体は、実はそれほど難しくない。ただ、それだけでは面白くないし、今回は3つの塔の意匠の中で遊べそうだったので、ところどころに色々なオマージュやキャラを仕込んでおこうと考えた。
 3つの柱のコンピューターで最初に思い浮かべたのはサイボーグ009のブラックゴーストの正体。コンピューターではなく脳であるが。ブラックゴースト団の最高幹部で表向きの首領、スカール。3つのコンピューターと言えば、エヴァンゲリオンのマギシステム。
我々の世代で「機械」といえばウルトラセブンの敵役の中で圧倒的に強かったキングジョー。そして、キカイダー。キカイダーは特に好きだった。ジャイアントロボは命令に従うだけのロボットだったが、最後は自分の意志で動いたりして感動を呼んだ。
ネットワークのイメージとして、前出のモーグというシンセサイザーを操る故キース・エマーソン。モーグはカラフルなシールドでモジュール間をつなぐ様が印象的。キース・エマーソンはライブではハモンドオルガンにナイフを突き刺すことも。
キース・エマーソンのライブ映像:
故フランク・ザッパ。ザッパは、複雑かつ難解な曲を作る。
ブラックページNo2:
Moggio:
右側の塔は、スチームパンク風にしようと考えた。パイプ、釜、歯車、蒸気機関のイメージ。また、中央の塔の3階には、近藤滋先生(魚の体表の模様を数理モデルで解き明かした人)と、模様が鮮やかな熱帯魚(ディスカス)。ヘッケルの系統樹。
 近藤先生が集会長を務められた2013年の分子生物学会では、最終日の「2050年の分子生物学会」というイベントにNegative Selectionを登場させて頂いた(2013年12月3日の記事参照)。
2月も忙しくて中々作業ができなかったが、締め切りが近づいた下旬の週末と祝日に一気に作業を進めた。まずは上記のイメージを取り入れつつ鉛筆(シャーペン)で下書き。
いつもは鉛筆での下書きの上にペン入れして消しゴムで消すという作業をして原画を作るが、今回は構成が複雑だったので、鉛筆での下書きをスキャンして取り込んでフォトショップでレイヤー化して茶色にし、異なるレイヤーに、原図を黒線で描いていった。私はペンタブを持っていたなかったで、この作業はマウスで行った。
線描作業のアップ。
線描作業完了。彩色は塗りつぶしツールを使うので、ちゃんと囲ってないと色が流れ出てしまう。普通にペンで描いてスキャナーで取り込むと、閉じてない箇所が多くて修正が大変だが、今回はPC上で丁寧に線描をしたのでその点は楽だった。
まず人物だけ彩色。
全体の着色完了。これを2月26日に納品。2月中という期限にも何とか間に合った。
背景に着色してみた図。背景について私自身もあれこれ試しはするが、本全体の色なので基本的には望月先生と編集サイドにお任せ。表紙のデザイン作成過程で色々な案が出され、最終的には望月先生が決められた。最終案は、これに近い。薄い青というのは、中央の塔の紫色とも相性がよく、いい背景色だと思う。
中央の塔の部分のアップ。望月先生の右側の物体は遺伝子制御ネットワークの3Dホログラフというイメージで、赤い球が全体を制御しているキーファクター。左上の近藤先生は、苦労した割には全然似ていないのが残念。
下段ではキース・エマーソンとフランク・ザッパが演奏中。左上には、自分自身が登場。細胞に餌をやっている。
右側の塔の蒸気機関は、結構苦労したが、それらしくはなったかと。右下のキャラはちょっと〇〇爺に似ているようにも見える。
 総じて、かなり大変な作業であったが、結果的には自分でもお気に入りの作品ができて、よかったと思う。

2021年3月30日(火)

紅萠(くれなゐもゆる)に登場
紅萠は、京都大学の広報誌。2002年に創刊され、今回が39号。年に2回発刊されるようだ。とても丁寧に作り込んであり、読み応えがある。Web冊子もある。
pdfファイル:
Web冊子:
冒頭の記事には湊長博総長が登場。京大の特徴は独創性、という論点には賛成だ。
私は「研究室でねほりはほり」というコーナーに登場。真面目に研究に取り組み始めたのが大学院を修了後桂研に移ってからの32歳時だったので「遅咲き」と表現されている。当時の状況はそういう表現でも正しいと思うが、昨今の医学部出身の大学院生は、医師としての研修期間が長くなっているので、30台で研究を始めるのはそう珍しいことではなくなっている。
研究室でねほりはほり:
教授室の風景をパノラマでイラスト化し、ピックアップするという構成。教授室は、自身が居心地がいいように好きなもので囲まれているが、それをとても上手くピックアップしていただけた。イラスト集へのリンクをQRコードで示してある。Web版ではリンパ節一人旅のYoutube動画や胸腺模型のページへのリンクもある。
イラスト集へのリンク:
リンパ節一人旅のYoutube動画:
胸腺模型のページ:
本文の方は研究の話をきちんと紹介していただいた。趣味の品々に囲まれてはいるが、この部屋では基本的には仕事をしている。週末も大体はこの部屋にきており、大学の滞在時間は研究室の中では誰より長い。まあ、好きでやっていることなので、自慢できることではないが。記事の本文中にあるが、家に帰って寝る前に1時間弱、お酒を飲みながらネット検索やYoutubeで音楽や映像を楽しんでおり、日々の生きる糧になっている。
          

2021年3月30日(火)

黄砂
黄砂は「中国西部の砂漠の砂が日本の青空を奪うくらい飛んでくる」という、地球規模のスケール感がある気象現象だ。
太陽を撮ると、暈(かさ)がかかっているので、こんな写真になる。幻想的だ。
東山が霞んでいる。昔の人は正体も知らぬままにこの現象を「春霞」と呼んで風雅に楽しんでいたようだ。とはいえ、物が汚れるなどの被害もあるし、黄砂に対してアレルギーを持っている人がいたりするので、風物詩として楽しむのは不謹慎であろう。

2021年3月29日(月)

今年のサクラ事情
教授室から2種類のサクラを観ることができる。一つは、白い桜。
花のアップ。
もう一つは、いわゆるソメイヨシノ。
この写真は、26日金曜日の夕方、本部でちょっと所用があって、その帰りに医学部構内で、芝蘭会館の南側のサクラを撮った。とても立派な樹だ。夕暮れ時のサクラも風情があって良いと思った。
同じサクラの樹の下で撮った、2005年の国際KTCCの時のグループ写真。ふと思い出したので、ここに貼り付けておく。懐かしい。とてもいい写真だ。確か、高浜研の人が芝蘭会館のテラスから撮ってくれたのだと思う。今はそのテラスの部分には出られないので、こういう写真は撮れなくなっている。
高解像度ファイルへのリンク:
26日金曜日の夜、ラボ関係者数名で、教授室から窓の外のサクラをめでつつささやかな花見の会。「昨今の第3のビールは相当美味しくなっている」との話に、「河本先生はエビスビールをお好きならしいが、もし区別がつかないなら、教授格付けチェックで降格、というゲームはいかがでしょう」ということになり、写真の4種類を紙コップに入れてどれがエビスビールか当てるというテストを行なった。「当てて当然」 な感じの設問で、もし外したら「オフィスの冷蔵庫に入れてある(河本が買った)エビスビールを第3のビールにすり替えられても文句を言ってはならない」という罰則が待っていたので、私にとってはリスクしかない勝負であった。実際、相当難しくて、第3のビールがどれもとても美味しいことに驚いた。迷ったあげくに正解して、何とか面目は保てた。特にサッポロのゴールドスターは、よく似ていた。よく見ればラベルに「エビスのホップを増量」と書いてある。迷った私のことを味音痴なのではと思われる方は、是非ブラインドで試してみてください。
27日土曜日の午後、ラボの近くを散策。鴨川は、結構な人出だった。京都は時短要請も解除されたし、このところ京都府全体で新規感染者10-20人程度と頑張っているので、これくらいはいいかとも思う。一方、お隣りの大阪府は、28日は323人で東京の313人より多かったという。京都も同じようになるのは時間の問題か。
疏水沿いのサクラ。いい感じだ。サクラは湿気を好むので、川沿いによく植えてある。
ちょっと心配なこともあった。我々のラボの建物の東隣りの分子生物実験研究棟の南側のシダレザクラの様子がおかしい。
7-8本並んでいるのだが、全てこんな感じだ。近くによって枝をよく見ても、新芽や花芽が見られない。
樹自体が枯死してしまっている訳ではなさそうで、枝によっては花を咲かせている。 この冬は相当寒かったから花芽がやられたのか、あるいは昨年夏や秋から調子が悪かったのか。私の勘違いで、これから花が咲くのであれば良いが。
29日月曜日の朝、出町柳の橋から高野川を望んだ写真。高野川の東側の河原にはとても立派な桜並木が、北山通りあたりまで延々と続く。鴨川に比べて堤防の部分が狭いのが残念だ。

2021年3月28日(日)

鬼滅の刃
遅ればせながら、「鬼滅の刃」を二条シネマで観た。それなりに見応えはあったが、邦画興行成績歴代1位というのはちょっとどうよ、とは思った。とはいえ、煉獄さんはとてもかっこよかった。多くの子供達がこれを観たのであれば、教育上良いとも言えそうだ。写真は入館時にもらえたシール。

2021年3月23日(火)ー24日(水)

藤田医大に出勤
火、水と藤田に出勤。火曜日は、名古屋駅あたりで夕食をとった。名鉄駅の近くの「ナナちゃん人形」が、アスカの装束になっていた。シン・エヴァンゲリオン上映記念ということであろう。この前日(22日月曜日)にNHKプロフェッショナル仕事の流儀で、75分スペシャルとして庵野秀明を取り上げていた。「密着を始めて間もなく私たちは悟った この男に安易に手を出すべきではなかった と」という恨み節のナレーションで始まった。アニメ作品は通常は最初に綿密な絵コンテがあってそれに沿って作っていくのが普通だが、今回はそういうものがなかったらしい。数人で食卓を囲むほのぼのとした会話シーンを、役者を使ったモーションキャプチャを用いつつ、どう撮るかというカメラワークをこだわりぬくシーンがあり、すごいなと思った。制作過程で冒頭やエンディングの大きなパートの全面的作り直しとかがあったりして、スタッフは大変そうであった。とても見応えがある番組だった。
大学病院の玄関の近くに、川崎重工のPCR検査センターが設置されていた。自動PCR検査システムを取り入れて、一日2500検体をこなせるらしい。
ニュース記事
ネット記事から拝借した内部の様子。すごそうだ。
          

2021年3月22日(月)

首都圏で緊急事態宣言解除、京都は飲食店時短要請を解除
本日から首都圏でも緊急事態宣言が解除となった。しかし全国でみても、東京でみても、3月は漸増傾向にある。緊急事態宣言の効果が薄れてきているのは確かで、再延長しても抑えこむ効果は期待できないかもしれないが、解除すると一層緩むであろう。
先に3月1日で解除された関西圏では、大阪や兵庫県ではリバウンドで増加が見られるのに対して、京都は割とよく抑えている。そういう訳で本日から関西圏では京都だけで飲食店の時短要請が解除された。今後京都に第4波が来るかどうか、春休み期間が正念場であろう。
3月20日土曜日の夕方、映画を観た後、鴨川沿いを散策した時の様子。人通りは戻ってきている。このままいい春になればいいが。三条大橋から南を望んだ写真。
同日17時頃、四条大橋。
          

2021年3月20日(土)

シン・エヴァンゲリオン
この日の午後、シン・エヴァンゲリオンを、TOHOシネマズ二条のIMAXシアターで観た。
大変良かった。ネタバレ禁止だろうからあれこれ書かないが、突き放したような「Q」の世界を引き継いだ上で落とし前をつけつつ、色々な疑問に応えてくれた。年甲斐もなく、うるっときたりする場面もあった。映像としても、どのシーンも構図や色使いが素晴らしく、スキがなかった。庵野秀明、さすがだ。

2021年3月18日(木)

小安先生の最終講義
小安重夫先生(理化学研究所理事)は2013年に慶應大学から理研に移られたが、その際に最終講義をされなかったらしく、今年度で65歳になられたので、「では最終講義を」という話になったとのことだ。仕事を辞められる訳ではない。約1時間の講義の中で、タイトルの通り、「感染症における免疫応答」という切り口を軸に取り組んでこられたという事が、ひしひしと伝わってきて、素晴らしかった。
講義の後半で、比較的最近の成果として、自然リンパ球の発見の話があった。細胞としては茂呂和世先生が見つけたが、的確なcharacterizationが迅速になされてNature論文になったのは、やはり小安研に感染免疫という主軸があったからこそだったと思われる。この細胞の研究には私も少し協力させていただいた経緯もあり、その縁で自然リンパ球学会のポスターを描かせていただいたりした(2018年1月23日の記事参照2019年1月18日の記事参照)。
 なお、私達のバンド(Negative Selection)のセカンドアルバムには「蟲の襲来」という自然リンパ球を題材にした曲があり、茂呂先生には一部を歌っていただいている(2019年12月5日の記事参照)。このセカンドアルバムは6曲を収録予定で、曲のマスタリングは終わっているが、コロナ禍のせいでミュージックビデオが作れず、リリースが遅れている(2020年11月27日の記事参照)。
最終講義の中で、課外活動としてアメフト部の顧問の話などをされた。一方、天谷先生による紹介の中では、「お酒」「宴会」「カラオケ」などのキーワードが出された。とはいえ、総じてその方面についてはやや情報不足かと思われた。Negative Selectionにとっては、小安先生は、免疫学会が毎年夏に開催してきた一般向けイベント「免疫ふしぎ未来展」の打ち上げパーティーでのライブで、トリをとられる名ボーカリストである。そういう訳で、小安先生の課外活動を補足させていただく。これまでにラボニュース欄で登場していただいた写真を集めただけなので、問題ないであろう。2013年、沢田研二の曲に始まった。小安先生の唄は、よく通る声質で、情感豊かに熱唱されるので、心に響く。
2016年からはもっぱらスピッツの曲。茂呂先生がコーラスに入ったりする。
2015年に札幌で開催された免疫学会では、小安先生は集会長をされたが、公式な懇親会が無かった。そこで、NSが中心となって非公式な懇親会を開催し、その会でも2曲を歌われた。「女々しくて」での、小安研と茂呂研をあげてのバックダンサー達のパフォーマンスが、素晴らしかった。

2021年3月18日(木)

鴨川のユキヤナギ
午前中に会社で会議があり、昼休みに鴨川沿いを歩いて研究室に戻った。ユキヤナギが満開だった。
府立医大のあたりの鴨川に、ニゴイの群れがいた。何度もラボニュース欄に登場していてちょっとしつこいが、大きな魚が群れているのを見ると嬉しくなって、つい写真を撮ってしまう。
群れのアップ。

2021年3月17日(水)

新型コロナウイルスワクチンに関する免疫学会からのメッセージ
この次の日、小安重夫先生(理化学研究所理事)による最終講義があるが、その小安先生は新型コロナウイルスに対するワクチンについて、免疫学会理事長として小安先生名で、免疫学会のHPから一般向けの記事を発信された。基本的にはワクチンの重要性を説く内容だ。

新型コロナウイルスワクチンについて

免疫学会HP:
小安先生はさらに、免疫の仕組みを平易に解説する記事も書かれた。小安先生の文章はわかりやすくていい。記事に挿入されている図については、私も少し協力させていただいた。

免疫システムの仕組み
          

2021年3月17日(水)

加藤雅也さんの写真展
加藤雅也さんからメールで写真展開催中の通知が来た。2015年9月にNHKのBSプレミアムで放映された前後編物の番組「セルワールド」に、私は加藤さんによるインタビューを受けるという形で出演した(2014年7月28日の記事参照)。この番組は、加藤さんが地球侵略を目論む宇宙人として登場し、地球人を調査するために人間の体の中で働く細胞を学んでいく、という筋書きだった。加藤さんとは、ロケの前後に昔の特撮物のオタク話をしたりした。以来、時々連絡をいただいたりしている。
 今、天理市で写真展をされているとのことであるが、その作品をスライドショーにした映像がYoutubeにアップされている(下記)。色も形も鮮烈で、素晴らしい。

俳優 加藤雅也 展覧会 「天理を撮る~心の奥にある風景~」
https://www.youtube.com/watch?v=y6oILENMlrY
          

2021年3月16日(火)

北村先生の小説
北村俊雄先生が最近小説を書かれ、本年1月に出版された。献本いただいてすぐに読んだが、最近また読み返したので、ラボニュースで紹介しておく。北村先生はNegative Selectionではドラマーであるが、何曲か作詞もされている。文才はあるとは思っていたが、小説を出版されるとはと、ちょっと驚いた。
 ある映像作家が、自ら撮影した17秒間のビデオ映像に何故か強く惹かれ、これは何なのだ、という話。私は大人になってから小説というものをあまり読まなくなってしまったので、ちゃんとした論評はできる気がしないが、読みやすく、場面の描写や、登場人物の心理描写がよく書けていると思った。読後感も爽やかだ。
 税込1100円、アマゾンで購入可能。中々の高評価だ(7/8が5点、いいコメントが多い)。
17秒の向こうに

 なお、Negative Selectionの1st albumでは「Openings」と「夏の終わりに」を作詞されている。以下はYoutubeの映像。「夏の終わりに」は今回のこの小説に少し通じるところがあるように思う。
Openings:
夏の終わりに:
裏表紙。いい装丁だ。

2021年3月11日(木)ー13日(土)

第20回日本再生医療学会
表記の会であるが、当初は神戸でhybrid形式で開催される予定であったが、結局完全Web開催となった。首都圏では緊急事態宣言が続いているという状況では、まあ仕方ないであろう。写真は二日目、今回の集会長の森尾友宏先生(東京医科歯科大)による会長講演で、再生医療学会理事長である澤芳樹先生(大阪大)が森尾先生を紹介されているところ。
 シンポジウムはライブ形式とオンデマンド形式に分かれていた。私は13日の夕刻のライブ形式のシンポジウム「ゲノム編集技術で実現する細胞治療の未来形」で「TCRカセット法」について話をした。座長は安藤美樹先生(順天堂大)と山崎聡先生(筑波大)。いろんな話が聴けていいシンポジウムだった。
  

2021年3月11日(木)

東日本大震災から10年
10年前のこの日、大地震が東日本を襲った。私はその頃横浜鶴見にある理研の免疫センターにいた(2011年3月11日の記事参照)。激しい揺れが長く続き、リーダー室の本棚から本がバラバラとこぼれ落ちたのを思い出す。すぐに停電になり、またネットもつながらなくなった。夕方くらいに、携帯電話で津波の映像を見た時は、えらいことになっていると驚いた。多くの職員が研究所で夜を明かした。横浜研全体で多分500人近くが宿泊したと思われるが、毛布や非常食が十分数備蓄されており、感心したのを思えている。非常用電源の燃料も12時間分くらいは備蓄してあって、燃料が尽きる前に何とか電源が回復した。間に合わなければ動物舎に影響が出て多くの実験を中断せざるをえなくなるところだった。
 引き続いて起こった原発事故は、関東ではより深刻で、外国人リーダーの多くは、本国からの避難命令に従って帰国した。
 あれから10年。節目として振り返ってみた。2012年4月からは京大に異動となった。10年一昔とよく言われるが、この10年は研究環境が大きく変わり、研究課題もより臨床応用に向けた課題を主軸に変わった。
 この3月で、コロナ禍が深刻になって、1年になる。昨年の3月16日に書いた記事(2020年3月16日の記事参照)では、教授室から見えるハクモクレンがちょうど満開として写真を載せており、例年より早いと書いている。昨年もハクモクレンの写真は同じ3月11日に撮っているので、春の訪れは今年も同じくらいの早さと思われる。
1月上旬に出された緊急事態宣言であるが、首都圏以外は3月7日に予定されていた解除を1週間繰り上げ、3月1日に解除された。一方首都圏では、3月7日に予定されていた解除が見送られ、2週間延長された。全国で見た新規感染者数は2月の下旬から3月上旬にかけて下げ止まっており、やむを得ないといえよう。
東京も全国と同じで、新規感染者数は2月の下旬から3月上旬にかけて下げ止まっている。この2、3日は先週の同曜日より多いらしく、緊急事態宣言中にかかわらずすでにリバウンドの気配があるという。
京都は緊急事態宣言中に新規感染者数はとてもよく減り、解除された頃には一日5人以下の日が続いたりした。しかし、解除後、再増加の傾向がかなりはっきりと見られる。残念だ。
この日の午前中、産経新聞の取材があった。主に再生T細胞を新型コロナ感染症の治療に使うという取り組みについての話をした(2020年10月14日の記事参照)。藤田医科大学の研究室も4月からスタッフが参加する予定。しっかりと進めて行きたい。
この日、久しぶりに外食で昼食。熊野神社の近くのインド料理店「チャンダー」でスペシャルランチを食した。タンドリーチキンが付き、2種類のカレーが選べる。1450円。とても美味しい。
昼食に行く道中、丸太町通りに面した画廊(imaru art gallery)で、三瀬夏之介という画家の個展が開催中だった(下記サイト)ので、立ち寄った。和紙を使った日本画が基本だが、金箔なども用いた素材感が溢れる現代絵画的な作品で、とても好きな作品が多かった。写真は案内葉書だが、画廊ではとても大きな作品の展示もあり、迫力があった。3月11日から4月10日まで開催しているとのこと。
https://www.imuraart.com/exhibition/2021/02/odd-night.html
                   

2021年2月2日(火)

節分と緊急事態宣言の延長
節分といえば通常は2月3日だが、今年の節分は2月2日。124年ぶりだそうだ。今年は吉田神社の節分祭は、屋台も出ないし、火炉祭などの行事の多くが中止になった。昨年この時期は、外出の際にマスクをつけ始めたころだ。ラボの有志で節分祭に行ったが、マスク姿が写っている(2020年2月3日の記事参照)。しかし、この時点ではまだ人出も多く、とても楽しそうだ。遠い昔のようにも思える。
緊急事態宣言は、残念ながら延長になった。こうして新規感染者数の推移をみると、効果はあったようだが、劇的というほどではないから、延長もやむなし、というところか。
京都は、残念ながらやや高止まり感がある。
芝蘭会館の横の梅。
花のアップ。八重だ。

2021年1月21日(木)

鴨川を散歩
この日の午前中リバーセルで用務があり、昼休みに鴨川沿いを散策しつつ今出川からラボまで戻った。対岸に見えている3階建ての建物がリバーセルの事務所があるクリエイションコア・京都御車(みくるま)。
今出川を下がってすぐのところに水路のような構造があって、そこに何かの稚魚が沢山いた。
府立医大の対岸あたり。ラボニュースではよくニゴイの話が出てくる(2020年10月4日の記事参照)が、今回もしつこく登場させる。川の真ん中に群れの魚影が見える。
魚影をアップ。10匹くらいの群れだった。冬は川の水がとてもきれいだ。
今回の散策で初めて気が付いたのだが、荒神橋を少し上がったあたりに、「白川」の放流口がある。どうして白川がここに、と不思議に思った。白川の本流は四条大橋を少し上がったあたりで鴨川に注いでいる。
流れはほとんどないが、確かに白川の白い砂が運ばれてきているのがわかる。
最近は、疑問点の多くはネットで簡単に調べられるのがいい。どうやら、白川の氾濫に備えて、銀閣寺道の白川と疏水が交差するあたりから、「今出川分水路」という水路が治水目的で設置されているようだ。2008年に作られたらしい。川や水路の流路を眺めるのは、ブラタモリみたいで楽しい。
鴨が沢山いる。さすが鴨川。
研究室の近くで、立派なニゴイを見かけた。

2021年1月15日(金)

がん免疫総合研究センター 第一回国際シンポジウムを聴講
表記の会がon lineで開催された。がん免疫総合研究センターは英語名がCenter for Cancer Immunotherapy and Immunobiologyで、略称はCCII。京大の腫瘍免疫学の基礎研究とがん免疫療法の開発研究の両方を牽引してくれる存在になってくれることを期待。この日のシンポジウムのキーノートレクチャーは小川誠司先生。食道などを材料に前がん状態の組織がクローン性に拡大していく様が語られた。クローン拡大を駆動していた遺伝子が必ずしも最終的な発癌過程で働き続けるわけではないという話も面白かった。シンポジウム全体では、バイオインフォマティクスの話が多かった。
プログラム:
シンポジウムと直接は関係ないが、昨年9月から医学部の正門を入ってすぐ左側に本庶先生のノーベル賞受賞記念のモニュメントが設置されている。この記事に絡めて写真を載せておく。デザインは安藤忠雄氏とのこと。
左ページの拡大写真。
右ページの拡大写真。クラススイッチやAIDの話がきちんと書かれている。

2020年1月13日(水)

京阪神も緊急事態宣言
昨年12月14日から21日に強い寒波がきて日本海側に豪雪があったが、年末年始にも寒波がきて暴風雪となり、1月8日から11日までもまたもや厳しい寒波で豪雪。日本海側各地で記録的な豪雪だったようだ。一方、京都では雪はほとんど降らなかった。
 そんな寒波の波状襲来の中、新型コロナの感染者は日本の各地で増え続けて、1月8日に首都圏で緊急事態宣言が出され、この日、ついに京阪神にも出された。同時に愛知、岐阜、福岡、栃木にも出された。全国レベルで見て、今年に入ってから新規感染者数7000人以上が続いたりしている。新規感染者数はある程度以上に増えたら制御が効かなくなることは諸外国を見れば明らかなので、緊急事態宣言もやむを得ないであろう。新年の初めのラボニュース記事がこういう暗い話題になってしまい、残念だ。
東京は、このところ日本全体の3分の1くらいの新規感染者を出しているので、困ったものである。緊急事態宣言後の連休に、東京の繁華街の人手は前週より減りはしたものの、昨年4月の緊急事態宣言時よりは2-3倍多いとのことだ。まあ政府の要請も緩いし、敵の得体が知れなかった4月と違い、多くのことがわかってきた今、人々の気が緩むのも致し方がないという事であろう。
大都市のグラフの形は、どこも概ね同じような感じであるが、よく見れば異なる点がある。大阪は11月中旬頃東京並みになりかけたが、その後よく頑張っているかに見えていた。しかし、1月に入って再増加に転じた。
京都はというと、ここのところ100人を超えるのが当たり前になってしまった。12月中旬あたりからから高止まり感があったが、この1週間を見ると、残念ながら増加傾向にあるようだ。昨日と今日は藤田医科大学の出勤予定日であったが、リモートワークにさせて頂いた。