5.どうして自分の身体は攻撃しないの?ー自己寛容になるしくみ
どうして自分だけは攻撃しないようなしくみ、すなわち「自己寛容」がどうやってつくられるのか、みていきましょう。
別頁の「T細胞はどうやってつくられるの」にも、詳しく書いてありますから、そちらも参考にしてください。
別頁の「T細胞はどうやってつくられるの」にも、詳しく書いてありますから、そちらも参考にしてください。
多様性の頁でみたように、抗原レセプターの多様性は、ランダムな、つまりサイコロでもふるようないきあたりばったりの組み合わせで起こる遺伝子再構成でつくられます。すると、どんな抗原に対しても反応できる多様な免疫細胞を作り出すと同時に、自分の体の成分と反応する有害な細胞(自己反応性細胞)もつくってしまいます。
では、どうやってこの中から自己反応性細胞を取り除くのでしょうか。T細胞でも、B細胞でも、有害な細胞を取り除くしくみはあります。ここでは、T細胞がどうやって自己反応性細胞を除くのか、みていきましょう。
T 細胞は胸腺という組織でつくられます。
胸腺内で、T細胞レセプターを出したばかりの若いT細胞は、胸腺上皮細胞や樹状細胞に出会います。これらの細胞はMHC分子とともに自己抗原を出しています。
自分に反応してしまうようなT細胞の場合、レセプターが自己抗原-MHC分子のセットとピタッとくっついて、強い刺激が入ります。若いT細胞は強い刺激が入ると死ぬような性質をもっているので、そういう細胞は死んでしまうのです。こうして自己反応性T細胞は除かれます。これを負の選択といいます。
T 細胞は胸腺という組織でつくられます。
胸腺内で、T細胞レセプターを出したばかりの若いT細胞は、胸腺上皮細胞や樹状細胞に出会います。これらの細胞はMHC分子とともに自己抗原を出しています。
自分に反応してしまうようなT細胞の場合、レセプターが自己抗原-MHC分子のセットとピタッとくっついて、強い刺激が入ります。若いT細胞は強い刺激が入ると死ぬような性質をもっているので、そういう細胞は死んでしまうのです。こうして自己反応性T細胞は除かれます。これを負の選択といいます。