各地探訪よもやま話

Thymus参加 2008年編

  ThymUSは、胸腺/T細胞研究を主題とした研究会である。 100名強くらいの規模。アメリカで開催されるのでUSが大文字になっている。
 似たような研究会として、オランダのRolduc会議、オーストラリアのThymOZ, そして日本のKTCCがある。十数年前からそれぞれの研究会が2、3年毎に開催されてきたのだが、徳島大学の高浜先生の呼びかけで、2004年のKTCCから、毎年1つづつ順番に開催されることになった。関係者はこれをGlobal Thymus Conference Networkと呼んでいる。

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ThymUSは4つの会の中では一番歴史が浅く、2002年に始まり、今回で3回目。開催地は、プエルトリコのサンファンという街。
 プエルトリコ(Puerto-Rico)は、キューバ、ジャマイカ、ドミニカの西に位置する青森県くらいの大きさの島で、アメリカから半分独立した自治領。400万人。公用語はスペイン語。北は大西洋、南はカリブ海に面する。北半分には熱帯雨林が広がる。

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会場は毎回サンファンの空港からそう遠くないリゾートホテル、エル・サンファン・ホテル。この地区には数十のホテルがひしめくが、その中では一番豪華そうである。

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中庭のプールサイドは、ビーチに直結していて、大西洋に臨んでいる。仕事でなく、バカンスで来てみたいものだ。

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11月8日(土曜日)
 NYで乗り継いでから約4時間、夕刻にサンファン着。この夜はWilfredと同じ安宿に泊まる。この地区でもっとも安い宿だった。 Wilfredと高浜先生と3人で近所のメキシコ料理屋で夕食をとる。毒々しい色の物体はトルティーヤチップスであるが、味はまともで、ソースはおいしかった。

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11月9日(日曜日)
 ThymUSが始まる夕方まで時間があったので、エルサンファンホテルにチェックイン後、旧市街地へ出かける。写真はWilfredと私で、エルサンファンホテルの前。

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旧市街に隣接しているエル・モロ要塞にて。
16世紀建造。重厚で、歴史を感じさせる。一見の価値有り。右は高浜先生。

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旧市街に隣接するもうひとつの要塞、サン・クリストバール要塞から旧市街地と大西洋を望む。このあたり一帯が世界遺産らしい。

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お昼には地元料理の代表格モフォンゴを食す。食用バナナ(プランテン)をつぶしてマッシュ上にしたものの中にチキンやポークが詰め込まれている。マッシュトポテトにちょっと似た味。まずくはないが…。

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アソパオと呼ばれる、雑炊風の食べ物。スパイシーではあったがそう辛くはなかった。
いくつか試したが、ビールは水で割ったみたいに味の薄いのばかりだった。

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デザート。甘過ぎ。盛りつけのセンスもちょっとどうかと。これでも地元では定評のある店らしい。3人とも半分以上残す。

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 夕刻、ThymUS学術集会、始まる。Keynote LectureはBruno Kyewski。
うちのチームからは他に角川くんと佐藤さんが参加。2人はこの日の夜到着したが、荷物がNYでうまくtransferされなかったらしく、困っていた。

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11月10日(月曜日)
 一日中口演が続く。演題は中身をよくみないでテキトーに割り振られているように思われた。5時半から6時半までポスターセッションがあり、その後ホテル近くの地元料理屋で夕食。写真は前出とは形態は違うがモフォンゴ。
 このあと、夜8時から10時までノッチシグナルのセッションがあった。夕食後のセッションは、日本ではまず行なわれない。

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11月11日(火曜日)
 この日も一日中口演。夜7時-8時にポスターセッションがあった。佐藤さんのポスターは、おおむね好評だったと思う。その後ホテル近くのキューバ料理屋で夕食。プエルトリコ料理と大同小異の印象。左から高浜先生、糸井先生、Georg Hollander。

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11月12日(水曜日)
 お昼休みに泳ぐ時間がつくれなかったので、朝早く起きて泳ぐ。プールで泳いだ後、ビーチに。大西洋で初めて泳いだ。シルエットは雨貝先生、糸井先生、Wilfred。

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冷えた体をジャグジーで温める。極楽、極楽。

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この日はセッションは午前中だけで、午後はフリータイム。多くのThymUS参加者が、熱帯雨林ハイキングツアーに。サンファンからバスで1時間くらいのところに、エル・ユンケ自然保護区がある。歩いたのは、標高500mくらいのところ。

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うっそうとしたジャングルを、川に沿って下っていく。木のような巨大なシダやヤシが混在して繁茂する様は、さすがは熱帯雨林。

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しかし、動物類は期待していた程はみられなかった。ハチ鳥、珍しいオウム、多様なカエルなどが棲む貴重な森とのことだが、1時間やそこら歩いただけで出会えるというものではないのだろう。それでもトカゲは結構みられた。

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行程の途中にあった滝。ツアー参加者の中には、30分の休憩の間に、滝壺で泳ぐ強者もいた。徳島大学のM先生とN先生である。私は不覚にも遅れをとってしまった。写真は浜崎先生とE. Rothenberg。

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夜は旧市街地に日本人参加者だけで繰り出して、またも地元料理。ちょっと高い目の店だったので、盛りつけも上品で、味もまずまず。

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近くのバーでR. Boyd, A. Farr, B. Kyewskiらと合流。熱帯の夜は賑やかに更けていった。
 ThymUSは13日にもまる一日あったが、私は15日の協和-きりん主催の血液研究会に出るために、13日の早朝にサンファンを発った。

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 今回の出張で一番印象に残ったのはカエルの鳴き声である。夜になると、ホテルの中庭に草むらとかからホーヒッ、ホーヒッと小鳥のようなきれいな鳴き声が聞かれた。異なる鳴き方をするものも明らかに数種類混在していた。別な惑星に来たのかと思えるくらい不思議な音色だった。ナウシカが冒頭で腐界に踏みいれた時にバックで流れている虫の声に似た感じ。ただし、声はすれども姿はみえずで、結局本体は一度も目にしなかった。