各地探訪よもやま話

ThymOZ 2000ー2003ー2006参加記

ThymOzはオーストラリアのMonash大学のRichad BoydとAnn Chidegy(写真)が主催する、胸腺とT細胞をテーマにした、100人強くらいの規模の学術集会である。

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図は18日の天気図。この数日前から、サイクロンが発生していて、結局、直前1995年に始まったが、2006年に行われた第5回集会から後は、Global Thymus Conference Networkの4つの集会のひとつとして、4年に一度開催されることになった。

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ThymOzは、いつもヘロン島で開催される。ヘロン島はオーストラリア北東部沿岸に位置する珊瑚礁の島である。グレートバリアリーフといわれる珊瑚礁帯の南端にあたる。 日本から行く場合、BrisbaneもしくはShidenyで飛行機を乗り換え、Gladstoneという海辺の町へいく。

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Gladstoneから島にいくには、 カタマラン(双胴船)かヘリコプターを使う。60kmくらい。 カタマランは1時間半くらい、ヘリコプターなら20分くらい。ヘリコプターの場合、往復で1万数千円ほど余分にかかる。 地図で海の上に斑点状にみえているのは、珊瑚礁の環礁であって、島そのものではない。

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ヘロン島は長径700mくらいの小さな島。ヘロンリゾートという施設の従業員と客がいるだけで、定住の住人はいない。

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ThymOz 2000。 この頃、私は桂研にいた。桂研からは、伊川君と2人で参加。日本からは、坂口志文先生、高浜先生らが来ていた。 Gladstoneという小さな港町から 1時間半くらいかけてカタマラン(双胴船)でHeron島に渡った。天気があまりよくなくて、船が揺れまくった。私は酔い止めを2錠飲んで甲板で水平線を眺めて万全の体制でいたにも関わらずはげしく酔い、海へ向かって吐きまくり、風と雨で体が冷えて、意識レベルが低下して、死ぬかと思ったくらいしんどかった。

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桂先生は、この前回(ThymOz1998)には来たが、「鳥が多くて、うるさくかった。あんな島にはもう行きたくない」と言って、来なかった。なるほど、写真のように、島中、鳥だらけだ。コテージのまわりにも沢山いて、夜もやかましい。しかし、自然を身近に感じる事ができるともいえる。写真は伊川君。 なお、Heronとは、さぎの仲間の海鳥のことらしい。

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海に面したテラス。奥の建物が、集会場。このときは、私を含めまだ発表に「スライド」を使うひとが大半だったが、すでにpower pointを使うひともいたように思う。 ThymOzでは、お昼休みが長めに設定してある。伊川くんと私は、シュノーケリングツアーに2回参加した。本格的な珊瑚礁に潜るのは初めてだったので、感動ものだった。

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当時のヘロン島は、部屋(コテージ)は、いまいちだった。ベッドがあるだけで、シャワーやトイレは共同施設を使う必要があった。 なお、この後建て替えられたようで、ThymOz2003以後は、大幅に改善されている。

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島に来る時に死ぬような思いをしたので、帰りは迷う事無くヘリコプターに。このとき、珊瑚礁の島を上空からみた美しさに、これまた大感激した。

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ThymOz 2003。 島への交通手段は、勿論、ヘリコプターを選択した。高浜先生(写真)と同乗。

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ヘロン島のあたりは、4つくらいの環礁がある。上から見ると、とてもきれいだ。ちょっと余分にお金がかかるが、船より、ヘリコプターの方が断然いい。

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ヘロン島がみえてきた。

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到着後、まずは一息。島のなかほどにあるレストランにて。  うちのラボからは、私と清水さん(左)と増田さんと、3人で参加。

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タートルキャビンと呼ばれるコテージ。ひとりで泊まってもいいが、ルームシェアをすると、その分安くなる。2000年のときと比べると、建て替えられて、随分きれいになっていた。テラスがあり、シャワー、トイレも付いている。

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学術集会は朝早くからあるが、お昼には3時間くらい休み時間がとってある。初日は、 Willemがプールで初心者にシュノーケリングの講習会をした。この後、浅瀬に泳ぎに行った。

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夜、Willemらと、ウミガメの子をみにいく。本当に、いた!  なお、このようにフラッシュをたいて写真を撮ってはいけないそうだ。すみませんでした。

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コーヒーブレイクは、集会場の横の、海に面したテラスで。いい環境だなあ。

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海を背景に。 この後、3人とも、シュノーケリングツアーに参加したが、潜る場所まで行く途中、ボートに15分ほど乗っている間に、増田さんは酔ってしまい、悲惨なことに….。

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Willemは奥さん(Tilly)を連れて来ていた。 増田さんは、上記のシュノーケリングツアーで、ライフジャケットの浮力にまかせて波間をへろへろになってたゆたっていたところを、Tillyに大変お世話になったらしい。増田さんにとっては、小サイズのライフジャケットでも大きすぎて、ジャケットの中で沈みかけていたらしい。

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ThymOz 2006。 ラボからは増田さんと2人で参加。今回も勿論、交通手段はヘリコプター。斉藤先生、浜崎先生(京大湊研)と同乗。

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ヘロン島にいく途中、いくつかの環礁があるが、島のあるものも、無いものもある。この環礁には島があるが、無人島のようだ。

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これはヘロン島。西側からみている。

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島の南側は、岩肌がみえている。

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部屋。居心地よさそうだ。

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部屋には、歓迎の言葉の書かれたカードと、シャンパン、ThymOz2006と描かれたワイングラス、果物などが置かれている。 なお、この写真は、増田さんが撮ったもの。糸井先生と増田さんの相部屋だから、グラスがふたつある。

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有志で島をぐるっと一周、散歩した。左端の若々しい恰好をしているのは、斉藤隆先生。増田さん、糸井先生、雨貝先生、浜崎先生。

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岩肌のくぼみに貼り付いていた謎の生。15cmくらいある。強くへばりついているので、はがせない。中心に列を成しているのは明らかに固い殻で、まわりのざらざらした部分は、おさえるとちょっとへこむ程度には軟らかい。この時点で名前がわかったひとは、かなりの物知りといえよう。この生き物の正体は、この記事の最後に書く。

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夕食に供されたウチワエビ。おいしかった。

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海沿いのテラスで、遅くまでワイン会。斉藤先生とWillemの間にいるのは、Wilson Savinoというブラジルの免疫学者で、2007年の夏にリオで開催される国際免疫学会の宣伝も兼ねて来ていた。

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増田さん、浜崎さんとNick Trede。Zebra Fishを使って免疫細胞の発生とかを研究しているひと。顔がやけに大きい…?。

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上機嫌の高浜先生とGraham Anderson。

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昼休みにスキューバやシュノーケリングに参加するには、学術集会の部屋に貼ってある紙に名前を書き込んで、その時間に船着き場に行く。

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海関係のものは、現地で、たいていのものはレンタルできる。 この写真は増田さんが撮った。増田さんは、2003年にシュノーケリングツアーに参加して酷いめにあったので、「私は2度と行かん!」と、今回は見送りだけ。

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20人くらい乗れるボートで、ダイビングスポットへ。そこで1時間くらい、ある程度のグループを保ちつつ、潮の流れのままに、場所をかえながら、潜る。

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潜水中のWillem。この写真では魚はみえないが、実際はカラフルなのがいっぱいいる。

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この日の夜は、夕食後、クイズ大会。グループに分かれて、なぞなぞみたいな問題を解いたり、ドラマの映像をみて、題名を答えたり。日本人には難しすぎる…。

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増田さんがNature Immunologyがスポンサーのポスター賞をゲット。PIR陽性細胞が胎仔胸腺に移住するという、この会の直前にEMBO Jにpublishした話。1年間、Nature Immunologyを購読できた。増田さんはこのすぐ後留学した。
なお、10枚前の写真の謎の生物は、「ヒザラガイ」という、貝の一種。日本でもこの仲間は岩場によくいるが、せいぜい5cmくらいなので、Heron島でみたものは別な生き物みたいにみえた。なお、食べようと思えば食べられるらしい。