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各地探訪よもやま話

ハーバード探訪記2010

ハーバード大学医学部(Havard Medical School)では免疫関係のphD生や研究者向けに外部講師を招いての水曜セミナーというのを10月から5月までほぼ毎週やっている。 このセミナーの講師として招かれた。まあ光栄なことと言ってよいであろう。 ちなみに他の週の講師はというとT. Mak、M. Jenkins、A. Fischer、M. Nussenzweig、L. Lanier、F. Alt、R. Medzhitov、P. Marrackなどで、さすがハーバード大、という感じである。

新年画像新生河本研メンバー

2月23日(火) 24日は朝からdiscussionが入っているので、ボストンには前日入りした。ボストンは初めてだ。空港からホテルに地下鉄で向かう途中、Government Center駅で下車し、歴史的といわれる物件を少しみてまわった。 左の写真はサミュエル・アダムスの像とファニュエルホール。サミュエルアダムスというとボストンの地ビールを思い出すが、このひとはビール会社の開祖とかではなく、アメリカの独立の折に活躍した偉い人らしい。

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写真の下の方の、石畳が丸くしかれている部分は、ボストン虐殺地跡。独立しようとしてたことろいざこざがあって、ここで市民5人がイギリス兵に殺されたらしい。

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BrooklineのCourtyard by Marriottoというホテルに泊まる。 地下鉄の駅のすぐ横で、HMSからは歩いて15分くらい。中堅どころのホテルという感じで、「地球の歩き方」にも出ていた。部屋は広くて、快適だった。 近所の酒屋でサミュエルアダムスを6本買った。 10ドル。 6本セットでしか売ってなかった。3泊するので一晩2本ずつ飲むことにした。味がしっかりしてておいしかった。

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2月24日(水) 当日朝、 大学へは歩いていった。幸いそう寒くはなかったが、雨に降られてしまった。 写真は医学部のメインキャンパス。

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9時から午後4時までは、医学部の建物の中庭に無理矢理建てたようなセミナーハウス(Jeffery Modell Center)の一室で、 Mark Exley、Thomas Serwold、Taras Kreslavsky(von Boehmer研)、Derrick Rossi、Katia Georgopoulosの5人と、1時間ずつくらいdiscussion。 SerwoldはこてこてのWiessman生なので、ちょっとぴりぴりした会話になった部分もあったが、おおむねよく話のわかる男であった。

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昼は、学生5、6人と一緒に食事をした。左の写真は、その中の一人、原田さおりさん。宮崎徹先生のラボに通っている東大医学部の3回生(学部1年生)で、宮崎先生の紹介で短期留学でD. Mathisのところに来ているのだという。 若いのに、えらい!。

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午後5時からセミナー開始。場所は、 Armenise Amphitheaterという講義室。いつものネタ(造血モデルの改訂云々)と、最後の10分くらいはT系列への完全決定過程についてのunpublished data(IL-7/DLL4, Bcl11bのネタ)を話した。即ち、ミエロイド-Tという分化能をもつ状態の話に始まり、 ミエロイド分化能が消失する点についての話で終わったので、つながりはよかった思う。討議こみで1時間くらい。

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聴衆は、phDらしき若者が多いが、ポスドクや、若いPIもいるようだった。V. KuchirooやC. Benoistとかも聴きに来てくれていた。 毎回100人くらいは集まるとのことだったので、自分の時だけ集まりが悪かったらいやだなあと思っていたが、普段くらいは集まったようだ。

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講義が終わってから、Jeffery Modell Center1階で軽くチーズ&ワイン。その後、ホスト役をしてくれたDerrick Rossiと学生2人とで、街に出て夕食。開放感もあって、やまほど飲み食いした。 Derrick(私の隣)は、中々できる幹細胞研究者だが、大変陽気な、楽しい男だった。

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2月25日(木)  午前中はKatia のラボへ。吉田年美先生が迎えにきてくれた。Katiaのラボは、市の中心部にあるマサチューセッツ総合病院(MGH)の皮膚科に属するが、研究棟は市の北側、川の対岸のネービーヤードといわれるエリアにある。写真の左は駐車場棟、右が研究棟。

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Katiaは、好中球はミエロ-リンフォイド前駆細胞からつくられると確信しているようだ。つまり、ミエロ-エリスロイド前駆細胞という細胞は、ほとんど存在しないか、あったとしてもミエロイド系の細胞の生成にとって重要なステージではないと考えている。彼女なりに、われわれとは違う争点で、古典的モデルとガチンコでいくつもりのようだ。

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Katiaラボのポスドクの人達と。出身地がインド、アフリカ、スペインなど、とても国際色豊かだった。

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ラボから歩いてすぐの波止場に景色のよいシーフードレストランがあった。とてもいい感じ。右端は皮膚細胞の研究をしているという柏木先生。奥が吉田年美先生。 この後、メラノサイトの幹細胞の研究などをされている大沢先生(もと中内研、西川研)に会った。

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冷たい雨の中、吉田先生に車で市内案内をしてもらった。MGHの本体の病院。周囲に沢山の病院があるとのこと。

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MGHの中で一番古い建物とのこと。この建物の中の、エーテルドームという部屋で、世界発の公開麻酔手術が行われたらしい。

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エーテルドームの中。昔風の講義室という感じ。そういえば、京大の旧解剖学講堂もこんな雰囲気だったなあ。

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街を走ると、歴史を感じさせるような建物が多い。英国風ということなのであろう。写真は高めのマンション街とのこと。

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マサチューセッツ工科大学(MIT)。ボストンは人口60万人程度なのに、ハーバード大学とMITがあるんだから、すごい街といえるであろう。 なお、 MITも、ハーバード大学のメインキャンパスも、ボストン市からみると川向いになるケンブリッジ市にあるので、厳密にはボストンではないが、この界隈をひっくるめてボストンということでよいらしい。

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このあと、医学部の生協でみやげものを買ったりした。生協では、九大出身の心臓外科医で低酸素応答の研究などをしている南島先生と会った。近々日本に帰ると言っていた。 その後、ボストン美術館へも行った。夜9時までやっているのは感心。写真はムンクの絵。ちょっと怖いけど、実にいい絵だ。

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午後7時頃、Andrewがホテルに車できてくれた。大きな4輪駆動のRV車(シボレー)だ。お兄さんと共有しているらしい。彼の大学はメイン州なのに、わざわざ2時間くらいかけて出て来てくれたようだ。ありがたいことだ。 ケンブリッジの方へ出向いて、レストランで夕食。リラックスモードだったからか、食事も、ビールも、とてもおいしかった。 食事を終えた10時頃、何かの科目の試問を終えたDeniseが合流。Andrewにしても、Deniseにしても、ほんの半年間会わなかっただけなのに、妙に懐かしい。Deniseは、「2月に会うまでには横浜でgainした分を元に戻すと約束したが、約束は守れていない」と言っていた。ちょっと元に戻ったようにみえたが。

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2月26日(金) 朝早くから空港にいって搭乗口近くで機嫌良く待ってたら、強風のためニューヨーク行きがキャンセルになってしまい、翌日の朝発の便(シカゴ経由AA便)に振り返られてしまった。 午前中は空港の中で書き物を少しして、午後は早々にホテルへ。ガイドブックを無くしてしまったので、空港のロビーのパネルにあるホテルの中から適当に探して泊まることにした。 雨だったこともあり、近所で遅い昼食と夕食分のサンドウィッチとビールを買って来て、部屋にこもった。  翌日は無事に帰れた。